営業組織再編の進め方|編成パターン比較と失敗しないポイント

著者: B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部公開日: 2026/1/910分で読めます

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営業組織を再編しても成果が出ない企業が見落としていること

営業組織再編は、自社の商材特性・顧客構造・成長フェーズに合った編成パターンを選び、インサイドセールス・マーケティングとの連携を設計し、SFA/CRMで可視化・運用できる体制まで整えることで成果につながります。これが本記事の結論です。

2024年度のCRM導入率は、従業員51〜5,000名の企業全体で37.2%(2023年度36.2%から+1.0pt)にとどまっています。つまり、6割強の企業がいまだCRM未導入(Excelや名刺管理、紙など)で営業活動を運用しているのが現状です。さらに、BtoB中小企業の新規開拓で「ほぼ手動で行っている」企業は全体の42.0%、紹介を主力とする企業では61.5%に達しています。

このような状況で営業組織の編成パターンだけを変更しても、データ基盤が整っていなければ属人的な営業スタイルから脱却することは困難です。

この記事で分かること

  • 営業組織の主要な編成パターン(テリトリー型・The Model型・ハイブリッド型)の特徴
  • 自社に合った編成パターンの選び方と比較表
  • 営業組織再編の進め方と失敗しないためのポイント
  • インサイドセールス・マーケティングとの連携設計
  • 営業組織再編の実行前チェックリスト

営業組織の編成パターンと特徴|テリトリー型・The Model型・ハイブリッド型

営業組織の編成パターンは大きく分けて、テリトリー型、The Model型(プロセス分業型)、ハイブリッド型の3つがあります。自社の商材特性や顧客構造に応じて適切なパターンを選択することが重要です。

テリトリー型組織とは、地域(エリア)や担当企業群を営業1人またはチームに割り当てる編成パターンです。顧客との長期的な信頼関係を築きやすい一方、属人化しやすいという特徴があります。

The Model型(プロセス分業型) とは、マーケティング→インサイドセールス→フィールドセールス→カスタマーサクセスの4部門に分けた分業型営業プロセスです。SaaS企業を中心に普及しています。

インサイドセールスとは、電話・メール・オンライン商談で見込み顧客にアプローチし、商談創出を担当する営業職です。フィールドセールスへのパス役を担います。

BtoB中小企業(従業員300名以下)の新規開拓手法では「既存顧客や知人からの紹介」が60.7%で最多となっています。また、「最も商談創出につながっている手法」として「紹介」が52.0%で突出しており、他の手法はいずれも12%以下という調査結果もあります。

「紹介営業は古い」という誤解がありますが、実際には商談創出の主力として高い効果を発揮しています。重要なのは、紹介営業を活かしつつ、CRM導入でデータ基盤を整備し、デジタル化を進めるハイブリッドなアプローチです。

The Model型は大企業やSaaS企業だけのものという誤解もありますが、中小企業でも部分的に分業を導入する段階的アプローチが可能です。

自社に合った編成パターンの選び方

編成パターンの選択は、商材特性・顧客構造・成長フェーズから判断します。

商材の複雑さによって最適な編成は変わります。高額で長期検討が必要な商材では、顧客との関係構築を重視するテリトリー型やハイブリッド型が適しています。一方、比較的低単価で即決型の商材では、効率を重視したThe Model型が向いています。

顧客構造も重要な判断基準です。新規開拓を重視する場合はインサイドセールスを強化したThe Model型が有効です。既存顧客からの紹介や継続取引が主体の場合は、テリトリー型をベースにしつつ、データ管理を強化するアプローチが現実的です。

成長フェーズによっても最適解は異なります。スタートアップ期は少人数で兼務する形が多く、成長期にはThe Model型への移行を検討するケースが増えます。成熟期は既存の組織を維持しつつ、部分的な分業を導入することが多いです。

