MarketoとPardotの違いを比較する前に
MarketoとPardotのどちらを選ぶべきか判断できず投資に踏み切れないなら、Marketo/Pardot選定の成功は、機能比較だけでなく、MA/SFA設定での実装・カスタマイズまで見据えた選定で実現します。
国内MAツールシェア(2026年1月、DataSign調査)では、Pardot(Account Engagement)が22.50%で1位、Marketoが11.24%で3位と、両ツールは国内BtoB企業で広く導入されている主要MAツールです。日本BtoB企業のMA導入率は約30%(2024年時点)であり、導入を検討する企業が増えています。
しかし、機能比較表だけでMAツールを選定し、導入後のMA/SFA設定・実装や既存システム連携、標準機能で不足する場合のカスタマイズを後回しにしてしまうと、ツールが活用されず形骸化するという失敗パターンが多く見られます。この考え方は誤りであり、選定段階から導入後の運用まで見据えた判断が重要です。
この記事で分かること
- MarketoとPardotの基本情報と特徴の違い
- 機能・価格の比較表による判断材料
- 企業規模・用途別の選び方
- MAツール選定後のMA/SFA実装チェックリスト
MarketoとPardotの基本情報と特徴
Adobe Marketo EngageとAccount Engagement(旧Pardot) は、どちらもBtoB企業向けの主要MAツールですが、提供元と強みが異なります。Marketoはグローバル22,000社以上に導入されており(139カ国)、高度なスコアリング機能が特徴です。一方、Pardotは2023年にAccount Engagementに名称変更され、Salesforce CRMとのネイティブ連携が最大の強みとなっています。
Marketo(Adobe Marketo Engage)の特徴
Adobe Marketo Engageとは、Adobeが提供するBtoB向けMAツールです。高度なスコアリングとグローバル規模の導入実績が特徴で、複雑なマーケティング施策を自動化できます。
Marketoの主な強みは以下の通りです。
- リードスコアリング(見込み顧客の行動・属性データを数値化し、商談化の可能性を判定する機能)が高度で柔軟
- グローバル展開に対応(139カ国、22,000社以上の導入実績)
- Adobe Experience Cloudとの連携による統合マーケティング
ただし、中小企業(2-10人規模)では設定の複雑さから不向きとの評価もあるため、自社のリソースと照らし合わせた検討が必要です。
Pardot(Account Engagement)の特徴
Account Engagement(旧Pardot) とは、SalesforceのMAツールです。2023年にPardotから名称変更され、Salesforce CRMとのネイティブ連携が強みです。国内MAツールシェアではPardotが22.50%で1位を獲得しています(2026年1月、DataSign調査)。
Pardotの主な強みは以下の通りです。
- ネイティブ連携(同一プラットフォーム内で標準機能として統合されている連携方式)によりSalesforce CRMとシームレスに連携
- Engagement Studio(顧客の反応に応じてメール送信・分岐・スコア加点を自動化するシナリオ配信機能)による自動化
- Salesforce導入企業にとって追加設定が最小限で済む
MarketoとPardotの機能・価格比較
両ツールの選定にあたり、機能と価格の比較は重要な判断材料となります。ただし、Marketo料金は要見積もり(公開なし)のため、具体的な金額比較は困難です。Pardot料金は以下の通りです(2025-2026年、日本市場、税込)。
- Growth: 150,000-165,000円/月
- Plus: 300,000-330,000円/月
- Advanced: 480,000-528,000円/月
- Premium: 1,800,000-1,980,000円/月
【比較表】Marketo vs Pardot 機能・価格比較表
| 項目 | Marketo(Adobe Marketo Engage) | Pardot(Account Engagement) |
|---|---|---|
| 提供元 | Adobe | Salesforce |
| 名称変更 | なし | 2023年にPardotから変更 |
| 国内シェア | 11.24%(3位) | 22.50%(1位) |
| グローバル導入 | 22,000社(139カ国) | 非公開 |
| Salesforce連携 | API連携(追加設定必要) | ネイティブ連携(標準機能) |
| スコアリング | 高度・柔軟 | 標準的 |
| シナリオ配信 | あり | Engagement Studio |
| 料金 | 要見積もり | 150,000円〜1,980,000円/月 |
| 向いている企業 | グローバル展開・高度なスコアリング重視 | Salesforce活用企業・中堅規模 |
※シェア数値はDataSign調査(2026年1月)に基づく。料金は変動する可能性があるため、最新情報は各社に確認してください。
選定で失敗しないための判断基準
機能比較表だけでMAツールを選定するのは、失敗につながりやすいアプローチです。MAスコアリングを活用している日本BtoB企業では、営業成約率が20-30%向上したという報告があります(2024年調査)。逆に言えば、スコアリングを活用できなければこの効果は得られません。
選定時に考慮すべきポイントは以下の通りです。
- 既存システムとの連携: Salesforceを活用中の企業はPardotがネイティブ連携でROIが高い傾向がある
- 導入後の運用体制: 設定・カスタマイズの内製化か外部支援か
- 標準機能で不足する場合の拡張方法: API連携やカスタム開発の要否
企業規模・用途別の選び方
特定ツールの一方的な優劣判断は避けるべきですが、用途別の適性として以下の傾向があります。
Pardotが向いているケース
- Salesforce CRMを既に活用している企業
- ネイティブ連携によるスムーズな導入を重視する場合
- 国内サポート体制を重視する場合
Marketoが向いているケース
- グローバル展開を視野に入れている企業
- 高度なスコアリング・セグメンテーションが必要な場合
- Adobe製品群との統合マーケティングを行う場合
いずれの場合も、PoCを実施して自社要件との適合性を検証してから本導入に進むことを推奨します。
MAツール選定後のMA/SFA実装ステップ
MAツール選定後の実装フローを事前に設計することで、運用定着率が向上します。導入前にSFA連携フローを事前設計することが重要です。MAスコアリング活用により営業成約率が20-30%向上するというデータがある一方、スコアリング未活用で失敗するケースも報告されています。
【チェックリスト】MAツール選定→MA/SFA実装チェックリスト
- 自社のMA導入目的(リード獲得・育成・商談化)を明確化している
- 既存CRM/SFAとの連携要件を洗い出している
- 必要なリード数・商談化目標を数値で設定している
- 社内の運用担当者をアサインしている
- ベンダーまたは導入支援パートナーを選定している
- PoCを実施して自社要件との適合性を検証している
- リードスコアリングの基準を定義している
- マーケティング→インサイドセールスの引き継ぎ基準を明文化している
- SFA/CRMとのデータ連携フローを設計している
- メールシナリオ・ナーチャリングフローを設計している
- 導入後のKPI(MQL数、商談化率等)を設定している
- 運用マニュアル・トレーニング計画を策定している
- 標準機能で不足する場合のカスタマイズ方針を決定している
- 定期的なレビュー・改善サイクルを設計している
- 外部支援が必要な場合の予算を確保している
まとめ|自社に最適なMAツール選定のために
MarketoとPardotはどちらも国内で広く導入されている主要MAツールです。国内シェアではPardotが22.50%で1位、Marketoが11.24%で3位となっています(2026年1月、DataSign調査)。どちらを選ぶかは、自社の既存システム・運用体制・将来の拡張性によって判断すべきです。
MAスコアリング活用により営業成約率が20-30%向上したという報告があるように、ツール選定だけでなく導入後の活用が成果を左右します。
本記事で紹介したチェックリストを活用し、選定から実装までを一貫して設計してください。Marketo/Pardot選定の成功は、機能比較だけでなく、MA/SFA設定での実装・カスタマイズまで見据えた選定で実現します。
