IS KPI設定の基本|主要指標一覧とMA/SFA運用体制の構築

著者: B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部公開日: 2026/1/89分で読めます

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なぜインサイドセールスのKPI設計は形骸化しやすいのか

実は、インサイドセールスのKPI設計は、単なる目標数値の設定ではなく、MA/SFAを活用した可視化と運用改善の仕組みを同時に構築することで成果につながります。

KPI(Key Performance Indicator) とは、KGI達成のためのプロセス指標であり、商談数・リード数・CVRなど中間的な数値目標を指します。KGI(Key Goal Indicator) は、売上・受注件数など、事業として最終的に達成したいゴールを示す指標です。

インサイドセールス白書2025によると、インサイドセールスの1日あたりの架電数の平均は34件/人と過去最高を記録しています。しかし、架電数を増やしても商談化につながらないという声は多くのIS組織で聞かれます。その原因の多くは、KPI項目を決めて数値を設定するだけで、その後の可視化・進捗管理・改善サイクルを設計していないことにあります。

この記事で分かること

  • インサイドセールス組織で設定すべきKPI項目と定義
  • KGI→KSF→KPIの関係と設計方法
  • MA/SFAを活用したKPI可視化と運用改善の仕組み
  • マーケ・フィールドセールスとの連携KPI設計
  • KPI設計チェックリスト

インサイドセールスKPIの基礎知識|KGI・KSF・KPIの関係

インサイドセールスのKPIは、KGI(最終目標)から逆算して設計することが基本です。KGIから直接KPIに飛ぶのではなく、KSFを経由することで、なぜそのKPIを追うのかが明確になります。

KSF(Key Success Factor) とは、KGI達成のために成功させるべき重要な要素です。例えば「商談の質向上」「リード獲得数確保」などがKSFに該当します。

KPI設計には2つのアプローチがあります。1つはKGI(売上・受注)からKPIを逆算するトップダウン型、もう1つは現場実績から積み上げるボトムアップ型です。実務では両者を併用し、経営目標と現場実態のギャップを埋めながら設計することが推奨されます。

KPIツリーの作り方

インサイドセールスのKPIは「量(架電・接触)」「質(商談化率・SQL率)」「成果(受注・パイプライン)」の3階層で設計すると、どこに課題があるかを特定しやすくなります。

例えば、受注件数(KGI)を達成するために必要な商談数を算出し、その商談数を獲得するために必要なSQL数、コネクト数、架電数と順番に分解していきます。この分解によって、どの指標がボトルネックになっているかを可視化できます。

インサイドセールスのKPI項目一覧と定義

インサイドセールス組織で設定すべきKPI項目は、活動指標と成果指標に大別されます。以下に主要なKPI項目を一覧表にまとめます。

【比較表】インサイドセールスKPI項目一覧表

KPI項目 カテゴリ 定義・計算方法 参考値(目安)
架電数 活動指標 1日あたりの発信件数 平均34件/人(2025年調査)
コネクト数 活動指標 実際に通話できた件数 架電数×コネクト率
コネクト率 活動指標 有効架電数÷総架電数×100 商材により変動
追客回数 活動指標 1リードあたりのアプローチ回数 平均5.1回(2025年調査)
商談設定数 成果指標 商談として設定された件数 自社データで設定
商談化率 成果指標 商談設定数÷リード数×100 参考値:20%(事例ベース)
SQL創出数 成果指標 営業に引き渡したリード件数 自社データで設定
案件化率 成果指標 案件化数÷商談数×100 参考値:50%(事例ベース)
受注率 成果指標 受注数÷案件数×100 参考値:25%(事例ベース)
パイプライン創出額 成果指標 IS経由で創出した商談金額合計 自社データで設定

※ 上記の参考値は業界平均や事例ベースの数値であり、商材・単価・ターゲットによって最適値は大きく異なります。自社データで検証し、継続的に調整することが重要です。

MQL(Marketing Qualified Lead) とは、マーケティング施策で獲得し、一定の条件を満たした見込み顧客を指します。ISがフォローする対象となります。SQL(Sales Qualified Lead) は、一定の条件を満たし営業に「案件」として引き渡されたリードです。

活動指標(量)のKPI

活動指標は、架電数・接触数・メール送信数など活動量を測る指標です。インサイドセールス白書2025によると、1日あたりの架電数平均は34件、リードへの追客回数平均は5.1回と報告されています。

ただし、これらはあくまで全体平均であり、商材の単価やターゲット企業の規模によって最適な活動量は大きく異なります。活動指標だけをKPIにすると「数合わせ」になりがちで、成果につながらないケースも多いため、成果指標と組み合わせて設計することが重要です。

コネクト率(接続率) とは、架電数のうち、実際に相手と会話できた割合です。有効架電数÷総架電数で計算します。

成果指標(質)のKPI

成果指標は、商談化率・SQL創出数・パイプライン額など成果を測る指標です。あるBtoBマーケ支援企業のKPI設定基準例として、受注率25%・案件化率50%・商談化率20%という数値が紹介されています。

これらの数値は参考値であり、自社の実績データで検証・調整することが必須です。パイプラインKPI(商談金額×受注確度で加重)を導入すると、アポ件数だけでなく案件の質も追跡できる体制を構築できます。

KPI設計だけで終わらせない運用体制の構築

KPI項目を決めて目標数値を設定するだけで満足し、MA/SFAでの可視化・進捗管理・改善サイクルを設計しないまま運用を始めてしまうケースは非常に多いです。この失敗パターンに陥ると、KPIは形骸化し、数字を追うだけで成果につながらない状況が続きます。

