ウェビナーでリードは獲得できても商談化しない原因
ずばりウェビナーでリードを獲得するだけでなく、MA/SFA連携による自動スコアリングとナーチャリング設計、マーケ・IS部門間の連携体制まで含めて設計することで、商談化までつながる仕組みを構築できます。
ウェビナーとは、Web + Seminarの造語で、オンラインで開催されるセミナーのことです。BtoB企業のウェビナー自社主催の目的として、59.8%が「リード獲得」を挙げており、展示会(56.5%)に次ぐ主要施策となっています(2025年、IT-comm調査)。
しかし、BtoB企業でウェビナー施策実施率は18.7%である一方、効果を実感した割合は10.3%にとどまっています(2025年、n=107、調査対象は限定的)。この差は、リード獲得後のフォロー・育成設計が不十分であることを示唆しています。
この記事で分かること
- ウェビナーがBtoBリード獲得に効果的な理由と数値データ
- 商談化につながるウェビナー設計の基本ステップ
- MA/SFA連携で商談化までつなげる設計方法
- 商談化につながるウェビナー設計チェックリスト
ウェビナーがBtoBリード獲得に効果的な理由
ウェビナーはBtoBリード獲得において有効な施策であり、海外調査によるとB2B購買担当者の91%がウェビナー形式のコンテンツを好むと回答しています(日本市場への適用には注意が必要)。ウェビナー経由で月1件以上受注する企業が2024年の34.3%から2025年に60.9%へ増加しており、成果を出している企業が増えています。
転換率(コンバージョン率) とは、登録者から参加者、参加者から商談など次ステップへ進む割合を指します。ON24 2025レポートによると、ウェビナー登録者から参加者への平均転換率は57%、平均受講時間は51分となっています。この数値はプラットフォーム利用企業のデータであり、自社ツール使用時は調整が必要です。
ウェビナーが効果的な理由として、以下の点が挙げられます。
- 参加者が自ら情報収集しているため、購買意欲が高い傾向がある
- オンライン開催のため、地理的制約なく広くリーチできる
- 参加者の行動データ(視聴時間、質問、資料ダウンロード等)を取得できる
商談化につながるウェビナー設計の基本ステップ
ウェビナーを商談化につなげるためには、企画・集客・開催・フォローの各フェーズで適切な設計が必要です。単独・共催ウェビナーの費用相場は開催20-30万円+LP15-30万円、4社共催時で獲得数100-150件、CPA1-1.5万円が目安とされています。
CPA(Cost Per Acquisition) とは、リード1件を獲得するためにかかるコスト、獲得単価のことです。
【チェックリスト】商談化につながるウェビナー設計チェックリスト
- ターゲットペルソナを明確に定義している
- テーマがターゲットの課題解決に直結している
- 集客目標と獲得リード数の目標を設定している
- 開催2週間前までに登録を促進するスケジュールを組んでいる
- LPに参加メリットと期待できる成果を明記している
- メールキャンペーンによる集客を設計している
- 30-45分程度の構成で参加しやすい時間設定にしている
- 参加者100人以下の小規模開催を検討している
- 当日の進行スクリプトと資料を準備している
- Q&Aセッションなどインタラクティブ要素を含めている
- 録画によるオンデマンド視聴の提供を予定している
- 終了後のフォローメール送信タイミングを決めている
- MA/SFAへのリード情報連携フローを設計している
- 参加行動に基づくスコアリング基準を設定している
- マーケ→ISの引き渡し基準を明文化している
- フォローコールのスクリプトを準備している
- 効果測定KPI(商談化率等)を設定している
企画・集客フェーズのポイント
企画・集客フェーズでは、ターゲット設定とテーマ選定が成果を左右します。小規模(100人以下)の開催で参加率が高まる傾向があり、30-45分の構成が60分よりも参加率向上に寄与するとされています。
集客においては、Eメールキャンペーンが広告より効率的な場合が多く、開催2週間前までに登録を促進する設計が効果的です。
開催・フォローフェーズのポイント
開催フェーズでは、インタラクティブな要素(Q&A、投票、資料ダウンロード)を取り入れることで、参加者のエンゲージメントを高められます。オンデマンド視聴が全体の多くを占める傾向があり、録画活用の重要性が高まっています。
