IS人材育成|スキル習得から育成計画・評価設計まで実践ガイド

著者: B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部公開日: 2026/1/813分で読めます

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IS人材育成で成果が出ない理由とその解決策

IS人材育成で成功するには、座学研修だけでなくMA/SFAを活用した実践トレーニングと、KPI達成に連動した育成設計が不可欠です。

多くの企業がインサイドセールス(IS)チームの立ち上げや拡大に取り組む中、人材育成の課題に直面しています。厚生労働省の能力開発基本調査(2020年)によると、人材育成に関する問題点として「人材を育成しても辞めてしまう」「人材育成を行う時間がない」「人材育成の方法がわからない」が相当数の事業所で課題として挙げられています。

これらの課題を解決するためには、一般的な営業研修ではなく、IS特有のスキル育成に焦点を当てたプログラム設計が必要です。商品知識研修だけを実施しても、MA/SFAツールを使いこなせるメンバーは育ちません。

この記事で分かること

  • ISに必要なスキルセット(ヒアリング力・MA/SFA活用力・商談化スキル)
  • 企業規模別の育成手法の傾向と効果的な組み合わせ
  • IS人材育成チェックリストとスキルレベル別育成ロードマップ
  • 育成計画の立て方とオンボーディング設計のポイント
  • 定量・定性評価を組み合わせたKPI設計の方法

ISに必要なスキルセットを理解する

ISに求められるスキルは、一般的なフィールドセールスとは異なり、非対面でのコミュニケーション能力とツール活用力が中核となります。

OJT(On-the-Job Training) とは、業務を通じて実践的にスキルを習得する育成手法です。ペアリング、商談同席、1on1コーチングなどを含みます。

OFF-JT(Off-the-Job Training) とは、業務を離れて行う研修を指します。座学研修、集合研修、外部セミナー参加などがこれに該当します。

ISに必要なスキルは大きく分けて以下の3カテゴリーに整理できます。

  1. コミュニケーションスキル: ヒアリング力、電話・メールでの伝達力、傾聴力
  2. 商談化スキル: ニーズ顕在化、BANT情報の聞き出し、アポイント設定力
  3. ツール活用スキル: MA/SFA操作、リードスコアリング理解、データ入力・分析

ヒアリング力・商談化スキル

ISの中核となるのは、限られた時間で顧客の課題とニーズを引き出すヒアリング力です。

電話やWeb会議という非対面の環境では、対面営業と比べて顧客の反応が読み取りにくくなります。そのため、質問の仕方や傾聴のスキルがより重要になります。

BANT情報の聞き出し方

  • Budget(予算): 「ご予算の目安はお決まりですか」と直接聞くのではなく、「現在どのような投資をされていますか」から入る
  • Authority(決裁権): 「導入の際はどのような検討プロセスになりますか」で組織構造を把握
  • Needs(ニーズ): 「今お困りのことは何ですか」ではなく、「現状どのような運用をされていますか」から課題を引き出す
  • Timeline(導入時期): 「いつ頃の導入をお考えですか」を具体的なイベント(期末、新年度など)に紐づけて確認

商談化スキルとは、ヒアリングで得た情報をもとに、顧客の課題を顕在化させ、次のステップ(商談・デモ・提案)につなげる能力です。ISの成果は商談化率で測られることが多いため、このスキルの習得が重要です。

MA/SFA活用スキル

ISがMA/SFAツールを使いこなすことで、効率的なリード管理と商談化が可能になります。

リードスコアリングの理解

MA(マーケティングオートメーション)では、リードの行動履歴に基づいてスコアリングが行われます。ISメンバーは以下を理解しておく必要があります。

  • どのような行動がスコアに反映されるか(資料ダウンロード、メール開封、ページ閲覧など)
  • スコアの閾値と優先順位の考え方
  • スコアだけでなく行動履歴も確認する習慣

