PMF後の営業体制構築ガイド|プロセス標準化で再現性ある組織へ

著者: B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部公開日: 2026/1/148分で読めます

「記事は出してるのに商談につながらない」を解決する。
御社を理解して書くから、刺さる。この記事はMediaSprintで作成しました。

MediaSprintについて詳しく見る →

PMF達成後に営業が伸び悩む構造的な原因

多くの人が見落としがちですが、PMF後の営業成功は、GTM戦略の策定だけでなく、MA/SFA連携による営業プロセスの可視化とマーケティング・インサイドセールスとの連携設計まで実装することで、再現性のある売れる仕組みが構築できます。

GTM戦略(Go-To-Market戦略) とは、どの顧客に・どんな価値を・どう届けるかを体系的に設計する市場参入戦略です。PMFを達成したスタートアップが次のステージに進む際、このGTM戦略と営業プロセスの整備が成長の鍵を握ります。

SaaS営業のノルマ達成率は2012年の74%から2024年には51%に低下しているというデータがあります。この傾向からも、構造化されたGTM戦略と営業体制の重要性が高まっていることがわかります。

さらに、グローバル調査によると、営業・マーケティングチームの81%が営業プロセスを見直し・修正していないと報告されています(日本単独データではないため、日本市場では異なる可能性があります)。PMF達成後も従来のやり方を続けていては、スケールに対応できません。

この記事で分かること

  • PMF前後で変わる営業活動の要件とGTM戦略の重要性
  • 「増員すれば売上が伸びる」という誤解がなぜ失敗するのか
  • MA/SFA連携による営業プロセスの可視化方法
  • IS/FS分業体制の設計ポイント
  • PMF後営業体制構築チェックリスト

PMF前後で変わる営業活動の要件

PMF前とPMF後では、営業活動に求められる要件が大きく異なります。PMF前は「売れるかどうかの検証」がメインですが、PMF後は「売れる仕組みのスケール」が焦点となります。

ICP(理想顧客プロファイル) とは、LTV・受注率が高いセグメントを基準に定義した理想的な顧客像です。PMF後の営業では、このICPを明確に定義し、GTM戦略に基づいた体系的なアプローチが必要になります。

【比較表】PMF前後の営業活動比較表

項目 PMF前 PMF後
目的 製品・市場適合の検証 売れる仕組みのスケール
営業スタイル 創業者・少数精鋭による属人的営業 プロセス化された組織営業
ターゲット 幅広く検証 ICPに基づく絞り込み
KPI 顧客フィードバック、PMF達成指標 営業効率指標(CAC回収期間、LTV/CAC等)
プロセス 柔軟に変更・実験 標準化・型化が必要
体制 フラット、少人数 IS/FS分業、マーケ連携

GTM戦略とICP定義の重要性

GTM戦略を策定する際、最も重要なのがICPの定義です。ICPに合わないリードは商談化率が低く、営業リソースを浪費する原因となります。

ICP定義のポイントは以下の通りです。

  • 既存顧客分析: LTVが高い顧客、受注率が高かったセグメントを分析
  • 属性の明確化: 業種、企業規模、部門、役職などを具体化
  • 課題の特定: そのセグメントが抱える具体的な課題を言語化
  • マーケとの共有: ICPをマーケティング部門と共有し、リードの質を担保

「増員すれば売上が伸びる」が失敗する理由

PMF達成後に「営業を増員すれば売上も伸びる」と考え、属人的な営業活動を続けたまま人員を増やしてしまい、プロセスが標準化されず営業効率が下がる——これはよくある失敗パターンです。この考え方は誤りであり、成果にはつながりません。

グローバル調査によると、新入営業が完全戦力になるまで平均5.3ヶ月かかるとされています(日本市場では異なる可能性があります)。プロセスが属人化したまま増員すると、この立ち上がり期間がさらに長期化し、営業効率が下がります。

営業リーダーが挙げる連携障壁として、以下のような課題が報告されています。

  • チーム間コミュニケーションの欠如: 38%
  • 目標・戦略の不一致: 30%
  • 営業インプットなしでのマーケ活動: 27%
  • ツールがバラバラ: 26%

これらの障壁は、プロセス標準化とツール統合によって解消できる課題です。増員の前に、まず営業プロセスの整備が必要です。

MA/SFA連携による営業プロセスの可視化

MA/SFA連携により、営業プロセスを可視化し、属人化から脱却することができます。調査によると、営業プロフェッショナルの約20%(5人に1人)が営業とマーケがあまり連携していない、または全く連携していないと回答しています。

SDR/BDRとは、インバウンドリードの精査やアウトバウンド開拓を担う営業開発担当者です。AE(アカウントエグゼクティブ) とは、商談から受注までを担当するフィールド/インサイドセールス担当者を指します。

MA/SFA連携で実現できることは以下の通りです。

  • リードの行動履歴の可視化(Webサイト訪問、メール開封等)
  • スコアリングによるリードの優先順位付け
  • マーケ→IS→FSへの引き渡しプロセスの標準化
  • 商談進捗の可視化とボトルネックの特定

ある企業では、業務標準化により月平均約20時間の残業時間が平均8時間に短縮したという事例があります(特定企業の事例であり、効果は企業規模や業種によって異なります)。

