リードの質が悪い原因と解決策|MQL/SQL定義で組織的に改善

著者: B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部公開日: 2026/1/1210分で読めます

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「リードの質が悪い」問題の本質はプロセス設計にある

多くの人が見落としがちですが、「リードの質が悪い」という課題は広告最適化や営業スキルではなく、MQL/SQL定義の部門合意とMA/SFA連携によるリード引き渡しプロセスを整備することで組織的に解決できます。

BtoB企業経営者調査(2024年、n=107)によると、リードの質が理想どおりでないと感じている企業は48.7%に上ります(調査対象は限定的)。また、BtoB企業の営業・マーケ職調査(n=500)では、「営業とマーケの連携に課題がある」と6割以上が回答しています。

これらの調査結果が示すのは、リードの質の問題が単なるマーケティング施策の問題ではなく、組織間の連携やプロセスの問題であるということです。広告のターゲティングを精緻化しても、社内で「質の高いリード」の定義が共有されていなければ、改善の方向性が定まりません。

この記事で分かること

  • リードの「質」を評価する2つの軸(商談化確度×LTV)
  • MQL/SQLの定義と役割の違い
  • リードの質が悪い原因と対策のマトリクス
  • MQL/SQL定義を部門間で合意するプロセス
  • MA/SFA連携によるリード引き渡しの標準化方法

リードの「質」とは何か|評価軸の定義方法

リードの質を議論する前に、まず「質が高いリード」とは何かを定義する必要があります。質の高いリードは「①案件化への近さ(商談化確度)」と「②受注後LTVの高さ」の2軸で測ると整理されています。

ICP(Ideal Customer Profile) とは、自社にとって理想的な顧客の属性・特徴を定義したプロファイルです。受注率が高く、LTVが高い顧客像を言語化したもので、リードの質を判断する基準として機能します。

「リードの質が悪い」と感じる場合、まず確認すべきは「質が悪いとは何を基準に言っているのか」です。商談化率が低いのか、受注率が低いのか、受注しても単価が低いのか、解約率が高いのか。これらの基準が曖昧なままでは、改善の方向性が定まりません。

ICPを定義するには、過去の受注データを分析し、「どの業種・企業規模・役職の顧客が、どのような経緯で受注に至り、その後どれくらいのLTVを生んでいるか」を把握することが出発点となります。

MQL・SQLの定義と役割

リードの質を組織で管理するには、MQLとSQLという2つの概念を理解し、社内で定義を共有することが不可欠です。

MQL(Marketing Qualified Lead) とは、マーケティング活動で獲得したリードのうち、行動履歴・属性・スコアに基づき営業に渡す価値があると判定した有望リードです。

SQL(Sales Qualified Lead) とは、インサイドセールス・営業がニーズ・予算・導入時期などを確認し、商談として成立する見込みありと判断したリードです。

MQLはマーケティング部門の判断基準、SQLは営業・インサイドセールス部門の判断基準であり、この2つの定義が部門間で合意されていないと、「マーケから来るリードの質が悪い」「営業がリードをフォローしない」という相互不信が生まれます。

「リードの質が悪い」原因と対策マトリクス

リードの質が低い原因は複数存在し、それぞれに適した対策が必要です。

調査(n=52、非常に小規模なサンプル)によると、リードの質が理想どおりでない原因として「施策がターゲットに刺さっていない」38.5%、「コンテンツの質が低い」28.8%、「リードのフォローアップが不十分」28.8%が挙げられています。

また、別の調査では「営業部門と連携すべきリードの定義が決定できていない」企業は30.4%、「営業側がマーケティングの理解に乏しい」は32.6%、「マーケティングリードが放置されている」は25.2%という結果が報告されています。

よくある失敗パターンは、「リードの質を上げる」ために広告媒体の変更やターゲティング精度の向上だけに注力するが、社内でMQL/SQLの定義が曖昧なままでは「質が悪い」の判断基準自体が属人化し、根本解決しないというケースです。この考え方は誤りです。

