ステップメールシナリオ設計|MA/SFA実装・運用まで解説

著者: B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部公開日: 2026/1/1020分で読めます

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ステップメールのシナリオ設計で失敗する企業に共通する課題

意外かもしれませんが、ステップメールのシナリオ設計は、配信計画を立てるだけでなく、MA/SFAの実装設定とマーケ・営業の運用ルールを同時に設計することで、初めて成果につながります。

この記事で分かること

  • ステップメールのシナリオ設計の基本手順と、失敗を避けるためのポイント
  • 資料DL・セミナー・問合せ後などシナリオ別の配信スケジュール設計方法
  • MA/SFA実装設定とマーケ・営業の運用ルールを同時に設計する方法

ステップメールとは、顧客の特定アクション(メルマガ登録や資料請求など)を起点に、固定スケジュールで一連のメールを自動順次配信する手法です。BtoB企業のマーケティング担当者の中には、「シナリオを設計したいが何から手を付ければよいか分からない」「MAツールは導入済みだが、シナリオ設定が不十分で活用できていない」といった課題を抱えている方も多いのではないでしょうか。

ステップメールのシナリオ設計で失敗する企業には、共通する課題があります。それは、理想的なシナリオを設計しても、MA/SFAの実装設定やデータ連携、部門間の運用ルールを後回しにすることで、「設計したが動かせない」「現場が使わない」という状況に陥ってしまうことです。シナリオ設計だけでなく、MA/SFAでの実装設定やマーケティングと営業の運用ルールを同時に設計することが、成果を出すための鍵となります。

ステップメールとは?シナリオメール・メルマガとの違い

ステップメールとシナリオメール、メルマガは、いずれもメールマーケティングの手法ですが、配信の仕組みと目的が異なります。

ステップメールとは、顧客の特定アクション(メルマガ登録や資料請求など)を起点に、固定スケジュールで一連のメールを自動順次配信する手法です。たとえば、資料をダウンロードした顧客に対して、1通目は即時にサンクスメールを配信し、3日後に2通目、7日後に3通目というように、あらかじめ決められたスケジュールで配信します。

一方、シナリオメールとは、顧客の行動(開封・クリック・ページ閲覧など)を条件に分岐し、動的にメール内容やタイミングを変更するメール配信手法です。たとえば、2通目のメールを開封した顧客には事例紹介メールを送り、開封しなかった顧客には課題提起メールを送るといった分岐ができます。ステップメールが固定スケジュールであるのに対し、シナリオメールは顧客の行動に応じて柔軟に変化するのが特徴です。

ステップメールとシナリオメールを同じものと誤解するケースが多いですが、ステップメールは固定スケジュール、シナリオメールは行動分岐が特徴である点を理解しておくことが重要です。

メルマガ(メールマガジン)は、登録者全員に対して同じ内容を一斉配信する手法です。ステップメールやシナリオメールが個別の顧客の行動に応じた配信を行うのに対し、メルマガは全体に向けた情報発信を目的としています。BtoB企業のメルマガ配信頻度は、ステップメールと併用する場合、週1〜2回が一般的と言われています。ステップメールは初期育成(登録後固定3-5通)に適しており、メルマガと併用することで関係構築が進むと言われています。

また、リードナーチャリングとは、獲得したリード(見込み顧客)を段階的に育成し、商談化・受注につなげるマーケティングプロセスのことを指します。ステップメールやシナリオメールは、このリードナーチャリングを実現するための有効な手段となります。MA(マーケティングオートメーション) は、マーケティング活動を自動化・効率化し、リード獲得から育成までを支援するツール・システムです。MAツールを活用することで、ステップメールやシナリオメールの配信を自動化し、効率的にリードナーチャリングを進めることができます。

ステップメールのシナリオ設計手順

ステップメールのシナリオ設計は、配信計画を立てるだけでなく、最終的なゴール達成までの道筋を計画的に設計した筋書きを作ることが求められます。ステップメールのシナリオとは、顧客の特定アクションを起点として、最終的なゴール達成までの道筋を計画的に設計した筋書きのことです。シナリオ設計の基本手順は、ゴール設定、カスタマージャーニー分析、ターゲット設定、配信内容決定、配信タイミング設計の5つのステップで構成されます。

