ナーチャリングコンテンツの種類とMA/SFA連携設計ガイド

著者: B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部公開日: 2026/1/1510分で読めます

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ナーチャリングコンテンツが「作って終わり」になる原因

商談化につながるナーチャリング体制を構築するために必要なのは、ナーチャリングコンテンツは、作成するだけでなく、MA/SFAでの配信設計・スコアリング連動・営業連携まで一気通貫で設計することです。

多くの企業がホワイトペーパーやメールコンテンツを作成していますが、商談化につながっていないという課題を抱えています。2025年の調査によると、ナーチャリング実施企業の商談化率が想定を下回る割合は70.2%(大きく下回る9.6%、下回る35.6%、やや下回る25.0%)に達しています。

なぜこのような状況が起きるのでしょうか。背景として、過去3年間でリード獲得コストが上昇した企業は93.3%(MAツール導入企業対象、n=104の限定調査)という調査結果もあり、リードを獲得するだけでなく、獲得したリードを確実に商談化する仕組みが求められています。

リードナーチャリングとは、見込み顧客を継続的な情報提供やコミュニケーションで育成し、購買意欲を高めて商談・受注につなげるマーケティング手法です。しかし、コンテンツを「作る」ことと「活用する」ことは別の問題です。MA/SFAでの配信フロー・スコアリング基準・営業への引き渡しタイミングを設計しないと、コンテンツが活用されず「作って終わり」になってしまうケースが多いのです。

この記事で分かること

  • ナーチャリングコンテンツの種類と購買段階別の使い分け
  • コンテンツ作成の具体的な手順
  • MA/SFAでの配信設計・スコアリング連動・営業連携のフロー
  • 自社のMA/SFA環境で即座に実装できるチェックリスト

リードナーチャリングとコンテンツの基本概念

リードナーチャリングにおいてコンテンツは、見込み顧客との接点を維持し、購買意欲を高めるための重要な手段です。BtoB購買プロセスは平均6〜12ヶ月かかり、その間に10件以上のコンテンツ接触が発生するという調査結果があります(Gartner調査、グローバルデータのため日本市場への適用には注意が必要です)。

また、2025年のグローバル調査では、ベンダー関与前に3〜5個のコンテンツを消費する購買者が44%という結果も報告されています。つまり、営業担当者が接触する前に、コンテンツが購買検討の土台を形成しているのです。

購買ファネルとコンテンツの関係

TOFU/MOFU/BOFUとは、購買ファネルの段階を示す用語です。TOFU(Top of Funnel)は認知段階、MOFU(Middle of Funnel)は検討段階、BOFU(Bottom of Funnel)は購買決定段階を指します。

各段階で効果的なコンテンツは異なります。

  • TOFU(認知段階): ブログ記事、SNS投稿、短い動画など、課題認識を促すコンテンツ
  • MOFU(検討段階): ホワイトペーパー、ウェビナー、比較資料など、解決策を検討するためのコンテンツ
  • BOFU(購買決定段階): 事例紹介、ROI資料、個別提案など、購買決定を後押しするコンテンツ

購買段階別ナーチャリングコンテンツの種類と特徴

日本企業の80%が過去2年でコンテンツ需要増加と回答しており、ナーチャリングにおけるコンテンツの重要性は高まっています。一方で、年間1万点以上のコンテンツを制作する企業は日本で33%にとどまり、米国55%、インド57%と比較して低い水準です。

【比較表】購買段階別ナーチャリングコンテンツ一覧

購買段階 コンテンツ種類 目的 配信タイミング
TOFU(認知) ブログ記事 課題認識の喚起 リード獲得直後
TOFU(認知) 短い動画(数分以内) 興味喚起・概念理解 リード獲得直後
TOFU(認知) SNS投稿 ブランド認知 継続的に配信
MOFU(検討) ホワイトペーパー 課題と解決策の提示 資料DL後
MOFU(検討) ウェビナー 詳細解説・Q&A 登録・視聴後
MOFU(検討) 比較資料 選定基準の提供 検討段階移行後
BOFU(購買決定) 事例紹介 導入効果の実証 商談前〜商談中
BOFU(購買決定) ROI資料 投資対効果の提示 商談中
BOFU(購買決定) 個別提案書 具体的な提案 商談後半

ホワイトペーパーとは、課題認識・解決策を提示するダウンロード型コンテンツです。リード獲得と初期〜中期フェーズの育成に活用されます。

ステップメールとは、あらかじめ設定したシナリオに基づき、段階的に自動配信されるメールマーケティング手法です。

短い動画コンテンツの有効性

2025年のグローバル調査では、短い動画を好む購買者が44%である一方、ウェビナーを好む購買者は5%にとどまっています(日本市場への適用には注意が必要です)。

この結果は、長時間拘束されるウェビナーよりも、短時間で要点を把握できる動画コンテンツの需要が高まっていることを示唆しています。ただし、商材の複雑さや検討段階によって最適な形式は異なるため、自社でテストして効果を検証することが推奨されます。

ナーチャリングコンテンツの作成手順

ナーチャリングコンテンツの作成は、以下の手順で進めます。

1. ペルソナ設定

ターゲットとなる見込み顧客の役職、課題、情報収集行動を明確にします。BtoB企業では、決裁者と実務担当者で求める情報が異なることが多いため、複数のペルソナを設定することが一般的です。

