SalesforceとHubSpotの違い|導入5割が効果未達になる理由と正しい選定法

著者: B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部公開日: 2026/1/1910分で読めます

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SalesforceとHubSpotの比較で多くの企業が悩む理由

先に答えを言うと、SalesforceとHubSpotは機能や価格で比較するだけでなく、自社の組織規模・成長フェーズ・運用体制に合わせて選ぶことが成果につながります。

「機能一覧を見比べたが、どちらが自社に合うのかわからない」「価格差はあるが、それで選んでいいのか不安」という声は多く聞かれます。実際、日本CRM市場規模は2026年度に9,203億円へ拡大し、2022年度以降の年平均成長率は17.9%と予測されています(ミック経済研究所)。市場の成長とともにツール選定の重要性は増しています。

しかし、日本企業のCRM導入率は36.1%(米国74%に対し低水準)で、そのうち過半数が期待効果未達と報告されています(HubSpot調査、2023年)。つまり、導入しても成果が出ていない企業が多いのです。

この背景には、機能比較だけで選んでしまい、導入後に使いこなせないというケースが少なくありません。本記事では、両ツールの違いを整理したうえで、自社に適した選び方を解説します。

この記事で分かること

  • SalesforceとHubSpotの基本概念と設計思想の違い
  • 機能・価格・向いている企業規模の比較
  • 表面的な比較で選ぶと失敗する理由
  • 自社の成長フェーズに合った選定フロー

SalesforceとHubSpotの基本概要と思想の違い

Salesforceは大企業向けの高度なカスタマイズ性を強みとし、HubSpotはインバウンドマーケティング思想に基づく中小企業向けの使いやすさが特徴です。両者は設計思想が異なるため、機能比較だけでは自社に合うかどうかを判断しにくい面があります。

CRM(Customer Relationship Management) とは、顧客関係管理システムを指します。顧客情報の一元管理と営業・マーケティング活動の効率化を支援するツールです。

MA(Marketing Automation) とは、マーケティング活動を自動化するツールです。リード獲得から育成、商談化までのプロセスを効率化します。

SFA(Sales Force Automation) とは、営業支援システムを指します。商談管理、案件進捗、売上予測などの営業活動を可視化・効率化するツールです。

インバウンドマーケティングとは、有益なコンテンツを通じて顧客を引き付ける手法です。HubSpotが提唱した概念で、プル型のマーケティング戦略として知られています。

日本国内CRM市場シェア(2026年調査)では、Salesforce Sales Cloudが38.82%で1位、HubSpotが6.40%で5位となっています。一方、MA市場シェア(2026年調査)ではHubSpot Marketing Hubが20.3%で2位、Salesforce Marketing Cloud Account Engagement(旧Pardot)が13.4%で3位です。

これらのシェアデータは民間調査ベースであり、調査手法や対象企業により異なる結果が出る可能性がある点には留意が必要です。

SalesforceはCRM・SFA分野で圧倒的なシェアを持つ一方、HubSpotはMA分野でSalesforceを上回るシェアを獲得しています。この違いは、両ツールの強みがどこにあるかを示しています。

SalesforceとHubSpotの機能・価格・特徴を比較

両ツールの主な違いは、対象とする企業規模とカスタマイズ性です。年間経常収益500万ドル(約7.5億円)以上の大企業ではSalesforceがトップシェア、500万ドル未満の中小企業ではHubSpotがトップシェアという調査結果があります。

【比較表】SalesforceとHubSpot比較表

比較項目 Salesforce HubSpot
主な強み 高度なカスタマイズ性、大規模組織対応 使いやすさ、インバウンドマーケティング
CRM機能 高度(複雑な営業プロセスに対応) 標準的(直感的な操作性)
MA機能 Account Engagement(旧Pardot)で対応 Marketing Hubで高評価(シェア2位)
SFA機能 業界トップクラスの機能 基本機能を網羅
価格帯 月額数万円〜(エンタープライズは高額) 無料プランあり、有料は月額数千円〜
向いている企業規模 大企業(年間売上7.5億円以上) 中小企業(年間売上7.5億円未満)
カスタマイズ性 非常に高い(専門知識が必要) 標準的(設定が容易)
導入難易度 高い(導入支援が必要なケースが多い) 低い(自社で開始しやすい)
連携性 豊富なAppExchange HubSpot App Marketplace
サポート体制 パートナー経由が一般的 日本語サポートあり

※ 価格は変動するため、最新情報は各社公式サイトをご確認ください

上記の比較表は一般的な傾向を示したものであり、プランや契約内容によって異なる場合があります。自社の要件に照らして個別に確認することをお勧めします。

「機能が多い方が優れている」という比較で選ぶと失敗する理由

「機能が多いSalesforceが優れている」「安いHubSpotで十分」という表面的な比較で選んでしまい、導入後に使いこなせず形骸化するケースは少なくありません。 これはよくある失敗パターンです。

日本企業のCRM導入率は36.1%ですが、そのうち過半数が期待効果未達と報告されています(HubSpot調査、2023年)。導入しただけでは成果は出ず、自社の運用体制に合ったツールを選び、活用設計を行うことが不可欠です。

中小企業がSalesforceを導入した場合、機能が豊富すぎて使いこなせず、結局Excelに戻ってしまうケースがあります。一方、急成長している企業がHubSpotを選んだ場合、事業拡大に伴い機能の限界に直面し、移行コストが発生することもあります。

