営業部長の役割とは|課長との違いと組織成果を最大化する実践法

著者: B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部公開日: 2026/1/1010分で読めます

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営業部長の役割を理解できないと組織成果が上がらない理由

営業部長の役割の答えは明確で、営業部長の役割は「個人の成果を出すこと」から「組織として成果を出す仕組みを作ること」へシフトすることであり、MA/SFA活用とマーケティング連携の設計が組織成果を最大化する鍵です。

営業部長とは、営業部門の長として組織目標達成に責任を持ち、経営戦略を現場に落とし込む「営業部門の経営者」です。

多くの営業部長が「プレイヤーとしては成果を出せたのに、組織全体の成果を出す方法がわからない」という課題を抱えています。それは、個人で数字を追う能力と、組織で成果を出す仕組みを作る能力が、まったく異なるスキルセットを必要とするからです。

この記事で分かること

  • 営業部長の役割と課長・マネージャーとの明確な違い
  • 営業部長に求められる営業戦略とマーケティング連携の設計
  • MA/SFA活用による営業組織のデータドリブン運営の方法
  • 営業部長の役割を果たせているかを確認するセルフチェックリスト
  • プレイングマネージャーから脱却するための具体的なアクション

なお、営業部長の役割定義は企業規模や業種により大きく異なります。本記事では従業員50〜300名程度の企業を想定した「一般的な定義」として解説しますので、個社への当てはめは読者の状況に合わせてご判断ください。

営業部長の役割と課長・マネージャーとの違い

営業部長と営業課長・マネージャーの最大の違いは、「実務統率者」か「経営代行者」かという役割の本質にあります。

営業課長やマネージャーは、チームの数字管理や部下育成といった実務の統率を担います。一方、営業部長は部門全体の戦略策定と組織目標達成に責任を持ち、経営の視点で全体最適を目指す役割です。

【比較表】営業部長と課長の役割比較表

比較項目 営業部長 営業課長・マネージャー
役割の本質 経営代行者(部門経営者) 実務統率者(チームリーダー)
責任範囲 部門全体の目標達成 チーム・個人の目標達成
視点 全社最適・経営視点 部分最適・現場視点
戦略 部門戦略の策定・経営への提言 戦略の実行・チーム内展開
部門連携 マーケ・IS・CS・他部門との連携設計 部門内の連携推進
人材育成 管理職・次世代リーダーの育成 メンバーの育成・指導
数字管理 部門全体のKGI・KPI設計 チームKPIの管理・進捗確認
意思決定 部門の重要案件・投資判断 日常業務の意思決定
プレイヤー業務 原則なし(仕組みづくりに専念) 一部プレイヤー業務あり

営業部長は「部門の経営者」として組織目標に責任を持つ

営業部長は経営戦略を現場の営業活動に落とし込む役割を担います。経営層が掲げるビジョンや数値目標を、具体的な営業戦略・組織体制・KPI設計として翻訳し、部門全体を動かす責任があります。

近年、海外ではCRO(Chief Revenue Officer) というポストが増加しています。CROとは、営業・マーケティング・カスタマーサクセスを統括し、収益全体に責任を持つ役職です。日本でも営業部長にマーケティングやCSを含めたレベニュー責任を求める流れが出てきており、営業部長の役割は従来よりも広がる傾向にあります。

営業部長に求められる役割|営業戦略とマーケティング連携

営業部長の主要な役割は、営業戦略の策定とマーケティング部門との連携設計です。

**よくある失敗パターンとして、営業部長になってもプレイングマネージャーとして自ら数字を追い続け、組織の仕組みづくりや部門間連携を後回しにするケースがあります。**この考え方では、属人的な営業体制から抜け出せず、組織全体としての成果向上には限界があります。

営業部長は「自分が売る」のではなく「組織が売れる仕組みを作る」ことに注力すべきです。そのためには、営業戦略の設計フレームワークを理解し、マーケティング部門との連携を設計する能力が求められます。

STPとは、セグメンテーション・ターゲティング・ポジショニングの略で、「誰に・何を・どう売るか」を設計するフレームワークです。営業部長は、このSTP設計を営業視点で主導し、マーケティング部門と連携して市場攻略の方針を定める役割を担います。

マーケティング部門との連携設計とMQL/SQL定義

BtoB企業の営業責任者のうち約47.0%が「マーケから提供されるリードにミスマッチを感じている」と回答しています(IDEATECH調査)。このデータはサンプルバイアスがある可能性がありますが、マーケティングと営業の間にリードの質に関する認識のズレがあることを示唆しています。

このミスマッチを防ぐためには、MQL/SQLの定義を営業部長が設計し、マーケティング部門と合意することが重要です。MQL(Marketing Qualified Lead) はマーケティングが認定したリード、SQL(Sales Qualified Lead) は営業が認定したリードを指します。

「どのようなリードを営業に渡すべきか」「営業が追うべきリードの条件は何か」を明確にすることで、部門間の軋轢を減らし、効率的なパイプライン運営が可能になります。

デマンドジェネレーションとは、見込み顧客の創出・育成・選別を通じて営業に引き渡すまでのマーケティングプロセス全体を指します。営業部長は、このデマンドジェネレーションの設計にも関与し、マーケティング施策と営業活動の一貫性を確保する役割があります。

MA/SFA活用による営業組織のデータドリブン運営

営業組織をデータドリブンで運営するためには、MA(マーケティングオートメーション)やSFA(営業支援システム)の活用が有効です。

MA活用企業の63.4%が「営業連携による商談化率向上」を実感しているという調査結果があります(ベーシック社調査)。ただし、この数値は民間調査であり、サンプルバイアスがある点にご注意ください。

