営業指標管理の基本|KPI設計からSFA実装・運用まで解説

著者: B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部公開日: 2026/1/810分で読めます

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営業指標管理が成果に繋がらない理由

ずばり、営業指標管理で成果を出すには、KPI設計だけでなくSFA/CRMへの実装と運用定着まで一気通貫で完結させる体制が不可欠です。

多くの企業がKPIを設計しますが、実際にそれを成果につなげられているケースは限られています。2025年の調査によると、BtoB中小企業で新規開拓のKPIを明確に設定していない企業が39.0%にのぼります。さらに、新規顧客開拓を「かなり重要」または「やや重要」と答えた企業は約70%にもかかわらず、目標達成率は約41.2%に留まっているのが実態です。

このギャップは、KPIの設計だけで満足し、SFA/CRMへの実装や運用定着まで踏み込んでいないケースが多いことを示唆しています。

この記事で分かること

  • KGI・KPI・KSFなど営業指標管理の基本用語と関係性
  • 営業フェーズ別の代表的なKPI指標の種類と選び方
  • KGIから逆算してKPIを設計する基本ステップ
  • SFA/CRMを活用した指標管理の実装・運用定着のポイント

営業指標管理の基本用語|KGI・KPI・KSFの関係

営業指標管理を適切に行うためには、まず基本用語を理解することが重要です。KGI・KPI・KSFの関係を整理することで、指標設計の全体像が見えてきます。

KGI(Key Goal Indicator) とは、企業・部門の最終的な成果目標を表す指標です。例えば、年間売上10億円、新規顧客20社獲得などが該当します。

KPI(Key Performance Indicator) とは、KGI達成に向けたプロセスや中間成果を測る指標です。月間商談数や成約率などが代表的な例です。

KSF(Key Success Factor) とは、KGI達成のための成功要因を指します。新規顧客獲得、既存顧客維持、単価向上などに分解されます。

KPIツリーとは、KGIからKPIまでを階層的に分解し、指標間の関係を構造化したものです。これにより、どの指標がどのように最終目標に影響するかを可視化できます。

KGIとKPIの違い

KGIは「最終的な成果」を測る指標であり、KPIは「プロセス」を測る指標です。

例えば、年間売上5億円というKGIを達成するために、月間商談数、受注率、平均受注単価といったKPIを設定します。KPIを改善することで、最終的にKGIの達成につながるという構造です。

KSFとKPIツリーの考え方

KGIを達成するためには、まずKSF(成功要因)を特定し、それを測定可能なKPIに落とし込むことが必要です。

例えば、売上向上というKGIに対して、KSFとして「新規顧客の獲得」「既存顧客の維持・拡大」「単価向上」を設定し、それぞれに対応するKPI(新規商談数、継続率、アップセル率など)を定義します。このKGI→KSF→KPIの流れをツリー構造で可視化することで、組織全体で共通の指標を持つことができます。

代表的な営業指標の種類と選び方

営業指標は、営業プロセスの各フェーズに応じて適切なものを選ぶ必要があります。2025年の調査によると、マーケティング施策の投資対効果において「受注金額」まで追っている企業は全体の30.2%に留まっています。リード数や商談数だけでなく、受注金額やLTV(顧客生涯価値)まで一気通貫で追跡することが成果につながります。

【比較表】営業フェーズ別KPI指標対応表

フェーズ 代表的なKPI 計算式・定義
リード獲得 リード数 期間内に獲得した見込み顧客数
リード獲得 資料請求数 資料ダウンロード・請求件数
リード獲得 セミナー申込数 セミナー・ウェビナーへの申込件数
アポ獲得 アポ獲得数 商談設定に至った件数
アポ獲得 アポ獲得率 アポ獲得数 ÷ 接触リード数 × 100
商談 商談数 実施した商談件数
商談 商談化率 商談数 ÷ アポ獲得数 × 100
受注 受注件数 成約に至った件数
受注 受注率 受注件数 ÷ 商談数 × 100
受注 平均受注単価 受注金額合計 ÷ 受注件数
継続・拡大 継続率 契約更新件数 ÷ 更新対象件数 × 100
継続・拡大 NRR(売上維持率) 既存顧客からの収益維持・拡大率
継続・拡大 LTV 顧客生涯価値(平均単価 × 平均継続期間)

商談前のプロセス指標

商談に至る前のプロセスでは、リード獲得とアポ獲得に関する指標を設定します。

代表的な指標として、リード数、資料請求数、セミナー申込数、アポ獲得数などがあります。これらの指標を計測することで、商談の「入口」となるパイプラインの状況を把握できます。

商談から受注までの成果指標

商談フェーズ以降では、商談化率、受注率、平均受注単価などを指標として設定します。

さらに、受注後の継続・拡大フェーズでは、継続率やNRR(Net Revenue Retention:売上維持率)、LTV(顧客生涯価値)を追跡することが重要です。NRR(Net Revenue Retention) とは、既存顧客からの収益がどれだけ維持・拡大されたかを示す指標で、近年はMQLや商談数といった従来指標から、NRR・LTV重視へ転換する動きが見られます。

営業KPI設計の基本ステップ

KPI設計は、KGIから逆算して行うのが基本です。2025年の調査では、紹介を主力とする企業でKPIが明確に設定されていない割合が59.0%に上昇しており、能動的なKPI設計の重要性が増しています。

KGIから逆算してKPIを設計する

KPI設計は、まずKGI(最終目標)を明確にし、それを達成するために必要な活動量を逆算して算出します。

(例)年間売上1億円を目標とした場合のシミュレーション

  • KGI:年間売上1億円
  • 平均受注単価:500万円 → 必要受注件数:20件
  • 受注率を25%と仮定 → 必要商談数:80件
  • 商談化率を50%と仮定 → 必要アポ数:160件