営業組織編成パターンの比較と選定基準

営業組織の編成パターンを比較表で整理します。自社の状況に照らし合わせて、最適なパターンを選定してください。

カスタマーサクセスとは、契約後の顧客に対し、継続利用・アップセル・解約防止を担当する部門です。サブスクリプションビジネスで特に重要視されています。

【比較表】営業組織編成パターン比較表

編成パターン 特徴 メリット デメリット 向いている企業
テリトリー型 地域・顧客群を担当者に割り当て 顧客との深い関係構築、責任の明確化 属人化しやすい、担当者不在時のリスク 既存顧客重視、高額商材、地域密着型
The Model型 マーケ→IS→FS→CSの4分業 効率的なリード処理、各工程の専門化 部門間連携の設計が必要、導入コスト SaaS、新規開拓重視、成長フェーズ
ハイブリッド型 テリトリー型+部分的分業 既存の強みを活かしつつ効率化 役割分担の設計が複雑 紹介営業主体、段階的に移行したい

選定にあたっては、現状の営業スタイルを急激に変えるのではなく、段階的に移行することも選択肢です。まずインサイドセールス機能を小規模に立ち上げ、成果を見ながら拡大していく企業も多いです。

営業組織再編の進め方と失敗しないためのポイント

営業組織再編を成功させるには、編成パターンの変更だけでなく、部門間連携の設計、SFA/CRMの導入、現場への定着支援まで一体で進めることが重要です。

営業組織の編成パターンを変更するだけで、インサイドセールスやマーケティングとの連携設計、SFA/CRMでのデータ管理、現場への定着支援を後回しにした結果、組織変更後も属人的な営業スタイルが変わらないというのは典型的な失敗パターンです。

2025年のBtoBマーケティングの課題1位は「人手不足・体制が整っていない」で34.3%を占めています。人的リソースが限られる中で、仕組み化・効率化を意識した組織設計が求められています。

また、BtoB企業の約7割が4名以上のチーム体制で営業活動を行っているという調査結果があります。「スーパー営業マン個人頼み」から「チーム戦」へのシフトが進んでいることが読み取れます。

営業組織再編の基本的な進め方は以下の通りです。

  1. 現状分析: 現在の営業プロセス、データ管理状況、課題の洗い出し
  2. 編成パターン選定: 商材特性・顧客構造・成長フェーズから最適なパターンを選択
  3. 連携設計: インサイドセールス・マーケティングとの役割分担、引き渡しルールを策定
  4. SFA/CRM導入: データ基盤の整備、入力ルールの策定
  5. 定着支援: 運用ルールの徹底、定期的な振り返りと改善

インサイドセールス・マーケティングとの連携設計

営業組織再編において、インサイドセールス・マーケティングとの連携設計は成否を分ける重要なポイントです。

連携設計で決めておくべき項目は以下の通りです。

  • MQL/SQLの定義: マーケティング部門からインサイドセールスに引き渡す基準(MQL)と、フィールドセールスに引き渡す基準(SQL)を明確化
  • 引き渡しルール: リードの引き渡しタイミング、必須情報、対応期限を定める
  • 情報共有方法: SFA/CRMでの記録ルール、定例ミーティングの頻度と内容を決める

マーケティング組織の体制・スキルも前提条件として考慮する必要があります。マーケティング側に十分なリソースがない場合、営業組織側だけを再編しても連携がうまく機能しないことがあります。

営業組織再編の実行前チェックリスト

営業組織再編を実行する前に、以下のチェックリストで準備状況を確認してください。抜け漏れがあると、再編後に想定外の課題が発生するリスクがあります。

BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング) とは、企業の業務プロセスの一部を外部に委託することです。営業ではリスト作成、アポイント獲得などが対象となります。

日本のBPO市場規模は2024年度に5兆786億円で前年度比4.0%増と拡大傾向にあります。人手不足が課題の場合、自前で全て抱えずにBPOを活用する組織設計も選択肢として検討する価値があります。

