マーケ数値報告|経営層に伝わる3階層KPI設計の実践ガイド

著者: B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部公開日: 2026/1/1211分で読めます

「記事は出してるのに商談につながらない」を解決する。
御社を理解して書くから、刺さる。この記事はMediaSprintで作成しました。

MediaSprintについて詳しく見る →

「マーケの成果が見えない」と言われる原因

多くの人が見落としがちですが、マーケティング数値報告は、レポート作成だけでなくMA/SFAデータを活用した部門横断のKPI設計と改善サイクルまで含めて構築することで、経営層に伝わり営業成果に繋がる報告が実現できます。

「毎月レポートを出しているのに、経営層から『で、売上にどう繋がるの?』と言われる」「マーケの貢献度が見えにくい」——こうした課題を抱えるマーケティング担当者は少なくありません。

原因の多くは、PV数やリード獲得数といった「活動量」の報告に終始し、売上・受注への貢献が説明できていないことにあります。経営層が知りたいのは「マーケティング投資がどれだけ事業成果に繋がっているか」です。

この記事で分かること

  • マーケティング報告で押さえるべきKPIの選び方と3階層構造
  • PV・リード数の羅列報告が失敗する理由と改善策
  • 経営層に伝わるレポート構成と具体的な書き方
  • MA/SFAを活用した部門横断の報告設計
  • 営業と共通のダッシュボードを構築する考え方

マーケティング数値報告の基本|報告すべきKPIの選び方

経営層への報告では、マーケティングKPIを「KGI(受注・売上)→パイプラインKPI→マーケKPI」の3階層で整理することが重要です。この構造を理解することで、マーケ活動と事業成果の繋がりを明確に説明できるようになります。

BtoBマーケ担当330名への調査(2025年)では、広告運用のKPIとして「最も重視するKPI」1位はCVR(28.7%)でした。しかし、CVRだけを報告しても経営層には響きません。CVRがどう商談化・受注に繋がるかを示す必要があります。

CPA(Cost Per Acquisition) とは、1件のリード獲得にかかった広告費用のことで、顧客獲得単価とも呼ばれます。

CVR(Conversion Rate) とは、Webサイト訪問者がリード登録などの目標行動に至った割合を指します。

LTV(Life Time Value) とは、顧客生涯価値のことで、1顧客から得られる累計利益を意味します。

CAC(Customer Acquisition Cost) とは、顧客獲得コストのことで、マーケ費用と営業コストを合算した1顧客あたりの獲得費用です。

【比較表】マーケKPI報告項目一覧表(フェーズ別)

フェーズ KPI項目 説明 経営層への報告重要度
認知 PV・UU サイト訪問者数 低(単体では意味が薄い)
認知 広告インプレッション 広告の表示回数
獲得 リード獲得数 新規リード数
獲得 CPA リード1件あたりの獲得コスト
獲得 CVR 訪問者からリードへの転換率
育成 MQL数 営業パス基準を満たしたリード数
育成 MQL転換率 リードからMQLへの転換率
商談 SQL数 営業が商談化したリード数 最高
商談 商談化率 MQLからSQLへの転換率 最高
受注 受注数・受注金額 最終的な売上貢献 最高
受注 CAC 顧客1社あたりの獲得コスト 最高
収益 LTV/CAC比率 投資対効果の指標 最高

経営層には上位階層(商談・受注)と主要な中位階層(MQL・SQL)を中心に報告し、下位階層(PV・インプレッション)は補足程度に留めるのが効果的です。

MQL・SQLの定義と報告のポイント

マーケティングと営業の連携において、MQL(Marketing Qualified Lead)SQL(Sales Qualified Lead) の定義を明確にすることが不可欠です。

MQL は、マーケティング活動で獲得・育成され、営業にパスすべき基準を満たしたリードを指します。SQL は、営業がアプローチすべきと判断した商談見込みの高いリードです。

BtoBマーケター330名の実態調査(2025年)では、広告経由リードの商談化率のボリュームゾーンは「11〜20%」であり、商談化率15%を目標値として設定するのが妥当とされています。ただし、この数値は業種・単価帯・営業モデルにより大きく変動するため、自社の過去データをベースに目標設定することが推奨されます。

MQL/SQLの定義が営業と合意されていないと、「マーケが渡すリードの質が低い」「営業がフォローしてくれない」という部門間の対立が生じやすくなります。定義を明文化し、定期的に見直すプロセスを設けることが重要です。