ステップメールの配信回数は、1シナリオあたり3〜5通が基本設計の相場となっています。配信しすぎると離脱リスクが高まるため、顧客のゴールまでの道筋を考えて必要最低限の通数に絞ることが推奨されます。

ゴール設定とカスタマージャーニー分析

シナリオ設計の出発点は、最終的に何を達成したいか(ゴール設定)と、顧客がどのプロセスを経て購買に至るか(カスタマージャーニー分析)を明確にすることです。

ゴール設定の具体例としては、資料DL後のアポ獲得、セミナー後の商談化、問合せ後の受注などが挙げられます。ゴールを明確にすることで、どのような配信内容やタイミングが必要かを逆算して設計できるようになります。

カスタマージャーニーとは、顧客が認知から購買に至るまでのプロセスを可視化したマップで、各段階での顧客の思考・行動・感情を整理するものです。カスタマージャーニーを可視化する方法としては、認知→興味→比較検討→決定の各段階で、顧客がどのような情報を求め、どのような行動を取り、どのような感情を抱くかを整理することが有効です。たとえば、認知段階では「課題を認識していない」「情報収集を始めたばかり」という状態であり、この段階では課題提起や基礎知識の提供が求められます。一方、比較検討段階では「複数のサービスを比較している」「具体的な導入イメージを持ちたい」という状態であり、事例紹介や他社との違いを明示する内容が求められます。

ターゲット設定と配信セグメント設計

誰にどのシナリオを配信するかのターゲット設定は、シナリオの効果を左右する重要な要素です。

ターゲット設定の軸としては、業種(HR Tech、SaaS、IT業界など)、企業規模(従業員数50-300名など)、役職(マーケティング部長、IS責任者など)、課題認識度(課題を認識しているか、解決策を探しているか)などが挙げられます。同じ資料をダウンロードした顧客でも、企業規模や課題認識度によって求める情報は異なるため、セグメント別にシナリオを設計することが効果的です。

セグメント別シナリオ例としては、大企業向けには導入事例や実績を重視した内容を配信し、中小企業向けにはコストパフォーマンスや導入の手軽さを強調した内容を配信するといった使い分けが考えられます。また、課題認識層(すでに課題を認識しており解決策を探している顧客)には具体的なソリューション紹介を中心に配信し、情報収集層(まだ課題を明確に認識していない顧客)には課題提起や基礎知識の提供を中心に配信するといった設計も有効です。

配信内容とタイミング設計

各配信で何を伝えるか、何日目に配信するかの設計は、シナリオの成否を決める重要な要素です。

配信内容の基本パターンとしては、1通目にサンクスメール、2通目に課題提起、3通目に解決策紹介、4通目に事例紹介、5通目にCTA(Call to Action:行動喚起)を配置することが一般的です。ステップメールの配信回数は、1シナリオあたり3〜5通が基本設計の相場となっているため、この範囲内で顧客のゴールまでの道筋を設計することが推奨されます。

配信間隔の目安としては、初回配信は即時、2通目は3日後、3通目は7日後、4通目は14日後といったスケジュールが挙げられます。ただし、業種や企業規模、顧客の課題認識度によって最適な配信間隔は異なるため、配信後の開封率やクリック率を分析しながら調整することが重要です。

シナリオ例・テンプレート(資料DL・セミナー・問合せ別)

ステップメールのシナリオは、顧客の起点アクション(資料DL、セミナー参加、問合せなど)によって配信内容やタイミングが異なります。ここでは、資料DL後、セミナー参加後、問合せ後の3つの典型的なシナリオ例とテンプレートを提示します。

ステップメールのシナリオ活用で商談化率が8倍に向上した事例があります(Shanon参考事例、2023年頃推定)。ただし、これはMAプラットフォームベンダーの自社事例であり、BtoBセミナー参加者向けサンクスメール→クリック分岐で購買育成した事例であるため、第三者検証はされていません。全企業で同様の成果を保証するものではありませんが、適切なシナリオ設計と実装・運用によって成果につながる可能性があることを示しています。

