リード獲得KPIが「設定しただけ」で終わってしまう理由
リード獲得KPIは、目標数値を設定するだけでなく、MA/SFAで可視化しマーケティング・営業間で共通認識を持てる形に落とし込むことで、PDCAを回し成果につなげることができます。
「リード獲得のKPIは設定したが、数値を追えていない」「マーケと営業でKPIの認識がずれている」——こうした課題を抱える企業は少なくありません。2025年の調査によると、リードの「質」の観点で理想を達成できていないと感じる企業は48.6%にのぼり、2024年比で7.6pt増加しています。また、リード獲得の課題トップは「施策がターゲットに刺さっていない」で40.9%という結果も報告されています。
**KGIからKPIへの逆算式を作って満足し、MA/SFAでの可視化やマーケ・営業間の共有設計をせずに放置すると、KPIは形骸化し改善に活かせない状態に陥ります。**本記事では、KPIを「設定して終わり」にしないための設計から運用までを解説します。
この記事で分かること
- KGIとKPIの違い、逆算法による目標設計の基礎
- 施策別に追うべきKPI指標と設定のポイント
- リード獲得率・リード単価の業界相場
- KPIをMA/SFAで可視化しマーケ・営業で共有する方法
KGIとKPIの違い|逆算法でリード獲得目標を設計する基礎
KGI(Key Goal Indicator) とは、重要目標達成指標であり、最終的な成果目標そのものを示す指標(例:年間売上目標)です。KPI(Key Performance Indicator) とは、重要業績評価指標であり、目標達成に向けたプロセスや中間成果を測定する指標を指します。
リード獲得KPIの設計では、KGI(売上目標)から逆算してリード獲得数を算出する「逆算法」が一般的です。2024年の調査によると、BtoBマーケティングで最重要KPIとされているのは「新規リード獲得数」で32.1%を占め、2位の「受注率」11.1%を大きく引き離しています。「新規リード獲得数」が重視される理由として、「マーケティング施策でコントロール可能」という点が58.0%で最多となっています。
ただし、リード数だけを追いかけると質が伴わず、商談化率が低下するケースがあります。そのため、リードの質を測る指標(MQL→SQL転換率など)も併せて設定することが重要です。
MQLとSQLの違いを理解する
MQL(Marketing Qualified Lead) とは、マーケティング部門が一定基準を満たすと判断した見込み客であり、営業に引き渡す前段階のリードを指します。SQL(Sales Qualified Lead) とは、営業部門が商談可能と判断したリードで、MQLから営業がフォローアップして認定します。
MQL→SQL転換率の業界平均は10〜30%程度が目安とされていますが、業種・商材・リードの定義により大きく変動します。自社の過去データを基準に目標を設定し、継続的に追跡することが重要です。
施策別に追うべきKPI指標と設定のポイント
施策ごとに追うべきKPIは異なります。調査によると、KPI達成企業ではSEOが成果チャネルとして41.3%を占めており、未達企業と比べて25.1ポイント高い結果となっています。チャネル選定がKPI達成率に影響するため、自社に適した施策を見極めることが重要です。
また、受注率を向上させるための施策として、コンテンツ見直しが50.5%、営業への情報共有が34.7%、高受注チャネル強化が34.2%という調査結果もあります。
【比較表】施策別KPI一覧表
| 施策 | 主要KPI | CPA目安 | 備考 |
|---|---|---|---|
| SEO/コンテンツ | オーガニック流入数、CV数、CV率 | 測定困難(積み上げ型) | 達成企業で成果チャネル41.3% |
| リスティング広告 | クリック数、CV数、CPA | 業種により変動 | 短期でリード獲得可能 |
| ウェビナー | 申込数、参加率、商談化率 | 1〜1.5万円/件 | 共催で単価抑制可 |
| オンラインカンファレンス | リード獲得数、CPA | 成功例で900円/件 | 規模により変動大 |