【比較表】リードの質問題の原因と対策マトリクス

原因カテゴリ 具体的な原因 対策の方向性 担当部門
ターゲティング 施策がターゲットに刺さっていない ICPの再定義と広告・コンテンツの見直し マーケティング
コンテンツ コンテンツの質が低い ペルソナの課題に刺さるコンテンツ制作 マーケティング
フォローアップ リードのフォローアップが不十分 IS体制の整備、対応SLAの設定 インサイドセールス
定義不在 MQL/SQLの定義が決まっていない 部門横断での定義合意プロセス マーケ・IS・営業
部門間連携 マーケリードが営業に放置されている 引き渡しルールとモニタリング体制 マーケ・IS・営業
相互理解不足 営業がマーケの理解に乏しい 定例レビューでの相互フィードバック マーケ・IS・営業

上記の表からわかるように、リードの質問題は「マーケティング部門だけの問題」ではありません。定義不在・部門間連携・相互理解不足といった組織的な課題が大きな割合を占めており、これらはプロセス設計で解決すべき問題です。

MQL/SQL定義を部門間で合意するプロセス

リードの質問題を組織的に解決するには、MQL/SQLの定義を部門間で合意し、文書化することが出発点となります。

前述の調査で「営業部門と連携すべきリードの定義が決定できていない」企業が30.4%存在することからも、この定義の合意形成が多くの企業で課題となっていることがわかります。

リードスコアリングとは、リードの行動(資料DL、セミナー参加等)や属性(業種、企業規模、役職等)に点数を付け、優先度を判定する手法です。MQLの判定基準として活用されます。

BANTとは、Budget(予算)、Authority(決裁権)、Need(ニーズ)、Timing(導入時期)の4項目でリードの商談化確度を判断するフレームワークです。SQLの判定基準として活用されることが多いです。

定義合意のプロセスは、以下の流れで進めることが一般的です。

  1. 関係者(マーケ・IS・営業の責任者)を集める
  2. 過去の受注・失注データを分析し、共有する
  3. MQL/SQLの定義案を作成する
  4. 定義に合意し、文書化する
  5. 定期レビュー(四半期ごと等)で見直す体制を整える

【チェックリスト】MQL/SQL定義 部門合意チェックリスト

  • ICPを定義し、文書化している
  • MQLの定義(スコアリング基準)を決定している
  • SQLの定義(BANT等の判定基準)を決定している
  • マーケ・IS・営業の責任者が定義に合意している
  • 定義を文書化し、関係者に共有している
  • スコアリングの閾値を設定している
  • MQL→IS引き渡しのSLA(対応期限)を設定している
  • IS→営業引き渡しの基準を設定している
  • 受注・失注フィードバックのルールを決めている
  • 定期レビューの頻度・参加者を決定している
  • MAツールでスコアリングを設定している
  • SFAでリードステータスを管理する項目を設定している
  • MQL→SQL転換率のKPIを設定している
  • 定義の見直し基準(市場変化・商材変化時等)を決めている

スコアリング設計の基本

スコアリングは行動スコアと属性スコアの合計で設計することが一般的です。

行動スコアは、リードがとった行動に基づいて加点します。例えば、資料ダウンロード(+10点)、セミナー参加(+15点)、料金ページ閲覧(+5点)、問い合わせ(+20点)などです。

属性スコアは、リードの属性に基づいて加点します。例えば、ICPに合致する業種(+10点)、意思決定者役職(+15点)、従業員規模が対象範囲内(+10点)などです。

閾値の設定例として、「行動スコア+属性スコアの合計が50点以上でMQL」といった基準を設けます。この閾値は、過去の受注データから「どのスコア帯のリードが実際に受注に至ったか」を分析して設定することが推奨されています。

