SaaSリード獲得の課題と本記事の目的
SaaSリード獲得の答えは明確で、施策を増やすことではなく、MA/SFAで獲得リードを確実に商談化する組織体制を整備することで成果が出ます。
多くのHRテック・SaaS企業では、MA/SFAを導入してリード獲得施策を実行しているものの、獲得したリードが商談化されず放置されている課題があります。効果的なリード生成システムを持つ企業は、そうでない企業と比べて133%の増収を実現しているというデータがあり、システム化の重要性が示されています。
この記事で分かること
- リードの定義(MQL/SQL/PQL)と役割の明確化
- SaaS企業のリード獲得施策(オンライン・オフライン)と成果目安
- リード獲得後のナーチャリング・商談化プロセスの整備方法
- MA/SFA活用と営業・マーケ連携による商談化率向上の組織体制構築
- リード獲得から商談化までのプロセス診断チェックリストとフロー図
本記事では、リード獲得施策の解説ではなく、獲得したリードを確実に商談化できる組織体制の構築にフォーカスしています。MA/SFA導入済みだが活用不全の企業が、実際に商談化率・成約率を向上させるための実装ノウハウを提供します。
リードの定義と種類を理解する
リード管理の基礎として、MQL(マーケティング合格リード)、SQL(営業合格リード)、PQL(製品合格リード)の3つの定義と役割を明確にすることが不可欠です。
MQL(マーケティング合格リード) とは、マーケティング活動で生成され、一定のスコアに達したリードです。営業への引き渡し候補となる見込み顧客を指します。
SQL(営業合格リード) は、営業対応に適した高品質リードです。マーケティング部門から営業部門に引き渡され、商談化を目指す段階の見込み顧客を指します。
PQL(製品合格リード) とは、製品を実際に使用し、行動を示したリードです。無料トライアルや製品体験を通じて購買意欲が高まった見込み顧客を指します。2025年はPQLの台頭が顕著で、従来のMQL中心から製品使用行動ベースへとシフトしています。
リードスコアリングは、見込み顧客の購買意欲や優先度を点数化し、営業効率を高める手法です。MA(マーケティングオートメーション)の主要機能の一つであり、リードスコアリングを使用する企業は、販売準備が整ったリード(MQL)の質が192%向上しているというデータがあります。
PQLは無料トライアル企業のみに関係すると思われがちですが、2025年は製品体験を重視する企業が増加しており、BtoB SaaS全般で重要性が高まっています。従来のMQL中心のアプローチだけでなく、製品使用行動ベースのPQLを組み合わせることで、商談化率の向上が期待できます。
MQLとSQLの違いと役割
MQLとSQLの違いは、マーケティング部門と営業部門の役割分担を明確にする上で重要です。
MQLはマーケティング部門が育成し、一定のスコアに達したら営業に引き渡すリードです。Webサイト訪問回数、資料ダウンロード、ウェビナー参加などの行動スコアと、企業規模、役職、業種などの属性スコアを組み合わせてスコアリングを行い、一定の基準に達したらMQLと認定します。
SQLは営業部門が商談化を目指す段階のリードです。MQLの中から営業担当者が精査し、実際に商談化できる可能性が高いと判断したリードをSQLとして扱います。電話やメールでの初回コンタクトを通じて、予算・権限・ニーズ・導入時期(BANT条件)を確認し、商談化の可否を判断します。
MQL→SQL転換率は商談化率の重要指標です。この転換率が低い場合、マーケティング部門が育成しているリードの質が営業の求める水準に達していない可能性があります。営業とマーケの定期的な合同ミーティングを通じて、MQL→SQL転換基準を明確化し、両部門のKPIを統一することが重要です。
PQLの重要性と2025年のトレンド
PQL(製品合格リード)の定義を再確認すると、製品を実際に使用し、行動を示したリードを指します。無料トライアルや製品体験を通じて購買意欲が高まった見込み顧客が該当します。
2025年はPQL重視が標準化しており、AIスコアリングの標準化が進んでいます。従来は「資料をダウンロードした」「ウェビナーに参加した」などのマーケティング行動でスコアリングしていましたが、現在は「製品の特定機能を実際に使用した」「製品内で特定のアクションを完了した」など、製品使用行動ベースでスコアリングする企業が増加しています。
PQLが重視される背景には、製品体験を通じて購買意欲を高めるプロダクトレッドグロース(PLG)戦略の普及があります。無料トライアルや無料プランを提供し、ユーザーが実際に製品価値を体験してから有料プランに転換するアプローチが、BtoB SaaS全般で主流になっています。
