受注とは?BtoB営業での受注プロセスと成約率を高める方法を解説

著者: B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部公開日: 2025/12/18

商談は増えているのに、受注率が伸びない...

BtoB企業の営業担当者の多くが、受注率の向上に課題を抱えています。「商談件数は増えているのに成約に至らない」「何が悪いのか分からない」「受注プロセスを改善したいが、どこから手をつければいいか」といった悩みは珍しくありません。

実は、受注率向上には、見込み客の選別、顧客視点でのベネフィット訴求、営業組織の分業化などの体系的な改善が必要です。この記事では、BtoB営業における受注プロセスと、成約率を高める具体的な方法を解説します。

この記事のポイント:

  • 受注とは顧客から注文を受けること。BtoBビジネスでは契約獲得を意味する
  • 受注率は「受注件数 ÷ 商談件数 × 100」で算出され、業界平均は約20%
  • 受注率向上にはBANTフレームワーク(予算・決裁権・ニーズ・導入時期)で見込み客を選別
  • 顧客は製品の機能ではなく「自社にどんなメリットがあるか」を知りたい
  • 受注管理システムのコストは初期費用0円〜3万円、月額数千円〜3万円が目安

1. 受注とは?BtoB営業における意味と重要性

まず、受注の定義と、受注率の基本を確認しましょう。

(1) 受注の定義と契約獲得

受注とは、顧客から注文を受けることを意味します。BtoBビジネスでは、商談を経て契約を獲得することを受注と呼びます。

受注の定義:

  • 顧客から注文を受けること
  • BtoBビジネスでは契約獲得を意味する
  • 営業活動の最終目標

受注は営業活動の成果指標として重視されており、受注率を高めることが営業組織の最優先課題の一つです。

(2) 受注率の計算方法(受注件数 ÷ 商談件数 × 100)

受注率(成約率)は、商談件数に対する受注件数の割合です。

受注率の計算方法:

受注率(%) = (受注件数 ÷ 商談件数) × 100

計算例:

  • 商談件数: 100件
  • 受注件数: 20件
  • 受注率: (20件 ÷ 100件) × 100 = 20%

受注率を測定することで、営業活動の効率性を評価できます。

(参考: Innovation「受注率とは?受注率を上げる7つの方法とトークで使える3つのテクニックをご紹介!」)

(3) 業界平均の受注率(約20%)

受注率の業界平均は約20%程度と言われています。

受注率の目安:

  • 業界平均: 約20%
  • 業種や商材により異なる
  • 自社の受注率と比較し、改善の余地を判断

例えば、自社の受注率が10%の場合、業界平均の20%に向けて改善の余地があります。

2. BtoB営業の受注プロセス:リードから受注まで

BtoB営業の受注プロセスは、4つのステップで構成されます。

(1) ステップ1:リードジェネレーション(見込み客獲得)

最初のステップは、見込み客(リード)を獲得することです。

リードジェネレーションの手法:

  • Webマーケティング(SEO、リスティング広告、コンテンツマーケティング)
  • 展示会・セミナー
  • SNSマーケティング
  • テレアポ・飛び込み営業

マーケティング部門がリードを獲得し、営業部門に引き渡す分業体制が一般的です。

(2) ステップ2:リードナーチャリング(育成)

次に、獲得したリードを育成します。

リードナーチャリングの手法:

  • メールマーケティング(ステップメール、ニュースレター)
  • インサイドセールスによる電話・メールでのフォロー
  • ウェビナー・セミナーへの招待
  • 事例紹介・ホワイトペーパー提供

リードの関心度を高め、商談可能な状態にします。

(3) ステップ3:商談・クロージング

商談を実施し、受注に向けてクロージングします。

商談のポイント:

  • BANTフレームワークで受注確度を測る(予算・決裁権・ニーズ・導入時期)
  • 顧客の課題をヒアリングし、ベネフィットを訴求
  • 競合との差別化を明確にする(USP: 独自の価値提案)
  • 決裁者を早期に特定し、巻き込む

商談の質が受注率に直結します。

(4) ステップ4:受注・契約締結

最後に、契約を締結し、受注が確定します。

受注後のプロセス:

  • 契約書の締結
  • 受注管理システムへの登録
  • 納品・サービス提供の準備
  • 請求書の発行

受注管理システムを導入することで、受注から出荷・請求までを一元管理し、作業の自動化・省力化が可能です。

3. 受注率(成約率)を高める7つの方法

受注率を高める7つの具体的な方法を解説します。

(1) 方法1:BANTフレームワークで見込み客を選別

受注率向上には、見込み客の選別が重要です。BANTフレームワークで受注確度の高い案件を見極めます。

BANTフレームワーク:

  • B (Budget): 予算はあるか?
  • A (Authority): 決裁権を持つ人と商談できているか?
  • N (Needs): 顧客のニーズと自社製品がマッチしているか?
  • T (Timeframe): 導入時期はいつか?