よくある失敗パターン|PV・リード数の羅列報告

マーケティング数値報告でよくある失敗は、PV数やリード獲得数を羅列するだけで、経営層視点の売上貢献や営業部門との連携KPIを設計しないまま報告を続けてしまうパターンです。このアプローチでは、「マーケの成果が見えない」と言われ続けることになります。

この失敗パターンの典型例:

  • 「今月のPVは10万、リード獲得は200件でした」と報告するが、それが売上にどう繋がるか説明できない
  • 目標値を設定せずに数値を並べるだけなので、良いのか悪いのか判断できない
  • マーケ部門のツールとSFA(営業のツール)が連携しておらず、リードがその後どうなったか追跡できない

経営層が求めているのは「活動報告」ではなく「投資対効果」です。マーケティング予算に対して、どれだけの商談・受注が生まれたのか。この問いに答えられない報告は、意思決定に使えないため評価されません。

経営層に伝わるレポートの構成と書き方

経営層に伝わるマーケティングレポートは、「全体サマリー→ファネル数値→チャネル別内訳」のパイプライン連動型で構成することが効果的です。売上への貢献を最初に示し、その根拠となる数値を階層的に説明する流れです。

BtoBマーケ担当者326名調査(2025年)では、目標CPA(リード獲得単価)は「5,000〜10,000円未満」が21.8%で最多、「10,000〜15,000円未満」が15.3%でした。ただし、CPAの適正値は業種・単価帯・営業モデルにより大きく変動するため、この数値をそのまま自社の目標とするのではなく、参考値として捉えてください。

事業インパクトを伝えるには、「CPA × 商談化率 = 商談1件あたりコスト」のように、経営層が理解しやすい形に加工して報告することが重要です。例えば、「CPAが8,000円で商談化率が15%の場合、商談1件あたりのコストは約53,000円」といった形です。

報告資料の具体的な構成例

経営層向けのマーケティング報告資料は、以下のような3部構成が効果的です。

1ページ目:全体サマリー

  • 当月の主要KPI(MQL数、SQL数、受注貢献金額)
  • 前月比・前年同月比の増減
  • 目標に対する達成率

2ページ目:ファネル推移

  • リード→MQL→SQL→受注のファネル図
  • 各段階の転換率と推移グラフ
  • ボトルネックの特定と改善ポイント

3ページ目:チャネル別内訳

  • 広告・SEO・イベント等のチャネル別リード数とCPA
  • チャネル別の商談化率比較
  • 次月の施策方針

この構成であれば、経営層は1ページ目で全体像を把握し、詳細を知りたい場合に2〜3ページ目を確認できます。

MA/SFAデータを活用した部門横断の報告設計

マーケティングと営業の連携を実現するには、MA(マーケティングオートメーション)とSFA(営業支援システム)のデータを統合し、リードから受注までを一気通貫で可視化する報告設計が必要です。

BtoB企業経営者のリード獲得施策調査(n=87〜93、2025年)では、実施施策として「SNS:33.3%」が最多という結果が出ています。ただし、この調査は経営者対象でサンプル数が限定的なため、一般化には注意が必要です。

ある国産MAツールの導入事例では、プロモーション予算に対して150%を超える成果を達成し、獲得リード760件、受注115件という結果が報告されています。ただし、これは特定企業の成功事例であり、自社への適用可能性は個別に検討が必要です。

【チェックリスト】マーケ数値報告の準備チェックリスト

  • KGI(受注・売上目標)が明確に設定されている
  • MQLの定義が営業部門と合意されている
  • SQLの定義が営業部門と合意されている
  • MAツールでリード獲得数を自動計測している
  • SFAで商談化・受注を追跡できる状態になっている
  • MAとSFAのデータが連携されている
  • チャネル別のCPAを算出できる
  • チャネル別の商談化率を算出できる
  • 月次の報告フォーマットが標準化されている
  • 報告の目的と対象者(経営層/営業)が明確になっている
  • 前月比・前年同月比の比較ができる
  • 目標に対する達成率を算出できる
  • ファネル全体の転換率を可視化できる
  • ボトルネックを特定できる分析体制がある
  • 改善アクションを報告に含める運用ができている

営業と共通のダッシュボードを構築する

部門横断のレポートを実現する最も効果的な方法は、「営業が見ている数字」と「マーケが見ている数字」を1枚のファネルで統合するダッシュボードを構築することです。

具体的には、以下の要素を1つの画面で確認できる状態を目指します:

  • リード獲得数(マーケ指標)
  • MQL数・MQL転換率(マーケ→営業の接点)
  • SQL数・商談化率(営業指標)
  • 受注数・受注金額(事業成果)

特定のツールを推奨するものではありませんが、CDP/DWH+CRM/SFA+MA+BIを組み合わせた部門横断ダッシュボードの構築が、成熟した企業では一般的になりつつあります。

重要なのは、マーケと営業が「同じ数字」を見て議論できる状態を作ることです。それぞれが別々のツールで別々の数字を見ていては、建設的な改善議論ができません。

まとめ|報告で終わらせず改善サイクルに繋げる

マーケティング数値報告は、単なるレポート作成で終わらせるのではなく、改善サイクルに繋げることが重要です。

本記事で解説したポイントを振り返ります:

  1. KPIは3階層で整理する:KGI(受注・売上)→パイプラインKPI→マーケKPIの構造で、売上への貢献を説明できるようにする

  2. PV・リード数の羅列は避ける:活動量ではなく投資対効果を報告し、経営層の意思決定に使える情報を提供する

  3. MQL/SQLの定義を営業と合意する:部門間の共通言語を作り、リードの質に関する対立を防ぐ

  4. MA/SFAデータを統合する:リードから受注までを一気通貫で追跡し、マーケの貢献を可視化する

  5. 共通のダッシュボードを構築する:マーケと営業が同じ数字を見て改善議論できる状態を作る

まず取り組むべきは、MQL/SQLの定義を営業部門と合意することです。この共通言語がなければ、どれだけ精緻なレポートを作成しても、部門間の連携は進みません。

マーケティング数値報告は、レポート作成だけでなくMA/SFAデータを活用した部門横断のKPI設計と改善サイクルまで含めて構築することで、経営層に伝わり営業成果に繋がる報告が実現できます。本記事で紹介したチェックリストを活用し、自社の報告体制を見直してみてください。

「記事は出してるのに商談につながらない」を解決する。
御社を理解して書くから、刺さる。この記事はMediaSprintで作成しました。

MediaSprintについて詳しく見る →

この記事の内容を自社で実践したい方へ

リード獲得〜商談化の課題を診断し、設計から実装まで支援します。
戦略だけで終わらず、作って納品。まずは30分の無料相談から。

よくある質問

Q1マーケティング報告で最も重視すべきKPIは何ですか?

A1BtoBマーケ担当者330名への調査(2025年)では、広告運用のKPIとして「最も重視するKPI」1位はCVR(28.7%)でした。ただし経営層への報告では、CVRだけでなく商談化率や受注貢献まで含めたファネル全体を見せることが重要です。KGI(受注・売上)→パイプラインKPI→マーケKPIの3階層で整理し、売上への貢献を説明できる形にしましょう。

Q2BtoBマーケティングのCPAの目安はいくらですか?

A2BtoBマーケ担当者326名調査(2025年)では、目標CPAは「5,000〜10,000円未満」が21.8%で最多、「10,000〜15,000円未満」が15.3%でした。ただし業種・単価帯・営業モデルにより大きく変動するため、この数値を目安として参考にしつつ、自社の過去データをベースに目標設定することが推奨されます。

Q3広告経由リードの商談化率の目安はどのくらいですか?

A3BtoBマーケター330名の実態調査(2025年)では、広告経由リードの商談化率のボリュームゾーンは「11〜20%」であり、商談化率15%を目標値として設定するのが妥当とされています。ただしこれも業種・単価帯により変動するため、自社データでの検証が必要です。

Q4マーケティング報告で経営層を納得させるコツは?

A4PV・リード数の羅列ではなく、「KGI(受注・売上)→パイプラインKPI→マーケKPI」の3階層で報告し、売上への貢献を明確にすることが重要です。「CPA×商談化率=商談1件あたりコスト」など、事業インパクトにつながる形でまとめると経営層に響きます。また、目標に対する達成率や前月比を示し、改善アクションまで含めて報告しましょう。

B

B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部

「B2Bデジタルプロダクト実践ガイド」は、デシセンス株式会社が運営する情報メディアです。B2Bデジタルプロダクト企業のマーケティング・営業・カスタマーサクセス・開発・経営に関する実践的な情報を、SaaS、AIプロダクト、ITサービス企業の実務担当者に向けて分かりやすく解説しています。