Account Engagement(Pardot)の設定で多くの企業が止まる理由
Account Engagement(Pardot)の初期設定は手順を踏めば完了できるが、設定後に「使われる」状態にするためには営業連携を見据えたデータ設計と運用体制の構築が不可欠であり、専門家の支援を活用することで設定から定着までを効率的に進められます。これが本記事の結論です。
「Account Engagementを導入したが初期設定が複雑で進まない」「設定したが活用できていない」——このような課題を抱えるマーケティング責任者は少なくありません。本記事では、初期設定だけでなく「活用される状態」まで見据えた設定ガイドを解説します。
この記事で分かること
- Account Engagement初期設定の全体像と主要ステップ
- Salesforceとの連携設定のポイント
- 設定だけで終わらせないための営業連携設計
- 初期設定を確実に完了させるためのチェックリスト
Account Engagement初期設定の全体像と主要ステップ
初期設定は「準備→トラッキング→データ管理→自動化→連携・運用」の順で進めるのが一般的です。各ステップの概要を把握し、全体像を理解した上で進めることが重要です。
Engagement Studioとは、Account Engagementの自動化シナリオ構築機能です。メール配信やイベント連動を設定し、リードナーチャリングを自動化できます。
スコアリングとは、リードの行動(ページ閲覧、メール開封等)にポイントを付与し関心度を数値化する手法です。営業にパスするリードの優先度判定に活用されます。
【比較表】初期設定の主要ステップと所要目安
| ステップ | 主な設定内容 | 所要目安 | 重要度 |
|---|---|---|---|
| 準備 | アカウント設定、ユーザー権限設定 | 短期間 | 高 |
| トラッキング | トラッキングコード設置、Cookie同意設計 | 短期間 | 高 |
| データ管理 | カスタムフィールド設計、インポート設定 | 中程度 | 高 |
| 自動化 | Engagement Studio設計、メールテンプレート作成 | 中〜長期 | 中 |
| 連携・運用 | Salesforce連携、営業引き渡しルール設定 | 中程度 | 高 |
※所要期間は企業規模・既存システム・設定範囲により異なります。上記は目安としてご参照ください。
準備・トラッキング設定
初期設定の第一段階として、トラッキングコードの設置とデータ収集の基盤構築が必要です。
トラッキング設定では、以下の項目を確認します。
- トラッキングコードの設置: 自社Webサイトの全ページにトラッキングコードを設置
- Cookie同意設計: GDPR等の法規制に対応したCookie同意の仕組みを設計
- メール認証: SPF/DKIM設定によるメール到達率の向上
スコアリング・グレーディング設定
スコアリング設計は、リードの優先度判定のために重要な設定です。初期値は参考程度に設定し、運用データを見ながらPDCAで調整していくことが推奨されます。
MQL(Marketing Qualified Lead) とは、マーケティング施策で獲得・育成し、営業にパスする基準を満たしたリードを指します。
スコアリング設定の一例として、ページ閲覧1pt、メール開封5pt、フォーム通過50ptで関心度を数値化するケースがあります。ただし、この設定値は業界・商材により最適な値が異なるため、自社の運用データを見ながら調整することが重要です。
Salesforceとの連携設定のポイント
Account EngagementはSalesforceと連携することで、マーケティングと営業のデータを一元管理できます。連携設定は初期設定の中でも特に重要なステップです。
Engagement Historyとは、Salesforce上でAccount Engagementの活動履歴を確認できる機能です。営業担当者がリードの行動履歴を把握するために活用されます。
キャンペーン同期とは、Account EngagementのキャンペーンをSalesforceと連携し、成果を一元管理する機能です。
Salesforce連携設定のポイントは以下の通りです。
- リードステータス同期: マーケティングと営業でリードステータスを共有し、フォロー漏れを防止
- キャンペーン連携: キャンペーン成果をSalesforce上で一元管理
- Engagement History設定: 営業担当者がリードの行動履歴を確認できる環境を整備
成功事例として、コニカミノルタジャパンはPardot-Salesforce連携により案件創出3倍を達成したと報告されています(年度不明)。ただし、成果は企業の活用状況により異なり、現在の市場環境とは異なる可能性がある点にご留意ください。
設定だけで終わらせないための営業連携設計
初期設定を「公式マニュアル通りに完了させること」だけを目的にし、営業部門との連携やリード活用の設計を後回しにして、結局ツールが使われないまま形骸化してしまうパターンは誤りです。
Account Engagementを導入すれば自動で成果が出るわけではありません。データ設計と営業連携の仕組み構築が必要です。
営業連携設計で押さえるべきポイントは以下の通りです。
- MQL定義の合意: マーケティングと営業でMQLの定義を合意し、引き渡し基準を明確化
- 引き渡しルール: リード引き渡しのタイミング・方法を明文化
- フォロータイミング: 営業のフォロー期限と報告ルールを設定
- フィードバック収集: 営業からのフィードバックをマーケティング施策に反映する仕組みを構築
これらの設計を初期設定と並行して進めることで、設定完了後に「使われない」状態を防ぐことができます。
初期設定を確実に完了させるためのチェックリスト
初期設定の漏れを防ぎ、確実に「使われる状態」にするためのチェックリストを用意しました。
社内にMAツールの運用経験者がいない場合は、専門家の伴走支援を活用することで設定から定着までを効率的に進められます。導入支援企業は1,500社を超える実績をもとに、導入計画の策定から初期設定、運用、効果測定までを包括的にサポートしているケースがあります。
【チェックリスト】Account Engagement初期設定チェックリスト
- Account Engagementのアカウント作成が完了している
- ユーザー権限設定が完了している
- トラッキングコードが自社Webサイト全ページに設置されている
- Cookie同意の仕組みが実装されている
- SPF/DKIM設定が完了している
- カスタムフィールドの設計が完了している
- リードのインポート設定が完了している
- スコアリングルールが設定されている
- グレーディングルールが設定されている
- Salesforceとの連携設定が完了している
- リードステータス同期が設定されている
- Engagement Historyの表示設定が完了している
- キャンペーン同期の設定が完了している
- MQL定義が営業部門と合意されている
- リード引き渡しルールが明文化されている
- フォロータイミングと報告ルールが設定されている
- 営業からのフィードバック収集の仕組みがある
- メールテンプレートが作成されている
- Engagement Studioのシナリオが設計されている
- 運用担当者への教育・オンボーディングが完了している
Account Engagement設定を成功させるために
本記事では、Account Engagement(Pardot)の初期設定から活用までの進め方を解説しました。
重要なポイント
- 初期設定は「準備→トラッキング→データ管理→自動化→連携・運用」の順で進める
- スコアリング設定は運用データを見ながらPDCAで調整する
- Salesforce連携でマーケティングと営業のデータを一元管理する
- 設定だけでなく営業連携設計を並行して進める
- 社内に運用経験者がいない場合は専門家の伴走支援を検討する
まずは本記事で紹介したチェックリストを活用し、自社の設定状況を確認してみてください。
Account Engagement(Pardot)の初期設定は手順を踏めば完了できるが、設定後に「使われる」状態にするためには営業連携を見据えたデータ設計と運用体制の構築が不可欠であり、専門家の支援を活用することで設定から定着までを効率的に進められます。