BtoB SaaS全般でPQLの重要性が高まっている最新トレンドを踏まえると、従来のMQL中心のアプローチだけでは商談化率の向上に限界があります。製品使用行動を可視化し、PQLを特定して優先的にアプローチすることで、商談化率・成約率の向上が期待できます。
SaaS企業のリード獲得施策
SaaS企業のリード獲得施策は、オンライン施策とオフライン施策に大別されます。B2B SaaSのリード獲得コストは、有料リードの平均が310ドル(約46,500円)、オーガニックリードが164ドル(約24,600円)という調査結果があります(2025年、First Page Sage調査)。ただし、これはグローバル基準(1ドル=150円換算)のため、日本市場では為替や営業コストの違いにより変動する可能性があります。
SEO/オウンドメディアによるオーガニックリードは有料リードの約53%のコストで獲得可能であり、中長期的なコスト削減に有効です。一方、Web広告やプラットフォーム施策は短期間でリード獲得数を増やせるメリットがあります。
SaaS企業200社支援の実績として、SEO/オウンドメディア施策で月間30-50件、Web広告/プラットフォーム施策で月間40-60件のリード獲得実績があるという報告があります。ただし、これは支援会社の実績ベースで自己申告性があり、客観的な第三者検証が必要です。企業規模や業種により成果は変動します。
オンライン施策(SEO、Web広告、オウンドメディア、ウェビナー)
オンライン施策は、SEO、Web広告、オウンドメディア、ウェビナーの4つが代表的です。
SEO(検索エンジン最適化) は、自社Webサイトやオウンドメディアの記事を検索結果の上位に表示させ、オーガニック流入を獲得する施策です。B2B SaaS企業の場合、「〇〇ツール 比較」「〇〇システム 導入事例」など、購買意欲が高いキーワードで上位表示を目指します。中長期的な取り組みが必要ですが、オーガニックリード164ドルと有料リード310ドルの約53%のコストで獲得可能という調査結果があり、コスト優位性が高いと言われています。
Web広告は、Google広告、Facebook広告、LinkedIn広告などを活用し、ターゲット企業にリーチする施策です。短期間でリード獲得数を増やせるメリットがありますが、有料リード平均310ドル(約46,500円)のコストがかかります。広告クリエイティブの最適化やターゲティング精度の向上により、CPL(リード獲得単価)を下げることが重要です。
オウンドメディアは、自社で運営するブログやメディアサイトで、ターゲット企業の課題解決に役立つコンテンツを発信する施策です。SEOと組み合わせてオーガニック流入を増やし、資料ダウンロードやウェビナー申込などのCTA(行動喚起)を通じてリードを獲得します。SaaS企業200社支援のSEO/オウンドメディア施策で月間30-50件のリード獲得実績があるという報告がありますが、支援会社の実績データは自己申告性があり、企業規模や業種により成果は変動します。
ウェビナーは、オンラインセミナーを開催し、参加者の申込情報をリードとして獲得する施策です。製品デモ、業界トレンド解説、顧客事例紹介など、ターゲット企業の関心が高いテーマを設定することで、質の高いリードを獲得できます。ウェビナー参加者は製品への関心が高い傾向があり、MQL→SQL転換率が高いと言われています。
オフライン施策(展示会、セミナー)
オフライン施策は、展示会とセミナーが代表的です。
展示会は、業界イベントや商談会に出展し、来場者と名刺交換を行うことでリードを獲得する施策です。短期間で大規模なリード獲得が可能ですが、来場者の質にばらつきがあり、商談化率が低くなるケースもあります。展示会で獲得したリードは、速やかにスコアリングを行い、優先順位を付けてフォローアップすることが重要です。
セミナーは、自社主催または共催でリアルセミナーを開催し、参加者の申込情報をリードとして獲得する施策です。ウェビナーと比べて参加者数は限定的ですが、対面でのコミュニケーションを通じて信頼関係を構築しやすく、商談化率が高い傾向があります。
オフライン施策は短期間で大規模なリード獲得が可能ですが、質のばらつきが課題です。オンライン施策(SEO/オウンドメディア、Web広告、ウェビナー)とオフライン施策(展示会、セミナー)のハイブリッド活用を推奨します。オンライン施策で中長期的にオーガニックリードを獲得しながら、オフライン施策で短期的に大規模なリード獲得を行うことで、リード獲得の安定化と商談化率の向上が期待できます。
リード獲得後のナーチャリング・商談化プロセス
