IT企業の営業組織構築で失敗する企業の共通課題
営業組織を構築したいが、戦略コンサルに依頼しても戦略レポート提出で終わり、MA/SFA設定やデータ基盤構築が進まず、結果的に属人営業が解消されず組織としての営業力が高まらないという課題を抱えていませんか?
IT企業の営業組織構築の答えは明確で、戦略策定だけでなく、MA/SFA連携設定とカスタムツール開発まで実装を完了させることで成功します。
この記事で分かること
- IT企業における営業組織の定義と、属人営業から組織営業への転換の重要性
- 営業組織構築の4ステップ(戦略策定・体制整備・ツール導入・運用定着)
- MA/SFA実装支援と戦略レポート型vs実装支援型の違い
- 営業組織構築の成功要因と運用定着のポイント(AI活用含む)
- IT企業営業組織構築チェックリストと営業組織構築アプローチ比較表(即座に実行可能)
SalesZine調査によると、営業部門の課題として新規顧客獲得35.8%、**属人的営業**24.6%、人材採用・育成32.0%が上位を占めています。属人営業とは、営業担当者個人のスキルや人脈に依存し、組織としてのノウハウ共有や標準化が不十分な営業スタイルです。
さらに深刻なのは、IT導入プロジェクトの約70%が期待通りの成果を得られておらず、最大の失敗原因は「経営戦略との不一致」とされていることです。営業組織の戦略を立てるだけで満足し、MA/SFA設定やデータ基盤構築を後回しにして、結果的に属人営業が解消されず、組織としての営業力が高まらないという失敗パターンが多く見られます。
本記事では、IT企業の営業組織構築を戦略策定からMA/SFA実装・カスタムツール開発まで一気通貫で成功させる実践ガイドを提供します。
IT企業における営業組織とは|属人営業から組織営業への転換
IT企業における営業組織とは、営業プロセスを標準化し、SFA/CRMなどのツールを活用してチーム全体で情報共有・生産性向上を図る体制を指します。属人営業から組織営業への転換が、IT企業の営業力強化の鍵です。
SalesZine調査によると、営業部門の課題として属人的営業が24.6%を占めており、多くのIT企業が組織営業への転換を課題としています。一方で、2024年度時点での日本企業のCRM導入率は37.2%で、前年度(2023年度36.2%)から1.0ポイント上昇しており、組織営業への転換が着実に進行しています。
また、ウイングアーク1st調査によると、データ活用の目的として「業務改善・効率化」25.5%、「パーソナル業務(属人化Excel等)」17.2%で、1割が全く未実施という状況です。属人化Excel等が17.2%という現状は、データ基盤構築の重要性を示しています。
**組織営業とは、営業プロセスを標準化し、SFA/CRMなどのツールを活用してチーム全体で情報共有・生産性向上を図る営業スタイルです。SFA(営業支援システム)とは、Sales Force Automationの略で、営業活動を可視化・標準化し、顧客情報管理や営業プロセス管理を支援するツールです。CRM(顧客関係管理)とは、Customer Relationship Managementの略で、顧客との関係を一元管理し、マーケティング・営業・サポートを統合的に最適化するシステムです。コンサルティング型営業**とは、顧客のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進を伴走し、単なる受注業務を超えた課題解決を主導する営業スタイルです。
属人営業と組織営業の違い
属人営業と組織営業の最も大きな違いは、営業ノウハウの共有と標準化の有無です。属人営業では、営業担当者個人のスキルや人脈に依存し、担当者が退職すると顧客情報やノウハウが失われるリスクがあります。一方、組織営業では、営業プロセスを標準化し、SFA/CRMで情報を一元管理することで、チーム全体で生産性を向上させることができます。
SalesZine調査で属人的営業が24.6%の企業で課題として挙げられていることからも、多くのIT企業が属人営業から組織営業への転換を模索していることが分かります。組織営業のメリットとしては、以下が挙げられます:
- 営業ノウハウの共有と標準化により、チーム全体の営業力が向上
- 顧客情報の一元管理により、担当者変更時の引き継ぎがスムーズ
- 営業プロセスの可視化により、ボトルネックの特定と改善が可能
- データに基づく意思決定により、営業戦略の精度が向上
IT企業における組織営業の重要性