【管理シート】シナリオ別配信スケジュール設計シート

シナリオ種別,配信順,配信タイミング,件名例,配信内容の目的,主要CTA,備考
資料DL後,1通目,即時,【資料送付】〇〇資料のダウンロードありがとうございます,サンクス+資料送付,資料確認,ダウンロードリンク再送
資料DL後,2通目,3日後,【課題解決のヒント】〇〇でお困りではありませんか?,課題深掘り,関連記事閲覧,ペルソナの課題に沿った内容
資料DL後,3通目,7日後,【導入事例】〇〇社の成功事例をご紹介,事例紹介で信頼獲得,事例ページ閲覧,同業種・同規模の事例を優先
資料DL後,4通目,14日後,【無料相談】専門家が課題解決をサポートします,無料相談CTA,問合せフォーム,個別対応の価値を訴求
セミナー後,1通目,即時,【資料共有】本日はセミナーにご参加いただきありがとうございました,サンクス+資料共有,資料ダウンロード,セミナー資料・録画リンク送付
セミナー後,2通目,3日後,【Q&A補足】セミナーでいただいた質問への回答,Q&A補足で理解促進,FAQ記事閲覧,セミナーで出た質問を整理
セミナー後,3通目,7日後,【次回セミナー】〇〇をテーマに開催します,次回セミナー案内,セミナー申込,継続的な接点構築
セミナー後,4通目,14日後,【個別相談】具体的な課題をお聞かせください,個別相談CTA,問合せフォーム,セミナー内容を踏まえた提案
問合せ後,1通目,即時,【受付完了】お問い合わせありがとうございます,受付確認,なし,担当者から連絡する旨を明記
問合せ後,2通目,1日後,【担当者紹介】〇〇が対応させていただきます,担当者紹介で安心感,なし,担当者の経歴・実績を紹介
問合せ後,3通目,3日後,【ヒアリング事項】事前に共有させてください,ヒアリング事項共有,フォーム回答,商談前の情報収集を効率化
問合せ後,4通目,7日後,【提案資料】御社向けのご提案を送付いたします,提案資料送付,資料確認,個別カスタマイズした提案

計算列の定義:

  • 配信タイミング: 起点アクション(資料DL、セミナー参加、問合せ)からの経過日数
  • 主要CTA: 各配信で顧客に促したい行動(クリック先、フォーム送信など)

資料ダウンロード後シナリオ

資料DL後シナリオは、資料をダウンロードした顧客を段階的に育成し、最終的に無料相談やアポ獲得につなげることを目的とします。

資料DL後シナリオの配信スケジュール例は、1通目を即時、2通目を3日後、3通目を7日後、4通目を14日後に配信する設計が一般的です。

各配信の内容例としては、以下のような構成が考えられます。

1通目(即時): サンクスメール+資料送付。ダウンロードへの感謝を伝えるとともに、資料のダウンロードリンクを再送します。資料を確実に受け取ってもらうことが目的です。

2通目(3日後): 課題深掘り。ペルソナの課題に沿った内容で、「〇〇でお困りではありませんか?」といった課題提起を行い、関連記事や事例への導線を設けます。顧客の課題認識を深めることが目的です。

3通目(7日後): 事例紹介。同業種・同規模の導入事例を紹介し、具体的な成果や導入プロセスを示すことで信頼獲得を図ります。顧客が「自社でも実現できそうだ」とイメージできるようにすることが目的です。

4通目(14日後): 無料相談CTA。専門家が課題解決をサポートすることを訴求し、問合せフォームへの導線を設けます。個別対応の価値を明示し、次のステップ(商談化)につなげることが目的です。

