Salesforceで日報管理を行う方法と設定・活用のポイント

著者: B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部公開日: 2025/12/12

Salesforceで日報を書きたいけれど、専用機能がなくて困っている...

B2B企業の営業マネージャーやSFA管理者の多くが、「Salesforceで日報を管理したいのに、どうすればいいか分からない」という課題に直面しています。米国発のSalesforceには「日報」という概念が標準機能として存在しないため、日本企業独自の運用方法を設計する必要があります。

この記事では、Salesforceで日報管理を実現する4つの方法と、効果的な活用のポイントを解説します。営業活動の可視化と情報共有を促進し、マネジメントの質を高めるための実践的なノウハウをご紹介します。

この記事のポイント:

  • Salesforceでの日報管理には4つの方法がある(Chatter・カスタムオブジェクト・活動レポート・商談への直接書き込み)
  • 日報は5W3Hを意識した簡潔な記載が重要
  • 日報の目的を明確にしないと形骸化する
  • Slack連携やAppExchangeアプリで効率化が可能
  • 案件管理が整備されていないと日報も活かせない

1. Salesforceで日報管理が重要な理由

Salesforceでの日報管理は、営業組織の生産性向上とマネジメント強化に重要な役割を果たします。

(1) 営業活動の可視化と情報共有

日報は営業担当者の活動内容を記録し、チーム全体で共有する手段です。

可視化される情報:

  • 訪問先・商談内容・提案状況
  • 顧客の反応・課題・懸念点
  • 次回アクション・フォロー予定

日報を通じて、マネージャーは各担当者の状況をリアルタイムで把握し、適切なタイミングで支援できるようになります。

(2) マネジメントによる適切なサポート実現

日報は単なる報告ではなく、マネージャーが営業担当者を支援するための情報源です。

日報から得られるマネジメント視点:

  • 案件の進捗状況と停滞要因の把握
  • 担当者が直面している課題の発見
  • 成功事例・失敗事例の共有と横展開

日報を活用することで、経験の浅い担当者への指導や、難易度の高い案件へのサポートが可能になります。

(3) Salesforce標準機能に「日報」がない背景

米国発のSalesforceには「日報」という専用機能が存在しません。これは、米国の営業文化では「日次の詳細報告」よりも「案件ベースの進捗管理」が重視されるためです。

日本企業が直面する課題:

  • 日報文化が根強い日本では、Salesforceでも日報を求められる
  • 標準機能がないため、代替手段を設計する必要がある

以下では、Salesforceで日報管理を実現する具体的な方法を解説します。

2. Salesforceにおける日報管理の4つの方法

Salesforceで日報を管理する方法は主に4つあります。目的と運用体制に応じて最適な方法を選択しましょう。

(1) Chatterを活用した日報運用

ChatterはSalesforce内のソーシャルネットワーク機能で、投稿・コメント・共有が可能です。

Chatterでの日報運用の特徴:

  • 投稿形式で日報を共有し、誰でもコメント可能
  • チーム全体でアドバイスを交換でき、コミュニケーションが活性化
  • フォーマットが自由で柔軟な運用ができる

向いている組織:

  • コミュニケーション重視のチーム
  • フォーマット統一よりも柔軟性を重視する企業
  • 少人数のチーム(10-30名程度)

注意点:

  • フォーマットが自由なため、記載内容にバラつきが出やすい
  • レポート化・集計が難しい

(2) カスタムオブジェクトで専用日報を作成

カスタムオブジェクトを作成し、日報専用のデータ管理枠組みを設計する方法です。

カスタムオブジェクトの特徴:

  • フォーマットを統一し、必須項目を設定できる
  • アクセス権限を細かく設定可能
  • レポート・ダッシュボードでの集計・分析が容易

向いている組織:

  • フォーマット統一と権限管理が重要な企業
  • 大規模な営業組織(50名以上)
  • 日報データを分析・活用したい企業

注意点:

  • 設定に手間がかかる(フィールド設計・権限設定等)
  • 柔軟性が低く、フォーマット変更が面倒

(3) 活動オブジェクトのレポート化

Salesforce標準の「活動オブジェクト」(行動・ToDo)を活用し、日々の活動をレポート化する方法です。

活動レポートの特徴:

  • 標準機能なので追加設定が不要
  • 訪問・電話・メールなどの活動を記録し、レポートで一覧化
  • 商談・取引先と紐づけて管理できる

向いている組織:

