Salesforceとは?世界No.1 CRMプラットフォームの概要
意外かもしれませんが、Salesforceは高機能なCRM/SFAプラットフォームだが、機能を理解するだけでなく、導入後の活用・定着までを見据えた運用設計が成功の鍵となります。
Salesforce(セールスフォース) とは、営業支援(SFA)、顧客管理(CRM)、カスタマーサービス、マーケティングオートメーションなどの機能を統合したクラウドベースのビジネスプラットフォームです。IDCの調査によると、Salesforceは世界CRM市場でシェア20.7%を占め、12年連続でNo.1の地位を維持しています。グローバルで15万社以上、日本国内でも1万社以上の企業が導入しています。
この記事で分かること
- Salesforceの基本機能と主要製品の違い
- 導入のメリットとデメリット
- 導入検討時に確認すべきポイント
- 運用を成功させるための準備事項
Salesforceが選ばれる理由
Salesforceが多くの企業に選ばれる背景には、各分野での圧倒的な実績があります。Gartnerの評価では、営業分野で13年連続、カスタマーサービス分野で12年連続、マーケティング分野で6年連続で1位を獲得しています。
日本市場においても、民間調査会社の推計によるとSales CloudはCRMツール市場で38.82%のシェアを占めており、国内での存在感は際立っています。
主な選定理由として以下が挙げられます。
- クラウドネイティブ: サーバー管理不要で、常に最新機能を利用可能
- 拡張性: AppExchangeで数千のアプリと連携可能
- カスタマイズ性: ノーコード・ローコードで業務に合わせた設定が可能
- エコシステム: 導入支援パートナーや情報が豊富
Salesforceの主要製品と機能
Salesforceは用途別に複数の製品(Cloud)を提供しています。主要製品を比較表で整理します。
【表】Salesforce主要製品比較表
| 製品名 | 主な用途 | 主要機能 | 対象部門 |
|---|---|---|---|
| Sales Cloud | 営業支援(SFA) | 顧客管理、商談管理、売上予測、レポート | 営業部門 |
| Service Cloud | カスタマーサービス | 問い合わせ管理、ケース管理、ナレッジベース | カスタマーサポート |
| Marketing Cloud | マーケティング | メール配信、ジャーニー設計、パーソナライゼーション | マーケティング部門 |
| Commerce Cloud | EC・コマース | オンラインストア構築、受注管理 | EC部門 |
| Experience Cloud | コミュニティ構築 | ポータルサイト、パートナーサイト | 顧客・パートナー向け |
Sales Cloud(営業支援)
Sales Cloudは、Salesforceの中核製品であり、営業活動の効率化と可視化を実現するSFA(営業支援システム)です。
主な機能は以下のとおりです。
- 顧客管理(アカウント・取引先責任者): 顧客情報を一元管理し、担当者間で共有
- 商談管理(オポチュニティ): 商談のステージ、金額、確度を管理
- 売上予測: パイプラインに基づく売上見込みの可視化
- レポート・ダッシュボード: 営業活動や成果をリアルタイムで分析
Service Cloud・Marketing Cloud
Service Cloudは、カスタマーサービス・サポート業務を効率化する製品です。問い合わせをケースとして管理し、対応履歴を蓄積できます。ナレッジベース機能により、よくある質問への回答を整備し、対応品質の均一化を図れます。
Marketing Cloudは、マーケティングオートメーション(MA)機能を提供する製品です。メール配信の自動化、カスタマージャーニーの設計、セグメント配信などが可能です。
これらの製品は連携して使用することで、マーケティングから営業、カスタマーサポートまで一貫した顧客体験を提供できます。
Salesforce導入のメリットとデメリット
Salesforce導入を検討する際は、メリットだけでなくデメリットも理解しておくことが重要です。
メリット
- 顧客情報と営業活動の一元管理による属人化解消
- リアルタイムなデータ分析による意思決定の迅速化
- 各製品間のシームレスな連携
- 継続的な機能アップデートと新技術への対応
デメリット・注意点
IBMの調査によると、Salesforceユーザー企業の64%が「総所有コスト(TCO)が不明瞭」と回答し、62%がAI関連機能のコスト予測に懸念を示しています。また、Salesforceコンサルティング市場は2023年の209億ドルから2032年には570億ドルに成長すると予測されており、多くの企業が外部支援を前提に導入していることがわかります。
「Salesforceを導入すれば営業活動が自動化される」という期待は誤解です。Salesforceはあくまでプラットフォームであり、業務プロセスの整理や運用体制の準備なしに導入しても、使われないシステムになってしまうリスクがあります。
導入時の注意点と課題
Salesforce導入でつまずきやすいポイントを整理します。
機能過多による混乱: Salesforceは機能が豊富なため、すべてを使おうとすると現場が混乱します。まずは必要な機能に絞って導入し、段階的に拡張することが重要です。
業務プロセスの整理不足: 現行の業務プロセスを可視化せずに導入すると、システムと実務が乖離し、データ入力が形骸化します。
コスト予測の難しさ: ライセンス費用に加え、カスタマイズ、連携開発、教育、外部支援などのコストが発生します。前述の調査でも64%の企業がTCOの不透明さを課題として挙げています。
Salesforce導入を検討する際のポイント
導入を成功させるためには、事前準備が欠かせません。以下のチェックリストで自社の状況を確認してください。
【チェックリスト】Salesforce導入検討チェックリスト
- 解決したい課題(営業の属人化、顧客情報の分散など)が明確になっている
- 現行の業務プロセス(リード獲得〜商談〜受注)が可視化されている
- 導入目的とKPI(商談化率向上、対応時間短縮など)が定義されている
- 必要な製品(Sales Cloud、Service Cloudなど)が特定されている
- 既存システム(MA、会計システムなど)との連携要件が整理されている
- 運用担当者・推進責任者がアサインされている
- 教育・トレーニングの計画がある
- 外部パートナー(導入支援ベンダー)の活用要否を検討している
- 初期費用・ランニングコストの概算を把握している
- 段階的導入のスケジュール案がある
導入前に整理すべき事項
解決したい課題の明確化: 「なぜSalesforceを導入するのか」を言語化します。営業の属人化解消、顧客情報の一元管理、営業活動の可視化など、具体的な課題を洗い出します。
現行業務プロセスの可視化: リードの獲得から商談、受注までの流れを整理します。誰が、いつ、何をしているかを明確にすることで、Salesforce上での業務設計がスムーズになります。
運用体制の設計: システム管理者、営業現場のキーマン、経営層のスポンサーなど、推進体制を整えます。現場への浸透には、部門を超えた協力が不可欠です。
外部パートナーの検討: 自社にSalesforce経験者がいない場合は、導入支援パートナーの活用を検討します。初期設定、カスタマイズ、教育まで支援を受けることで、導入期間の短縮と定着率向上が期待できます。
まとめ|Salesforce導入を成功させるために
Salesforceは世界No.1のCRM/SFAプラットフォームであり、営業、カスタマーサービス、マーケティングの各領域で高い評価を得ています。
本記事のポイント
- Salesforceは世界CRM市場シェア20.7%、12年連続No.1のプラットフォーム
- Sales Cloud、Service Cloud、Marketing Cloudなど用途別の製品がある
- 機能の豊富さがメリットである一方、コスト予測や運用体制の準備が課題
- 「導入すれば自動化される」という誤解は禁物
Salesforceは高機能なCRM/SFAプラットフォームですが、機能を理解するだけでなく、導入後の活用・定着までを見据えた運用設計が成功の鍵となります。まずは自社の課題を整理し、必要な機能と運用体制を検討することから始めてみてください。
