ベンチャー営業の仕事内容|The Model型分業と必要スキルを解説

著者: B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部公開日: 2026/1/1811分で読めます

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ベンチャー営業への転職を検討する前に知っておくべきこと

ベンチャー営業で成果を出し、キャリアを成功させるために必要なのは、仕事内容や環境の特徴を理解するだけでなく、The Model型の分業体制やMA/SFAツール活用といったベンチャー特有の営業スキルを身につけることです。これが本記事の結論です。

「ベンチャー企業の営業に興味があるが、実態がわからない」「自分に向いているか判断できない」——こうした不安を抱える方は少なくありません。HubSpot社の調査によると、20代営業担当の7割が「転職・起業の足がかり」としてベンチャー営業を位置づけています(日本の営業に関する意識・実態調査)。また、スタートアップの資金調達総額は2025年上半期で3,399億円(前年比+4%増)に達しており(INITIAL Japan Startup Finance 2025H1)、ベンチャー営業人材への需要は高まっています。

しかし、ベンチャー営業の実態を正しく理解せずに転職すると、入社後にギャップを感じて成果が出せないリスクがあります。本記事では、転職前に知っておくべきベンチャー営業の仕組みと、成果を出すために必要なスキルを解説します。

この記事で分かること

  • ベンチャー営業組織の仕組み(The Model型分業体制)
  • 大手企業営業との違い(メリット・デメリット)
  • ベンチャー営業に向いている人の特徴
  • 成果を出すために必要なスキル(CRM/SFA活用、AI活用)

ベンチャー営業の仕事内容と組織体制の特徴

ベンチャー企業の営業組織は、多くの場合「The Model型」と呼ばれる分業体制を採用しています。これを理解することが、ベンチャー営業で成果を出すための第一歩です。

THE MODELとは、マーケティング・インサイドセールス・フィールドセールス・カスタマーサクセスを分業化する営業モデルを指します。各部門が専門領域に集中することで、営業プロセス全体の効率を高める仕組みです。

B2B営業の平均成約率は20%とされています(Thunderbit B2B営業統計2024、2024年第4四半期時点)。リードから成約に至る割合は1-2%、MQL→SQL変換率は40-60%というデータがあります。このように営業プロセスの各段階で大きく絞り込まれるため、分業体制による専門化が効果的なのです。

MQL(Marketing Qualified Lead) とは、マーケティング部門が購買意欲ありと判断した見込み客です。SQL(Sales Qualified Lead) とは、営業部門が商談化可能と認定した見込み客を指します。

The Model型の分業体制とは

The Model型の分業体制では、以下のように役割が分かれています。

  • マーケティング: リード(見込み客)を獲得し、MQLとして育成する
  • インサイドセールス: MQLに対してアプローチし、商談化可能なSQLへ引き上げる
  • フィールドセールス: SQLに対して商談・提案・クロージングを行う
  • カスタマーサクセス: 契約後の顧客を支援し、継続利用・アップセルを促す

この分業体制では、各部門が前工程から受け取ったリードを次工程に引き渡す形で連携します。そのため、部門間の情報共有やKPI連携が重要になります。

インサイドセールスとフィールドセールスの違い

ベンチャー営業に転職する際、インサイドセールスとフィールドセールスのどちらを担当するかで業務内容が大きく異なります。

インサイドセールスは、電話やWeb会議で見込み客と接触し、リードの選別・育成を担う内勤営業です。多くのリードに効率的にアプローチし、商談化の見込みが高いリードをフィールドセールスに引き渡すことが主なミッションです。

フィールドセールスは、対面での商談・クロージングを担当する外勤営業です。インサイドセールスから引き継いだSQLに対して、具体的な提案を行い、契約締結まで導くことが主なミッションです。

インサイドセールスは「量」を重視した効率的なアプローチ、フィールドセールスは「質」を重視した深い関係構築という違いがあります。自分の適性に合わせて職種を選ぶことが重要です。

ベンチャー営業と大手企業営業の違い:メリット・デメリット

ベンチャー営業と大手企業営業には、それぞれ異なる特徴があります。「ベンチャー営業は裁量が大きくて成長できる」というメリットだけを見て転職し、組織の仕組みやツール活用スキルの重要性を理解しないまま入社して成果が出せないケースは失敗パターンの典型です。