セミナー参加後シナリオ

セミナー参加後シナリオは、セミナーに参加した顧客の理解を深め、継続的な接点を構築し、最終的に個別相談や商談化につなげることを目的とします。

セミナー参加後シナリオの配信スケジュール例は、資料DL後と同様に、1通目を即時、2通目を3日後、3通目を7日後、4通目を14日後に配信する設計が一般的です。

各配信の内容例としては、以下のような構成が考えられます。

1通目(即時): サンクスメール+資料共有。セミナー参加への感謝を伝えるとともに、セミナー資料や録画リンクを送付します。参加者が復習できるようにすることが目的です。

2通目(3日後): Q&A補足。セミナーで出た質問への回答や、補足説明を提供します。参加者の理解を深め、疑問を解消することが目的です。

3通目(7日後): 次回セミナー案内。次回セミナーのテーマや開催日時を案内し、継続的な接点を構築します。関係構築を進めることが目的です。

4通目(14日後): 個別相談CTA。セミナー内容を踏まえた個別相談を提案し、具体的な課題をヒアリングする機会を設けます。商談化につなげることが目的です。

問い合わせ後シナリオ

問合せ後シナリオは、問合せをした顧客に対して迅速かつ丁寧に対応し、商談化や受注につなげることを目的とします。

問合せ後シナリオの配信スケジュール例は、1通目を即時、2通目を1日後、3通目を3日後、4通目を7日後に配信する設計が一般的です。問合せ後は顧客の関心が高い状態であるため、資料DL後やセミナー後よりも配信間隔を短く設定することが推奨されます。

各配信の内容例としては、以下のような構成が考えられます。

1通目(即時): 受付確認メール。問合せを受け付けたことを伝え、担当者から連絡する旨を明記します。顧客に安心感を与えることが目的です。

2通目(1日後): 担当者紹介。対応する担当者の経歴や実績を紹介し、信頼感を醸成します。顧客が「この人なら安心できる」と感じられるようにすることが目的です。

3通目(3日後): ヒアリング事項共有。商談前に確認したい事項をフォームで共有し、事前に情報収集を行います。商談の質を高めることが目的です。

4通目(7日後): 提案資料送付。個別カスタマイズした提案資料を送付し、具体的な解決策を示します。受注につなげることが目的です。

MA/SFA実装と運用定着のための設計

ステップメールのシナリオ設計は、配信計画を立てるだけでは成果につながりません。MA/SFAの実装設定とマーケティング・営業の運用ルールを同時に設計することが、成果を出すための鍵となります。

MA/SFA連携では、週1メルマガ配信→インサイドセールス架電→営業引き継ぎの流れが効果的と言われています。リアルタイムデータ共有(Salesforceなど)が必須であり、マーケティング部門と営業部門が同じ情報を見ながら連携することで、リードナーチャリングの効率と成果が向上すると言われています。

理想的なシナリオを設計しても、MA/SFAの実装設定やデータ連携、部門間の運用ルールを後回しにすると「設計したが動かせない」失敗に陥ることが指摘されています。シナリオ設計と並行して、MA/SFAの実装設定やマーケティング・営業の運用ルールを設計することが重要です。

【チェックリスト】ステップメールシナリオ設計チェックリスト(設計・実装・運用の3軸)