BANTが揃っている案件に注力することで、受注率が向上します。

(2) 方法2:営業組織の分業化(マーケ・IS・FS)

営業組織を分業化することで、営業担当者が商談に集中できます。

営業組織の分業化:

  • マーケティング: リード獲得(Web施策、展示会等)
  • インサイドセールス (IS): リード育成、アポイント獲得
  • フィールドセールス (FS): 商談、クロージング

分業化により、フィールドセールスは受注確度の高い商談に集中できるため、受注率が向上します。

(3) 方法3:顧客視点でのベネフィット訴求

顧客は製品の機能ではなく「自社にどんなメリットがあるか」を知りたいため、顧客視点でのベネフィット訴求が重要です。

ベネフィット訴求の例:

  • 製品アピール(NG): 「当社の製品は高性能です」
  • ベネフィット訴求(OK): 「この製品により、御社の業務時間を30%削減できます」

顧客の課題を深く理解し、自社製品がどう解決するかを明確に伝えることが重要です。

(参考: 顧問バンク「受注率を上げる体制強化方法や商談のテクニック」)

(4) 方法4:決裁者の早期特定

決裁権のない担当者との商談は時間の無駄になるため、早期に決裁者を特定する必要があります。

決裁者を特定する質問例:

  • 「この案件の決裁者はどなたですか?」
  • 「ご決定にあたり、他に関与される方はいらっしゃいますか?」
  • 「承認プロセスを教えていただけますか?」

初回商談で決裁者を特定し、決裁者を巻き込んだ商談を進めることが受注率向上の鍵です。

(5) 方法5:USP(独自の価値提案)の明確化

2025年のトレンドとして、USP(独自の価値提案)の明確化が重要視されています。

USPの明確化:

  • 競合と比較して、自社製品の独自性は何か?
  • 顧客が他社ではなく、自社を選ぶ理由は何か?
  • 価格、機能、サポート、導入実績など、強みを具体化

USPを明確にすることで、競合との差別化ができ、受注率が向上します。

(参考: Future Search「【2025年版】新規顧客開拓の鉄則とは?トップ営業が実践する3つのポイント」)

(6) 方法6:顧客理解の深化

顧客理解を深めることで、提案の質が向上します。

顧客理解のポイント:

  • 顧客の業界、事業内容、競合状況を事前に調査
  • 顧客の課題、ニーズを商談でヒアリング
  • 顧客の意思決定プロセスを理解

データドリブンな意思決定により、戦略的な提案活動が求められています。

(7) 方法7:失注案件の分析と共有

失注案件を分析し、営業チーム全体で共有することで、受注率の改善につながります。

失注分析の方法:

  1. 失注理由をヒアリング(価格、機能、サポート、タイミング等)
  2. 失注パターンを分類(決裁者不在、競合優位、予算不足等)
  3. 営業チーム全体で共有し、改善策を議論
  4. 改善策を次回の商談に反映

失注分析により、営業プロセスの弱点が明確になります。

4. よくある失注理由と対策

よくある失注理由と、その対策を解説します。

(1) 失注理由1:決裁権のない担当者との商談

決裁権のない担当者と商談を進めても、最終的に決裁者の判断で失注するケースが多くあります。

対策:

  • 初回商談で決裁者を特定する
  • 決裁者を商談に巻き込む
  • 決裁者向けの資料を別途用意する

決裁者との接点を持つことが、受注率向上の重要な要素です。

(2) 失注理由2:製品アピールに終始、顧客メリットが不明確

製品の機能を説明するだけで、顧客にとってのメリットが不明確な場合、受注に至りません。

対策:

  • 顧客の課題を深くヒアリングする
  • 顧客視点でのベネフィットを明確に訴求
  • 導入事例やROIを具体的に提示

製品の過度なアピールは逆効果で、顧客が求めているのは自社のメリットです。

(3) 失注理由3:競合との差別化不足

競合と比較して、自社製品の優位性が不明確な場合、価格勝負になり失注します。

対策:

  • USP(独自の価値提案)を明確化
  • 競合比較表を用意し、強みを具体的に示す
  • 導入実績、サポート体制など、機能以外の強みも訴求

競合との差別化を明確にすることで、価格競争を避けられます。

(4) 対策:失注分析の実施と営業チーム全体での共有

失注理由を分析し、営業チーム全体で共有することが、最も効果的な対策です。

失注分析の実施:

  1. 失注案件の理由をすべて記録
  2. 失注パターンを分析(決裁者不在、競合優位、予算不足等)
  3. 営業会議で共有し、改善策を議論
  4. 改善策を営業プロセスに反映