以下の比較表で、両者の違いを整理します。

【比較表】大手企業とベンチャー企業の営業比較表

項目 大手企業 ベンチャー企業
組織体制 部門ごとに細分化、役割が明確 The Model型の分業、兼任も多い
意思決定 承認プロセスが複数階層 意思決定が速い、柔軟
教育体制 研修制度が充実 OJT中心、自走力が求められる
業務範囲 担当領域が明確 幅広い業務を兼任することも
ツール活用 既存システムが整備済み CRM/SFA導入・活用が必須
キャリアパス 社内昇進が主流 転職・起業への足がかりにも
安定性 比較的安定 成長性と不確実性が共存

ベンチャー営業のメリット

ベンチャー営業のメリットとして、以下のような点が挙げられます。

  • 裁量の大きさ: 自分のアイデアや提案を実行に移しやすい
  • 成長スピード: 幅広い業務経験を短期間で積める
  • 意思決定の速さ: 顧客ニーズに柔軟に対応できる
  • 成果が評価されやすい: 成果と報酬が連動しやすい

ただし、これらのメリットを活かすためには、自走力やツール活用スキルが前提となります。メリットだけを期待して転職すると、期待とのギャップに苦しむ可能性があります。

ベンチャー営業のデメリット・注意点

ベンチャー営業のデメリットや注意点も正直に理解しておくことが重要です。

  • 教育体制の不足: 手厚い研修を期待できない場合が多い
  • 業務範囲の広さ: 営業以外の業務も兼任することがある
  • 不確実性: 事業の方向性が変わる可能性がある
  • リソースの制約: 大手企業のような支援体制がない

中小企業白書2017によると、日本の起業後5年生存率は81.7%で、欧米(英42.3%、仏44.5%)より高いというデータがあります(ただし2017年時点のデータであり、最新状況と異なる可能性があります)。ベンチャー=不安定という認識は必ずしも正確ではありませんが、業種や資金調達状況によってリスクは異なる点に注意が必要です。

ベンチャー営業に向いている人の特徴

アカウント営業とは、特定顧客を深耕し長期的な関係構築を重視する営業スタイルです。ベンチャー営業では、このアカウント営業のスタイルが主流となっています。

パーソル総合研究所の調査によると、アカウント営業における取引継続率は6割超(5回以上のリピート取引)ですが、対応負荷が高く後回しになりやすいという課題もあります(アカウント営業調査)。

以下のチェックリストで、自分がベンチャー営業に向いているか確認してみてください。

【チェックリスト】ベンチャー営業に向いている人チェックリスト

  • 指示を待たずに自分で考えて行動できる
  • 新しいことを学ぶのが好きで、変化を楽しめる
  • 曖昧な状況でも前に進める耐性がある
  • 成果に対する責任感が強い
  • 複数の業務を同時並行でこなせる
  • CRM/SFAなどのツールを使いこなす意欲がある
  • 数字やデータに基づいて行動を改善できる
  • 社内外の関係者と積極的にコミュニケーションが取れる
  • 失敗を恐れずにチャレンジできる
  • 長期的なキャリアビジョンを持っている
  • 顧客との長期的な関係構築に興味がある
  • 業界や製品について深く学ぶ意欲がある

上記の項目に多く当てはまる方は、ベンチャー営業に向いている可能性が高いと言えます。一方、明確なマニュアルや研修を求める方、安定性を重視する方は、慎重に検討することをおすすめします。

ベンチャー営業で成果を出すために必要なスキル

ベンチャー営業で成果を出すためには、従来の営業スキルに加えて、ツール活用やデータ分析のスキルが求められます。

HubSpot社の調査によると、営業担当者のCRM導入率は37.2%(前年36.2%から+1.0ポイント増)、生成AI活用率は28.9%(認知85.5%)となっており、認知と活用にギャップがあります(日本の営業に関する意識・実態調査2024)。つまり、ツールやAIを活用できる営業人材は、まだ少数派であり、そのスキルを持つことで差別化できるということです。

