営業生産性向上ガイド|27%が活用できない原因と改善策を解説

著者: B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部公開日: 2026/1/149分で読めます

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SFA/CRMを導入しても営業生産性が上がらない理由

営業生産性の向上は、SFA/CRMの導入だけでなく、データ活用体制の構築とマーケ・営業連携の最適化を専門家と共に設計・実装することで実現できる——これが本記事の結論です。

多くのBtoB企業がSFA/CRMを導入していますが、2022年のTSUIDE調査によると、導入企業の27%が「効率的に活用できていない」と回答しています(自己申告ベースのため実態と乖離する可能性があります)。つまり、ツールを導入しただけでは営業生産性は向上しないということです。

SFA/CRMを導入すれば自動的に生産性が上がると考え、入力ルールの整備やデータ活用の仕組みづくりを後回しにした結果、ツールが形骸化して成果が出ない——このような失敗パターンに陥っている企業は少なくありません。

SFA(Sales Force Automation) とは、営業活動を支援・自動化するシステムです。商談管理、活動記録、売上予測などの機能を持ちます。CRM(Customer Relationship Management) は、顧客関係管理システムで、顧客情報の一元管理、購買履歴分析、マーケティング連携などを行います。

この記事で分かること

  • 営業生産性の定義と計算方法
  • 営業生産性が低下する主な原因と実態データ
  • 生産性向上施策のタイプ別比較と選び方
  • SFA/CRM活用で成果を出した事例と実践ステップ
  • マーケ・営業連携による営業プロセス最適化の方法

営業生産性とは|定義と計算方法の基礎知識

営業生産性とは、営業活動に投入したリソース(時間・人員・費用)に対して得られた成果(売上・利益・顧客獲得)を測る指標です。

営業生産性を正しく把握することで、どの活動に注力すべきか、どこに改善の余地があるかを客観的に判断できるようになります。

営業生産性の計算式と指標

営業生産性の計算式は「売上成果(アウトプット)÷ かかった費用(インプット)」で表されます。時間あたり・人員あたり・費用対効果の3つの視点で算出するのが一般的です。

付加価値額とは、売上高から外部購入価値を差し引いた金額を指し、労働生産性算出の基礎となる指標です。

(例)営業生産性の計算例

以下は仮定の数値に基づく計算例です。

  • 月間売上: 1,000万円
  • 営業人員: 5名
  • 営業時間: 1人あたり月160時間

人員あたり生産性 = 1,000万円 ÷ 5名 = 200万円/人 時間あたり生産性 = 1,000万円 ÷ (5名 × 160時間) = 1.25万円/時間

営業生産性が低下する主な原因と現状

営業生産性が低下する主な原因は、ツール導入後のデータ活用体制が整備されていないことにあります。

日本のSFA/CRM導入率は9.1%(2022年2月、TSUIDE調査、14,035人対象)と報告されています。業種別ではソフトウェア・情報サービス業/金融業で約20%と比較的高い一方、多くの業種ではまだ導入が進んでいない状況です。

一方で、ERP/CRM/SFAのクラウド利用率は32.1%(2022年、矢野経済研究所調査)で、2020年の16.1%から倍増しています。クラウド化は進んでいるものの、活用度には課題が残ります。

SFA/CRMの入力実態を見ると、即時入力率は40.2%に留まり、1日まとめ入力が32.2%という結果が出ています(2025年10月、PRIZMA調査、1,034名)。また、活用方法は「営業会議数値確認48.6%」が最多で、受動的な利用に偏っている傾向がみられます。

SFA/CRM活用不全の実態

導入企業の27%が「活用できていない」と回答している背景には、いくつかの共通する問題があります。

  • 入力目的が不明確: 何のためにデータを入力するのかが共有されていない
  • 入力負荷が高い: 営業担当者の業務負担となり、入力が後回しになる
  • データ活用の仕組みがない: 蓄積したデータが意思決定に活かされていない
  • マーケ・営業連携が不十分: 部門間でデータが分断されている

定着率とは、導入したツールやシステムが継続的に利用されている割合を指します。定着率99%などが高水準の目安とされています。

営業生産性を向上させる施策タイプ別比較

営業生産性を向上させるには、自社の状況に合った施策を選択することが重要です。以下に主な施策タイプを比較します。

【比較表】営業生産性向上施策 タイプ別比較表

施策タイプ 特徴 適した企業 期待効果 注意点
SFA/CRM内製活用 社内リソースで運用改善 IT人材が充実した企業 データ活用の自律化 専門知識・工数が必要
ツール乗り換え より使いやすいツールに変更 現ツールの定着が困難な企業 入力負荷軽減、定着率向上 移行コスト・学習コスト発生
外部伴走支援 専門家と共に設計・実装 社内リソース不足の企業 短期間での体制構築 パートナー選定が重要
業務BPR先行 ツール導入前に業務フロー整理 業務プロセスが属人化した企業 本質的な効率化 時間がかかる
マーケ連携強化 部門間のデータ・プロセス連携 リード活用に課題がある企業 商談化率向上 組織間調整が必要

データ活用体制構築のポイント

SFA/CRMデータを意思決定に活用するためには、以下のポイントを押さえた体制設計が有効です。

  1. 入力目的の明確化: なぜデータを入力するのか、どう活用するのかを全員で共有する
  2. 入力ルールの標準化: 入力項目・タイミング・粒度を統一する
  3. リアルタイムダッシュボード: 蓄積データを即座に可視化できる環境を整備する
  4. 定期的なレビュー体制: 週次・月次でデータを振り返り、改善アクションにつなげる
  5. 研修・フォローアップ: 担当者のスキル向上と定着支援を継続する