SFA活用の基本

  • 活動履歴の正確な入力(コール内容、次回アクション、BANT情報)
  • パイプライン管理とフェーズ更新
  • ダッシュボードを活用した自己の活動分析

MA/SFAの入力精度が低いと、組織全体のデータ活用に支障をきたします。ツール活用スキルは育成の初期段階から重点的に取り組むべき領域です。

IS人材育成の主要な手法|OJT・OFF-JT・ロールプレイ

IS人材育成では、OJT・OFF-JT・ロールプレイを組み合わせた体系的なアプローチが効果的です。ただし、企業規模によって実施状況には大きな差があります。

労働政策研究・研修機構(JILPT)の調査(2025年)によると、OFF-JT(座学研修・集合研修など)実施割合は企業規模で大きく異なります。従業員9人以下で16.2%、10〜29人で30.4%、30〜99人で45.2%、100〜299人で60.5%、300人以上で76.1%という結果が出ています。

また、自己啓発支援(通信教育補助・外部セミナー費用補助など)の実施割合も同様の傾向で、9人以下で20.8%、10〜29人で27.5%、30〜99人で37.8%、100〜299人で46.1%、300人以上で61.1%となっています。

中小企業ではOJT比率が高くなりがちであり、体系的な育成プログラムの設計が課題となっています。

ロールプレイ(ロープレ) とは、模擬商談や模擬電話を通じて実践スキルを習得する手法です。ISではコールモニタリングと併用されることが多いです。

よくある失敗パターンとして、「商品知識研修」や「一般的な営業研修」をそのままIS育成に当てはめ、MA/SFAツール活用やヒアリングスキル強化など、IS特有のスキル習得を後回しにするケースがあります。これでは成果につながりません。

【比較表】ISスキルレベル別育成内容比較表

レベル 期間目安 主な育成内容 OJT OFF-JT ロールプレイ 達成目標
初級(新人) 入社〜3ヶ月 ツール操作、商品知識、基本トーク ペアリング 座学研修 基礎トークロープレ 単独でコールができる
中級 3ヶ月〜1年 BANT聞き出し、商談化 コールモニタリング 応用研修 商談ロープレ 安定した商談化率
上級 1年以上 難易度の高い案件対応 後輩指導 外部セミナー ケーススタディ 組織貢献・後輩育成
リーダー 経験に応じて チームマネジメント 1on1実施 マネジメント研修 フィードバック演習 チーム目標達成

OJTとコールモニタリングの活用

ISにおけるOJTは、実際のコール業務を通じたスキル習得が中心となります。

ペアリング(初級向け)

新人が先輩のコールを隣で聞きながら、トークの流れや対応方法を学ぶ手法です。入社直後の1〜2週間で集中的に実施することが効果的とされています。

コールモニタリング(中級以上向け)

マネージャーやトレーナーがコールを聞き、終了後にフィードバックを行います。以下のポイントを確認します。

  • オープニングトークの自然さ
  • ヒアリングの深さと質問の適切さ
  • 次回アクションへの誘導
  • 終話の印象

1on1コーチング

週次で実施し、数値目標の進捗だけでなく、スキル面の課題や悩みをヒアリングします。OJTを補完する役割として重要です。

ロールプレイと座学研修の組み合わせ

OFF-JTとしてのロールプレイと座学研修を効果的に組み合わせることで、知識とスキルの両面を強化できます。

前述の調査によると、OFF-JT実施割合は従業員100〜299人で60.5%、300人以上で76.1%と、大企業ほど高い傾向にあります。中小企業では実施率が低くなりがちですが、座学研修だけでは実践スキルは身につきません。

効果的な組み合わせ例

  1. 座学研修(知識インプット): 商品知識、業界知識、ツール操作方法
  2. ロールプレイ(スキルアウトプット): 学んだ知識を模擬コールで実践
  3. フィードバック(振り返り): 録音を聞きながら改善点を明確化
  4. 実践(OJT): 実際のコールで学びを試す

