ウェビナーで「リードは取れるが商談につながらない」問題
結論から言えば、ウェビナーでのリード獲得は、開催だけでなく、MA/SFA連携によるフォローアップ体制を事前に設計することで、商談化までの成果を最大化できます。
ウェビナー(webinar) とは、ウェブ上で行われるセミナー形式のオンラインイベントです。リアルタイム配信や録画配信で講演・Q&Aを実施し、BtoBマーケティングにおいてリード獲得の重要な施策として活用されています。
2025年のIT-Comm調査(n=237)によると、オンラインセミナー開催目的の59.8%がリード獲得で最多となっています。一方、日本BtoB企業でウェビナー/セミナーの実施率は18.7%(2025年PR TIMES調査、n=107、サンプル規模は限定的)という報告もあり、まだ活用余地がある施策と言えます。
しかし、多くの企業が「ウェビナーでリードは取れるが、商談につながらない」という課題を抱えています。その原因は、開催に集中するあまり、フォローアップ体制が設計されていないことにあります。
この記事で分かること
- ウェビナーがリード獲得に効果的な理由
- ウェビナー開催の手順と企画のポイント
- 商談化率を高めるフォローアップの方法
- MA/SFA連携によるリードナーチャリングの設計
ウェビナーとは?リード獲得における役割と効果
ウェビナーは、BtoBマーケティングにおいてリード獲得と商談化を両立できる施策です。ON24調査(2025年)によると、ウェビナーの登録者から参加者への平均転換率は57%と報告されています(グローバル統計のため日本市場では異なる可能性があります)。
また、グローバル統計ではありますが、91%のB2B購買担当者がウェビナー形式を好み、オフラインイベントに次ぐ成果施策として位置づけられています(2025年Meetwork統計)。
CPA(Cost Per Acquisition) は、顧客獲得単価を指します。ウェビナーはオフラインイベントと比較してCPAを抑えやすく、効率的なリード獲得が可能です。
ウェビナーがリード獲得に効果的な理由
ウェビナーがリード獲得に効果的な理由は、以下の点にあります。
- 登録時に情報取得が可能: 参加申込時に会社名・役職・課題感などを取得でき、質の高いリード情報を収集できる
- コスト効率: 会場費・移動費が不要で、オフラインイベントよりCPAを抑えられる
- 録画活用: ライブ参加できなかった登録者にも録画を案内でき、リーチを最大化できる
- スケーラビリティ: 地理的制約なく全国・海外からも参加者を集められる
ウェビナー開催の手順と企画のポイント
ウェビナーで成果を出すには、企画→集客→開催→フォローの各フェーズで押さえるべきポイントがあります。
2025年のBtoBマーケティングガイドによると、ウェビナー単独/共催で費用20-30万円/開催、リード獲得数100-150件(4社共催時)、広告利用時CPA1-1.5万円が相場とされています。ただし、この数値は条件により大きく異なるため、あくまで参考値として捉えてください。
【フロー図】ウェビナー開催→MA連携→商談化フロー
flowchart TD
A[企画・テーマ設定] --> B[集客・告知]
B --> C[登録受付]
C --> D[リマインド配信]
D --> E[ウェビナー開催]
E --> F[参加者データ取得]
F --> G[MAへデータ連携]
G --> H[スコアリング・セグメント]
H --> I{ホットリード判定}
I -->|Yes| J[SFAへ連携・営業通知]
I -->|No| K[ナーチャリング施策]
J --> L[商談・フォローコール]
K --> M[次回ウェビナー案内]
M --> B
企画・集客フェーズのポイント
- ターゲット設定: ペルソナを明確にし、課題に刺さるテーマを設計する
- 集客チャネル: メール配信、SNS、広告、共催先との相互送客を組み合わせる
- 告知タイミング: 早めの告知開始が効果的。開催までに十分な期間を確保する
- 共催形式の検討: 他社との共催でリードを共有し、CPA削減と大量リード獲得が可能
開催・配信フェーズのポイント
配信時間については、30-45分のウェビナーは60分と比較してライブ参加率が5%高いという統計があります(2025年Meetwork統計)。参加者の集中力を維持しやすい長さを目安に設計することをおすすめします。
オンデマンド視聴は、ライブ配信終了後に録画を視聴する形式です。登録者全員がライブに参加するわけではないため、録画をオンデマンドで提供し、リーチを最大化する設計も重要です。
