シリーズBのインサイドセールス組織強化|仕組み化でスケールする営業体制

著者: B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部公開日: 2026/1/199分で読めます

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シリーズB企業がインサイドセールス組織で直面する課題

多くの方が悩むシリーズB段階のインサイドセールス組織強化。結論は、採用拡大やツール導入だけでなく、MA・SFAのデータ連携とKPI設計という『仕組み』を整備することで、シリーズCに向けたスケーラブルな営業体制の土台が構築できます。

シリーズBとは、スタートアップの資金調達ラウンドの一つで、事業成長・組織拡大フェーズを指します。この段階では、営業組織の強化が経営課題の一つとなります。

インサイドセールス(IS) とは、電話やメール等の非対面チャネルで見込み客にアプローチし、商談化を担う営業機能です。インサイドセールス白書2025によると、インサイドセールス部門の平均メンバー数は7.0名(過去最低を更新)、社会人経験平均9.5年(過去最低を更新)とされています(IS職202名対象のインターネット調査、自己申告ベース)。人材確保の難しさがうかがえます。

2025年上半期の日本国内スタートアップ資金調達総額は3,399億円(前年比+4%)と報告されており、シリーズB企業への投資も活発です。しかし、調達した資金をどう活用するかが成長の分かれ目となります。

この記事で分かること

  • シリーズB段階のインサイドセールス組織における課題
  • やりがちな失敗パターンとその回避策
  • シリーズB段階で整備すべき仕組みと診断チェックリスト
  • シリーズCを見据えた運用定着の進め方

シリーズB段階の企業特性とインサイドセールスの役割

シリーズB段階の企業は、事業の成長性が検証され、組織を拡大するフェーズにあります。この段階でインサイドセールスは、マーケティングからの見込み客を商談化し、フィールドセールスに引き渡す重要な役割を担います。

国内セールステック市場規模は2024年現在4,797.2億円で、5年後には6,030.7億円に成長すると予測されています(年平均成長率約4.7%。ただし将来推計値のため変動リスクあり)。営業DXの潮流を背景に、インサイドセールスの重要性は高まっています。

SFA利用率は2016年の9.5%から2022年には32.1%に増加しており、営業活動の可視化・効率化が進んでいます。

THE MODELとは、分業型営業モデルとして知られ、マーケティング・インサイドセールス・フィールドセールス・カスタマーサクセスを分離して効率化を図る手法です。シリーズB企業の多くがこのモデルを参考に組織設計を行っています。

THE MODELの限界とシリーズB以降の課題

THE MODELは分業による効率化に有効ですが、導入すれば自動的にスケールするわけではありません。

シリーズB以降は、インサイドセールスからフィールドセールスへの移行設計が課題となります。また、直販だけに依存せず、パートナー戦略との併用も検討すべきとされています。THE MODELの議論はSaaS業界中心で語られることが多く、業界・事業特性により適用可否が異なる点にも注意が必要です。

シリーズB企業がやりがちなインサイドセールス組織拡大の失敗パターン

シリーズBで調達した資金を使い、インサイドセールスの採用を急拡大するが、プロセス設計やツール連携が追いつかず、結局属人化したまま成果が伸び悩む——これが典型的な失敗パターンです。この考え方は誤りです。

IS組織の人数拡大が成果に直結するわけではありません。プロセス設計とツール活用が先決であり、仕組みが整わないまま採用を急拡大すると、個人の能力に依存した組織となり、再現性のある成長が困難になります。

採用先行・仕組み後回しの罠

「まず人を採用してから仕組みを整える」というアプローチは、シリーズB企業でよく見られます。しかし、採用が計画通りに進んでも、以下のような問題が発生しがちです。

  • 新メンバーの教育・オンボーディングが属人的になる
  • 営業プロセスが人によって異なり、成果にばらつきが出る
  • マーケティングとの連携がうまくいかず、リードの引き渡しが滞る
  • データが整備されておらず、KPIの測定・改善ができない

採用と並行して、もしくは採用より先に、プロセス設計とツール連携を整備することが重要です。

シリーズB段階で整備すべきインサイドセールスの仕組み

シリーズB段階でインサイドセールス組織を強化するには、以下の仕組みを整備することが重要です。

インサイドセールス白書2025によると、1日平均架電件数は34件(過去最高を更新)、リード追客回数は平均5.1回(過去最高を更新)とされています(IS職202名対象のインターネット調査、自己申告ベースのためバイアスの可能性あり)。これらの数値は業界ベンチマークとして参考になりますが、自社の商材やプロセスに応じた最適値は異なります。

SFA(Sales Force Automation) とは、営業活動の情報を可視化・管理し、効率化を支援するシステムです。通電率とは、架電に対して相手と実際に通話できた割合を指します。

【比較表】シリーズB段階で整備すべき仕組み一覧表

領域 整備すべき仕組み 目的 優先度
プロセス 営業プロセスの標準化 属人化防止、再現性確保
プロセス リード引き渡し基準の明確化 マーケ・IS連携の効率化
ツール MA・SFA連携 データの一元管理、可視化
ツール 行動ログの自動記録 分析・改善の基盤作り
KPI 商談化率・通電率の計測 成果の可視化、改善指標
KPI リード追客回数の管理 フォロー漏れ防止
教育 オンボーディングプログラム 立ち上がり期間短縮
教育 ナレッジ共有の仕組み 属人化防止、ノウハウ蓄積