つまり、「どちらが優れているか」ではなく、「自社の現状と成長計画に合っているか」で判断することが重要です。

連携という第三の選択肢

両ツールは連携可能なため、MA機能はHubSpot、CRM/SFAはSalesforceという併用も選択肢のひとつです。

例えば、マーケティング部門ではHubSpotでリード獲得・育成を行い、商談化したリードをSalesforceに引き渡して営業部門が管理するという運用が可能です。初期は一方のツールで開始し、成長に応じて連携を検討するアプローチも効果的です。

自社に適したツール選定フロー

自社に適したツールを選ぶには、組織規模・成長フェーズ・運用体制の3つの視点で検討することが重要です。以下のフローを参考に、自社の状況を整理してください。

【フロー図】自社に適したツール選定フロー

flowchart TD
    A[現在の従業員規模は?] --> B{50名未満}
    A --> C{50〜300名}
    A --> D{300名以上}
    
    B --> E[HubSpot無料プランから開始を検討]
    
    C --> F{営業プロセスは複雑?}
    F --> G[複雑 → Salesforceを検討]
    F --> H[シンプル → HubSpotを検討]
    
    D --> I{専任の管理者がいる?}
    I --> J[いる → Salesforceのカスタマイズを活用]
    I --> K[いない → 導入支援サービスの利用を検討]
    
    E --> L[成長に応じて有料プランへ移行]
    G --> M[導入支援パートナーの選定]
    H --> L
    J --> M
    K --> M

年間経常収益500万ドル(約7.5億円)以上の大企業ではSalesforceがトップシェア、500万ドル未満の中小企業ではHubSpotがトップシェアという市場実態も参考になります。

なお、HubSpot利用者の76%がAI導入で営業活動時間が増加、73%が成約率向上と回答しているという調査結果があります。ただし、これはHubSpot公式の自社調査であり、第三者検証はされていない点には留意が必要です。

成長フェーズ別の選定ポイント

企業の成長段階によって、最適なツール選定の考え方は異なります。

スタートアップ期(従業員50名未満)

初期コストを抑えつつ、顧客管理の基盤を整えることが優先です。HubSpotの無料プランは、CRM・MA・SFAの基本機能を備えており、小規模チームには十分な場合が多いと言われています。成長に応じて有料プランへ移行できる拡張性もあります。

成長期(従業員50〜300名)

営業プロセスの複雑さと、社内に管理者を置けるかどうかがポイントです。シンプルな営業プロセスであればHubSpot、複数部門が絡む複雑なプロセスであればSalesforceの柔軟性が活きるケースが多いとされています。

成熟期(従業員300名以上)

大規模組織では、部門間のデータ連携やレポーティングの高度化が求められます。Salesforceのカスタマイズ性は、こうした要件に対応しやすい傾向があります。ただし、専任の管理者や導入支援パートナーの確保が前提となります。

まとめ|SalesforceとHubSpotは自社の規模・フェーズで選ぶ

本記事では、SalesforceとHubSpotの違いを整理し、自社に適した選び方を解説しました。

要点を整理します。

  • 市場シェア: CRM市場ではSalesforceが38.82%で1位、MA市場ではHubSpotが20.3%で2位
  • 対象企業規模: 大企業ではSalesforce、中小企業ではHubSpotがトップシェア
  • 失敗パターン: 機能や価格の表面的な比較で選ぶと、導入後に使いこなせず形骸化するリスクがある
  • 選定の視点: 組織規模・成長フェーズ・運用体制に合わせて判断することが重要
  • 第三の選択肢: 両ツールの連携(MA機能はHubSpot、CRM/SFAはSalesforce)も有効

繰り返しになりますが、SalesforceとHubSpotは機能や価格で比較するだけでなく、自社の組織規模・成長フェーズ・運用体制に合わせて選ぶことが成果につながります。

まずは本記事の選定フローを活用して自社の状況を整理し、必要に応じて両社のトライアルや無料プランで実際の使用感を確認することをお勧めします。

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よくある質問

Q1SalesforceとHubSpotはどちらが優れていますか?

A1一概にどちらが優れているとは言えません。年間経常収益500万ドル(約7.5億円)以上の大企業ではSalesforce、500万ドル未満の中小企業ではHubSpotがそれぞれトップシェアを獲得しています。自社の組織規模・成長フェーズに合わせて選ぶことが重要であり、機能が多いことが必ずしも優れているわけではありません。

Q2SalesforceとHubSpotの市場シェアはどのくらいですか?

A2日本国内CRM市場シェア(2026年調査)ではSalesforce Sales Cloudが38.82%で1位、HubSpotが6.40%で5位です。一方、MA市場ではHubSpot Marketing Hubが20.3%で2位、Salesforce Account Engagement(旧Pardot)が13.4%で3位となっています。CRMではSalesforce、MAではHubSpotがそれぞれ強みを持っています。

Q3SalesforceとHubSpotは連携できますか?

A3連携可能です。MA機能はHubSpot、CRM/SFAはSalesforceという併用も選択肢のひとつです。マーケティング部門でHubSpotを使いリード獲得・育成を行い、商談化したリードをSalesforceに引き渡して営業部門が管理するという運用ができます。

Q4中小企業にはどちらが向いていますか?

A4年間経常収益500万ドル(約7.5億円)未満の中小企業ではHubSpotがトップシェアであり、中小企業向けの使いやすさが評価されています。従業員50名未満の小規模企業であれば、HubSpotの無料プランから開始し、成長に応じて拡張するアプローチが効果的なケースが多いと言われています。

Q5CRMを導入すれば自動的に成果が出ますか?

A5導入しただけでは成果は出ません。日本企業のCRM導入率は36.1%ですが、そのうち過半数が期待効果未達と報告されています(HubSpot調査、2023年)。自社の運用体制に合ったツールを選び、活用設計を行うことが成果につながります。

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B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部

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