  • ゴール設定:最終的に何を達成したいか(アポ獲得、商談化、受注など)を明確にした
  • カスタマージャーニー分析:認知→興味→比較検討→決定の各段階で顧客の思考・行動・感情を整理した
  • ターゲット設定:業種・企業規模・役職・課題認識度などの軸でターゲットを明確にした
  • セグメント設計:ターゲット別にシナリオを分けるべきかを検討し、必要に応じてセグメント別シナリオを設計した
  • 配信回数決定:1シナリオあたり3〜5通の範囲で、ゴール達成に必要な配信回数を決定した
  • 配信内容設計:各配信で何を伝えるか(サンクス、課題提起、解決策紹介、事例紹介、CTAなど)を決定した
  • 配信タイミング設計:初回配信のタイミング(即時など)と、2通目以降の配信間隔(3日後、7日後など)を決定した
  • CTA設計:各配信で顧客に促したい行動(資料確認、記事閲覧、問合せフォーム送信など)を明確にした
  • MAツール設定:トリガー設定(資料DL、セミナー参加、問合せなど)を完了した
  • MAツール設定:配信条件(セグメント条件、除外条件など)を設定した
  • MAツール設定:配信間隔(即時、3日後、7日後など)を設定した
  • トラッキング設定:開封・クリック・ページ閲覧データの取得設定を完了した
  • SFA連携設定:リードステータス同期(ステップメール配信中、開封あり、クリックありなど)を設定した
  • SFA連携設定:行動履歴共有(配信履歴、開封履歴、クリック履歴など)を設定した
  • データ連携確認:MAとSFAのデータがリアルタイムで同期されることを確認した
  • 引き渡し基準の合意:どのスコア・行動で営業に引き渡すかをマーケティングと営業で合意した
  • 対応タイミングの合意:営業はいつまでにコンタクトするか(引き渡し後24時間以内など)を合意した
  • 情報共有方法の整備:定例ミーティング(週1回など)を設定した
  • 情報共有方法の整備:SFA上のコメント共有ルール(対応履歴の記載方法など)を整備した
  • 効果測定指標の設定:開封率、クリック率、商談化率、受注率などの指標を設定した
  • PDCAサイクルの設計:配信後の効果測定と改善のサイクル(月1回など)を設計した

MA/SFAの実装設定(データ連携・トラッキング)

MA/SFAの実装設定は、シナリオを実際に動かすための基盤となります。MA(マーケティングオートメーション) とは、マーケティング活動を自動化・効率化し、リード獲得から育成までを支援するツール・システムです。SFA(セールスフォースオートメーション) とは、営業活動を支援・自動化し、商談管理や顧客情報の一元管理を実現するツール・システムです。

MAツールでのシナリオ設定方法としては、トリガー設定(資料DL、セミナー参加、問合せなど、シナリオを開始する起点アクション)、配信条件(セグメント条件、除外条件など、誰に配信するか)、配信間隔(即時、3日後、7日後など、いつ配信するか)の3つを設定することが基本となります。トリガー設定を誤ると、意図しない顧客にシナリオが配信されてしまうため、慎重に設定することが重要です。

SFAとのデータ連携設定としては、リードステータス同期(ステップメール配信中、開封あり、クリックありなど、顧客の状態をSFAに反映)と、行動履歴共有(配信履歴、開封履歴、クリック履歴など、顧客の行動をSFAに記録)を設定することが推奨されます。これにより、営業担当者が顧客の状態や行動を把握した上でコンタクトできるようになり、商談の質が向上すると言われています。

トラッキング設定(開封・クリック・ページ閲覧データの取得)は、シナリオの効果測定と改善に欠かせません。開封率やクリック率を分析することで、どの配信内容やタイミングが効果的かを把握し、シナリオを最適化することができます。

マーケ・営業の運用ルール設計

マーケティング部門と営業部門の運用ルールを設計することは、シナリオを定着させ、成果を出すために不可欠です。

引き渡し基準の明確化は、マーケティングと営業の連携において最も重要な要素の一つです。どのスコア・行動で営業に引き渡すか(たとえば、ステップメール4通目をクリックした顧客、または合計スコアが50点を超えた顧客など)を事前に合意しておくことで、営業担当者が適切なタイミングでコンタクトできるようになります。引き渡し基準が曖昧だと、営業担当者が「まだ早い」と判断してコンタクトを先延ばしにしたり、逆に「もう遅い」と判断して機会を逃したりするリスクがあります。

対応タイミングの合意も重要です。営業はいつまでにコンタクトするか(引き渡し後24時間以内など)を合意しておくことで、顧客の関心が高い状態でコンタクトできるようになります。リードナーチャリングの効果を最大化するためには、マーケティングが育成したリードを、営業が適切なタイミングで引き継ぐことが重要です。