2. 購買段階の定義

自社の購買プロセスをTOFU/MOFU/BOFUに当てはめ、各段階で見込み顧客が求める情報を整理します。

3. コンテンツマップの作成

ペルソナ×購買段階のマトリクスで、どのコンテンツが必要かを洗い出します。すべてを一度に作成する必要はなく、優先度を付けて段階的に制作します。

4. コンテンツ制作

社内の専門知識を活かしたコンテンツを制作します。生成AIを活用して制作効率を高めることも選択肢の一つですが、専門性や独自性の担保が重要です。

よくある失敗パターンとして、コンテンツを作成しても、MA/SFAでの配信フロー・スコアリング基準・営業への引き渡しタイミングを設計しないケースがあります。この場合、コンテンツは作成されても活用されず「作って終わり」になってしまいます。次のセクションで、MA/SFAでの活用フロー設計について解説します。

MA/SFAでコンテンツを活用するフロー設計

コンテンツを商談化につなげるには、MA/SFAでの活用フロー設計が不可欠です。戦略的なナーチャリングを実行する企業の79.1%が、商談転換率やリード質の改善を実感しているという調査結果があります(2025年調査、MAツール導入企業対象、n=104の限定調査で一般化には注意が必要です)。

一方で、チャネル別パフォーマンス把握について、27%が全く把握できず、54%が遅延ありと回答しています。コンテンツを配信しても、その効果を測定できなければ改善につながりません。

【チェックリスト】ナーチャリングコンテンツMA/SFA実装チェックリスト

  • 購買段階別にコンテンツを分類している
  • 各コンテンツにスコアを設定している
  • リードのセグメント条件を定義している
  • コンテンツ配信のトリガー条件を設定している
  • ステップメールのシナリオを設計している
  • MAでコンテンツ接触履歴をトラッキングしている
  • スコアリング閾値を営業と合意している
  • 営業への引き渡し条件を明文化している
  • 営業引き渡し時の通知設定をしている
  • SFAにリード情報が連携されている
  • コンテンツ別の開封率・クリック率を計測している
  • 商談化率を追跡できる仕組みがある
  • 定期的にスコアリング精度を検証している
  • 効果の低いコンテンツを特定・改善している
  • マーケティングと営業の定例ミーティングがある

スコアリング連動と営業引き渡しの設計

スコアリングとは、リードの属性や行動(アクセス回数・開封率等)に基づきスコアを付与し、商談化可能性を数値化する手法です。

コンテンツ接触をスコアリングに反映することで、購買意欲の高いリードを抽出できます。スコアの設定例として、以下のような考え方があります(具体的な数値は企業ごとに最適化が必要です)。

  • TOFU段階のコンテンツ接触: 低〜中程度のスコア
  • MOFU段階のコンテンツ接触: 中程度のスコア
  • BOFU段階のコンテンツ接触: 高いスコア
  • 複数回の接触: 累積でスコア加算

営業への引き渡しタイミングは、スコアが一定の閾値を超えた時点、または特定のBOFUコンテンツに接触した時点で設定することが一般的です。ただし、閾値は営業部門と合意の上で設定し、定期的に精度を検証することが重要です。

まとめ:コンテンツ作成とMA/SFA活用を一気通貫で設計する

ナーチャリングコンテンツは、購買段階に応じた適切な種類を理解し、計画的に作成することが第一歩です。しかし、それだけでは商談化にはつながりません。

ナーチャリング実施企業の商談化率が想定を下回る割合が70.2%という調査結果は、コンテンツを作成するだけでは不十分であることを示しています。一方で、戦略的なナーチャリングを実行する企業の79.1%が成果を実感しているという調査結果もあります(MAツール導入企業対象、n=104の限定調査)。

両者の違いは、MA/SFAでの活用フロー設計にあります。

本記事の要点

  • ナーチャリングコンテンツは購買段階(TOFU/MOFU/BOFU)に応じて使い分ける
  • 短い動画コンテンツの需要が高まっている(ウェビナーより好む購買者が多い傾向)
  • コンテンツ作成だけでなく、MA/SFAでの配信設計・スコアリング連動が必要
  • 営業への引き渡しタイミングを明文化し、定期的に精度を検証する

ナーチャリングコンテンツは、作成するだけでなく、MA/SFAでの配信設計・スコアリング連動・営業連携まで一気通貫で設計することで、商談化率を高められます。本記事のチェックリストを活用して、自社のMA/SFA環境での実装を進めてください。

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よくある質問

Q1ナーチャリングコンテンツにはどのような種類がありますか?

A1主要なナーチャリングコンテンツには、ホワイトペーパー、ステップメール、ウェビナー、動画、ブログ記事、事例紹介などがあります。購買ファネルの段階に応じて使い分けることが重要で、TOFU(認知段階)ではブログや動画、MOFU(検討段階)ではホワイトペーパーやウェビナー、BOFU(購買決定段階)では事例や個別提案が効果的です。

Q2BtoB購買プロセスではどれくらいコンテンツに接触しますか?

A2BtoB購買プロセスは平均6〜12ヶ月かかり、その間に10件以上のコンテンツ接触が発生するという調査結果があります(Gartner調査、グローバルデータ)。また、ベンダー関与前に3〜5個のコンテンツを消費する購買者が44%という調査もあります(2025年グローバル調査)。

Q3ナーチャリングで成果を出すコツは?

A3戦略的なナーチャリングを実行する企業の79.1%が商談転換率やリード質の改善を実感しています(2025年調査、MAツール導入企業対象、n=104)。コンテンツを作成するだけでなく、MA/SFAでの配信設計・スコアリング連動・営業への引き渡しタイミングまで設計することが重要です。

Q4動画コンテンツとウェビナーではどちらが効果的?

A4調査によると、短い動画コンテンツを好む購買者が44%である一方、ウェビナーを好む購買者は5%と低い傾向があります(2025年グローバル調査)。ただし、目的や商材によって異なるため、自社でテストして効果を検証することが推奨されます。

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B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部

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