重要なのは、MAやSFAを導入すれば自動的に成果が出るわけではないということです。ツールはあくまで手段であり、活用するための運用設計と組織体制の整備が不可欠です。営業部長は、ツールの導入判断だけでなく、活用を推進する仕組みづくりまでを担う必要があります。

データドリブン営業への転換事例

具体的な事例として、山洋電気はMA/SFA一気通貫の仕組み構築により新規案件創出金額を5倍に拡大しました(Web担当者Forum報道)。

この事例では、マーケティングから営業への引き渡しプロセスを一気通貫で設計し、データに基づいた案件管理を徹底したことが成功要因として挙げられています。ただし、これは個社事例であり、同様の効果がすべての企業で得られることを保証するものではありません。企業規模、業種、導入体制によって成果は大きく異なります。

営業部長がMA/SFA活用を推進する際は、「ツール費用」としてではなく「運用人員+組織的な運用プロジェクト」として投資を説明し、経営層の理解を得ることが重要です。

営業部長の役割を果たすためのセルフチェック

以下のチェックリストを活用して、営業部長としての役割を果たせているかを確認してください。チェックが付かない項目があれば、それが改善すべき優先課題を示しています。

【チェックリスト】営業部長の役割セルフチェックリスト

  • 部門の年間目標・戦略を自ら策定し、経営層と合意している
  • 営業戦略を部下に明確に伝え、理解・共感を得ている
  • プレイヤーとしての売上ではなく、組織全体の成果で評価されている
  • 自分がいなくても部門の数字が達成できる仕組みを構築している
  • マーケティング部門とMQL/SQLの定義を合意している
  • マーケティング部門と定期的な連携会議を実施している
  • インサイドセールス・カスタマーサクセスとの連携体制を構築している
  • 部門横断でのKPI設計・進捗管理ができている
  • MA/SFAなどのツール活用方針を定め、運用を推進している
  • データに基づいた意思決定を行っている
  • 管理職・次世代リーダーの育成に時間を投資している
  • メンバーの評価・フィードバックを定期的に実施している
  • 採用計画の策定と実行に関与している
  • 経営会議等で部門の状況を報告・提言している
  • 他部門(開発・CS・経営企画等)との連携を主導している
  • 市場動向・競合情報を収集し、戦略に反映している
  • 部門の予算策定・管理を行っている
  • 重要案件の意思決定に関与し、適切に判断している
  • 属人的な営業ノウハウを組織の仕組みとして標準化している
  • 部門全体のパイプライン管理・売上予測ができている

このチェックリストで「No」が多い項目は、プレイングマネージャーとしての動きに偏っている可能性があります。営業部長として組織成果を最大化するためには、「自分が売る」から「組織で売れる仕組みを作る」へのシフトが必要です。

まとめ|営業部長は「仕組みで組織を動かす」役割にシフトせよ

本記事では、営業部長の役割について、課長・マネージャーとの違い、マーケティング連携、MA/SFA活用の観点から解説しました。

ポイントの振り返り:

  • 営業部長は「実務統率者」ではなく「経営代行者」として部門全体の戦略策定と組織目標達成に責任を持つ
  • プレイングマネージャーのまま数字を追い続けると、組織の仕組みづくりが後回しになり、属人的な営業体制から抜け出せない
  • マーケティング部門との連携ではMQL/SQLの定義を合意し、リードのミスマッチを防ぐことが重要
  • MA/SFA活用では、ツール導入だけでなく運用設計と組織体制の整備が成果の鍵
  • セルフチェックリストを活用して、改善すべき優先課題を特定する

営業部長への昇進を目指す方、または新任営業部長の方は、まず本記事のチェックリストで現状を確認し、「仕組みづくり」に注力できているかを振り返ってみてください。

改めて結論を述べます。営業部長の役割は「個人の成果を出すこと」から「組織として成果を出す仕組みを作ること」へシフトすることであり、MA/SFA活用とマーケティング連携の設計が組織成果を最大化する鍵です。「自分が売る」から「組織で売れる仕組みを作る」へのシフトこそが、営業部長として成功するための第一歩です。

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よくある質問

Q1営業部長と営業課長の違いは何ですか?

A1営業課長は「実務統率者」としてチームの数字管理や部下育成を担うのに対し、営業部長は「経営代行者」として部門全体の戦略策定と組織目標達成に責任を持ちます。営業部長はより全社最適の視点で、マーケティングや他部門との連携設計も担います。

Q2営業部長にMA/SFAの知識は必要ですか?

A2MA活用企業の63.4%が「営業連携による商談化率向上」を実感しているという調査結果があります(民間調査のためサンプルバイアスあり)。営業部長は自らツールを操作する必要はありませんが、MA/SFAを活用したデータドリブンな組織運営の設計・推進は重要な役割です。

Q3営業部長がマーケティング部門と連携する際のポイントは?

A3BtoB企業の営業責任者のうち約47.0%が「マーケから提供されるリードにミスマッチを感じている」と回答しています。リードのミスマッチを防ぐには、MQL/SQLの定義とターゲットセグメントを営業部長が設計し、マーケ部門と合意することが重要です。

Q4営業部長がプレイングマネージャーのままでいると何が問題ですか?

A4自ら数字を追い続けると、組織の仕組みづくりや部門間連携を後回しにしがちです。その結果、属人的な営業体制から抜け出せず、組織全体としての成果が上がりにくくなります。営業部長は「自分が売る」から「組織で売れる仕組みを作る」へのシフトが求められます。

Q5営業部長に必要なスキルは何ですか?

A5営業戦略の策定力、組織マネジメント力、マーケティング・IS・CSとの連携設計力、データに基づく意思決定力が求められます。海外ではCRO(Chief Revenue Officer)のように収益全体に責任を持つ役職が増えており、日本でも同様の流れが出てきています。

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B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部

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