デマンドジェネレーションが成果に繋がらない企業に共通する課題
ずばりデマンドジェネレーションの成果が出ない原因の多くは、戦略立案とツール設定が分断されていることにあり、戦略・実装・運用を一体で進めることで初めて商談化率が改善します。
デマンドジェネレーションとは、営業案件(SQL/MQL)を継続的に創出するための一連のマーケティング活動です。リードジェネレーション・ナーチャリング・クオリフィケーションの3要素で構成されます。
BtoB企業のMA導入率は約30〜40%台とされています(2022〜2024年頃、民間調査ベース)。MAツールを導入したものの「リードが育成できていない」「商談に繋がらない」という課題を抱える企業は少なくありません。
この記事で分かること
- デマンドジェネレーションの定義と3要素(リードジェネレーション・ナーチャリング・クオリフィケーション)
- Google広告Demand Genキャンペーンとの違い
- MAツールだけでは成果が出ない理由
- 自社のデマンドジェネレーション成熟度を診断するチェックリスト
- 戦略から実装まで一体で進めるアプローチ
デマンドジェネレーションの定義と構成要素
デマンドジェネレーションは、リードジェネレーション・リードナーチャリング・リードクオリフィケーションの3つのプロセスで構成されます。この3要素を一体的に設計・運用することで、継続的な営業案件の創出が可能になります。
リードジェネレーションとは、見込み顧客の獲得を指します。ウェビナー、展示会、ホワイトペーパーDL、広告、SEOなどが代表的な施策です。
リードナーチャリングとは、見込み顧客の育成活動です。ステップメール、メルマガ、セミナー、コンテンツ配信などで検討度を高めていきます。
リードクオリフィケーションとは、見込み顧客の選別・絞り込みです。スコアリングやインサイドセールスのヒアリングでMQL/SQL判定を行います。
MQL(Marketing Qualified Lead) とは、マーケティング活動で獲得・育成され、営業へ引き渡す条件を満たした見込み顧客のことです。
【比較表】デマンドジェネレーションの構成要素と代表的施策
| 構成要素 | 目的 | 代表的施策 | KPI例(目安) |
|---|---|---|---|
| リードジェネレーション | 見込み顧客の獲得 | ウェビナー、展示会、ホワイトペーパー、広告、SEO | リード数、CPA |
| リードナーチャリング | 見込み顧客の育成 | ステップメール、メルマガ、セミナー、コンテンツ配信 | 開封率、クリック率、ウェビナー参加率(30〜50%程度が目安) |
| リードクオリフィケーション | 見込み顧客の選別 | スコアリング、インサイドセールス、BANT確認 | MQL数、MQL→SQL転換率 |
※ウェビナーの申込→参加率は30〜50%程度とされるケースが多いです。ホワイトペーパーDL→商談化率は1〜5%程度を目標値とする事例が多いですが、商材やターゲット層により大きく変動します。
Google広告Demand Genキャンペーンとの違い
「デマンドジェネレーション」で検索すると、Google広告のDemand Genキャンペーンに関する情報も表示されます。この2つは全く異なる概念です。本記事では、マーケティング概念としてのデマンドジェネレーションを扱います。
Google広告Demand Genキャンペーンとは、YouTube・Discover・Gmail等Google自社サービス内に配信する広告キャンペーンです。2023年9月から提供が開始され、2024年1〜3月にファインド広告から自動移行されました。
一方、マーケティング概念としてのデマンドジェネレーションは、営業案件を継続的に創出するための一連の活動全体を指します。Google広告Demand Genキャンペーンは、デマンドジェネレーションのうち「リードジェネレーション」で活用できる施策の1つという位置づけです。
MAツールだけでは成果が出ない理由
MAツールを導入しても、それだけでデマンドジェネレーションが自動化されるわけではありません。成果が出ない企業の多くは、戦略とツール設定が分断されていることが原因です。
よくある失敗パターンとして、戦略コンサルに方針を作ってもらったものの、ツール設定は社内で対応しようとして中途半端になり、結局リードが放置されている状態があります。この考え方は誤りです。部分的な施策の積み重ねでは全体最適が実現できません。
MQL→SQL転換率のベンチマークは20〜40%程度とされていますが、インサイドセールスの質やナーチャリングシナリオの設計によって大きく変動します。転換率が低い場合、リードの質だけでなく、育成プロセスや営業への引き渡しルールを見直す必要があります。
戦略・実装・運用が分断されるとどうなるか
戦略・実装・運用が分断されると、以下のような問題が発生します。
- ナーチャリングシナリオが設定されておらず、獲得したリードがそのまま放置される
- スコアリングルールが形骸化し、営業への引き渡し基準が曖昧になる
- マーケティングと営業で「MQL」「SQL」の定義が共有されていない
- 施策の効果測定ができず、改善のPDCAが回らない
MAを導入すれば自動化されるという誤解は、多くの企業がハマる落とし穴です。ツールはあくまで手段であり、戦略・実装・運用を一体で設計しなければ成果には繋がりません。
デマンドジェネレーション成熟度を診断する
自社のデマンドジェネレーションがどの段階にあるかを把握することで、改善すべきポイントが明確になります。以下のチェックリストで現状を診断してみてください。
【チェックリスト】デマンドジェネレーション成熟度診断
- デマンドジェネレーションの目的・KPIを明文化している
- リードジェネレーション施策が複数チャネルで実施されている
- 獲得リードの流入チャネル・経路が正確にトラッキングできている
- ナーチャリングシナリオが設計・実装されている
- ステップメールやセグメント配信が運用されている
- リードスコアリングのルールが設定されている
- スコアリングルールを定期的に見直している
- MQL/SQLの定義が営業と合意されている
- MQL→SQLの引き渡しルール(SLA)が明確になっている
- インサイドセールスがMQLのフォローを担当している
- マーケティングと営業の定例会議が実施されている
- 営業からのフィードバックがマーケティング施策に反映されている
- リードのチャネル別・施策別の商談化率を計測している
- 計測結果に基づいて施策の配分を見直している
- MAとSFA/CRMのデータ連携が実装されている
該当する項目が少ない場合は、基盤となる部分から整備を進めることをお勧めします。すべてを一度に改善しようとせず、優先度の高い項目から段階的に取り組むことが重要です。
まとめ|戦略から実装まで一体で進めることが成功の鍵
デマンドジェネレーションの成果を出すためのポイントを整理します。
- デマンドジェネレーションの定義: リードジェネレーション・ナーチャリング・クオリフィケーションの3要素で構成される営業案件創出活動
- Google広告との違い: Demand Genキャンペーンは広告プロダクト、デマンドジェネレーションはマーケティング概念
- 成果が出ない原因: 戦略立案とツール設定が分断され、ナーチャリングやスコアリングが形骸化している
- 改善のアプローチ: 成熟度診断で現状を把握し、優先度の高い項目から段階的に整備する
デマンドジェネレーションの成果が出ない原因の多くは、戦略立案とツール設定が分断されていることにあります。戦略・実装・運用を一体で進めることで初めて商談化率が改善します。
まずはチェックリストで自社の現状を診断し、改善すべきポイントを明確にすることから始めてみてください。自社だけでの対応が難しい場合は、戦略から実装・運用まで一貫して支援できる専門家の活用も選択肢の1つです。