IT企業特有の営業課題として、SalesZine調査では新規顧客獲得35.8%、人材採用・育成32.0%が上位を占めています。これらの課題を解決するためには、組織営業への転換が不可欠です。
特にIT企業では、コンサルティング型営業へのシフトが求められています。顧客のDX推進を伴走し、単なる製品・サービスの販売ではなく、課題解決を主導する営業スタイルが重要です。コンサルティング型営業を実現するには、営業担当者個人のスキルに依存するのではなく、組織全体で顧客情報を共有し、チームで課題解決に取り組む体制が必要です。
組織営業により、新規顧客獲得と人材育成を効率化できます。標準化された営業プロセスと充実した教育体制により、新人営業でも早期に戦力化でき、人材採用・育成の課題を解決できます。
IT企業の営業組織構築ステップ|戦略・体制・ツール・運用の4ステップ
IT企業の営業組織構築は、①戦略策定、②体制整備、③ツール導入、④運用定着の4ステップで進めます。IT導入プロジェクトの約70%が期待通りの成果を得られていない現状を踏まえ、各ステップを確実に実行することが重要です。
2024年度時点での日本企業のCRM導入率は37.2%と上昇しており、ツール導入は進んでいますが、導入後の運用定着が最大の課題です。戦略策定から運用定着まで一気通貫で取り組むことで、営業組織構築を成功させることができます。
以下に、IT企業営業組織構築チェックリストを示します。このチェックリストを活用し、自社の営業組織構築の進捗を確認してください。
【チェックリスト】IT企業営業組織構築チェックリスト
1. 戦略策定
- ターゲット顧客の明確化(業種・企業規模・課題)
- 営業プロセスの設計(リード獲得→商談→受注→フォローの各段階)
- KPI設定(リード数・商談数・受注率・売上等)
- 経営戦略との整合性確認
- 競合分析と差別化戦略の策定
2. MA/SFA連携
- MA/SFAツールの選定(既存システムとの連携性確認)
- 顧客情報一元管理の仕組み構築
- 営業プロセスの可視化設定
- KPI自動集計の設定
- MA→SFAのリード引き渡しルール策定
- 営業担当者の入力項目最小化(入力負荷軽減)
- モバイル対応(外出先からのデータ入力)
3. データ基盤
- 顧客データベースの整備(既存データのクレンジング)
- データ統合基盤の構築(MA/SFA/その他システムの連携)
- レポート自動化の設定(週次・月次レポート)
- BI(ビジネスインテリジェンス)ツールの導入検討
- データセキュリティ対策の実施
- カスタムツール開発の検討(既成ツールで対応できない業務プロセス)
4. 体制整備
- 営業組織の役割分担明確化(インサイドセールス・フィールドセールス等)
- 責任者の配置(営業部長・マネージャー)
- ステアリングコミッティの設置(経営層・現場担当者を含む推進体制)
- デジタルチャンピオンの育成(若手社員をIT化の牽引役に)
5. 運用定着
- 社内研修の実施(ツール操作・営業プロセス)
- KPIモニタリング体制の確立(週次・月次レビュー)
- 継続的改善の仕組み構築(PDCAサイクル)
- 営業担当者のフィードバック収集と反映
- 成功事例の社内共有
ステップ1:営業戦略の策定
営業組織構築の最初のステップは、営業戦略の策定です。ターゲット顧客の定義、営業プロセスの設計、KPI設定が中心となります。
SalesZine調査で新規顧客獲得35.8%、属人的営業24.6%、人材採用・育成32.0%が課題として挙げられていることを踏まえ、これらの課題を解決する営業戦略を策定することが重要です。特に、新規顧客獲得の効率化と属人営業の解消を重点目標として設定することを推奨します。
また、IT導入プロジェクトの約70%が期待通りの成果を得られていない最大の失敗原因は「経営戦略との不一致」とされています。営業戦略を策定する際は、経営戦略との整合性を必ず確認し、経営層の承認を得ることが重要です。
ステップ2-4:体制整備・ツール導入・運用定着
戦略策定後の実装フェーズでは、体制整備・ツール導入・運用定着を並行して進めます。
体制整備では、営業組織の役割分担を明確化し、責任者を配置します。インサイドセールスとフィールドセールスの分業体制や、カスタマーサクセス部門の設置など、営業プロセスに応じた組織設計が必要です。
ツール導入では、SFA/CRMの選定・導入を行います。2024年度時点での日本企業のCRM導入率は37.2%と上昇していますが、導入後の運用定着が課題です。ツール選定時は、既存システムとの連携性や営業担当者の使いやすさを重視することが重要です。
