Pardot料金プラン検討時に押さえるべきポイント
Pardotの料金プラン選択の答えは明確で、現在のリード数やマーケティング成熟度だけでなく、Salesforce連携の活用範囲と将来の拡張計画を踏まえて判断することが重要です。
Marketing Cloud Account Engagement(旧Pardot)は、Salesforce社が提供するBtoB向けMAツールです。日本市場での基準価格は、最も手頃なGrowthプランで月額150,000円(税抜)からスタートします(2025年時点)。
しかし、料金だけを見て最安プランを選ぶと、必要な機能が不足したり、リード数増加時に追加コストが膨らんだりして、結果的に想定以上の費用がかかるケースが少なくありません。本記事では、単純な価格比較を超えて、自社に最適なプランを判断するための情報を提供します。
この記事で分かること
- Pardot(Account Engagement)の料金体系と各プランの特徴
- Growth/Plus/Advanced/Premiumの機能差と選び方
- 導入にかかる総コスト(初期費用・運用費用を含む)
- 自社に合ったプランを選ぶための判断チェックリスト
Pardot(Account Engagement)とは?MA選定における位置づけ
Marketing Cloud Account Engagementは、旧名称Pardotから2022年にリブランドされた、Salesforce社のBtoB向けMAツールです。リードの獲得から育成、営業への引き渡しまでを一元管理でき、特にSalesforce CRMとの連携に強みを持っています。
Pardotは単体でも利用可能ですが、Salesforce CRMと組み合わせることで真価を発揮する設計になっています。そのため、料金プランを検討する際は、Salesforce連携をどの程度活用するかも重要な判断材料となります。
Salesforce連携を前提としたMAツール
Salesforce CRM連携とは、PardotとSalesforce SFAのリード・商談データを双方向で同期する機能を指します。この連携により、マーケティング部門と営業部門が同じデータを共有し、リードの状態をリアルタイムで把握できます。
Pardot単体でもメール配信やフォーム作成などの基本機能は利用可能ですが、Salesforce CRMと連携することで、以下のメリットが得られます。
- リードから商談・受注までの一気通貫のデータ管理
- 営業活動とマーケティング施策の効果測定
- リードスコアに基づく営業へのタイムリーな引き渡し
コンタクト数による追加料金の仕組み
コンタクト数課金とは、プランの上限リード数を超えた場合に追加料金が発生する従量課金モデルです。各プランには管理できるコンタクト(リード)数の上限が設定されており、これを超過すると追加費用がかかります。
具体的な追加単価はSalesforce社の公式サイトでは公開されておらず、見積り依頼が必要です。リード数の増加が見込まれる場合は、追加課金と上位プランへの移行のどちらがコスト効率が良いかを事前に試算しておくことをおすすめします。
Pardot料金プラン比較(Growth/Plus/Advanced/Premium)
Pardotには4つの料金プランがあり、企業の規模やマーケティング成熟度に応じて選択できます。以下の比較表で各プランの料金と主要機能を確認してください。
【比較表】Pardot料金プラン比較表
| プラン | 月額料金(税抜) | 主な対象企業 | 主要機能 |
|---|---|---|---|
| Growth | 150,000円 | MA導入初期の中堅企業 | メール配信、フォーム作成、基本スコアリング |
| Plus | 330,000円 | スケール期の中規模企業 | 高度なスコアリング、A/Bテスト、分析機能強化 |
| Advanced | 480,000〜528,000円 | リード数5万件超の企業 | カスタムオブジェクト連携、高度な自動化 |
| Premium | 1,800,000〜1,980,000円 | エンタープライズ、ABM本格利用 | ABM機能、予測分析、専用サポート |
※料金は2025年時点の日本市場での参考価格です。為替変動・年間契約条件・ボリュームディスカウントにより実際の金額は変動することがあります。
Growthプラン:スタート向け
Growthプランは月額150,000円(税抜)で、Pardotの入門プランです(2025年時点)。MA導入初期の企業や、まずは基本機能から始めたい企業に適しています。
基本的なMA機能(メール配信、フォーム作成、リードスコアリング、ランディングページ作成など)は揃っており、中堅企業の標準的なマーケティング活動には十分対応可能です。初めてMAを導入する企業は、Growthプランからスタートし、必要に応じて上位プランに移行する方法が一般的とされています。
Plus/Advancedプラン:スケール期向け
Plusプランは月額330,000円(税抜)で、中規模・スケール期の企業向けです(2025年時点)。Growthプランの機能に加え、より高度なスコアリング設定やA/Bテスト機能が利用できます。
Advancedプランは月額480,000〜528,000円で、リード数5万件超のBtoB企業に多く利用されているとされています(2025年時点、業界関係者の相場感であり公的統計ではありません)。スコアリングとは、リードの行動(メール開封、Web閲覧等)に基づいて購買意欲を数値化する機能であり、Advancedプランではより複雑なスコアリングルールを設定できます。
