マーケティング成果が見えない原因と解決策|KPI設計とMA/SFA連携で可視化を実現

著者: B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部公開日: 2026/1/1511分で読めます

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マーケティング成果が見えない課題と本記事の目的

意外かもしれませんが、マーケティング成果が見えない根本原因は、ゴール・KPIが曖昧なまま施策を走らせ、MA/SFAのデータが分断されていることです。ゴール設計とデータ連携体制の整備により、成果の可視化と改善サイクルの構築が可能になります。

「マーケティング施策の成果を数字で説明できない」「何が効いているのか分からない」という課題を抱えているマーケティング責任者は少なくありません。BtoB広告運用調査(330社対象、2025年)では、成果に関する課題のトップは「成果測定の難しさ」であることが報告されています(ただし、サンプルが広告担当者に偏っている可能性があります)。

ROI(Return on Investment) とは、投資収益率のことで、収益から投資額を引き、投資額で割って100を掛けて算出する指標です。マーケティングのROIが見えなければ、経営陣への報告や次の投資判断に困ることになります。

この記事で分かること

  • マーケティング成果が見えない主な原因と対策
  • 成果を可視化するためのゴール・KPI設計方法
  • MA/SFA連携による成果可視化の実践ポイント
  • 成果可視化に成功した企業事例
  • 今日から使えるマーケティング成果可視化チェックリスト

マーケティング成果が見えない主な原因

マーケティング成果が見えない原因は、大きく分けて「ゴール・KPI設計の不備」と「データ連携の不備」の2つに集約されます。これらの課題を整理し、適切な対策を講じることが成果可視化の第一歩です。

MA導入率は調査対象約62.6万社中9,444社(1.5%)、上場企業3,850社中562社(14.6%)と、大企業ほど導入が進んでいる傾向があります(2025年調査推定)。しかし、ツールを導入しただけでは成果は見えるようになりません。

一方、BtoB企業330社調査(2025年)によると、成果を出している企業は営業連携・データ統合を強化し、内製率が高い傾向があることが報告されています。運用体制のボリュームゾーンは少数精鋭(1-5人)で、限られたリソースの中でも成果を出す企業は、データ統合に注力していることが分かります。

【比較表】成果が見えない原因と対策一覧表

原因カテゴリ 具体的な問題 対策
ゴール設計の不備 売上目標とKPIが紐付いていない 売上目標から逆算してKPIツリーを設計
ゴール設計の不備 リード数だけを追っている 商談化率・受注率まで追跡する指標を設定
ゴール設計の不備 KPI定義が部門間で異なる MQL/SQLの定義を営業と合意
データ連携の不備 MAとSFAでデータが分断 API連携でリードデータを自動同期
データ連携の不備 営業への引き継ぎ後が追えない SFAの商談ステータスをMAに連携
データ連携の不備 データがExcelに分散 SSOT(信頼できる唯一の情報源)を構築
運用体制の不備 戦略レポートで満足している 実装・運用まで落とし込む体制を構築
運用体制の不備 定期的なレビューがない 週次・月次でKPI進捗をモニタリング

ゴール・KPIが曖昧なまま施策を走らせている

KPI(Key Performance Indicator) とは、重要業績評価指標のことで、リード獲得数、商談化率、CPAなど成果を測定する中間指標です。

「リード数を増やせば売上も上がる」という考え方は誤解です。リード数だけを追っていても、商談化率や受注率が低ければ売上には結びつきません。成果を正しく把握するためには、売上目標から逆算した中間KPIを設定し、商談化率・受注率まで追跡することが必要です。

よくある失敗パターンとして、「月間リード100件獲得」というKPIだけを設定し、その後の商談化・受注までを追跡していないケースがあります。この状態では、どのチャネルからのリードが商談化しやすいのか、どの施策がROIに貢献しているのかが分からないままです。

MA/SFAのデータが分断され連携できていない

SSOT(Single Source of Truth) とは、信頼できる唯一の情報源を指す概念で、営業・マーケティングデータを一元管理する考え方です。

MAツールとSFA(営業支援システム)でデータが分断されていると、マーケティング部門から営業部門へリードを引き渡した後の成果追跡ができません。「リードを営業に渡したが、その後どうなったか分からない」という状況では、マーケティング施策の効果検証が不可能です。