【チェックリスト】営業組織再編チェックリスト

  • 現状の営業プロセスを可視化・文書化している
  • 営業活動のデータ管理状況(Excel/名刺管理/CRMなど)を把握している
  • 現在の課題(属人化、リード不足、商談化率など)を明確にしている
  • 商材特性・顧客構造・成長フェーズを踏まえた編成パターンを選定している
  • インサイドセールス機能の導入有無を検討している
  • マーケティング部門の体制・スキルを把握している
  • MQL/SQLの定義案を策定している
  • 部門間の引き渡しルールを設計している
  • SFA/CRM導入の要否を検討している
  • データ入力ルールを策定している
  • 人員配置・採用計画を立てている
  • BPO活用の要否を検討している
  • 再編後の定着支援体制を設計している
  • 運用ルールの周知方法を決めている
  • 定期的な振り返り・改善の仕組みを設計している

まとめ|営業組織再編は編成パターン選定から運用定着まで一体で進める

本記事では、営業組織再編の進め方について、編成パターンの種類と選び方、再編の進め方、チェックリストを解説しました。

ポイントのまとめ

  • 営業組織の編成パターンは、テリトリー型・The Model型・ハイブリッド型の3つが主流
  • 紹介営業は商談創出の52%を占める有効な手法。紹介を活かしつつデジタル化を進めるハイブリッドが有効
  • 編成パターン変更だけでなく、部門間連携設計、SFA/CRM導入、定着支援まで一体で進めることが成功の鍵
  • CRM導入率は37.2%にとどまり、6割強が未導入。データ基盤整備が重要な課題
  • 人手不足が課題の場合、BPO活用も選択肢

営業組織再編は、自社の商材特性・顧客構造・成長フェーズに合った編成パターンを選び、インサイドセールス・マーケティングとの連携を設計し、SFA/CRMで可視化・運用できる体制まで整えることで成果につながります。

本記事の比較表とチェックリストを活用して、自社に合った再編計画を立ててみてください。

「記事は出してるのに商談につながらない」を解決する。
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よくある質問

Q1営業組織再編にはどのくらいの期間がかかりますか?

A1企業規模や再編の範囲により大きく異なります。編成パターンの決定から定着まで、一般的には半年から1年程度を見込む企業が多いですが、段階的に進めることも可能です。まずインサイドセールス機能を小規模に立ち上げ、成果を見ながら拡大していくアプローチが現実的です。

Q2中小企業でもThe Model型の営業組織は導入できますか?

A2中小企業でも部分的に分業を導入する段階的アプローチが可能です。まずインサイドセールス機能を1〜2名で立ち上げ、成果を見ながら拡大するケースが多いです。大企業やSaaS企業だけのものという誤解がありますが、自社の状況に合わせた導入が可能です。

Q3営業組織再編でCRM導入は必須ですか?

A3必須ではありませんが、CRM導入により顧客情報の一元管理、活動の可視化、部門間連携が容易になります。現状、CRM導入率は従業員51〜5,000名の企業全体で37.2%であり、6割強の企業がCRM未導入で運用しています。データ基盤を整備することで、属人化からの脱却がしやすくなります。

Q4紹介営業中心の組織でも再編は必要ですか?

A4紹介営業は商談創出の52%を占める有効な手法です。ただし、紹介依存企業の61.5%が手動営業で属人化リスクがあります。紹介営業の強みを活かしつつ、CRM導入でデータ基盤を整備し、段階的にデジタル化を進めるハイブリッドなアプローチが有効です。

Q5営業組織再編で外部委託(BPO)は活用すべきですか?

A5人手不足が課題の場合、アポイント獲得代行などのBPO活用も選択肢です。日本のBPO市場規模は2024年度に5兆786億円で前年度比4.0%増と拡大傾向にあります。自前で全て抱えない組織設計も有効な選択肢として検討してみてください。

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B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部

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