失注分析により、営業組織全体の受注率が向上します。

5. 受注管理の効率化:受注管理システムとSFA活用

受注管理を効率化するためのシステム活用を解説します。

(1) 受注管理システムの機能と導入メリット

受注管理システムとは、受注から出荷・請求までの一連の業務を効率的に管理・運用するシステムです。

受注管理システムの主な機能:

  • 受注情報の登録・管理
  • 在庫管理との連携
  • 出荷指示・納品書発行
  • 請求書発行
  • 売上管理・レポート

導入メリット:

  • 作業の自動化・省力化
  • ヒューマンエラーの削減
  • リアルタイムでの受注状況把握
  • 顧客対応の迅速化

受注管理システムを導入することで、業務効率が大幅に向上します。

(参考: BOXIL「受注管理システム比較26選!選び方や導入メリット・おすすめサービス」)

(2) コストの目安(初期費用0円〜3万円、月額数千円〜3万円)

受注管理システムのコストの目安は以下の通りです。

コストの目安:

  • 初期費用: 0円〜3万円
  • 月額費用: 数千円〜3万円

クラウド型の受注管理システムは、初期費用が低く、月額数千円から始められるため、中小企業でも導入しやすくなっています。

※コストは執筆時点(2024年11月)の情報です。最新情報は各社公式サイトで確認してください。

(3) SFAによる受注予測とパイプライン管理

SFA(営業支援システム)を活用することで、受注予測とパイプライン管理が可能になります。

SFAの活用:

  • 受注予測: 商談の進捗状況から受注見込みを予測
  • パイプライン管理: 商談の各ステージを可視化し、ボトルネックを特定
  • 営業活動の記録: 商談履歴、顧客情報を一元管理

SFAにより、データドリブンな営業活動が可能になります。

(4) Web-EDI・BtoB受発注システムの活用

BtoBの受発注業務を効率化する方法として、Web-EDIやBtoB受発注システムの導入があります。

Web-EDI・BtoB受発注システム:

  • Web上で企業間の取引データを交換
  • 従来のFAX・電話を置き換える
  • 受注情報の自動取り込み、在庫連携

導入メリット:

  • 受発注業務のデジタル化
  • 入力ミスの削減
  • リードタイムの短縮

(参考: ecbeing「受発注業務のフローと効率化を実現する4つの方法!具体的な手法も含めて解説!」)

6. まとめ:受注率を高めるために

受注率を高めるには、見込み客の選別(BANTフレームワーク)、顧客視点でのベネフィット訴求、営業組織の分業化など、体系的な改善が必要です。

受注率の業界平均は約20%程度です。自社の受注率と比較し、改善の余地を判断しましょう。

次のアクション:

  • 自社の受注率を計算し、業界平均(約20%)と比較する
  • BANTフレームワークで見込み客を選別し、受注確度の高い案件に注力
  • 顧客の課題をヒアリングし、ベネフィットを明確に訴求
  • 失注案件を分析し、営業チーム全体で共有
  • 受注管理システムやSFAを導入し、業務効率化とデータドリブンな営業活動を実現

体系的な改善により、受注率を向上させ、売上拡大を実現しましょう。

※この記事は2024年11月時点の情報です。受注管理システムの仕様・料金は変更される可能性があるため、最新情報は各社公式サイトで確認してください。

よくある質問

Q1受注率の計算方法は?

A1受注件数 ÷ 商談件数 × 100で算出します。例えば、100件の商談で20件受注した場合、受注率は20%です。受注率を測定することで、営業活動の効率性を評価できます。

Q2受注率の業界平均は?

A2一般的に約20%程度です。業種や商材により異なりますが、この平均を目安に自社の受注率を評価しましょう。例えば、自社の受注率が10%の場合、業界平均の20%に向けて改善の余地があります。

Q3受注率を上げるには何から始めればよいですか?

A3BANTフレームワーク(予算・決裁権・ニーズ・導入時期)で見込み客を選別し、受注確度の高い案件に注力することから始めましょう。次に、顧客の課題を深くヒアリングし、ベネフィット訴求を強化します。

Q4受注管理システムのコストは?

A4初期費用0円〜3万円、月額数千円〜3万円が目安です。クラウド型の受注管理システムは、初期費用が低く、月額数千円から始められるため、中小企業でも導入しやすくなっています。自社の業務フローとの適合性を確認して選定しましょう。

Q5失注案件はどう活用すればよいですか?

A5失注理由を分析し、営業チーム全体で共有することで、受注率の改善につながります。決裁者の特定不足、顧客メリットの不明確さ、競合との差別化不足など、失注パターンを分類し、営業プロセスの弱点を明確にすることが重要です。

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B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部

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