  • 既にSalesforceで活動管理を行っている企業
  • シンプルな日報で十分な企業
  • 設定工数を最小限にしたい企業

注意点:

  • 自由記述欄が限られており、詳細な日報には不向き
  • 活動ごとの記録になるため、1日分をまとめて確認しにくい

(4) 取引先・商談オブジェクトへの直接書き込み

取引先や商談オブジェクトに、訪問内容や進捗を直接記入する方法です。

直接書き込みの特徴:

  • 案件ごとに情報が集約され、履歴が追いやすい
  • 別途日報を書く必要がなく、入力工数が削減できる

向いている組織:

  • 案件管理が徹底されている企業
  • 入力工数を最小限にしたい企業

注意点:

  • 「日報」という形式では残らない
  • 案件に紐づかない活動(社内会議・研修等)は記録しにくい

※各方法の詳細な設定手順は、Salesforce公式ドキュメントで最新情報をご確認ください。

3. 効果的な日報の書き方と入力のポイント

日報は簡潔かつ正確に書くことで、マネージャーや他のメンバーにとって価値ある情報になります。

(1) 5W3Hを意識した簡潔な記載

日報では「5W3H」を意識すると、必要な情報を漏れなく記載できます。

5W3Hの項目:

  • When(いつ): 訪問日時・商談日時
  • Where(どこで): 訪問先・オンライン会議
  • Who(誰が): 担当者・参加者
  • What(何を): 提案内容・議題
  • Why(なぜ): 訪問目的・背景
  • How(どのように): 進め方・アプローチ
  • How many(どのくらい): 提案数・参加人数
  • How much(いくら): 提案金額・予算

例:

【訪問日時】2025年1月15日 14:00-15:00
【訪問先】株式会社〇〇(東京本社)
【参加者】先方:営業部長A様、担当者B様 / 当方:営業担当C
【目的】新製品の提案
【内容】製品Xの機能・料金を説明。A様から「社内で検討したい」との回答。
【次回アクション】1週間後にフォローアップ電話

(2) 入力工数vs情報価値のバランス

日報は詳しく書けば良いというものではありません。入力工数と情報価値のバランスが重要です。

過度に詳細な日報の問題点:

  • 営業担当者の入力負担が大きくなる
  • 誰も読まない・活用されない日報になる

適切な情報量:

  • 訪問・商談の要点を3-5行でまとめる
  • マネージャーが支援判断できる最低限の情報を記載
  • 詳細は商談オブジェクトに記録し、日報は要約にとどめる

(3) 形骸化を防ぐ運用ルール設計

日報の目的を明確にしないと、形骸化して誰も読まない報告書になります。

形骸化を防ぐポイント:

  • 目的を明確化: 情報共有・課題発見・指導のいずれかを明示
  • マネージャーのレビュー: 日報にコメント・フィードバックを必ず行う
  • 定期的な見直し: 運用ルールが実態に合っているか定期チェック

日報を書くことが目的化すると意味がありません。「日報をどう業務に生かすか」を設計することが成功の鍵です。

4. 日報管理の活用と運用のコツ

日報を単なる報告で終わらせず、営業活動の改善に活かすためのポイントを解説します。

(1) 日報データの分析・レポート化

日報データをレポート化することで、営業活動の傾向や課題を可視化できます。

レポート化できる指標:

  • 訪問件数・商談件数の推移
  • 担当者別の活動量・成約率
  • 商談の停滞要因の分析

活用例:

  • 訪問件数が多いのに成約率が低い担当者を発見し、提案方法を改善
  • 特定の商材の成約率が低い場合、製品説明を見直す

(2) 案件情報管理との連携

日報管理の前提として、Salesforce上で案件情報がきちんと管理されている必要があります。

案件管理が整備されていないと起きる問題:

  • 日報を書いても、案件の進捗が分からない
  • 誰がどの案件を担当しているか把握できない
  • 日報が形骸化し、実務に活かせない

推奨される連携方法:

  • 日報を商談オブジェクトと紐づける
  • 案件の進捗状況を定期的に更新する
  • 日報と案件情報を一元管理する

(3) チーム内でのフィードバック活用

Chatterやコメント機能を活用し、チーム全体で知見を共有することで、営業力の底上げが図れます。

フィードバックの例:

  • 成功事例を共有し、他のメンバーが参考にする
  • 課題に対してチーム全体でアドバイスを出し合う
  • マネージャーが適切なタイミングで支援する

フィードバックが活発になることで、日報が「形だけの報告」から「チームの学習ツール」に変わります。

5. 外部ツール連携とAppExchange活用

Salesforceの標準機能だけでは不足する場合、外部ツールやAppExchangeアプリを活用することで、日報管理の効率化が可能です。

(1) Slackとの連携による自動通知・提出管理

SlackとSalesforceを連携させることで、日報の提出プロセスを自動化できます。

Slack連携でできること:

  • 日報未提出者への自動通知
  • 日報提出をSlackから直接入力
  • 提出状況のリアルタイム確認

導入のメリット:

  • 日報の提出率が向上する
  • マネージャーの確認作業が軽減される
  • チームのコミュニケーションが活性化する

※Slack連携の設定方法は、Salesforce公式ドキュメントおよびSlack AppDirectoryで最新情報をご確認ください。

(2) kyoumo(キョウモ)等の日報管理アプリ

AppExchangeには、日報管理に特化したアプリが提供されています。代表的なものとして「kyoumo(キョウモ)」があります。

kyoumoの主な機能:

  • スケジュール管理と日報の連携
  • 日報テンプレートのカスタマイズ
  • 提出状況の一覧管理
  • Salesforce標準オブジェクトとの連携

向いている組織:

  • カスタムオブジェクトを自社で設計するリソースがない企業
  • 日報管理を早期に立ち上げたい企業

※kyoumoの料金・機能は変更される可能性があるため、導入前にAppExchangeで最新情報をご確認ください。

(3) 導入時のコストと機能の比較

外部ツールやAppExchangeアプリを導入する場合、コストと機能を比較検討することが重要です。

比較ポイント:

  • 料金: 月額・年額、ユーザー数による変動
  • 機能: 必要な機能が揃っているか
  • サポート: 日本語サポートの有無、オンボーディング支援
  • 実績: 同業種・同規模企業での導入事例

標準機能で十分な場合は無理にアプリを導入する必要はありません。自社の運用体制と予算に応じて判断しましょう。

6. まとめ:Salesforce日報管理を成功させるために

Salesforceでの日報管理は、Chatter・カスタムオブジェクト・活動レポート・商談への直接書き込みの4つの方法があります。目的と運用体制に応じて最適な方法を選択しましょう。

日報管理成功のポイント:

  • 日報の目的を明確にする(情報共有・課題発見・指導)
  • 5W3Hを意識した簡潔な記載を徹底する
  • マネージャーがレビュー・フィードバックする仕組みを設計する
  • 案件管理が整備されている前提で日報を運用する
  • 必要に応じてSlack連携やAppExchangeアプリを活用する

次のアクション:

  • 自社の日報の目的と運用体制を整理する
  • 4つの方法から最適な手段を選択する
  • 案件管理の整備状況を確認し、不足があれば先に改善する
  • 小規模チームでテスト運用し、フィードバックを集める
  • 運用ルールを定期的に見直し、形骸化を防ぐ

Salesforceでの日報管理を成功させ、営業活動の可視化と情報共有を促進しましょう。

よくある質問

Q1Salesforceで日報を書くにはどうすればいい?

A14つの方法があります。(1)Chatterで投稿形式で共有、(2)カスタムオブジェクトで専用フォーマット作成、(3)活動オブジェクトをレポート化、(4)取引先・商談への直接書き込み。目的と運用体制に応じて選択してください。

Q2日報管理にカスタムオブジェクトを使うべきか、Chatterを使うべきか?

A2柔軟な運用とコミュニケーション重視ならChatter、フォーマット統一と権限管理重視ならカスタムオブジェクトが適しています。いずれも案件管理が整備されている前提が必要です。

Q3日報を書いても業務に活かせていないが、どうすればよい?

A3日報の目的(情報共有・課題発見・指導)を明確にし、マネージャーがレビュー・フィードバックする仕組みを設計しましょう。目的がなければ形骸化します。

Q4日報の提出状況を管理・レポート化するにはどうすればよい?

A4活動オブジェクトをレポート化する方法や、Slack連携で未提出者への自動通知が可能です。kyoumo等のAppExchangeアプリも提出管理機能を提供しています。

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B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部

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