※優先度は一般的な目安です。自社の状況に応じて調整してください。

MA・SFA連携とKPI設計のポイント

MA・SFAのデータ連携とKPI設計は、シリーズB段階のインサイドセールス組織を仕組み化するうえで核となる要素です。

追跡指標(メールクリック・ウェブ訪問・資料開封)を活用し、リードの関心度を把握することで、優先順位をつけたアプローチが可能になります。ただし、追跡指標を取得しても即時フォローにつなげられていない企業も多いとされており、データ活用と行動の連携が課題となります。

KPI設計では、商談化率・通電率・リード追客回数など、組織として追うべき指標を明確にし、定期的に計測・改善するサイクルを回すことが重要です。

インサイドセールス組織の診断と改善ステップ

自社のインサイドセールス組織がシリーズB段階で整備すべき仕組みを備えているか、以下のチェックリストで診断してみてください。

IS組織構築は、初期は少人数体制からスタートし、KPI達成を確認しながら段階的に拡大するアプローチが有効です。

【チェックリスト】シリーズB段階のインサイドセールス組織診断チェックリスト

  • 営業プロセスが標準化・文書化されている
  • リードの引き渡し基準(MQL定義)が明確になっている
  • MA・SFAが連携しデータが一元管理されている
  • 商談化率・通電率などのKPIを定期的に計測している
  • リード追客回数を管理し、フォロー漏れを防止している
  • 行動ログが自動で記録される仕組みがある
  • 新メンバー向けのオンボーディングプログラムがある
  • ナレッジ・ノウハウの共有の仕組みがある
  • マーケティングチームとの定例MTGが設定されている
  • KPIに基づく改善サイクルが回っている
  • 採用計画と仕組み整備の優先順位が明確になっている
  • シリーズCを見据えた組織拡大計画がある

シリーズCを見据えた運用定着の進め方

シリーズCに向けては、「成長の再現性」を示せる組織体制が重要になります。投資家による選別が強化される傾向にあり、成長の再現性を示せる企業に資金が集中するとされています。

運用定着のためには、以下のポイントを意識することが重要です。

  • KPIに基づくPDCAサイクルを定着させる
  • 属人的なノウハウを組織のナレッジとして蓄積する
  • 採用と仕組み整備を並行して進める計画を立てる
  • マーケティング・フィールドセールスとの連携を強化する

まとめ|仕組みで構築するシリーズB段階のインサイドセールス組織

本記事では、シリーズB段階のインサイドセールス組織強化について、課題から実践ステップまで解説しました。

本記事の要点

  • シリーズB段階では、人材確保の難しさと属人化がインサイドセールス組織の課題となりやすい
  • 採用急拡大してもプロセス設計・ツール連携が追いつかず属人化するのは典型的な失敗パターン
  • MA・SFAのデータ連携とKPI設計を先に整備することで、スケーラブルな組織の土台が作れる
  • チェックリストで自社組織の現状を診断し、不足している仕組みから着手する

次のステップとして、まずチェックリストで自社組織の現状を確認し、整備が不足している領域を特定することをおすすめします。

改めて強調すると、シリーズB段階のインサイドセールス組織強化は、採用拡大やツール導入だけでなく、MA・SFAのデータ連携とKPI設計という『仕組み』を整備することで、シリーズCに向けたスケーラブルな営業体制の土台が構築できます。

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よくある質問

Q1シリーズB企業のインサイドセールス部門は何名規模が適切ですか?

A1インサイドセールス白書2025によると、インサイドセールス部門の平均メンバー数は7.0名とされています。ただし、最適な人数は事業内容や商材により異なります。初期は少人数から開始し、KPI達成を確認しながら段階的に拡大するアプローチが有効です。

Q2インサイドセールスの1日あたりの架電件数の目安は?

A2インサイドセールス白書2025によると、1日平均架電件数は34件とされています(過去最高を更新)。ただし、これは業界平均のベンチマークであり、商材や営業プロセスにより適切な件数は異なります。

Q3シリーズBでインサイドセールス組織を強化する際の優先事項は?

A3採用拡大より先に、プロセス設計とツール連携(MA・SFA)を整備することが重要です。仕組みが整わないまま採用を急拡大すると、属人化して成果が伸び悩むリスクがあります。KPI設計とデータ活用の基盤を先に構築することをおすすめします。

Q4THE MODELはシリーズB以降も有効ですか?

A4THE MODELは分業による効率化には有効ですが、導入すれば自動的にスケールするわけではありません。シリーズB以降は、フィールドセールスへの移行設計やパートナー戦略との併用など、自社の事業特性に合わせたカスタマイズが必要になります。

Q5セールステック市場の動向は?

A5国内セールステック市場規模は2024年現在4,797.2億円で、5年後には6,030.7億円に成長すると予測されています(年平均成長率約4.7%)。シリーズB企業の多くが営業DX支援事業に注力しており、市場の成長を背景に投資が活発化しています。

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B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部

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