Salesforce活用|ROI達成率33%の現実と成功企業の違いを解説

著者: B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部公開日: 2026/1/1210分で読めます

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Salesforce導入企業が「活用できていない」と感じる理由

実は、Salesforceを活用するには、基本機能の理解だけでなく、自社の業務フローに合わせた設計と、MA/SFA連携の実装・運用定着までを一貫して進めることが成果を出す鍵となります。

多くの企業がSalesforceを導入していますが、思うような成果が出ていないケースは少なくありません。IBM調査によると、AI施策でROI目標を達成しているSalesforceユーザー企業は33%にとどまるというデータがあります(グローバル調査であり日本企業のみの数値ではなく、ROI目標の定義は企業により異なります)。

ROI(投資対効果) とは、投資に対する収益の割合を指す指標です。ツール導入の成果測定に使用されます。

この数値が示すのは、「Salesforceを導入した=成果が出る」ではないという現実です。導入後の活用設計がなければ、投資に見合う成果を得ることは難しいと言えます。

この記事で分かること

  • Salesforceの基本機能(Sales Cloud・Marketing Cloud)とその役割
  • 活用がうまくいかない企業に共通するパターンと対策
  • 活用に成功している企業の特徴とMA/SFA連携のメリット
  • 自社の活用段階に応じた改善アプローチ
  • Salesforce活用度診断チェックリストによる現状把握

Salesforceの基本機能とSFA・CRM・MAの関係

Salesforceは、営業支援(SFA)、顧客管理(CRM)、マーケティングオートメーション(MA)を統合的に提供するプラットフォームです。それぞれの機能を理解し、連携させることが活用の第一歩となります。

2024年のIDC調査によると、Salesforceの世界CRM市場シェアは20.7%でトップを維持しています(グローバルシェアであり、日本市場単体のシェアではありません)。また、BOXILのCRMツール導入シェア調査では、Salesforce Sales Cloudが38.82%で1位となっています(1,829人対象のベンダー調査)。

これらの数値は、Salesforceが多くの企業で選ばれていることを示していますが、導入されていることと活用されていることは別の話です。

Sales CloudとMarketing Cloudの役割

Sales Cloudは、Salesforceの営業支援(SFA)機能です。商談・案件管理、パイプライン管理、売上予測などを提供し、営業部門の業務を支援します。

Marketing Cloud Account Engagement(旧Pardot) は、SalesforceのBtoB向けMA機能です。リードスコアリング、リードナーチャリング、メール配信自動化を提供し、マーケティング部門の業務を支援します。

これらを連携させることで、マーケティングで獲得・育成したリードを営業に引き渡し、商談化・受注までのデータを一元管理できるようになります。

Salesforce活用がうまくいかない企業に共通するパターン

Salesforceを導入すれば自動的に営業効率が上がると考え、業務フローへの適合やMA連携を設計しないまま運用した結果、入力が定着せず形骸化してしまう——これは多くの企業で見られる失敗パターンです。この考え方は誤りです。

Salesforce Japan調査(2025年)によると、日本企業のITリーダーの97%がシステム間インテグレーションに苦慮しているというデータがあります。また、日本の組織が使用するアプリケーション数は平均721個に達しており、システム連携の複雑さが増しています。

さらに、日本のビジネスリーダーの84%が意思決定におけるデータの重要性を認識しているものの、利活用は不十分と指摘されています(Salesforce Japan調査、2023年)。データを蓄積しても活用できていないという課題が浮き彫りになっています。

【チェックリスト】Salesforce活用度診断チェックリスト

  • Salesforceへのデータ入力が日常業務として定着している
  • 入力項目は必要最小限に絞り込まれている
  • 営業担当者が入力のメリット(評価反映、業務効率化)を理解している
  • 商談ステージの定義が明確になっている
  • パイプライン(商談の進捗状況)がダッシュボードで可視化されている
  • 週次・月次でダッシュボードを確認する習慣がある
  • レポート機能を使って営業活動を分析している
  • MAツール(Marketing Cloud等)との連携ができている
  • リードスコアリングのルールが設定されている
  • スコアリングされたリードが営業に自動連携されている
  • リード獲得から商談化までのデータがつながっている
  • 施策別のROI(投資対効果)を計測できる仕組みがある
  • 入力データの品質チェックを定期的に行っている
  • Salesforce活用のルール・マニュアルが整備されている
  • 新入社員向けのSalesforce研修が実施されている

チェックが半分以下の場合は、基本的な活用段階から見直す必要があるかもしれません。

入力が定着しない原因と対策

入力が定着しない主な原因は、入力項目が多すぎること、入力のメリットが見えないこと、そして入力したデータが活用されていないことの3点です。

対策1: 入力項目の最適化 必須項目を本当に必要なものだけに絞り込み、入力の手間を減らします。「あったら便利」程度の項目は思い切って削除することも検討してください。

対策2: 入力のメリットを明確にする 入力したデータが評価に反映される、自分の業務効率化につながるなど、営業担当者にとってのメリットを明確に伝えます。

対策3: データ活用の可視化 ダッシュボードで入力データがどう活用されているかを見える化し、入力の意義を実感できる仕組みを作ります。

Salesforce活用を成功させる企業の特徴

活用に成功している企業に共通するのは、業務フローに合わせた設計、MA/SFA連携の実装、そして運用定着の仕組み化を一貫して行っていることです。

IBM調査によると、Salesforce+AI活用の成熟度が高いリーダー企業では、業務効率が60%向上し、営業パイプラインが2倍以上に拡大したという結果が報告されています。ただし、これはリーダー企業(上位層)のデータであり、一般的な導入企業では異なる可能性があることに注意が必要です。