中堅以上のBtoB企業では、営業・マーケティングデータのSSOT化が進んでいます。データを一元管理することで、リード獲得から商談・受注までの一貫した成果追跡が可能になります。

成果可視化のためのゴール・KPI設計方法

成果を可視化するためには、売上目標から逆算してKPIを設計することが基本です。最終ゴールから逆算することで、各中間指標の達成基準が明確になり、進捗を数字で把握できるようになります。

BtoB購買プロセスにおいて、営業面談前に85%の企業が候補を選定しているという調査結果があります(2025年白書)。この事実は、デジタル接点(Web・メール・コンテンツ閲覧)でのデータ蓄積がいかに重要かを示しています。営業が接触する前の段階で、見込み客はすでに情報収集を完了しているのです。

ROMI(Return on Marketing Investment) とは、マーケティング投資収益率のことで、マーケティング費用ごとの収益貢献を追跡する指標です。また、CPA(Cost Per Acquisition) は顧客獲得単価のことで、1件のリード獲得にかかったコストを示します。これらの指標を設定することで、施策別の効果測定が可能になります。

KPIツリーの設計と中間指標の設定

KPIツリーとは、最終ゴール(売上目標)から中間指標を逆算して設計した階層構造のことです。以下は計算例の一つです。

(例)KPIツリーの計算イメージ

  • 売上目標: 年間1億円
  • 平均受注単価: 100万円 → 必要受注件数: 100件/年
  • 受注率: 25% → 必要商談数: 400件/年
  • 商談化率: 20% → 必要リード数: 2,000件/年
  • 月間リード獲得目標: 約167件

※ 上記は仮定条件に基づく計算例です。実際の数値は企業規模・業種・商材により大きく異なります。自社の過去データをもとに、現実的な目標値を設定することが重要です。

このように逆算することで、「月間リード167件」という数字が「年間1億円の売上目標」と紐付いていることが明確になります。さらに、商談化率や受注率を追跡することで、どの工程にボトルネックがあるかを特定できます。

MA/SFA連携による成果可視化の実践

MA/SFA連携による成果可視化を実現するためには、ツール導入だけでなく、データ統合と運用設計まで踏み込んで実装することが不可欠です。

よくある失敗パターンとして、戦略レポートやツール導入で満足し、実際にデータを統合・可視化する実装まで進まないまま「成果が見えない」と嘆き続けてしまうケースがあります。 この考え方では成果が出ません。ツールは導入しただけでは機能せず、データ連携と運用ルールの整備が必要です。

BtoB企業330社調査(2025年)によると、成果を出している企業は営業連携・データ統合を強化し、内製率が高い傾向があります。外部に丸投げするのではなく、自社でデータを理解し、改善サイクルを回せる体制を構築することが重要です。

MAツールとSFA(CRM)を連携させる方法としては、APIによる直接連携や、Zapierなどの連携ツールを活用する方法があります。特定のツールに依存せず、自社の環境に合った連携方法を選択することが大切です。

営業部門との連携とデータ統合のポイント

成果可視化を実現するためには、マーケティング部門と営業部門の連携体制を構築することが欠かせません。

MQL/SQL定義の共有

  • MQL(Marketing Qualified Lead): マーケティング活動で獲得した見込み客のうち、一定の条件を満たしたリード
  • SQL(Sales Qualified Lead): 営業が商談に進めると判断したリード

これらの定義を営業部門と合意し、リード引き継ぎの基準を明確にすることで、「営業に渡したが対応されなかった」「マーケから来るリードは質が低い」といった部門間の摩擦を解消できます。

レビュー運用体制の構築

  • 週次: リード獲得数、商談進捗の確認
  • 月次: 商談化率、受注率の振り返り、施策別ROIの検証
  • 四半期: KPI目標値の見直し、施策の最適化

定期的なレビューを通じて、データに基づいた改善サイクルを回すことが成果可視化の鍵となります。

成果可視化に成功した事例

マーケティング成果の可視化に取り組み、具体的な成果を上げている企業事例を紹介します。ただし、これらの数値は自己申告ベースであり、効果は業種・商材・運用体制によって大きく変動する点に留意が必要です。

事例1: 展示会DXによる商談化率向上

プライズ株式会社は、展示会DXへの取り組みにより商談化率3倍を達成したと報告されています(2025年)。展示会で獲得した名刺データをMAに連携し、自動フォローアップを設計することで、商談化率の大幅な向上を実現しました。