CRM/SFAツールの活用スキル

ベンチャー営業では、CRM(顧客関係管理)やSFA(営業支援システム)の活用が必須となります。

CRM/SFAツールを活用することで、以下のようなことが可能になります。

  • 顧客情報の一元管理と共有
  • 営業活動の進捗管理と可視化
  • リード管理とスコアリング
  • 営業プロセスの分析と改善

特定のツールを推奨するものではありませんが、一般的に使われているCRM/SFAの基本操作を理解しておくことは、ベンチャー営業への転職において有利に働きます。

生成AI活用とデータ分析スキル

生成AIの認知率は85.5%と高い一方、実際の活用率は28.9%にとどまっています(HubSpot 日本の営業に関する意識・実態調査2024)。このギャップは、AI活用できる営業人材の価値が高まっていることを示しています。

生成AIは、以下のような営業業務に活用できます。

  • 提案資料やメールの作成支援
  • 顧客ニーズの分析と仮説立案
  • 競合情報の収集と整理
  • 営業トークスクリプトの作成

また、データ分析スキルも重要です。営業活動のデータを分析し、改善点を見つけ、PDCAサイクルを回す能力が、ベンチャー営業での成果向上につながります。

ベンチャー営業への転職を成功させるために:まとめ

本記事では、ベンチャー営業の仕事内容から必要なスキルまでを解説しました。要点を整理します。

  • The Model型の分業体制(マーケティング・インサイドセールス・フィールドセールス・カスタマーサクセス)を理解することがベンチャー営業の第一歩
  • 大手企業とベンチャー企業では、意思決定の速さ、教育体制、業務範囲などに違いがある
  • メリットだけでなく、デメリット・注意点も正しく理解した上で転職を判断する
  • CRM/SFAツールの活用スキル生成AI活用スキルが、ベンチャー営業での成果向上に直結する
  • 自走力があり、変化を楽しめる人がベンチャー営業に向いている

20代営業担当の7割が「転職・起業の足がかり」としてベンチャー営業を位置づけているというデータがあります(HubSpot 日本の営業に関する意識・実態調査)。ベンチャー営業は、キャリアの幅を広げる良い機会となる可能性があります。

ただし、転職を成功させるためには、事前の準備が重要です。本記事のチェックリストで自己診断を行い、必要なスキルを事前に身につけることで、入社後の成果につなげることができます。

ベンチャー営業で成果を出すには、仕事内容や環境の特徴を理解するだけでなく、The Model型の分業体制やMA/SFAツール活用といったベンチャー特有の営業スキルを身につけることが重要です。

「記事は出してるのに商談につながらない」を解決する。
御社を理解して書くから、刺さる。この記事はMediaSprintで作成しました。

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よくある質問

Q1ベンチャー営業は大手企業の営業より難しいですか?

A1一概には言えません。ベンチャー営業は意思決定が速く成約ポテンシャルが高い面がある一方、教育体制が整っていないことも多いです。The Model型の分業体制やツール活用を理解していれば、成果を出しやすい環境でもあります。B2B営業の平均成約率は20%とされており(2024年第4四半期時点)、営業プロセスの理解が重要です。

Q2ベンチャー企業は倒産リスクが高いのではないですか?

A2日本の起業後5年生存率は81.7%で、欧米(英42.3%、仏44.5%)より高いというデータがあります(中小企業白書2017)。ベンチャー=不安定という認識は必ずしも正確ではありません。ただし2017年時点のデータであり、業種や資金調達状況によって異なる点に注意が必要です。

Q3ベンチャー営業で求められるスキルは何ですか?

A3CRM/SFAツールの活用スキル、The Model型分業の理解、データ分析スキルが求められます。営業担当者の生成AI活用率は28.9%にとどまっており(認知85.5%)、AI活用できる人材の価値が高まっています。ツール活用スキルを持つことで差別化できます。

Q4ベンチャー営業への転職は20代のうちにすべきですか?

A420代営業担当の7割が「転職・起業の足がかり」としてベンチャー営業を位置づけているというデータがあります。キャリアの早い段階でベンチャー経験を積むことでスキルの幅が広がる可能性がありますが、年齢よりも自身の適性やスキル、キャリアビジョンを重視して判断すべきです。

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B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部

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