フォーム最適化でCV率向上だけでなく商談化まで成果を出すには
フォーム最適化とは何か。BtoB企業のフォーム最適化は、EFO施策によるCV率向上だけでなく、MA/SFA連携によるリード活用とインサイドセールスへの引き渡し設計まで含めて実装することで、商談化という成果につながります。
BtoBフォーム入力経験者の76.9%が途中離脱した経験があるという調査結果があります(2025年、Cone調査N=130。民間調査のため、業界全体の統計ではない点に注意)。一般的なWebフォームの離脱率は70%以上とされており、BtoB領域では特に高い傾向がみられます。
「フォーム改善でCV数は増えたが、その後のリード活用がうまくいっていない」「マーケティング部門と営業部門でデータが分断されている」といった課題を感じている方も多いのではないでしょうか。
この記事で分かること
- EFO(入力フォーム最適化)の基本と、フォーム離脱を引き起こす主な原因
- BtoB向けEFO施策の主要ポイントと、具体的な改善手法
- フォーム獲得後のMA/SFA連携によるリード活用とインサイドセールスへの引き渡し設計
- EFO施策とMA/SFA連携の両面からチェックできる実践リスト
EFO(入力フォーム最適化)の基本とフォーム離脱の原因
EFOとは、Entry Form Optimizationの略で、入力フォームを最適化し、離脱を防ぎCVR(コンバージョン率)を向上させる施策を指します。BtoB企業において、問い合わせフォームや資料請求フォームの離脱を減らすことは、リード獲得数に直結する重要な課題です。
2025年の調査によると、フォーム離脱の主な原因は以下の通りです。
| 離脱原因 | 割合 |
|---|---|
| 入力項目が多すぎる | 62.9% |
| 必須項目が多い | 50.8% |
| 個人情報の入力に抵抗がある | 46.8% |
フォーム離脱率とは、フォームに到達したユーザーのうち、入力を完了せずに離脱した割合を指します。この数値を改善することがEFO施策の目標となります。
BtoBフォームに特有の離脱パターン
BtoBフォームでは、BtoCと比較して追加で聞きたい情報が多くなりがちです。会社名、部署名、役職、従業員規模、業種、導入検討時期など、マーケティングや営業活動に必要な情報を取得しようとするあまり、項目数が増加し、離脱率が上昇するケースが少なくありません。
また、BtoBでは「会社のメールアドレス」を求めることが一般的ですが、フリーメールで済ませたいユーザーにとってはハードルになることもあります。
BtoB向けEFO施策の主要ポイント
BtoB企業がEFO施策を実施する際には、項目削減、UI改善、入力補助など複数の観点から取り組むことが重要です。フォーム項目を1つ減らすごとに完了率が約2%改善するというデータがあります(ただし調査年は不明のため、あくまで参考値として捉えてください)。
【比較表】BtoB向けEFO施策一覧表
| カテゴリ | 施策 | 概要 |
|---|---|---|
| 項目削減 | 必須項目の精査 | 本当に必要な項目だけに絞り、任意項目は削除または後から取得 |
| 項目削減 | 段階的情報取得 | 初回は最小限、興味度が高まった段階で追加情報を取得 |
| UI改善 | ステップフォーム化 | 項目を複数ページに分割し、心理的ハードルを軽減 |
| UI改善 | 進捗バーの表示 | 入力完了までの残り項目数を可視化 |
| UI改善 | モバイル最適化 | スマートフォンでも入力しやすいUI設計 |
| 入力補助 | プレースホルダーの活用 | 入力例を表示し、入力形式を明確化 |
| 入力補助 | リアルタイムエラー表示 | 送信前にエラーを表示し、修正のストレスを軽減 |
| 入力補助 | 郵便番号からの住所自動入力 | 入力の手間を削減 |
| 信頼性向上 | プライバシーポリシーの明示 | 個人情報の取り扱いを明確にし、不安を解消 |
| 信頼性向上 | SSL対応の明示 | セキュリティ対策を視覚的に伝える |
必須項目の絞り込みと段階的入力設計
必須項目は、リード獲得時点で本当に必要な情報だけに絞ることが基本です。たとえば、初回の問い合わせ時点では「氏名」「会社名」「メールアドレス」「問い合わせ内容」程度に抑え、従業員規模や導入検討時期などはフォローアップの過程で取得する設計も有効です。
ステップフォームとは、入力項目を複数ページに分割し、段階的に入力させるフォーム形式を指します。一度に多くの項目を見せると離脱につながりやすいため、2〜3ステップに分けることで心理的なハードルを下げる効果が期待できます。
EFO成功事例と改善効果の実態
EFO施策を実施した企業では、CVR向上の成果が報告されています。ただし、これらの数値は各企業の自己申告に基づくものであり、再現性は運用体制や既存フォームの状況により大きく異なります。