このサイクルを繰り返すことで、知識がスキルとして定着します。

IS人材育成計画の立て方とオンボーディング設計

体系的なIS人材育成計画を立てることで、属人的な育成から脱却し、再現性のある育成プログラムを構築できます。

オンボーディングとは、新入社員や中途入社者が組織に定着し、早期に戦力化するための一連の育成プロセスです。

能力開発基本調査(2020年)で「人材を育成しても辞めてしまう」が課題として挙げられているように、オンボーディング期の設計は離職防止にも直結します。入社後の早い段階で成功体験を積ませ、組織への帰属意識を高めることが重要です。

育成計画策定のステップ

  1. 目標設定: ISチームのKPIと個人の育成目標を紐づける
  2. スキルマップ作成: 必要なスキルを洗い出し、レベル別に整理
  3. 育成手法選定: OJT・OFF-JT・ロールプレイの配分を決定
  4. スケジュール設計: 入社〜戦力化までのマイルストーンを設定
  5. 評価基準策定: 各段階での達成基準を明確化

【チェックリスト】IS人材育成チェックリスト

  • ISチームの年間KPI(商談化数・アポ獲得数など)が明確になっている
  • 育成担当者(トレーナー・メンター)がアサインされている
  • 必要なスキルを洗い出したスキルマップが作成されている
  • 入社〜3ヶ月のオンボーディング計画が策定されている
  • 商品知識研修の教材・カリキュラムが整備されている
  • MA/SFAツールの操作マニュアルが用意されている
  • トークスクリプト(基本トーク・FAQ対応)が整備されている
  • ロールプレイの実施頻度とフィードバック方法が決まっている
  • コールモニタリングの実施体制が整っている
  • 週次1on1の時間が確保されている
  • 初級・中級・上級のレベル定義が明確になっている
  • 各レベルの達成基準(商談化率など)が設定されている
  • 定量評価(KPI達成率)の集計方法が決まっている
  • 定性評価(ヒアリング力・ツール活用力)の評価基準がある
  • 育成進捗を確認する定例会議が設定されている
  • 離職防止のための施策(フォロー面談など)が計画されている
  • 外部研修・セミナー参加の予算が確保されている
  • 育成プログラムの振り返り・改善サイクルが設計されている

スキルレベル別の育成ロードマップ

IS人材の育成は、段階的にスキルを積み上げていくロードマップに沿って進めることが効果的です。

初級(入社〜3ヶ月)

この時期は「単独でコールができる」状態を目指します。

  • 商品知識・業界知識の習得(座学研修)
  • MA/SFAツールの基本操作習得
  • 基本トークスクリプトの暗記と実践
  • ペアリングによる先輩コールの観察
  • 基礎ロールプレイでのトーク練習

中級(3ヶ月〜1年)

「安定した商談化率を出せる」状態を目指します。

  • BANT情報の聞き出しスキル強化
  • 商談化に向けた提案力の向上
  • コールモニタリングとフィードバック
  • 応用ロールプレイ(難しい顧客対応など)
  • 自身のコールデータ分析と改善

上級(1年以上)

「組織に貢献できる」状態を目指します。

  • 難易度の高い案件・大型案件への対応
  • 後輩のOJT担当としての指導
  • ナレッジの言語化と共有
  • 外部セミナー参加による知見拡大

IS人材育成の評価方法とKPI設計

育成の成果を測定し、継続的に改善していくためには、適切な評価方法とKPI設計が必要です。

IS人材の評価は、数値で測れる定量評価と、スキルや行動で評価する定性評価を組み合わせることが重要です。コール数だけを追いかけると質が低下し、逆に質だけを追いかけると行動量が不足するためです。

定量評価の指標例

  • コール数(架電数)
  • 通話率(つながった割合)
  • アポイント獲得数
  • 商談化数・商談化率
  • パイプライン貢献額

定性評価の指標例

  • ヒアリングの質(BANT情報の聞き出し度合い)
  • MA/SFA入力の精度と即時性
  • トークの自然さ・傾聴姿勢
  • 改善への取り組み姿勢

定量評価と定性評価のバランス

育成段階に応じて、定量評価と定性評価のウェイトを調整することが効果的です。

初級(入社〜3ヶ月)