また、AIを導入した日本の中堅・中小企業の88%が収益が増加したと回答しています(Salesforce Japan調査、2025年)。規模に関わらず、適切に活用すれば成果につながる可能性があることを示しています。

パイプライン管理とは、商談をステージ別に管理し、案件数・金額・予測売上を可視化する営業管理手法です。

MA・SFA連携で実現できること

MA/SFA連携によって、以下のようなことが実現できます。

リードの自動連携 MAでスコアリングされた有望リードをSalesforceに自動連携し、インサイドセールスが即座にフォローできる体制を構築できます。

商談化率の可視化 マーケティング施策ごとのリード獲得数、商談化数、受注数をダッシュボードで可視化し、施策のROIを定量評価できます。

リードナーチャリングとは、見込み顧客を育成し、購買意欲を高めて商談化するまでのプロセスを指します。

データに基づく意思決定 リード獲得から受注までのデータが一元化されることで、どのチャネル・施策が効果的かをデータで判断できるようになります。

Salesforce活用の段階別アプローチ

自社のSalesforce活用度に応じて、取り組むべき優先事項は異なります。現状を把握した上で、段階に合った改善を進めることが重要です。

【比較表】Salesforce活用段階別アプローチ比較表

活用段階 現状の特徴 優先すべき取り組み 期待できる効果
初期(入力定着) 入力が習慣化されていない、データの欠損が多い 入力項目の最適化、必須項目の絞り込み、入力ルールの整備 データ蓄積の基盤構築
中級(データ活用) 入力は定着したが分析に活用できていない ダッシュボード構築、レポート活用、KPI設定 営業活動の可視化・改善
上級(MA連携・自動化) データ活用はできているがMA連携が不十分 MA連携設定、リードスコアリング、自動ワークフロー構築 マーケ・営業連携の最適化
発展(AI活用・最適化) 基本的な連携は完了、さらなる効率化を目指す AI機能の活用、予測分析、継続的な改善サイクル 高度な意思決定支援

段階別に優先すべき取り組み

初期段階: 入力定着が最優先 入力が定着していなければ、その先の活用はできません。まずは入力項目を必要最小限に絞り、入力しやすい環境を整えることに集中してください。入力ルールを明文化し、チーム全体で共有することも重要です。

中級段階: データを見える化する 入力が定着したら、蓄積されたデータを活用するフェーズに入ります。ダッシュボードを構築し、商談ステージ別の件数・金額、営業担当者別の活動量などを可視化します。データを見ながら改善点を議論する習慣をつけましょう。

上級段階: MA連携で自動化する MAツールとの連携を設計し、リードスコアリングや自動連携の仕組みを構築します。マーケティング部門と営業部門が共通のダッシュボードを見ながら、施策の効果を議論できる体制を目指します。

発展段階: 継続的な最適化 基本的な連携が完了したら、AIを活用した予測分析や、さらなる自動化に取り組みます。ただし、ここに至るまでに前の段階をしっかり固めておくことが前提です。

まとめ|Salesforce活用を成功させるために

本記事では、Salesforce導入済み企業が活用で成果を出すためのポイントを解説しました。

重要なポイントを整理します。

  • ROI目標を達成しているSalesforceユーザー企業は33%にとどまり、導入=成果ではない
  • 活用に失敗する企業の共通点は、業務フロー設計やMA連携なしに運用していること
  • 成功企業は、業務フローに合わせた設計、MA/SFA連携、運用定着を一貫して行っている
  • 自社の活用段階(初期・中級・上級・発展)を把握し、段階に合った改善を進める
  • チェックリストで現状を診断し、次のアクションを明確にする

Salesforceを活用するには、基本機能の理解だけでなく、自社の業務フローに合わせた設計と、MA/SFA連携の実装・運用定着までを一貫して進めることが成果を出す鍵です。

まずは活用度診断チェックリストで現状を把握し、自社の段階に合った改善から始めてみてください。自社だけでの改善が難しい場合は、活用支援の専門家への相談も選択肢の一つです。

「記事は出してるのに商談につながらない」を解決する。
御社を理解して書くから、刺さる。この記事はMediaSprintで作成しました。

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よくある質問

Q1SalesforceのSFA機能とCRM機能の違いは何ですか?

A1SFAは営業活動の支援(商談管理、パイプライン管理など)に特化した機能で、CRMは顧客情報の一元管理を含むより広い概念です。Salesforceでは両方の機能がSales Cloudに統合されています。

Q2Salesforceを導入したが入力が定着しない場合、どうすればよいですか?

A2入力項目を必要最小限に絞り、入力のメリット(自分の業務効率化、評価への反映など)を明確にすることが重要です。また、ダッシュボードで入力データの活用状況を可視化し、入力の意義を実感できる仕組みを作ることも有効です。日本のビジネスリーダーの84%がデータの重要性を認識しながらも活用が不十分という調査結果があり、入力と活用をセットで設計する必要があります。

Q3SalesforceとMAツールを連携させるメリットは何ですか?

A3MAでスコアリングされた有望リードをSalesforceに自動連携し、営業が即座にフォローできる体制が構築できます。また、リード獲得から商談化までのデータが一元化され、施策のROI評価が可能になります。ただし、日本企業のITリーダーの97%がシステム間連携に苦慮しているという調査結果もあり、連携の設計・実装には専門的な知見が求められます。

Q4Salesforce活用に成功している企業の特徴を教えてください

A4活用成熟度の高い企業では業務効率が大幅に向上し、営業パイプラインも拡大しています。IBM調査では、リーダー企業で業務効率60%向上、パイプライン2倍以上という結果が報告されています(上位層のデータ)。共通する特徴は、業務フローに合わせた設計、MA/SFA連携の実装、運用定着の仕組み化を一貫して行っていることです。

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B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部

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