MA/SFA連携によるリード引き渡しプロセスの標準化

定義が合意できたら、次はその定義を運用に落とし込むためのMA/SFA連携を整備します。MA(マーケティングオートメーション)でスコアリングを行い、閾値を超えたリードをSFA(営業支援システム)に連携することで、リード情報の一元管理と引き渡しの自動化が実現できます。

MA/SFA連携で重要なのは、引き渡しルール(SLA)の設定です。例えば「MQL判定後24時間以内にISが初回コンタクトを実施する」「IS接触後3営業日以内にSQL判定を行う」といったルールを設けることで、リードの放置を防ぎます。

また、連携においてはリード情報の一元管理が重要です。MAで取得したリードの行動履歴(どのコンテンツを見たか、どのセミナーに参加したか)がSFAでも参照できる状態にすることで、ISや営業が適切なアプローチを行えるようになります。

マーケ・IS間の定例レビュー体制

定義を決めて連携を整備しても、運用を継続しなければ形骸化します。定期レビュー(四半期ごと等)を実施し、定義の見直しと改善を続ける体制が不可欠です。

定例レビューのアジェンダ例は以下の通りです。

  • MQL→SQL転換率の推移確認
  • 受注・失注理由のフィードバック共有
  • スコアリング閾値の妥当性検証
  • MQL/SQL定義の見直し要否判断
  • 次四半期のKPI設定

受注・失注フィードバックは特に重要です。営業が「このリードは商談にならなかった」「この属性の顧客は受注率が高い」といったフィードバックをマーケに返すことで、ICPの精緻化やスコアリング設計の改善につながります。

まとめ|リードの質問題はプロセス設計で解決する

「リードの質が悪い」という課題は、多くの場合、広告最適化や営業スキルの問題ではありません。MQL/SQLの定義が曖昧なまま、部門間で「質」の認識が共有されていないことが根本原因であるケースが多いです。

本記事で解説したように、リードの質問題を解決するには以下のステップが必要です。

  1. ICPを定義し、リードの「質」の評価基準を明確にする
  2. MQL/SQLの定義を部門間で合意し、文書化する
  3. スコアリングとBANTで判定基準を運用に落とし込む
  4. MA/SFA連携でリード引き渡しプロセスを標準化する
  5. 定期レビューで定義を見直し、改善を続ける

まずは本記事のチェックリストを活用し、自社のMQL/SQL定義の合意状況を確認することから始めてみてください。定義の合意ができていない項目があれば、そこが改善の出発点です。

「リードの質が悪い」という課題は、MQL/SQL定義の部門合意とMA/SFA連携によるリード引き渡しプロセスを整備することで、組織的に解決できます。

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よくある質問

Q1リードの質が悪いと感じている企業はどのくらいありますか?

A12024年のBtoB企業経営者調査(n=107)では、リードの質が理想どおりでないと感じている企業は48.7%に上ります。ただし調査対象は限定的であり、業種や企業規模による偏りがある可能性があります。

Q2MQL/SQLの定義はどのくらいの企業で決まっていますか?

A2調査によると、「営業部門と連携すべきリードの定義が決定できていない」企業は30.4%、また25.2%の企業で「マーケティングリードが放置されている」状況が報告されています。定義の不在がリード放置につながっていると考えられます。

Q3質の高いリードはどのように定義すればよいですか?

A3質の高いリードは「①案件化への近さ(商談化確度)」と「②受注後LTVの高さ」の2軸で測ることが一般的です。自社のICP(理想顧客像)を定義し、その基準に合致するリードを「質が高い」と定義することが推奨されます。

Q4リードの質が悪い主な原因は何ですか?

A4調査では「施策がターゲットに刺さっていない」38.5%、「コンテンツの質が低い」28.8%、「リードのフォローアップが不十分」28.8%が原因として挙げられています。ただし、根本的にはMQL/SQLの定義が曖昧で、「質が悪い」の判断基準自体が属人化していることも大きな要因です。

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B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部

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