情報共有方法の整備としては、定例ミーティング(週1回など)を設定し、マーケティングと営業が進捗や課題を共有する場を設けることが推奨されます。また、SFA上のコメント共有ルール(対応履歴の記載方法など)を整備することで、営業担当者が顧客とどのようなやり取りをしたかをマーケティング部門も把握でき、次のシナリオ改善に活かすことができます。

ステップメールのシナリオ設計は実装・運用設計と一体で【まとめ】

ステップメールのシナリオ設計は、配信計画を立てるだけでなく、MA/SFAの実装設定とマーケ・営業の運用ルールを同時に設計することで、初めて成果につながります。

理想的なシナリオを設計しても、MA/SFAの実装設定やデータ連携、部門間の運用ルールを後回しにすることで、「設計したが動かせない」「現場が使わない」という失敗に陥ることは避けるべきです。シナリオ設計、MA/SFA実装設定、マーケ・営業の運用ルール設計の3つを同時に進めることが、成果を出すための鍵となります。

ステップメールのシナリオ活用で商談化率が8倍に向上した事例があります(Shanon参考事例、2023年頃推定)。ただし、これはMAプラットフォームベンダーの自社事例であり、第三者検証はされていません。全企業で同様の成果を保証するものではありませんが、適切な設計・実装・運用によって成果につながる可能性があることを示しています。

次のアクションとしては、本記事で提示したチェックリスト(設計・実装・運用の3軸)を活用し、自社のシナリオ設計を進めてください。また、シナリオ別配信スケジュール設計シート(資料DL・セミナー・問合せ別)を参考に、自社の顧客の起点アクションに応じたシナリオを設計してください。MA/SFA実装の開始にあたっては、マーケティング部門と営業部門が同じテーブルで運用ルールを設計することが、成功の第一歩となります。

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よくある質問

Q1ステップメールとシナリオメールの違いは何ですか?

A1ステップメールは顧客の特定アクション(メルマガ登録や資料請求など)を起点に、固定スケジュールで一連のメールを自動順次配信する手法です。一方、シナリオメールは顧客の行動(開封・クリック・ページ閲覧など)を条件に分岐し、動的にメール内容やタイミングを変更するメール配信手法です。ステップメールは固定スケジュール、シナリオメールは行動分岐が特徴となります。

Q2ステップメールの配信回数は何通が適切ですか?

A21シナリオあたり3〜5通が基本設計の相場となっています。資料DL後であれば、1通目はサンクスメール、2通目は課題深掘り、3通目は事例紹介、4通目は無料相談CTAという4通構成が典型例です。配信しすぎると離脱リスクが高まるため、顧客のゴールまでの道筋を考えて必要最低限の通数に絞ることが推奨されます。

Q3ステップメールとメルマガは併用すべきですか?

A3併用が推奨されます。ステップメールは初期育成(登録後固定3-5通)に適しており、メルマガと併用することで関係構築が進むと言われています。BtoB企業のメルマガ配信頻度は、ステップメールと併用する場合、週1〜2回が一般的です。ステップメールで基本情報を提供し、メルマガで最新情報・事例を継続的に届けるという役割分担が効果的です。

Q4ステップメールのシナリオ設計で最も重要なポイントは何ですか?

A4配信計画を立てるだけでなく、MA/SFAの実装設定とマーケ・営業の運用ルールを同時に設計することが最も重要です。理想的なシナリオを設計しても、MA/SFAの実装設定やデータ連携、部門間の運用ルールを後回しにすると「設計したが動かせない」失敗に陥ると言われています。ステップメールのシナリオ活用で商談化率が8倍に向上した事例もあり(Shanon参考事例、2023年頃推定)、適切な設計・実装・運用が成果につながると考えられます。

Q5MA/SFA連携でステップメールを実装する際の注意点は?

A5リアルタイムデータ共有が必須です。MAツールでシナリオを設定し、SFAとリードステータス・行動履歴を同期することで、マーケティングと営業が連携してリードナーチャリングを推進できます。引き渡し基準(どのスコア・行動で営業に引き渡すか)と対応タイミング(営業はいつまでにコンタクトするか)を事前に合意し、定例ミーティングで情報共有することが重要です。

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B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部

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