営業組織立ち上げガイド|目標達成率41.2%の実態と成功する組織設計

著者: B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部公開日: 2026/1/169分で読めます

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営業組織立ち上げで多くの企業が直面する課題

営業組織の立ち上げとは何か。営業組織の立ち上げでは、戦略やフレームワークだけでなく、業務プロセスの可視化(BPR)とツール活用を一体で設計することで、属人化を防ぎスケールできる組織を構築できます。

BtoB企業の約7割(69.6%)が新規顧客開拓を重視しているにもかかわらず、目標達成率は41.2%にとどまるという調査結果があります(2025年3月調査、回答数498人。民間調査で自己申告ベースのため、実態と異なる可能性があります)。また、営業組織の課題として「人手不足・体制が整っていない」が34.3%で第1位となっています(2025年調査)。

多くの企業が営業組織の立ち上げや強化に取り組んでいますが、思うような成果が出ないケースが多いのが実情です。本記事では、属人化を防ぎスケールできる営業組織の立ち上げ方を解説します。

この記事で分かること

  • 営業組織の類型(分業型・一気通貫型・ABM型)と選択基準
  • 属人化を防ぐ業務プロセス設計とKPI設計の方法
  • 営業組織立ち上げの具体的なステップとチェックリスト
  • ツール選定と業務プロセス設計を一体で行う重要性

この記事は、従業員50〜300名規模のBtoB企業で営業組織を新設・強化しようとしている営業部長・事業責任者を主な対象としています。

営業組織のあるべき姿と成功要件

強い営業組織の条件は、個人の能力に依存せず、再現性とスケーラビリティを備えていることです。新規顧客開拓の課題として「営業スキル・ノウハウの不足」が36.3%、「競合他社との差別化」が33.3%と上位に挙げられています(2025年調査)。

The Model(ザ・モデル) とは、マーケティング→インサイドセールス→フィールドセールス→カスタマーサクセスの分業型営業組織モデルです。リードの獲得から受注、さらに顧客成功までを一貫した流れで管理します。

RevOps(Revenue Operations) とは、マーケティング・営業・カスタマーサクセスを統合し、収益最大化を図る組織運営手法です。部門間のサイロ化を防ぎ、データに基づいた意思決定を可能にします。

これらのフレームワークは参考になりますが、自社の状況に合わせてカスタマイズすることが重要です。フレームワークをそのまま当てはめるのではなく、自社のターゲット企業や商材特性に応じた組織設計が求められます。

分業型と一気通貫型の違い

営業組織の形態は、大きく分業型と一気通貫型に分けられます。

SDR(Sales Development Representative) とは、インバウンドで獲得したリードに対応し、商談化を担当する役割です。マーケティング活動で獲得した見込み客を営業につなぐ役割を果たします。

BDR(Business Development Representative) とは、アウトバウンドで新規顧客を開拓し、商談機会を創出する役割です。ターゲット企業にアプローチし、商談のきっかけを作ります。

分業型(The Model)はSDR/BDRとフィールドセールスを分離し、各工程に専念させることで効率化を図ります。一方、一気通貫型は一人の営業担当がリード獲得から受注までを担当します。ターゲット企業の母数や商材特性によって、適した組織形態は異なります。

営業組織の類型と特徴比較

営業組織の主要な類型を理解し、自社に適した形態を選ぶことが立ち上げの第一歩です。

ABM(Account Based Marketing) とは、特定のターゲット企業に絞って戦略的にアプローチするマーケティング手法です。大手企業など限られた数のターゲットに集中的にリソースを投下します。

【比較表】営業組織の類型比較表(分業型/一気通貫型等)

類型 特徴 適したターゲット メリット デメリット
分業型(The Model) マーケ・IS・FS・CSを分業 SMB・中堅企業中心 各工程の専門化・効率化 部門間連携が必要
一気通貫型 一人が全工程を担当 少数の大手企業 顧客理解が深まる スケールしにくい
ABM型 ターゲット企業に集中 エンタープライズ企業 高単価案件に集中 対象企業数が限定的
ハイブリッド型 分業型+ABM型の併用 複数セグメント対応 柔軟な対応が可能 運用が複雑化
ポッド型 マーケ・IS・FSの小チーム 新規事業・実験的取組 迅速な意思決定 大規模化が難しい

※ 企業規模や商材特性により最適な類型は異なります。

ターゲット企業の母数が多い(SMB中心)場合は分業型(The Model)が適しています。一方、ターゲット企業が限定的(大手企業中心)な場合はABM型が有効です。自社のターゲット特性を踏まえて選択してください。

属人化を防ぐ仕組みづくりと業務プロセス設計

属人化を防ぐためには、業務プロセスの標準化とKPI設計が不可欠です。BtoB中小企業の新規開拓で「紹介」を主力とする企業の61.5%が「ほぼ手動営業」という状態にあり、全体平均の42.0%を大きく上回っています(2025年調査)。また、紹介主力企業の59.0%がKPI(明確に設定された指標)を持たないという調査結果もあります(2025年調査)。

よくある失敗パターンとして、営業のエースに頼った属人的な組織を作り、業務プロセスの標準化やツール整備を後回しにして、組織拡大時に再現性がなく成果が出なくなってしまうケースがあります。この考え方は誤りです。

「営業のエース」に頼れば組織が成り立つという考えは危険です。属人化は組織拡大時のボトルネックになり、エースが退職・異動すると組織全体のパフォーマンスが急落するリスクがあります。