IS/FS分業体制の設計ポイント

IS(インサイドセールス)/FS(フィールドセールス)の分業体制を設計する際のポイントは以下の通りです。

  • 役割の明確化: SDR/BDRはリードの精査とナーチャリング、AEは商談以降を担当
  • 引き渡し基準の設定: どのような状態のリードをFSに引き渡すかを明文化
  • オンボーディング構造の整備: 新入営業の立ち上がり期間を短縮するための型・プレイブックを用意
  • フィードバックループの構築: FSからISへ、ISからマーケへのフィードバックを仕組み化

PMF後の営業体制構築の実践ステップ

営業・マーケティングチームの81%が営業プロセスを見直し・修正していないという調査結果があります(グローバル統計)。PMF後の成長フェーズでは、プロセスの見直しと体制構築が不可欠です。

NRR(Net Revenue Retention) とは、既存顧客からの売上維持率です。アップセル・解約を含めた既存顧客ARRの増減率を示す指標で、PMF後の営業体制では重要なKPIとなります。

【チェックリスト】PMF後営業体制構築チェックリスト

  • GTM戦略が明文化されている
  • ICP(理想顧客プロファイル)が定義されている
  • ICPがマーケティング部門と共有されている
  • リードスコアリングの基準が設定されている
  • MQL/SQLの定義がマーケ・IS間で合意されている
  • IS→FSへの引き渡し基準が明文化されている
  • MA/SFAのデータ連携が完了している
  • 営業プロセスが可視化されている
  • 営業プレイブック(型)が言語化されている
  • 新入営業向けオンボーディングプログラムがある
  • 営業効率指標(CAC回収期間、LTV/CAC等)が設定されている
  • NRRが測定・追跡されている
  • マーケ・IS・FSの週次/月次ミーティングが設置されている
  • ISからマーケへのフィードバックループがある
  • 営業プロセスの定期見直しサイクルが決まっている

マーケティング・ISとの連携設計

営業リーダーが挙げる連携障壁(コミュニケーション欠如38%、目標不一致30%等)を踏まえ、以下の施策を実施することが効果的です。

  • ICP定義の共有: マーケティングが獲得すべきリードの基準を明確化
  • 目標の一貫性: マーケ、IS、FSで一貫したKPIを設定
  • ツールの統合: MA/SFA/CRMを連携させ、データを一元管理
  • 定期的なすり合わせ: 週次/月次でリードの質や商談化率を振り返り

マーケからのリード供給において、ICPに合わない質の低いリードが多いと、ISのリソースが浪費されます。ICP定義を共有し、質の高いリード供給を実現することが重要です。

まとめ|再現性のある営業プロセスがスケールの鍵

本記事では、PMF達成後の営業体制構築について、GTM戦略からMA/SFA連携、IS/FS分業体制まで解説しました。

PMF後に営業を増員しても売上が伸びない原因は、プロセスの属人化にあります。「増員すれば売上が伸びる」という考え方は誤りであり、まずプロセスの標準化と体制構築が必要です。

記事内で紹介した「PMF後営業体制構築チェックリスト」を活用して、自社の現状を確認してみてください。まずGTM戦略とICP定義の見直しから始め、MA/SFA連携による営業プロセスの可視化を進めることをお勧めします。

PMF後の営業成功は、GTM戦略の策定だけでなく、MA/SFA連携による営業プロセスの可視化とマーケティング・インサイドセールスとの連携設計まで実装することで、再現性のある売れる仕組みが構築できます。

「記事は出してるのに商談につながらない」を解決する。
御社を理解して書くから、刺さる。この記事はMediaSprintで作成しました。

MediaSprintについて詳しく見る →

この記事の内容を自社で実践したい方へ

リード獲得〜商談化の課題を診断し、設計から実装まで支援します。
戦略だけで終わらず、作って納品。まずは30分の無料相談から。

よくある質問

Q1PMF後に営業を増員しても売上が伸びないのはなぜですか?

A1営業プロセスが属人化したまま増員すると、新入営業の立ち上がりに時間がかかり生産性が上がりません。グローバル調査では新入営業が完全戦力になるまで平均5.3ヶ月かかるとされています。プロセス標準化なしの増員は非効率であり、まず営業の型化とオンボーディング構造の整備が必要です。

Q2営業とマーケティングの連携がうまくいかない原因は何ですか?

A2営業リーダーが挙げる連携障壁として、チーム間コミュニケーション欠如38%、目標・戦略の不一致30%、営業インプットなし27%、ツールがバラバラ26%が挙げられています。ICP定義の共有、目標の一貫性、ツール統合、定期的なすり合わせミーティングの設置が解決策となります。

Q3SaaS営業の生産性が低下している傾向はありますか?

A3SaaS営業のノルマ達成率は2012年の74%から2024年には51%に低下しています。この傾向からも、構造化されたGTM戦略と営業体制の重要性が高まっていることがわかります。属人的な営業からプロセス化された組織営業への転換が求められています。

Q4営業プロセスの標準化で得られる効果は?

A4ある企業では業務標準化により月平均約20時間の残業時間が平均8時間に短縮した事例があります。ただしこれは特定企業の事例であり、効果は企業規模や業種によって異なります。プロセス標準化の本質的な効果は、再現性の確保と新入営業の早期戦力化です。

B

B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部

「B2Bデジタルプロダクト実践ガイド」は、デシセンス株式会社が運営する情報メディアです。B2Bデジタルプロダクト企業のマーケティング・営業・カスタマーサクセス・開発・経営に関する実践的な情報を、SaaS、AIプロダクト、ITサービス企業の実務担当者に向けて分かりやすく解説しています。