リード獲得後のナーチャリング・商談化プロセスは、獲得したリードを育成し、商談化するための重要なステップです。リードスコアリングを使用する企業は、販売準備が整ったリード(MQL)の質が192%向上しているというデータがあり、スコアリングの効果が示されています。
TOFU(認知段階)、MOFU(検討段階)、BOFU(意思決定段階)の各段階で適切なKPIをモニタリングし、PDCAサイクルを回すことが重要です。TOFU段階では認知拡大とリード獲得数、MOFU段階ではリード育成とMQL転換率、BOFU段階ではSQL転換率と商談化率をKPIとして設定します。
MQL→SQL転換プロセスの整備が商談化率向上の鍵です。マーケティング部門がスコアリングでMQLを特定し、営業部門がSQLに転換して商談化するプロセスを明確にすることで、リードの放置を防ぎ、商談化率を向上させることができます。
リードナーチャリングの基本
リードナーチャリングの基本は、メール配信、コンテンツ提供、ウェビナーなどの手法を活用し、リードの購買意欲を高めることです。
メール配信は、リードの属性や行動履歴に基づいてパーソナライズしたメールを配信し、製品情報や事例を提供する手法です。MA(マーケティングオートメーション)を活用することで、リードのスコアや行動履歴に応じて自動的にメールを配信できます。
コンテンツ提供は、リードの購買検討段階に合わせたコンテンツを提供し、課題解決を支援する手法です。TOFU段階では業界トレンドや課題提起のブログ記事、MOFU段階では製品比較や導入事例のホワイトペーパー、BOFU段階では製品デモや無料トライアルなど、段階に応じたコンテンツを提供します。
ウェビナーは、製品デモや業界トレンド解説のウェビナーを開催し、参加者の購買意欲を高める手法です。ウェビナー参加者は製品への関心が高い傾向があり、ナーチャリングの効果が高いと言われています。
顧客の購買検討段階(TOFU・MOFU・BOFU)に合わせたコンテンツ提供が重要です。TOFU段階では認知拡大、MOFU段階では比較検討、BOFU段階では意思決定を支援するコンテンツを提供することで、リードの購買意欲を段階的に高めることができます。
MA/SFA導入だけでは自動的に進まず、運用プロセス整備が不可欠です。MAでメールを自動配信したり、スコアリングでMQLを特定したりする機能を導入しても、運用ルールや営業との連携プロセスが整備されていなければ、リードが放置され商談化率が低下します。
リードスコアリングとMQL→SQL転換
リードスコアリングとMQL→SQL転換は、スコアリングによる優先順位付けと営業への引き渡しプロセスを明確にすることで、商談化率を向上させる手法です。
リードスコアリングは、見込み顧客の購買意欲や優先度を点数化し、営業効率を高める手法です。MA(マーケティングオートメーション)の主要機能の一つであり、リードスコアリングを使用する企業は、販売準備が整ったリード(MQL)の質が192%向上しているというデータがあります。
行動スコア(Webサイト訪問、資料ダウンロード)と属性スコア(企業規模、役職)の組み合わせが基本です。行動スコアは、Webサイト訪問回数、資料ダウンロード、ウェビナー参加、メール開封など、リードの行動履歴に基づいて点数化します。属性スコアは、企業規模、役職、業種、予算など、リードの属性情報に基づいて点数化します。行動スコアと属性スコアを合計し、一定の基準に達したらMQLと認定します。
MQL(マーケティング合格リード) とは、マーケティング活動で生成され、一定のスコアに達したリードです。営業への引き渡し候補となる見込み顧客を指します。
SQL(営業合格リード) は、営業対応に適した高品質リードです。マーケティング部門から営業部門に引き渡され、商談化を目指す段階の見込み顧客を指します。
MQL→SQL転換基準の明確化が営業とマーケの連携に不可欠です。マーケティング部門が「スコア〇点以上をMQL」と定義しても、営業部門が「このMQLは商談化できない」と判断するケースが多い場合、MQL→SQL転換基準の見直しが必要です。営業とマーケの定期的な合同ミーティングを通じて、MQL→SQL転換基準をすり合わせ、両部門のKPIを統一することが重要です。
獲得したリードを商談化する組織体制の構築
獲得したリードを商談化する組織体制の構築は、MA/SFA活用と営業・マーケ連携による商談化率向上の方法を実践的に示すものです。