※実際の数値は業種・単価・営業スタイルにより大きく変動します。自社の過去実績をベースに設定してください。

上記のように、KGIから逆算することで、必要なアポ数や商談数といったKPIが具体的に見えてきます。

SMART原則でKPIを点検する

設計したKPIは、SMART原則で妥当性を点検することが推奨されます。SMART原則とは、KPI設計時の点検基準で、以下の観点で確認します。

  • Specific(具体的): 何を測るか明確か
  • Measurable(測定可能): 数値で計測できるか
  • Achievable(達成可能): 現実的に達成可能な水準か
  • Relevant(関連性): KGI達成に関連しているか
  • Time-bound(期限付き): いつまでに達成するか明確か

この観点でKPIを点検し、曖昧な指標や測定困難な指標を見直すことで、実効性のあるKPI体系を構築できます。

SFA/CRMを活用した指標管理の実装と運用定着

KPIを設計しただけで満足し、SFA/CRMの設定・運用定着まで踏み込まないケースでは、数値管理が形骸化してしまいます。これはよくある失敗パターンであり、戦略と実装を別々に進めると意図が伝わらず、せっかく設計したKPIが活用されないまま終わってしまいます。

BtoB中小企業の39.0%がKPIを明確に設定していないという実態は、設計以前の問題も示していますが、設計後の実装・運用定着まで一貫して取り組むことが成果への鍵です。

【チェックリスト】営業指標管理の実装完了度チェックリスト

  • KGI(最終目標)が数値で明確に定義されている
  • KSF(成功要因)がKGIに対して分解されている
  • KPIがSMART原則で点検済みである
  • KPIツリーがドキュメント化されている
  • SFA/CRMにKPIの入力項目が設定されている
  • 各KPIの計算式・定義がSFA/CRM上で実装されている
  • ダッシュボードでKPIがリアルタイムに可視化されている
  • ダッシュボードの閲覧権限が適切に設定されている
  • 日次・週次・月次の確認サイクルが決まっている
  • 定例の振り返りミーティングがカレンダーに登録されている
  • KPI未達時のアクションプランが決まっている
  • マーケ部門と営業部門で共通のKPI定義が共有されている
  • リード定義(MQL/SQL)が部門間で合意されている
  • KPIの見直しサイクル(四半期ごと等)が決まっている
  • 運用責任者が明確にアサインされている

ダッシュボード設計と可視化のポイント

KPIをダッシュボードで可視化する際は、「誰が」「何を」「どの頻度で」見るかを設計時に決めることが重要です。

営業担当者向けには日次で確認する行動指標(架電数・アポ数など)、マネージャー向けには週次で確認する成果指標(商談数・受注率など)、経営層向けには月次で確認する最終成果(売上・パイプライン額など)というように、役割に応じた粒度で設計します。

運用定着のためのPDCAサイクル

KPI管理を定着させるためには、定期的な振り返りと改善サイクルを回すことが欠かせません。

週次ミーティングではKPIの進捗確認とボトルネックの特定、月次ミーティングではKPI達成状況の振り返りと翌月のアクションプラン策定、四半期ごとにはKPI自体の見直しを行うといったサイクルを設計します。

このようなPDCAサイクルを回すことで、KPIが形骸化せず、継続的な改善につながります。

まとめ|営業指標管理は設計から実装・運用まで一貫して完結させる

本記事では、営業指標管理の基本用語から、代表的なKPIの種類、設計ステップ、SFA/CRMを活用した実装・運用定着のポイントまでを解説しました。

ポイントの整理

  • KGI・KPI・KSFの関係を理解し、KPIツリーで構造化する
  • 営業フェーズ別に適切なKPIを選び、受注金額・LTVまで追跡する
  • KGIから逆算してKPIを設計し、SMART原則で点検する
  • SFA/CRMへの実装とダッシュボード設計で可視化する
  • 定例の振り返りミーティングでPDCAサイクルを回す

2025年の調査では、新規開拓を重要と認識している企業は約70%にもかかわらず、目標達成率は41.2%に留まっています。この課題を解決するためには、KPI設計だけで終わらせず、SFA/CRMへの実装と運用定着まで一気通貫で完結させる体制が不可欠です。

自社だけでの対応が難しい場合は、設計から実装・運用まで一貫して支援できる専門家への相談も選択肢の一つです。

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よくある質問

Q1営業KPIを設定していない企業はどのくらいありますか?

A12025年の調査によると、BtoB中小企業で新規開拓のKPIを明確に設定していない企業が39.0%です。紹介を主力とする企業ではさらに高く、59.0%がKPI未設定という結果が出ています。

Q2営業KPIを設定しても目標達成できないのはなぜですか?

A2新規開拓を重要と認識している企業は約70%ですが、目標達成率は41.2%に留まっています。KPI設計だけで満足し、SFA/CRMへの実装や運用定着まで踏み込んでいないケースが多いためと考えられます。設計から実装・運用まで一気通貫で取り組むことが成果への鍵です。

Q3営業KPIはどこまで追跡すべきですか?

A3マーケティング施策の投資対効果において「受注金額」まで追っている企業は30.2%に留まっています。リード数・商談数だけでなく、受注金額・LTV(顧客生涯価値)まで一気通貫で追跡することが成果につながります。

Q4営業KPIの業界平均値はありますか?

A4KPI/KGIに関する公的統計は存在せず、受注率・商談化率の「業界平均」も存在しません。業種・単価・営業スタイルで大きく変動するため、自社の過去実績から平均値を算出し、それをベースに改善幅を設定することが推奨されます。

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B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部

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