PlusからAdvancedへの移行を検討する目安として、以下の状況が挙げられます。
- 管理リード数が数万件を超えてきた
- 複雑な自動化シナリオを構築したい
- カスタムオブジェクトとの連携が必要
Premiumプラン:エンタープライズ向け
Premiumプランは月額1,800,000〜1,980,000円で、エンタープライズ企業やABM本格利用向けのプランです(2025年時点)。
ABM(アカウントベースドマーケティング) とは、特定の企業(アカウント)をターゲットにしたマーケティング手法です。Premiumプランでは、ABMに特化した機能(アカウント単位でのエンゲージメント管理、予測分析など)が利用できます。
大企業で複数の事業部にまたがるマーケティング活動を統合管理したい場合や、ABMを本格的に推進する場合に検討するプランです。
Pardot導入の総コスト:初期費用と運用費用
月額料金だけでPardotの導入コストを判断するのは、よくある失敗パターンです。実際には、初期構築費用や運用支援費用を含めた総コストで検討する必要があります。
例えば、月額料金だけを見て最安のGrowthプランを選んだものの、導入支援なしでは設定がうまくいかず、後から追加で構築支援を依頼することになったケースや、リード数の増加に伴う追加課金が膨らみ、最初からPlusプランを選んでいた方が結果的に安かったというケースもあります。
初期構築費用の相場
Account Engagement構築パートナーに導入支援を依頼する場合、初期費用は50〜300万円程度が相場とされています(2025年時点)。費用の幅は、構築範囲や連携するシステム、カスタマイズの程度によって変動します。
自社リソースで構築する場合は初期費用を抑えられますが、Pardotの設計・設定に関する専門知識と、構築・テストに必要な工数を確保する必要があります。
また、導入後の運用支援(伴走サービス)を利用する企業も増加傾向にあり、月額10〜100万円程度の費用がかかるケースがあります。
他MAツールとの価格帯比較
国産MA(BowNow、List Finder等)の月額料金相場は3〜15万円台とされています(2025年時点)。Pardotの月額15万円〜という価格は、国産MAと比較すると高めの設定です。
ただし、機能範囲・サポート体制・Salesforce連携の深さなどが異なるため、単純な価格比較は避けるべきです。Pardotは「大企業向け本格MA」の価格帯に分類されており、Salesforceエコシステム内での活用を前提とした企業に適しています。
自社の要件(Salesforce連携の必要性、必要な機能、サポート体制など)を整理した上で、総合的に比較検討することをおすすめします。
自社に合ったPardotプランの選び方
最適なPardotプランを選ぶためには、現在の状況だけでなく、将来の拡張計画も考慮することが重要です。以下のチェックリストを活用して、自社に合ったプランを判断してください。
初導入の場合は、Growthプランからスタートし、リード数や施策の複雑さに応じてPlus/Advancedにアップグレードしていくアプローチが一般的とされています。また、Salesforce CRMと同時契約すると割安になる傾向があるため、導入タイミングを調整することも検討に値します。
プラン選択時のチェックポイント
以下のチェックリストで、自社の状況を確認してください。チェック項目が多いほど、上位プランの検討が必要になる可能性があります。
【チェックリスト】Pardotプラン選択チェックリスト
- 現在の管理リード数は1万件を超えているか
- 今後1〜2年でリード数が大幅に増加する見込みがあるか
- Salesforce CRMを導入済み、または同時導入を予定しているか
- 複数のスコアリングモデルを使い分ける必要があるか
- 複雑な自動化シナリオ(マルチステップ、条件分岐)を構築したいか
- カスタムオブジェクトとの連携が必要か
- ABM(アカウントベースドマーケティング)を本格的に推進する予定があるか
- 複数の事業部やブランドでPardotを共有利用するか
- 導入支援パートナーを活用する予算があるか
- 運用支援(伴走サービス)を利用する予定があるか
判断の目安:
- チェック0〜2個 → Growthプランで開始
- チェック3〜5個 → Plusプランを検討
- チェック6個以上 → Advanced以上を検討
まとめ:Pardot料金プラン選択は将来拡張を見据えて判断する
本記事では、Pardot(Account Engagement)の料金プランと選び方について解説しました。要点を整理します。
- Pardotの料金は、Growthプラン月額15万円からPremiumプラン月額180万円超まで幅広い
- 月額料金だけでなく、初期構築費用(50〜300万円)や運用支援費用も含めた総コストで検討する
- 料金だけを見て最安プランを選ぶと、機能不足やリード数増加時の追加コストで想定以上の費用がかかるリスクがある
- Salesforce CRM連携を前提とした設計のため、連携の活用範囲も選定の判断材料になる
繰り返しになりますが、Pardotの料金プラン選択は、現在のリード数やマーケティング成熟度だけでなく、Salesforce連携の活用範囲と将来の拡張計画を踏まえて判断することが重要です。
まずはGrowthプランでスタートし、必要に応じて段階的にアップグレードしていく方法も有効です。導入前に、本記事で紹介したチェックリストを活用して自社の状況を整理し、見積り依頼時の検討材料としてください。