定性評価を重視します。まずはスキルの土台を固めることが優先であり、数値目標は緩やかに設定します。

  • 評価ポイント: トークの基本ができているか、ツール操作を覚えたか
  • 数値目標: コール数などの行動量(結果指標は参考程度)

中級(3ヶ月〜1年)

定量評価と定性評価をバランスよく組み合わせます。

  • 評価ポイント: 商談化率・アポ獲得数などの結果指標
  • 定性面: ヒアリングの質、難易度の高い対応への成長

上級(1年以上)

定量評価を重視しつつ、組織貢献も評価に含めます。

  • 評価ポイント: 数値目標の達成率、パイプライン貢献
  • 定性面: 後輩指導、ナレッジ共有、改善提案

育成とKPIを連動させることで、「育成のための育成」ではなく、成果につながる育成プログラムを設計できます。

まとめ|IS人材育成を成果につなげるために

IS人材育成で成果を出すためには、座学研修だけでなく、OJT・ロールプレイ・コールモニタリングを組み合わせた実践的なプログラム設計が必要です。

本記事で紹介したポイントを整理します。

  • ISに必要なスキルは「ヒアリング力・商談化スキル」と「MA/SFA活用スキル」が中核
  • 企業規模によってOFF-JT実施率に差があり、中小企業ではOJT比率が高くなりがち
  • 「商品知識研修」や「一般的な営業研修」をそのまま当てはめるのではなく、IS特有のスキル育成に焦点を当てる
  • オンボーディング期の設計は早期戦力化と離職防止に直結する
  • 定量評価と定性評価を組み合わせ、育成段階に応じてウェイトを調整する

本記事で紹介したIS人材育成チェックリストとスキルレベル別育成内容比較表を活用し、自社の育成プログラムを点検してみてください。

IS人材育成を成果につなげるには、座学研修だけでなくMA/SFAを活用した実践トレーニングと、KPI達成に連動した育成設計が不可欠です。育成プログラムを設計・運用する体制を整え、継続的な改善サイクルを回していくことが、商談化率向上につながるチーム構築の鍵となります。

「記事は出してるのに商談につながらない」を解決する。
御社を理解して書くから、刺さる。この記事はMediaSprintで作成しました。

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よくある質問

Q1IS人材育成で最も重要なスキルは何ですか?

A1ヒアリング力・商談化スキルとMA/SFA活用スキルが中核となります。一般的な営業研修ではなく、IS特有のスキル育成が必要です。座学研修だけでなく、ロールプレイやコールモニタリングを通じた実践トレーニングが効果的です。

Q2IS未経験者の育成にはどのくらいの期間が必要ですか?

A2オンボーディング期(入社〜3ヶ月)に集中的な育成投資を行い、単独でコールができる状態を目指す企業が多いです。ただし、育成期間は商材の複雑さや組織体制によって異なるため、一概には言えません。

Q3中小企業でもIS人材育成は可能ですか?

A3可能です。ただし、OFF-JT実施率は企業規模で大きく異なり、従業員30〜99人で45.2%、100〜299人で60.5%となっています(2025年調査)。中小企業ではOJT比率が高くなりがちなため、限られたリソースの中で体系的な育成プログラムを設計することが重要になります。

Q4IS人材育成でよくある失敗パターンは何ですか?

A4「商品知識研修」や「一般的な営業研修」をそのままIS育成に当てはめ、MA/SFAツール活用やヒアリングスキル強化など、IS特有のスキル習得を後回しにすることです。人材育成の問題点として「方法がわからない」「時間がない」「育成しても辞めてしまう」が多くの企業で課題として挙げられています。

Q5IS人材育成の評価はどのように行うべきですか?

A5定量評価(商談化率・コール数・アポ獲得数など)と定性評価(ヒアリングの質・MA/SFA入力精度・行動改善度など)を組み合わせます。育成段階に応じてウェイトを調整し、初級は定性評価重視、中級以上は定量評価も加えていくことが効果的です。KPI達成に連動した育成設計を行い、成果と育成を結びつけることが重要です。

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B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部

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