運用定着が最も重要なステップです。IT導入プロジェクトの約70%が期待通りの成果を得られていない現状を踏まえ、社内研修の実施、KPIモニタリング体制の確立、継続的改善の仕組み構築を徹底する必要があります。営業担当者のフィードバックを収集し、ツールや業務プロセスを継続的に改善することで、運用定着を実現できます。
MA/SFA実装支援と組織営業の実現|戦略レポート型vs実装支援型の比較
MA/SFA連携設定とカスタムツール開発の実装支援が、営業組織構築成功の鍵です。IT導入プロジェクトの約70%が期待通りの成果を得られていない原因は「経営戦略との不一致」ですが、もう一つの大きな原因は「戦略策定で終わり、実装が進まない」ことです。
戦略レポート型では、戦略策定で終わり、MA/SFA設定やデータ基盤構築が進まないという失敗パターンに陥ります。一方、実装支援型では、戦略策定からMA/SFA連携設定、カスタムツール開発まで一気通貫で完了させることで、営業組織構築を成功させることができます。
Microsoft社の事例では、CEOから現場担当者まで全レベルの関係者が参画するステアリングコミッティを設置し、90%以上の導入成功率を達成しています。また、ユーザー参加型の導入プロセスを採用した企業は、そうでない企業と比べて成功率が40%高いという調査結果があります。
以下に、営業組織構築アプローチの比較表を示します。自社に最適なアプローチを選択する際の参考にしてください。
【比較表】営業組織構築アプローチ比較表
| 項目 | 戦略レポート型 | 実装支援型 |
|---|---|---|
| 提供範囲 | 戦略策定・レポート提出まで | 戦略策定からMA/SFA実装・カスタムツール開発まで |
| 成果物 | 戦略レポート・提案書 | 稼働するMA/SFA・データ基盤・カスタムツール |
| 実装責任 | クライアント側 | 支援側が実装まで完了 |
| 期間 | 短期(1-3ヶ月) | 中長期(3-12ヶ月) |
| メリット | 短期間で戦略の方向性を確認できる / コストが比較的低い / 複数の選択肢を比較検討できる | 実装まで完了するため成果が出る / MA/SFA設定・カスタムツール開発の専門知識を活用できる / 運用定着まで支援を受けられる |
| デメリット | 実装が進まず戦略倒れになるリスクが高い / MA/SFA設定やデータ基盤構築を自社で行う必要がある / 実装段階で想定外の課題が発生しやすい | 期間が長くコストが高い / 支援側への依存度が高くなる / 途中で方針変更しにくい |
| 適した企業 | すでにMA/SFAを運用中で戦略見直しのみ必要 / 自社に実装リソース(エンジニア・データ人材)がある | MA/SFA未導入または導入済みだが活用できていない / 自社に実装リソースが不足している / 成果を出したい |
MA/SFA連携設定の実装ポイント
MA/SFA連携設定では、顧客情報一元管理、営業プロセスの可視化、KPI自動集計が中心となります。ユーザー参加型の導入プロセスを採用することで、成功率が40%高くなることが分かっています。
具体的には、営業担当者を巻き込んだ導入プロセスが重要です。営業担当者のニーズをヒアリングし、使いやすいインターフェースを設計することで、ツールの定着率を高めることができます。また、営業担当者の入力負荷を最小化し、モバイル対応を行うことで、外出先からのデータ入力をスムーズにすることも重要です。
MA/SFA連携設定のポイントとしては、以下が挙げられます:
- MA→SFAのリード引き渡しルールを明確化し、リード対応の迅速化を図る
- 営業プロセスの各段階(リード獲得→商談→受注→フォロー)を可視化し、ボトルネックを特定する
- KPI自動集計により、リアルタイムで営業状況を把握できる体制を構築する
カスタムツール開発とデータ基盤構築
既成のSFA/CRMだけでは対応できない業務プロセスがある場合、カスタムツール開発が必要です。ウイングアーク1st調査によると、データ活用の目的として「パーソナル業務(属人化Excel等)」が17.2%を占めており、属人化Excel等が営業組織の課題となっています。
カスタムツール開発により、属人化Excel等を標準化されたシステムに置き換えることで、データ基盤構築を実現できます。データ基盤構築のポイントとしては、以下が挙げられます:
- データ統合: MA/SFA/その他システムのデータを統合し、一元管理する
- レポート自動化: 週次・月次レポートを自動生成し、経営層・営業マネージャーに提供する
- BI活用: BIツールを活用し、データを可視化して意思決定を支援する