MA/SFA導入やリード獲得施策を増やしても、組織体制・運用プロセスが整っていなければリードが放置され商談化率が低下するという誤解があります。実際には、MA/SFAを導入しても、運用プロセスと組織体制の整備がなければリード管理は改善しません。綿密な予算計画を立てた企業は、そうでない企業と比べてSaaS導入プロジェクトの成功率が3.2倍高いというデータがあります(Deloitte調査。グローバル企業向けの調査結果のため、日本の中小企業への適用には注意が必要です)。また、SaaS導入に成功している企業の87%が導入前に詳細なROI分析を実施し、定量的・定性的な成果指標を明確に設定しているという調査結果もあります(BCG調査)。
日本企業の61%が有償SaaSを利用しており、そのうち半数が6個以上のSaaSを導入しているというデータがあります(2025年版「情シスのSaaS利用実態レポート」freee調査)。MA/SFA活用の普及状況を踏まえると、導入済み企業の多くが活用不全に陥っている可能性があります。
営業とマーケの連携不全がリード放置の主因です。マーケティング部門がリードを獲得しても、営業部門が「質が低い」と判断してフォローアップしないケース、営業部門がリードの受け渡しルールを理解しておらず放置するケースが多く見られます。MA/SFA設定最適化、運用プロセス整備、データ連携の具体的な方法を解説します。
【チェックリスト】リード獲得→商談化プロセス診断チェックリスト
- リードの定義(MQL/SQL/PQL)が営業・マーケ間で明確に共有されている
- MQL→SQL転換基準が数値で定義されている(スコア〇点以上、BANT条件など)
- リードスコアリングの設定が最適化されている(行動スコア+属性スコア)
- MA/SFAでリードの行動履歴が自動記録されている
- MA→SFA間のデータ連携がリアルタイムで行われている
- マーケティング部門がMQLを営業に引き渡すワークフローが自動化されている
- 営業部門がMQLを受領後、〇営業日以内にフォローアップするSLAが設定されている
- MQL→SQL転換率が定期的にモニタリングされている
- 営業とマーケの合同ミーティングが週次または月次で開催されている
- リード獲得施策ごとのCPL(リード獲得単価)が測定されている
- リード獲得施策ごとのMQL転換率が測定されている
- リード獲得施策ごとのSQL転換率が測定されている
- リード獲得施策ごとの商談化率が測定されている
- リード獲得施策ごとの成約率が測定されている
- ナーチャリングメールの配信ルールが設定されている
- TOFU/MOFU/BOFUの各段階に応じたコンテンツが用意されている
- ウェビナー参加者への自動フォローアップが設定されている
- 展示会で獲得したリードのスコアリングルールが設定されている
- リードの放置を防ぐアラート機能が設定されている(〇日間未対応など)
- 商談化できなかったリードの再育成プロセスが整備されている
- リード管理の運用ルール(入力項目、更新頻度など)が文書化されている
- MA/SFAの操作トレーニングが営業・マーケ全員に実施されている
- リード管理のKPI(MQL数、SQL数、商談化率など)が営業・マーケで統一されている
- リード管理の定期レビュー会議(月次または四半期)が開催されている
- リード管理プロセスの改善提案が営業・マーケから定期的に収集されている
【フロー図】リード獲得から商談化までのフロー
flowchart TD
A[リード獲得施策実施] --> B[リード情報をMAに登録]
B --> C[リードスコアリング<br/>行動スコア+属性スコア]
C --> D{スコアが<br/>MQL基準以上?}
D -->|No| E[ナーチャリング<br/>メール配信/コンテンツ提供]
E --> C
D -->|Yes| F[MQL認定<br/>営業に自動通知]
F --> G[営業担当者が初回コンタクト<br/>SLA: 〇営業日以内]
G --> H{BANT条件<br/>を満たす?}
H -->|No| I[SQL不適格<br/>再ナーチャリングへ]
I --> E
H -->|Yes| J[SQL認定<br/>SFAに登録]
J --> K[商談化<br/>提案・デモ実施]
K --> L{成約?}
L -->|Yes| M[受注<br/>顧客化]
L -->|No| N[失注<br/>失注理由を記録]
N --> O{再アプローチ<br/>可能性?}
O -->|Yes| E
O -->|No| P[リード終了]
営業とマーケの連携強化
営業とマーケの連携強化は、部門間の連携を強化し、リードの受け渡しをスムーズにする方法です。