フォローフェーズでは、終了直後のサンクスメール送信と、参加行動に基づくフォローアップが重要です。
なぜリード獲得だけで終わってしまうのか
ウェビナーを「リード獲得」のゴールとして設計し、獲得後のフォロー・育成を属人的に行った結果、せっかくのリードが活用されず商談につながらないパターンが多く見られます。この考え方は誤りです。
BtoB企業でウェビナー施策実施率は18.7%、効果を実感した割合は10.3%という数値(2025年、n=107、調査対象は限定的)が示すように、多くの企業がリード獲得後の設計不足により効果を実感できていません。
失敗パターンの特徴として、以下が挙げられます。
- フォローが属人的で、担当者によって対応品質がばらつく
- MA/SFAが導入済みでもウェビナーと連携できていない
- リードが放置され、温度感が下がってから対応している
- マーケとISの引き渡し基準が曖昧で、タイミングを逃している
MA/SFA連携で商談化までつなげる設計方法
MA/SFA連携による自動スコアリングとナーチャリング設計が、商談化率向上の鍵となります。海外調査によると、リードナーチャリングが得意な企業は50%多くの「即営業可能リード」を33%低コストで獲得できるとされています(日本BtoB市場に適用可能な傾向)。
リードナーチャリングとは、獲得したリードの購買意欲を育成し、商談化につなげる活動を指します。
ある成功事例では、業界有力企業との共催カンファレンスで参加者の約30%が商談進展し、リード獲得目標150%達成を実現しています。
【比較表】ウェビナータイプ別・MA/SFA連携設計比較表
| ウェビナータイプ | 目的 | スコアリング設計 | フォロー方法 | MA/SFA連携ポイント |
|---|---|---|---|---|
| 単独開催(製品紹介) | 商談創出 | 視聴完了、Q&A参加で高スコア | IS即日架電 | 参加者リストを即時連携 |
| 単独開催(課題解決型) | リード育成 | 資料DL、視聴時間でスコア | ナーチャリングメール | 行動スコアをMAで管理 |
| 共催(4社共催等) | リード獲得 | 自社コンテンツ視聴で加点 | 属性に応じて選別フォロー | パートナー別リード分配 |
| オンデマンド配信 | 継続接点 | 視聴完了、再訪問で加点 | ステップメール | 長期育成シナリオ設計 |
| ハイブリッド(対面併用) | 関係構築 | 対面参加で高スコア | 営業同行フォロー | 名刺情報のCRM連携 |
スコアリングとナーチャリングの自動化
ウェビナー参加者のスコアリングでは、参加・視聴行動に基づいて商談化の可能性を判定します。視聴完了、Q&A参加、資料ダウンロードなどの行動に応じてスコアを加点し、一定スコアに達したリードをMQL(Marketing Qualified Lead) として判定します。
MQLとは、マーケティング活動により商談化見込みありと判定されたリードを指します。
ナーチャリングシナリオでは、ウェビナー終了後からMQL判定、商談化までの育成プロセスを設計します。終了直後のサンクスメール、数日後の関連コンテンツ紹介、一定期間後のフォローコールといったステップを自動化することで、属人的なフォローを排除できます。
マーケ・IS部門間の連携体制
マーケティング部門とインサイドセールス部門の連携では、MQL判定基準を両部門で合意することが重要です。「どのスコアに達したらISに引き渡すか」「どのような条件で商談化と判定するか」を明文化しておくことで、連携がスムーズになります。
フォロータイミングの設計も重要です。温度感が高いうちにフォローすることで商談化率が向上する傾向があります。
リード獲得から商談化までの仕組みを構築するために
ウェビナー経由で月1件以上受注する企業が2024年の34.3%から2025年に60.9%へ増加しているように、成功している企業はリード獲得から商談化までの仕組みを構築しています。
本記事で紹介したチェックリストと比較表を活用し、自社のウェビナー施策を点検してください。リード獲得だけで終わらせず、MA/SFA連携による自動スコアリングとナーチャリング設計、マーケ・IS部門間の連携体制まで含めて設計することで、商談化までつながる仕組みを構築できます。