- 配信時間: 30-45分を目安に設計
- Q&A運営: 質問を促し、参加者のエンゲージメントを高める
- アンケート: 終了後にアンケートを配信し、課題感・検討状況を把握
- 録画活用: 欠席者・途中離脱者にオンデマンド視聴を案内
ウェビナー後のフォローアップで商談化率を高める方法
ウェビナー後のフォローアップが商談化の成否を分けます。
よくある失敗パターンとして、ウェビナーを「集客」だけにフォーカスして開催し、参加者リストを取得しても後工程(フォローコール・ナーチャリング)が設計されておらず、リードが放置されてしまうケースがあります。この状態では、どれだけリードを獲得しても商談にはつながりません。
成功事例として、オンラインカンファレンス共催事例では参加者の約30%が商談進展、リード獲得数目標150%達成、CPA900円/件を達成したという報告があります(2025年事例。単一企業の成功事例であり、再現性には検証が必要です)。また、REHATCH株式会社のウェビナー事例では商談化率1.15-1.2倍、アンケート回答率50-60%を達成しています(2024年)。
【チェックリスト】ウェビナーリード フォローアップチェックリスト
- 参加者データをMAに連携するフローが設計されている
- ホットリード判定条件が定義されている(視聴時間、Q&A参加、アンケート回答等)
- フォローコール担当者がアサインされている
- フォローメールのテンプレートが準備されている
- フォローコールのスクリプト・トークが準備されている
- 参加者へのサンクスメールが当日または翌日に配信される設計になっている
- 欠席者・途中離脱者へのオンデマンド視聴案内が設計されている
- アンケート回答者を優先フォロー対象としてマークする運用がある
- 商談見込み度の低いリードへのナーチャリング施策が設計されている
- 次回ウェビナーへの案内フローが設計されている
- フォロー結果をMAに記録し、スコアに反映するルールがある
- 営業への引き渡し条件(ホットリード判定基準)が営業部門と合意されている
フォロー優先度の設計とホットリード判定
参加者の行動データに基づいてフォロー優先度を設計することで、効率的な商談化が可能になります。
REHATCH株式会社の事例ではアンケート回答率50-60%を達成しており、アンケートに回答した参加者は関心が高いと判断できます。
フォロー優先度の設計例
- 最優先: アンケートで「商談希望」「資料請求」を選択した参加者
- 高: Q&Aで質問した参加者、視聴時間が長い参加者
- 中: アンケートに回答した参加者
- 低: 登録のみで視聴しなかった参加者(オンデマンド案内へ)
MA/SFA連携によるウェビナーリードのナーチャリング設計
ウェビナーリードを商談化につなげるには、MA/SFA連携によるナーチャリング設計が不可欠です。
リードナーチャリングとは、見込み顧客を購買検討段階まで育成するマーケティング活動です。メール配信やコンテンツ提供を通じて、リードの関心を高め、商談化につなげます。
MAへのデータ連携とスコアリング設計
ウェビナー参加者データをMAに連携し、スコアリングルールを設計することで、商談化の優先順位を自動化できます。
スコア加算条件の例
- ウェビナー登録: +5点
- ライブ視聴(30分以上): +10点
- Q&A参加: +15点
- アンケート回答: +10点
- 資料ダウンロード: +10点
これらのスコアを累積し、閾値を超えたリードをホットリードとして営業に引き渡します。
営業への引き渡しと商談化プロセス
MAでホットリード判定条件を満たしたリードは、SFAに連携して営業担当に通知します。
引き渡しのポイント
- ホットリード判定基準を営業部門と事前に合意しておく
- 引き渡し時にウェビナーでの行動履歴(視聴時間、Q&A内容)を共有する
- 引き渡し後のフォロー結果をMAに戻し、次回施策に活用する
まとめ:ウェビナーリードを商談につなげる一気通貫設計
ウェビナーでリード獲得を成功させるポイントを整理します。
- ウェビナーは「集客」だけでなく「フォローアップ体制の設計」が成否を分ける
- 企画→集客→開催→フォローの各フェーズで押さえるべきポイントを整理する
- 参加者の行動データに基づいてフォロー優先度を設計する
- MA/SFA連携によるナーチャリングで商談化を効率化する
本記事のチェックリストとフロー図を活用し、自社のウェビナー施策を見直してみてください。ウェビナーでのリード獲得は、開催だけでなく、MA/SFA連携によるフォローアップ体制を事前に設計することで、商談化までの成果を最大化できます。
