オウンドメディアの始め方|60%が停滞する原因と一気通貫設計の方法

著者: B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部公開日: 2026/1/1610分で読めます

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オウンドメディアを「始める」前に整理すべきこと

オウンドメディアを始める際に最も重要なのは、目的設定・コンテンツ設計・サイト構築だけでなく、MA/SFAとの連携設計まで一気通貫で進めることで、リード獲得から商談化までの成果につなげることができるという点です。

この記事で分かること

  • オウンドメディアを立ち上げる具体的な手順と準備事項
  • MA/SFA連携を見据えた初期設計のポイント
  • リード獲得から商談化までの導線設計方法
  • 運用を継続させるための体制構築の考え方

東証プライム市場上場企業1650社のうち620社(約40%)がオウンドメディアを運用中という調査結果があります(2023年、mimorenko.net調査。ただし民間調査のためサンプルバイアスの可能性あり。上場企業限定のため全企業の普及率はより低い可能性がある)。一方で、オウンドメディアの約60%が1年以内に停滞しているとも報告されています。主要因はコンテンツ不足やSEO無視とされていますが、それだけではありません。「サイトを作って記事を公開すれば成果が出る」という考え方は誤りです。リード獲得後のナーチャリング設計やMA/SFA連携を疎かにすると、記事は公開されても商談につながらない状態に陥ります。

オウンドメディアとは?BtoBにおける役割と目的

オウンドメディアとは、企業が所有・運営し、発信内容を自由にコントロールできるメディアを指します。ブログ、コーポレートサイト、ホワイトペーパーなどが該当します。ペイドメディア(広告)やアーンドメディア(口コミ・SNSでの拡散)と異なり、自社の資産として蓄積できる点が特徴です。

オウンドメディアの定義とトリプルメディアの位置づけ

トリプルメディアとは、オウンドメディア(発信)、ペイドメディア(広告)、アーンドメディア(拡散)の3要素からなるメディア戦略フレームワークです。それぞれの役割は以下の通りです。

  • オウンドメディア: 自社で情報発信し、検索流入やリード獲得の基盤を作る
  • ペイドメディア: 広告出稿により短期的な認知拡大・集客を行う
  • アーンドメディア: SNSや口コミで第三者による拡散・信頼獲得を狙う

オウンドメディアはペイドメディアと異なり、継続的にコンテンツを蓄積することで長期的な資産価値を生み出します。広告費を止めると流入がゼロになるペイドメディアに対し、オウンドメディアは検索エンジン経由で継続的な流入が期待できます。

BtoB企業がオウンドメディアを持つ目的

BtoB企業がオウンドメディアを運用する目的は主に3つあります。

  1. リード獲得(リードジェネレーション): 潜在顧客の課題解決コンテンツを通じて見込み客を創出・獲得する
  2. 認知拡大・ブランディング: 専門性や独自の視点を発信し、業界内での認知度を高める
  3. ナーチャリング支援: 獲得したリードに継続的な情報提供を行い、購買意欲を醸成する

トヨタ自動車の「トヨタイムズ」は、日経クロストレンド調査で先進企業ランキング3位(400人のマーケターを対象とした調査で20票を獲得)に選ばれるなど、ブランディング目的のオウンドメディア活用事例として注目されています。BtoB企業においても、製品・サービスの機能訴求だけでなく、企業姿勢や専門性を伝える手段としてオウンドメディアが活用されています。

オウンドメディア立ち上げの手順と準備

オウンドメディアを立ち上げる際は、目的設定→ペルソナ設計→コンテンツ計画→サイト構築→運用体制構築という流れで進めることが一般的です。各ステップで必要な準備を整理します。

目的とペルソナの明確化

最初に「誰に何を届け、どのような成果を目指すのか」を定義します。BtoB企業の場合、ペルソナは「役職・課題・検討フェーズ」で設計することを推奨します。

  • 役職: 意思決定者か実務担当者か
  • 課題: どのような業務課題を抱えているか
  • 検討フェーズ: 情報収集段階か、具体的な導入検討段階か

目的が曖昧なまま始めると、コンテンツの方向性が定まらず停滞リスクが高まります。「リード獲得」を目的とするのか「ブランディング」を目的とするのかで、コンテンツの内容や導線設計が変わってきます。