MQL→SQL転換基準の明確化、定期的な合同ミーティング、SLA(Service Level Agreement)設定が重要です。MQL→SQL転換基準を「スコア〇点以上」「BANT条件を満たす」など数値で定義し、営業・マーケ間で共有します。定期的な合同ミーティング(週次または月次)を開催し、MQL→SQL転換率や商談化率をレビューし、改善提案を収集します。SLA設定では、「マーケティング部門がMQLを営業に引き渡してから〇営業日以内に初回コンタクトを行う」「営業部門がSQL不適格と判断した場合、理由をマーケティング部門にフィードバックする」などのルールを明確にします。
リード獲得施策を増やすだけでは成果が出ません。質とプロセス整備が重要です。リード獲得数を増やしても、MQL→SQL転換率が低ければ商談化率は向上しません。営業とマーケの連携を強化し、リードの質を高め、受け渡しプロセスを整備することが不可欠です。
営業とマーケのKPI統一(商談化率、成約率など)を推奨します。マーケティング部門が「MQL数」を、営業部門が「商談化数」をKPIとしている場合、MQLの質が低くても営業が商談化できなければマーケティング部門の評価は下がりません。両部門のKPIを「商談化率」「成約率」に統一することで、リードの質と商談化プロセスの改善に両部門が協力するインセンティブが生まれます。
MA/SFA活用体制の整備
MA/SFA活用体制の整備は、MA/SFA導入済み企業向けに、活用不全を解消する具体的な方法を示すものです。
綿密な予算計画を立てた企業は、そうでない企業と比べてSaaS導入プロジェクトの成功率が3.2倍高いというデータがあります(Deloitte調査。グローバル企業向けの調査結果のため、日本の中小企業への適用には注意が必要です)。また、SaaS導入に成功している企業の87%が導入前に詳細なROI分析を実施し、定量的・定性的な成果指標を明確に設定しているという調査結果もあります(BCG調査)。
MA/SFA設定最適化(リードスコアリング設定、ワークフロー自動化)、運用プロセス整備(入力ルール統一、定期レビュー)が重要です。リードスコアリング設定では、行動スコア(Webサイト訪問、資料ダウンロード、ウェビナー参加)と属性スコア(企業規模、役職、業種)の配点を定期的に見直し、MQL→SQL転換率を高めます。ワークフロー自動化では、「MQL認定時に営業に自動通知」「〇日間未対応のリードにアラート」などのワークフローを設定し、リードの放置を防ぎます。
運用プロセス整備では、入力ルール統一(必須項目、選択肢の統一)、定期レビュー(月次または四半期でデータ品質を確認)を行います。MA/SFAにデータが蓄積されても、入力ルールが統一されていなければデータ品質が低下し、スコアリングやレポートの精度が落ちます。
MA/SFA導入だけでは自動的に進まず、運用プロセス整備が不可欠です。MAでメールを自動配信したり、スコアリングでMQLを特定したりする機能を導入しても、運用ルールや営業との連携プロセスが整備されていなければ、リードが放置され商談化率が低下します。
データ連携(MA↔SFA↔CRM)の重要性を明記します。MA、SFA、CRMが個別に運用されている場合、リードの行動履歴や商談情報が分断され、営業担当者がリードの状況を把握できません。MA↔SFA↔CRMのデータ連携をリアルタイムで行い、リードの行動履歴・商談状況・成約情報を一元管理することで、営業効率を高め、商談化率を向上させることができます。
まとめ:SaaSリード獲得成功の鍵
SaaSリード獲得成功の鍵は、施策を増やすことではなく、MA/SFAで獲得リードを確実に商談化する組織体制を整備することです。
記事の要点
- リードの定義(MQL/SQL/PQL)を営業・マーケ間で明確に共有し、2025年はPQL重視が標準化している
- リードスコアリングを活用することで、MQL品質が192%向上する。MA導入企業は設定最適化を優先すべき
- SEO/オウンドメディアはオーガニックリード164ドルと有料リード310ドルの約53%のコストで獲得可能。中長期的なコスト削減に有効
- MQL→SQL転換基準の明確化、営業とマーケの連携強化、SLA設定が商談化率向上の鍵
- MA/SFA導入だけでは自動的に進まず、運用プロセス整備が不可欠。綿密な予算計画とROI分析を実施した企業が成功している
次のアクション
- リード獲得→商談化プロセス診断チェックリストを活用し、自社の組織体制を診断する
- MQL→SQL転換基準を営業・マーケ間で明確化し、定期的な合同ミーティングを開催する
- MA/SFA設定最適化(リードスコアリング、ワークフロー自動化)と運用プロセス整備(入力ルール統一、定期レビュー)を優先する
MA/SFA導入やリード獲得施策を増やしても、組織体制・運用プロセスが整っていなければリードが放置され商談化率が低下します。組織体制・運用プロセス整備を優先させることで、獲得したリードを確実に商談化し、商談化率・成約率を向上させることができます。