カスタムツール開発は、既成ツールでカバーできない自社独自の業務プロセスに対応するために有効です。ただし、開発コストと期間を考慮し、既成ツールで対応できる範囲は既成ツールを活用することを推奨します。
営業組織構築の成功要因と運用定着のポイント
営業組織構築を成功させるための要因として、ステアリングコミッティと全社推進体制の構築、AI活用と営業業務の自動化が挙げられます。
Microsoft社の事例では、CEOから現場担当者まで全レベルの関係者が参画するステアリングコミッティを設置し、90%以上の導入成功率を達成しています。また、ユーザー参加型の導入プロセスを採用した企業は、そうでない企業と比べて成功率が40%高いという調査結果があります。
生成AIによる営業業務の30%以上が自動化可能とされており、提案書作成・顧客ニーズ分析などが対象です。ただし、HubSpot調査によると、営業担当者の85.5%が生成AIについて認識している一方で、実際の営業活動で活用したのは28.9%にとどまっており、認知と活用の間に大きなギャップがあります。
ステアリングコミッティと全社推進体制の構築
ステアリングコミッティとは、CEOから現場担当者まで全レベルの関係者が参画する推進体制です。Microsoft社の事例では、ステアリングコミッティを設置することで90%以上の導入成功率を達成しています。
ステアリングコミッティの役割としては、以下が挙げられます:
- 経営戦略と営業組織構築の整合性確認
- 重要な意思決定(予算・スケジュール・方針)
- 各部門(営業・マーケティング・IT・経営企画等)の調整
- プロジェクト進捗のモニタリングと課題解決
ユーザー参加型の導入プロセスを採用することで、成功率が40%高くなります。営業担当者を早期から巻き込み、ニーズをヒアリングし、フィードバックを反映することで、ツールや業務プロセスの定着率を高めることができます。
AI活用と営業業務の自動化
生成AIにより営業業務の30%以上が自動化可能とされています。提案書作成・顧客ニーズ分析などが対象で、営業担当者の業務負荷を軽減し、顧客対応に集中できる環境を整備できます。
ただし、HubSpot調査によると、営業担当者の85.5%が生成AIを認識している一方で、実際の営業活動で活用したのは28.9%にとどまっています。認知と活用の間に大きなギャップがあり、AI活用を進めるための施策が必要です。
AI活用を進めるためのポイントとしては、以下が挙げられます:
- 具体的なユースケース設定: 提案書作成・顧客ニーズ分析など、業務負荷が高い領域からAI活用を開始する
- 社内教育: AI活用の研修を実施し、営業担当者のスキルを向上させる
- 段階的導入: 一部の営業担当者でパイロット導入し、効果を検証してから全社展開する
AI活用により、営業担当者は定型業務から解放され、顧客との関係構築や課題解決に集中できるようになります。組織営業とAI活用を組み合わせることで、IT企業の営業力を最大化できます。
まとめ|IT企業の営業組織構築成功のポイント
本記事では、IT企業の営業組織構築を戦略策定からMA/SFA実装まで一気通貫で成功させる実践ガイドを解説しました。
要点整理
- 属人営業から組織営業への転換: SalesZine調査で属人的営業が24.6%の企業で課題となっており、営業プロセスの標準化とSFA/CRM活用による組織営業への転換が必要
- 戦略策定から実装まで一気通貫: IT導入プロジェクトの約70%が期待通りの成果を得られていない現状を踏まえ、戦略レポート型ではなく実装支援型のアプローチで、MA/SFA連携設定とカスタムツール開発まで完了させる
- ステアリングコミッティと全社推進体制: Microsoft社の事例で90%以上の導入成功率を達成したように、CEOから現場担当者まで全レベルの関係者が参画する推進体制を構築し、ユーザー参加型の導入プロセスで成功率を40%向上させる
- AI活用と営業業務の自動化: 生成AIにより営業業務の30%以上が自動化可能だが、認知85.5%に対し実活用28.9%のギャップを解消するため、具体的なユースケース設定・社内教育・段階的導入を進める
次のアクション
本記事で提供したIT企業営業組織構築チェックリストと営業組織構築アプローチ比較表を活用し、自社に最適なアプローチを選択してください。戦略を立てるだけで満足せず、実装・運用定着まで完了させることが成功の鍵です。
IT企業の営業組織構築は、戦略策定だけでなく、MA/SFA連携設定とカスタムツール開発まで実装を完了させることで成功します。