コンテンツ計画とサイト構築

ペルソナが抱える課題に対応するキーワードを洗い出し、記事の優先順位を決めます。トピッククラスターモデル(中心となるピラーページと関連記事を体系的に構成する手法)を意識すると、SEO効果を高めやすくなります。

CMS(コンテンツ管理システム)の選定基準としては以下が挙げられます。

  • 拡張性: 将来的な機能追加やカスタマイズに対応できるか
  • MA連携: マーケティングオートメーションツールとのデータ連携が可能か
  • 運用コスト: 初期費用・月額費用・保守費用のバランス

特定のCMSを推奨することは避けますが、立ち上げ段階でMA連携を見据えておくことで、後からの移行コストを抑えられます。

立ち上げ準備チェックリスト

【チェックリスト】オウンドメディア立ち上げ準備チェックリスト

  • オウンドメディアの目的を明文化した(リード獲得/ブランディング/ナーチャリング支援)
  • ターゲットペルソナを役職・課題・検討フェーズで定義した
  • 競合メディアの調査を実施した
  • 主要キーワードのリストアップと優先順位付けを行った
  • 記事本数の目安と更新頻度を決めた
  • トピッククラスター構造を設計した
  • CMS選定基準を整理し、候補を比較検討した
  • ドメイン・サーバー環境を決定した
  • 記事制作の担当者(内製/外注)を決定した
  • 編集フロー(企画→執筆→レビュー→公開)を設計した
  • KPI(PV・CV・商談化率など)を設定した
  • 効果測定ツール(GA4等)の導入計画を立てた
  • リード獲得後の導線(CTA→フォーム→MA連携)を設計した
  • ナーチャリングシナリオの骨子を作成した
  • MA/SFAツールとの連携方法を検討した
  • 初期コンテンツ(公開時に必要な記事数)を決定した
  • 運用開始後の振り返りサイクル(週次/月次)を決めた

MA/SFA連携を見据えた初期設計のポイント

オウンドメディアを「作って終わり」にしないためには、立ち上げ段階からMA/SFA連携を設計することが重要です。記事を公開することがゴールだと考え、リード獲得後のナーチャリング設計を疎かにすると、「記事は読まれるがリードが取れない」「リードは取れるが商談につながらない」という状態に陥ります。

リード獲得からナーチャリングまでの導線設計

リードジェネレーションとは、潜在顧客の課題解決コンテンツを通じて見込み客を創出・獲得するマーケティング活動です。リードナーチャリングは、獲得した見込み客に継続的な価値提供を行い、購買意欲を醸成する活動を指します。

オウンドメディアからリード獲得、ナーチャリング、商談化までの流れを以下に示します。

【フロー図】オウンドメディア→MA連携→商談化フロー

flowchart TD
    A[オウンドメディア記事公開] --> B[検索流入・SNS流入]
    B --> C[記事閲覧]
    C --> D[CTA・資料DLフォーム]
    D --> E[リード情報取得]
    E --> F[MAツールに自動連携]
    F --> G[スコアリング・セグメント分類]
    G --> H[ナーチャリングメール配信]
    H --> I[行動スコア上昇]
    I --> J[SFAに商談候補として連携]
    J --> K[営業担当がアプローチ]
    K --> L[商談化]

導線が切れているポイントがないか確認することが重要です。記事内にCTAがない、フォーム送信後のサンクスページが整備されていない、MA連携が手動になっている、といった状態では成果につながりにくくなります。

MA/SFA連携で商談化率を高める仕組み

MAツールとの連携により、リード情報を一元管理し、行動履歴に基づいたナーチャリングが可能になります。

ある企業では記事掲載から2ヶ月でCV20%、商談化率3倍以上を達成した事例が報告されています(2025年時点。ただしベンダー提供事例のため成功バイアスの可能性があり、一般化には注意が必要)。また、別の企業では導入6ヶ月で検索流入2倍、資料DL2.5倍を達成した事例もあります(2025年時点。自社事例のため同様の結果を保証するものではない)。

これらの事例は個社の結果であり、すべての企業で同様の成果が出るとは限りません。しかし、オウンドメディアとMA/SFAを連携させることで、リード獲得から商談化までのデータを一貫して追跡し、改善サイクルを回せるようになる点は共通しています。

オウンドメディア運用を継続させるポイント

オウンドメディアの約60%が1年以内に停滞するという調査結果があります。主要因はコンテンツ不足やSEO無視とされていますが、運用体制の問題も大きいです。継続的に成果を出すための運用ポイントを整理します。