KPI設計とMA/SFA実装を別々に進めると、設計者の意図が実装に反映されず、結局「見たい数字が見られない」「データが正しく取れない」といった問題が発生します。KPI設計の段階からMA/SFAでの実装を意識し、一気通貫で進めることが成功の鍵です。

MA/SFAでのKPI可視化と進捗管理

MA/SFAを活用することで、KPIをリアルタイムで可視化し、日次・週次での進捗管理が可能になります。具体的には以下のような施策が有効です。

  • ダッシュボード構築:主要KPIを一画面で確認できる環境を整備
  • レポート自動化:週次・月次レポートの自動生成で工数削減
  • アラート設定:KPIが基準値を下回った場合に通知
  • ファネル分析:どのステージで歩留まりが発生しているかを可視化

マーケ・フィールドセールスとの連携KPI設計

部門間でKPIを連携させることが、リード品質問題を解決する鍵です。マーケティング部門が「リード数」、営業部門が「今期売上」と別々のKPIを追うと、質の低いリードが増えて営業がフォローしないという問題が発生しやすくなります。

商談化率・受注率・受注額を共通KPIとして設定し、マーケ・IS・フィールドセールスの全部門が同じ指標を見る体制を構築することが推奨されます。

BtoBメルマガの数値例として、到達率約96%、開封率20%、クリック率は開封後25%という数値が紹介されています。これらはマーケからの連携指標として参考にできます。

【チェックリスト】IS KPI設計チェックリスト

  • KGI(売上・受注目標)が明確に定義されている
  • KSF(成功要因)を洗い出している
  • KPIをKGIから逆算して設計している
  • 活動指標と成果指標の両方を設定している
  • 各KPIの計算方法・定義を明文化している
  • 目標値の根拠を自社データに基づいて設定している
  • MA/SFAでKPIデータを自動取得できる設計になっている
  • ダッシュボードでリアルタイムに確認できる環境がある
  • 週次・月次での振り返りミーティングを設定している
  • MQL・SQLの定義をマーケ・営業と合意している
  • リード引き渡しルールを明文化している
  • 商談化率・受注率を共通KPIとして設定している
  • KPIが未達の場合の改善アクションを定めている
  • 定期的なKPI見直しのサイクルを設定している
  • 経営層への報告フォーマットを整備している

MQL→SQLの定義と引き渡しルール

MQLからSQLへの引き渡し基準を明確にすることで、部門間の認識齟齬を防ぎ、リード品質問題を解消できます。具体的には以下の項目を明文化することが重要です。

  • MQLの条件:どのような行動・属性を満たしたリードをMQLとするか
  • SQLの条件:ISがどのような状態までリードを育成したらSQLとするか
  • 引き渡しタイミング:いつ、どのような情報とともに引き渡すか
  • 戻しルール:SQLが商談化しなかった場合の対応

まとめ|KPI設計とMA/SFA実装を一気通貫で進める

本記事では、インサイドセールスのKPI設計について、項目の選定から運用体制の構築まで解説しました。

ポイントの整理

  • インサイドセールスのKPIは「量(活動指標)」「質(成果指標)」の両方で設計する
  • KGI→KSF→KPIの関係を明確にし、逆算で設計する
  • 架電数34件、追客5.1回などの平均値はあくまで参考。自社データで検証が必須
  • KPI設計だけで終わらず、MA/SFAでの可視化と運用改善の仕組みを同時に構築する
  • マーケ・フィールドセールスとの共通KPIで部門間連携を強化する

インサイドセールスのKPI設計は、単なる目標数値の設定ではなく、MA/SFAを活用した可視化と運用改善の仕組みを同時に構築することで成果につながります。本記事のチェックリストを活用し、KPIが形骸化しない仕組みづくりを進めてください。

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よくある質問

Q1インサイドセールスの架電数は1日何件が適切ですか?

A12025年の調査ではインサイドセールスの1日あたりの架電数平均は34件ですが、これは全体平均であり、商材・単価・ターゲットで最適値は大きく変動します。自社の商談化率やコネクト率を見ながら、質と量のバランスで調整することが重要です。

Q2インサイドセールスのKPIで最も重要な指標は何ですか?

A2活動指標(架電数・接触数)だけでなく、成果指標(商談化率・SQL創出数・パイプライン額)を組み合わせて設計することが重要です。売上から逆算したパイプラインKPIへの移行が増えており、アポ件数だけでなく案件の質も追跡できる体制が推奨されます。

Q3リードへの追客は何回まで行うべきですか?

A32025年の調査ではリードに対する追客回数の平均は5.1回と報告されています。ただし、リードの温度感や商材によって最適な回数は異なります。重要なのは回数だけでなく、適切なタイミングと内容でアプローチすることです。

Q4マーケとインサイドセールスでKPIが合わない場合はどうすればよいですか?

A4マーケは「リード数」、営業は「今期売上」と別々のKPIを追うと、質の低いリードが増えて営業がフォローしない問題が発生しやすくなります。商談化率・受注率・受注額を共通KPIにし、MQL→SQLの定義を両部門で合意することが解決策です。

Q5商談化率の目安はどのくらいですか?

A5BtoBマーケ支援企業のKPI設定基準例として、商談化率20%という数値が紹介されています。ただし、これは参考値であり、業界・商材・リード獲得経路によって大きく異なります。自社データで実績を蓄積し、継続的に改善していくことが重要です。

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B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部

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