SFA/CRM活用で成果を出した事例と実践ステップ

実際にSFA/CRM活用で成果を出した事例を紹介します。成果は業種・運用体制により変動するため、あくまで参考としてご覧ください。

事例1: あるSFA導入企業では、解約率8.5%から1.7%へ改善(80%改善)、フォロー漏れ32件/月から3件へ削減(90%削減)、進捗把握時間2.5時間/日から0.5時間/日へ短縮という成果が報告されています(導入半年、特定ツールの事例であり一般化には注意が必要)。

事例2: 別のSFA導入企業では、新人成約率12%から18%へ向上(50%向上)、全体成約率23%から28%へ向上(22%向上)、定着率99%を達成しています(導入1年)。

これらの事例に共通するのは、ツール導入だけでなく、入力定着の仕組みと活用体制を同時に整備している点です。

【チェックリスト】営業生産性向上チェックリスト

  • 営業生産性の現状値(売上/人員、商談化率など)を把握している
  • SFA/CRMへの入力目的・ルールが明文化され、全員に共有されている
  • 入力負荷を軽減する工夫(選択式UI、モバイル対応など)がされている
  • 即時入力が習慣化されている(1日まとめ入力ではない)
  • 蓄積データをリアルタイムで可視化できるダッシュボードがある
  • 週次・月次でデータレビューを実施し、改善アクションにつなげている
  • マーケティング部門とリード情報・商談情報を共有している
  • リード引き渡しの基準・タイミングが明確に定義されている
  • 営業・マーケで共通のKPIを設定し、定期的に確認している
  • SFA/CRMデータを経営判断に活用する仕組みがある
  • ツール活用の研修・フォローアップ体制が整っている
  • 定着率・入力率などの運用指標をモニタリングしている
  • 必要に応じて外部専門家の支援を検討している

マーケ・営業連携による営業プロセス最適化

営業生産性向上において、マーケティング部門との連携は重要な要素です。部門間の連携が不十分だと、獲得したリードが活用されず、営業効率が低下します。

連携強化のポイント

  • リード定義の統一: MQL(マーケティング認定リード)・SQL(営業認定リード)の基準を両部門で合意する
  • 引き渡しルールの明確化: どのタイミングで、どの情報を付けてリードを引き渡すかを定義する
  • 共通KPIの設定: リード獲得数だけでなく、商談化率・受注率まで含めた共通指標を設定する
  • 定期的な情報共有: 週次・月次でリード状況・商談進捗を共有し、改善を回す
  • データ連携基盤の整備: MA/SFA間でデータを連携し、リードの行動履歴を営業が参照できるようにする

まとめ|営業生産性向上を実現するための体制設計

本記事では、営業生産性向上の定義から実践方法まで解説しました。

本記事のポイント

  • 日本のSFA/CRM導入率は9.1%、導入企業の27%が「活用できていない」と回答
  • 営業生産性は「売上成果÷費用」で計算し、時間・人員・費用の3視点で測定
  • 生産性低下の原因は、入力目的の不明確さ・データ活用体制の未整備
  • 事例では成約率50%向上、フォロー漏れ90%削減などの成果が報告されている
  • マーケ・営業連携の強化がリード活用と商談化率向上の鍵

繰り返しになりますが、営業生産性の向上は、SFA/CRMの導入だけでなく、データ活用体制の構築とマーケ・営業連携の最適化を専門家と共に設計・実装することで実現できます。

まずは上記のチェックリストで自社の現状を確認し、優先度の高い項目から改善を進めてみてください。社内リソースだけでは対応が難しい場合は、外部の専門家による伴走支援を検討することも有効な選択肢です。

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御社を理解して書くから、刺さる。この記事はMediaSprintで作成しました。

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よくある質問

Q1営業生産性の計算方法を教えてください

A1営業生産性は「売上成果(アウトプット)÷ かかった費用(インプット)」で計算します。時間あたり(売上÷総営業時間)、人員あたり(売上÷営業人数)、費用対効果(売上÷営業コスト)の3つの視点で測定するのが一般的です。

Q2SFA/CRMを導入しても成果が出ない原因は何ですか?

A22022年のTSUIDE調査によると、導入企業の27%が「活用できていない」と回答しています。主な原因は入力目的の不明確さ、入力負荷の高さ、データ活用の仕組みがないことです。即時入力率は40.2%に留まり、活用は「営業会議での数値確認」など受動的な利用に偏っています。

Q3SFA/CRM活用で営業生産性はどれくらい向上しますか?

A3事例では新人成約率12%→18%(50%向上)、フォロー漏れ32件→3件(90%削減)、解約率8.5%→1.7%(80%改善)などの成果が報告されています。ただし成果は業種・運用体制により大きく変動するため、一般化には注意が必要です。

Q4日本のSFA/CRM導入率はどれくらいですか?

A42022年のTSUIDE調査(14,035人対象)では、SFA/CRM導入率は9.1%です。業種別ではソフトウェア・情報サービス業/金融業で約20%と差があります。ERP/CRM/SFAのクラウド利用率は32.1%(2022年、矢野経済研究所)で、2020年の16.1%から倍増しています。

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B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部

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