事例2: MA導入と教育メールによる商談数増加

株式会社BKUは、MA導入と教育メールの活用により、4ヶ月で商談数300%増を達成したという事例があります(2025年)。ただし、この数値は自己申告ベースであり、独立した第三者による検証はされていません。参考程度にとどめ、自社での効果検証を行うことが重要です。

これらの事例に共通するのは、ツール導入だけでなく、データ連携と運用設計まで踏み込んで実装している点です。

【チェックリスト】マーケティング成果可視化チェックリスト

  • 売上目標から逆算したKPIツリーを設計している
  • リード獲得数だけでなく商談化率・受注率も追跡している
  • MQL/SQLの定義を営業部門と合意している
  • MAツールとSFA(CRM)がデータ連携されている
  • リード引き継ぎ後の商談ステータスを追跡できる
  • 施策別のCPA・ROIを計測している
  • データがExcelに分散せず一元管理されている
  • 週次でKPI進捗をモニタリングしている
  • 月次で施策別の成果を振り返っている
  • 四半期ごとにKPI目標値を見直している
  • マーケ→営業のリード引き継ぎ基準が明文化されている
  • 営業からマーケへのフィードバックループがある
  • 経営陣へのレポートで成果を数字で説明できる
  • 改善サイクルを回す運用体制が構築されている
  • データに基づいて投資判断ができる状態になっている

マーケティング成果を見える化するために

本記事では、マーケティング成果が見えない原因と、成果を可視化するための具体的な方法を解説しました。

マーケティング成果が見えない課題の多くは、ゴール・KPI設計の不備とMA/SFAデータの分断に起因しています。戦略レポートやツール導入だけで満足するのではなく、データ統合と運用設計まで踏み込んで実装することが重要です。

まずは本記事のチェックリストを活用して、自社の成果可視化の現状を確認してみてください。不足している項目があれば、優先順位を付けて改善に取り組むことで、「何が効いているのか分からない」という状態から脱却できます。

繰り返しになりますが、マーケティング成果が見えない根本原因は、ゴール・KPIが曖昧なまま施策を走らせ、MA/SFAのデータが分断されていることです。ゴール設計とデータ連携体制の整備により、成果の可視化と改善サイクルの構築が可能になります。

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よくある質問

Q1マーケティングROIはどのように計算すればよいですか?

A1ROI(投資収益率)は「(収益 - 投資額)÷ 投資額 × 100」で算出します。マーケティング専用のROMI(Return on Marketing Investment)では、マーケティング費用ごとの収益貢献を追跡し、施策別の効果を測定します。正確なROIを把握するためには、MA/SFA連携によるデータ統合が必要です。

Q2MA導入後も成果が見えない場合はどうすればよいですか?

A2MAツールを導入しても、データ統合と運用設計がなければ成果は見えるようになりません。SFA(営業支援システム)との連携を整備し、MQL/SQLの定義やリード引き継ぎ基準を明確にすることで、マーケ→営業の成果追跡が可能になります。成果を出している企業は営業連携・データ統合を強化し、内製率が高い傾向があります。

Q3成果測定で最初に設定すべきKPIは何ですか?

A3売上目標から逆算して、商談化率・リード獲得数・CPA(顧客獲得単価)などの中間KPIを設定することが基本です。リード数だけでなく、商談化率・受注率まで追跡することでROIが見えるようになります。KPIツリーを設計し、最終ゴールと中間指標の関係を明確にすることが重要です。

Q4営業部門との連携で成果が出るまでにどのくらいかかりますか?

A4企業規模や既存のツール環境により異なります。2025年の事例では、MA導入と教育メールの活用により4ヶ月で商談数が大幅に増加した企業が報告されています。まずはMQL/SQLの定義共有から始め、週次・月次でのレビュー体制を構築することが重要です。

Q5BtoB購買プロセスではどのタイミングで成果を測定すべきですか?

A5BtoB購買プロセスでは、営業面談前に85%の企業が候補を選定しているという調査結果があります(2025年白書)。デジタル接点(Web・メール・コンテンツ閲覧)でのデータ蓄積と、営業引き継ぎ後の商談進捗の両方を測定することが重要です。リード獲得から受注までの一貫した成果追跡を目指しましょう。

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B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部

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