KPI設計と営業プロセスの可視化

属人化を防ぐためには、営業プロセスを可視化し、各工程のKPIを設定することが重要です。紹介主力企業の59.0%がKPI未設定という実態からも、多くの企業でこの取り組みが不足していることがわかります。

営業プロセスにおける主要なKPIとして、以下のような指標が考えられます。

  • 架電数・アプローチ数: 営業活動の量を測定
  • 接続率: アプローチした件数のうち、担当者に繋がった割合
  • アポ率: 接続した件数のうち、アポイントを獲得した割合
  • 商談化率: アポイントのうち、商談に進んだ割合
  • 受注率: 商談のうち、受注に至った割合

これらのKPIを日次・週次で分析し、PDCAを高速で回すことが成功企業の共通点です。

営業組織立ち上げのプロセスとチェックリスト

営業組織を立ち上げる際は、段階的にプロセスを踏んでいくことが重要です。CRM導入率は37.2%(2024年度)で、2023年度の36.2%から微増しています。しかし、ツール導入だけでは成果は出ません。

「CRM/SFAを導入すれば営業が効率化する」という考えは誤りです。 ツール導入前に業務プロセスを設計し、どのようにツールを活用するかを明確にしておく必要があります。

【チェックリスト】営業組織立ち上げチェックリスト

  • ターゲット企業の特性(大手中心/SMB中心)を明確化している
  • 営業組織の類型(分業型/一気通貫型/ABM型)を決定している
  • 営業プロセスを可視化し、各工程を定義している
  • 各工程のKPI(架電数・接続率・アポ率・商談化率・受注率)を設定している
  • KPIを日次・週次で測定する仕組みを構築している
  • 営業活動の記録ルールを標準化している
  • リード獲得チャネルを明確にしている
  • リードの引き渡し基準(MQL→SQL)を定義している
  • 商談管理の基準(フェーズ定義、確度設定)を明確化している
  • 受注後のカスタマーサクセス体制を検討している
  • 必要な人員数と役割分担を計画している
  • 採用要件と育成計画を策定している
  • 業務プロセスに合ったツール要件を整理している
  • ツール導入前のトライアル運用計画がある
  • 定期的な振り返りとプロセス改善の仕組みがある

ツール選定と業務プロセス設計の一体化

ツール導入は業務プロセス設計と一体で行うべきです。業務プロセスが整理されていない状態でCRM/SFAを導入しても、データが蓄積されない、活用されないといった問題が発生します。

ツール選定の際は、以下のポイントを確認してください。

  • 自社の営業プロセスに合った機能があるか
  • 他のツール(MA、名刺管理など)との連携が可能か
  • 運用負荷が自社の体制で対応可能か
  • 導入・運用コストが予算内に収まるか

特定のツールを一方的に推奨することは避けますが、自社の業務プロセスを整理した上で、その要件に合ったツールを選定することが重要です。

まとめ:業務プロセス設計とツール活用で再現性ある営業組織を構築する

本記事では、営業組織の立ち上げ方について解説しました。BtoB企業の約7割(69.6%)が新規顧客開拓を重視しているにもかかわらず、目標達成率は41.2%にとどまるという実態があります。

この課題を解決するためのポイントを整理します。

  • ターゲット企業の特性に応じて、営業組織の類型(分業型/一気通貫型/ABM型)を選択する
  • 業務プロセスを可視化し、各工程のKPIを設定する
  • 「営業のエース」への依存を排し、再現性のある仕組みを構築する
  • ツール導入前に業務プロセスを設計し、一体で運用する

営業組織の立ち上げでは、戦略やフレームワークだけでなく、業務プロセスの可視化(BPR)とツール活用を一体で設計することが、属人化を防ぎスケールできる組織を構築するための鍵です。本記事のチェックリストと比較表を活用して、自社の営業組織立ち上げを進めてください。

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よくある質問

Q1営業組織を立ち上げる際に最初に決めるべきことは?

A1ターゲット企業の特性(大手中心/SMB中心)に応じて、分業型(The Model)か一気通貫型かを決めることが最初のステップです。ターゲット母数が多い場合は分業型、限定的な場合はABM型が適しています。次に営業プロセスを可視化し、各工程のKPIを設計することが重要です。

Q2営業組織の属人化を防ぐにはどうすればよい?

A2業務プロセスを標準化し、KPIを設定してデータで管理することが重要です。2025年の調査では、紹介主力企業の59.0%がKPIを持たないという結果があり、KPI設計と可視化が属人化防止の鍵となります。「営業のエース」に頼る組織は拡大時にボトルネックになるリスクがあります。

Q3営業組織立ち上げでCRM/SFAはいつ導入すべき?

A3CRM導入率は37.2%(2024年度)ですが、ツール導入前に業務プロセスを設計することが先決です。業務プロセスが整理されていない状態でツールを導入しても、データが蓄積されない、活用されないといった問題が発生します。まず業務フローを整理し、その後にツール要件を定義してください。

Q4BtoB企業の新規顧客開拓で成果が出ない原因は?

A4BtoB企業の約7割(69.6%)が新規顧客開拓を重視しているにもかかわらず、目標達成率は41.2%にとどまっています。課題として「営業スキル・ノウハウの不足」36.3%が上位に挙げられており、属人化と業務プロセスの未整備が主な要因です。プロセスの標準化とKPI管理が成果向上の鍵となります。

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B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部

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