三井ダイレクト損保は、Contentsquare導入によるフォーム改善でCVR2%上昇を達成したと報告されています。また、カインズはEFO施策でCVR150%改善、ウェルクスは会員数167%増加を達成したという事例もあります(いずれも事例報告であり、調査年は不明)。
これらの事例から分かるのは、EFO施策には一定の改善効果が見込めるということです。しかし、効果の程度は業種やフォームの初期状態によって異なるため、自社の状況に合わせた施策設計が必要です。
MA/SFA連携によるリード活用とインサイドセールスへの引き渡し設計
フォーム最適化の効果を最大化するには、獲得したリードをMA(マーケティングオートメーション)やSFA(営業支援システム)と連携し、インサイドセールスへ適切に引き渡す設計が不可欠です。
よくある失敗パターンとして、フォーム改善をCV率向上だけで終わらせ、獲得したリードをMA/SFAに連携せずに放置してしまうケースがあります。 この場合、フォームは改善しても商談化につながらず、マーケティング投資の効果が限定的になってしまいます。
フォーム獲得から商談化までの流れを設計する際には、以下の観点を押さえておくことが重要です。
- フォーム送信データのMA/SFA自動連携: 手動でのデータ入力を排除し、リアルタイムでリード情報を反映
- リードスコアリングの設計: フォーム入力内容やその後の行動に基づき、購買意欲を数値化
- 引き渡し基準の明確化: スコアが一定以上になったタイミングでインサイドセールスへアラート
- 営業・マーケ間のフィードバックループ: 引き渡し後の商談結果をマーケティング側にフィードバック
【チェックリスト】EFO+MA/SFA連携チェックリスト
- フォームの必須項目を5項目以下に絞り込んでいる
- 入力例(プレースホルダー)を全項目に設定している
- リアルタイムエラー表示を実装している
- モバイルでの入力しやすさを確認している
- プライバシーポリシーをフォーム近くに明示している
- フォーム送信データがMAに自動連携される設定になっている
- フォーム送信データがSFA/CRMにも自動連携される設定になっている
- リードスコアリングのルールを定義している
- フォーム入力項目ごとのスコア配点を設定している
- フォーム入力後の行動(資料DL、ページ閲覧)もスコアリング対象にしている
- インサイドセールスへの引き渡し基準(スコア閾値)を明確にしている
- 引き渡し時のアラート通知を設定している
- 引き渡し後のフォローアップ期限を設定している
- 商談結果をマーケティング側にフィードバックする仕組みがある
- フォームのCVRを定期的に計測している
- リードから商談への転換率を定期的に計測している
- フォーム離脱率を分析し、改善施策を検討している
- A/Bテストでフォーム改善効果を検証している
リードスコアリングと引き渡し基準の設計
フォーム入力だけでなく、その後の行動(資料ダウンロード、特定ページの閲覧、メール開封など)を含めたスコアリング設計が効果的です。
たとえば、以下のようなスコア配点の考え方があります。
- フォーム入力内容: 役職が決裁者層であれば加点、従業員規模がターゲットレンジであれば加点
- 行動スコア: 料金ページ閲覧で加点、事例ページ複数回閲覧で加点、資料ダウンロードで加点
- 減点要素: 一定期間アクションがない場合は減点
引き渡し基準は、「スコアが一定以上」かつ「直近で特定のアクションがある」といった複合条件で設定することが一般的です。基準が曖昧だと、まだ検討段階の浅いリードが営業に渡されてしまい、営業効率が低下する原因になります。
まとめ|フォーム最適化から商談化まで一気通貫で設計する
BtoB企業がフォーム最適化に取り組む際には、EFO施策によるCV率向上だけでなく、獲得したリードをどのように活用し、商談化につなげるかまでを一気通貫で設計することが重要です。
本記事で紹介したEFO施策を実施することで、フォーム離脱率の改善が期待できます。しかし、それだけでは不十分です。MA/SFAとの連携設計、リードスコアリングの仕組み、インサイドセールスへの引き渡し基準の明確化まで含めて実装することで、はじめて商談化という成果につながります。
まずは本記事のチェックリストを活用し、自社のフォーム最適化とMA/SFA連携の現状を確認してみてください。改善すべきポイントが明確になれば、優先順位をつけて施策を進めることができます。
BtoB企業のフォーム最適化は、EFO施策によるCV率向上だけでなく、MA/SFA連携によるリード活用とインサイドセールスへの引き渡し設計まで含めて実装することで、商談化という成果につながります。