| メールマーケティング | 開封率、クリック率、CV率 | 既存リスト活用で低コスト | ナーチャリング施策 |
| SNS | フォロワー数、エンゲージメント率、CV数 | 施策により変動 | 2025年最多施策36.4% |
※CPA(Cost Per Acquisition)とは、顧客獲得単価、つまり1リード獲得にかかるコストを示す指標です。数値は目安であり、実施規模・ターゲット・業種により変動します。
リード獲得率・リード単価の業界相場と目標設定の考え方
KPI目標を設定する際、業界相場を参考にすることは有効ですが、あくまで目安として捉える必要があります。すべて民間調査ベースのデータであり、自社の状況に合わせた調整が必要です。
MQL→SQL転換率:業界平均は10〜30%程度が一般的な目安とされています。ただし、業種や商材、リードの定義により大きく変動するため、自社の過去実績を基準にすることを推奨します。
リード単価(CPA):施策により900円〜1.5万円/件程度が目安とされています。ウェビナー共催では1〜1.5万円、オンラインカンファレンスの成功例では900円/件という報告もあります。ただし、実施規模・ターゲット・業種により変動するため、参考値として捉えてください。
目標設定では、まずKGI(売上目標)を決め、受注率→商談化率→SQL→MQL→リード獲得数と逆算していく方法が実務で有効です。各転換率は自社データがなければ業界目安を使い、運用しながら精度を高めていきます。
KPIをMA/SFAで可視化しマーケ営業で共有する設計方法
KPIは設定するだけでは機能しません。MA/SFAで可視化し、マーケティング・営業間で共有できる状態にして初めて、PDCAを回すことができます。
調査では、受注率向上策として「営業への情報共有」が34.7%で上位に挙がっています。一方、リードの質に課題を感じる企業は48.6%にのぼり、リード数だけでなく質の管理も重要であることがうかがえます。
KPIが形骸化するパターンとして、KGIからKPIへの逆算式を作って満足し、MA/SFAでの可視化やマーケ・営業間の共有設計をせずに放置するケースがあります。この状態では、KPIは「設定しただけ」で改善に活かせない状態に陥ります。
【チェックリスト】リード獲得KPI設計・運用チェックリスト
- KGI(売上目標)が明確に設定されている
- KGIから逆算したリード獲得目標が算出されている
- MQL/SQLの定義が両部門で合意されている
- 各転換率(リード→MQL→SQL→商談→受注)の目標が設定されている
- 施策ごとのKPI(CV数、CPA等)が設定されている
- MA/SFAでKPI数値がリアルタイムに可視化されている
- マーケ・営業双方がKPIダッシュボードにアクセスできる
- KPIの定義・計算方法が文書化されている
- KPIレビューの頻度・参加者が決まっている
- KPI未達時のアクション基準が定められている
- 施策別の効果検証が定期的に実施されている
- MQL→SQL引き渡しのルールが明確になっている
- 営業からマーケへのフィードバックの仕組みがある
まとめ:リード獲得KPIは設計・可視化・共有の三位一体で成果につなげる
本記事では、リード獲得KPIの設計から運用までを解説しました。
要点の整理
- KPIはKGI(売上目標)から逆算して設計する
- 最重要KPIは「新規リード獲得数」だが、質を測るMQL→SQL転換率も重要
- 施策別にKPIを設定し、自社に適したチャネルを見極める
- リード単価(CPA)は施策により900円〜1.5万円が目安(参考値)
- KPIは設定だけでなく、MA/SFAでの可視化とマーケ・営業間の共有が必須
次のステップ
まずは現状のKPI運用を棚卸しし、本記事のチェックリストで自社の状況を確認してみてください。「設定はしたが可視化できていない」「マーケと営業で認識がずれている」という項目があれば、その改善から着手することを推奨します。
リード獲得KPIは、目標数値を設定するだけでなく、MA/SFAで可視化しマーケティング・営業間で共通認識を持てる形に落とし込むことで、PDCAを回し成果につなげることができるのです。