内製か外注かの判断基準

記事制作を内製で行うか外注するかは、リソース・ノウハウ・予算のバランスで判断します。

内製のメリット

  • 社内ノウハウが蓄積される
  • 自社の専門性を反映した記事が書ける
  • 外注費用を抑えられる

内製のデメリット

  • 担当者の工数確保が必要
  • 立ち上がりに時間がかかる場合がある
  • SEOやライティングのスキル習得が必要

費用については企業規模・外注範囲・品質要件により大きく異なるため、具体的な金額を断定することは避けます。複数の制作会社から見積もりを取り、自社の目的・リソースに応じて判断することを推奨します。

効果測定とPDCAサイクル

効果測定では、目的に応じたKPIを設定することが重要です。

  • 認知拡大が目的: PV数、セッション数、検索順位
  • リード獲得が目的: CV数、CVR、資料DL数
  • 商談化が目的: 商談数、商談化率、受注率

短期間での成果を期待せず、継続的な改善サイクルを回すことが成功の鍵です。週次または月次で数値を振り返り、記事のリライトや新規コンテンツの優先順位を見直していきます。

まとめ:オウンドメディアを商談につなげる一気通貫設計

オウンドメディアを立ち上げる際は、サイト構築やコンテンツ公開だけでなく、リード獲得からナーチャリング、商談化までの導線を一気通貫で設計することが重要です。

本記事のポイントを振り返ります。

  • オウンドメディアの約60%が1年以内に停滞する。成功の鍵は継続運用とMA連携
  • 立ち上げ前に目的・ペルソナ・KPIを明確化する
  • CTA→フォーム→MA連携→ナーチャリングの導線を最初から設計する
  • 内製・外注は自社のリソース・ノウハウに応じて判断する
  • 短期間での成果を期待せず、継続的な改善サイクルを回す

オウンドメディアの立ち上げは、目的設定・コンテンツ設計・サイト構築だけでなく、MA/SFAとの連携設計まで一気通貫で進めることで、リード獲得から商談化までの成果につなげることができます。まずは本記事のチェックリストを活用し、自社の準備状況を確認するところから始めてみてください。

「記事は出してるのに商談につながらない」を解決する。
御社を理解して書くから、刺さる。この記事はMediaSprintで作成しました。

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よくある質問

Q1オウンドメディアの立ち上げにかかる費用はどのくらいですか?

A1費用は企業規模・外注範囲・CMS選定により大きく異なります。内製(社内ライター+既存CMS)であれば初期費用を抑えられますが、外注(制作会社・ライティング代行)を活用する場合はコストが増加します。具体的な金額は一概に言えないため、自社の目的・リソースに応じて複数社から見積もりを取ることを推奨します。

Q2オウンドメディアで成果が出るまでどのくらいかかりますか?

A2一般的には6ヶ月〜1年程度の継続が必要とされています。ある企業では導入6ヶ月で検索流入2倍を達成した事例がありますが、これは個社事例であり同様の結果を保証するものではありません。短期間での成果を期待せず、継続的な運用体制を構築することが重要です。

Q3オウンドメディアが失敗する原因は何ですか?

A3オウンドメディアの約60%が1年以内に停滞しており、主要因はコンテンツ不足・SEO無視とされています。また、リード獲得後のナーチャリング設計やMA連携を疎かにすると、記事は公開されるが商談につながらない状態に陥ります。目的設定から運用・連携設計まで一気通貫で考えることが成功の鍵です。

Q4オウンドメディアとSNSはどう使い分けるべきですか?

A4オウンドメディア(自社サイト・ブログ)は検索流入獲得とリード育成の基盤、SNSは認知拡大と拡散のチャネルという位置づけです。トリプルメディア(オウンド・ペイド・アーンド)の考え方で、それぞれの役割を明確にして連携させることが効果的です。

Q5MAツールとの連携は最初から必要ですか?

A5理想的には立ち上げ段階からMA連携を設計しておくことで、リード獲得からナーチャリングまでの導線がスムーズになります。ある企業では記事掲載から商談化率3倍以上を達成していますが、これはMA連携による効果が大きいとされています(個社事例であり同様の結果を保証するものではない)。後から連携する場合は移行コストが発生するため、初期設計での検討を推奨します。

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B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部

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