リードは獲得できているのに商談につながらない原因
商談化率の改善とは何か。商談化率を改善するには、初動対応の仕組み化とMA/SFAを活用したリードスコアリング・優先順位付けの設計が不可欠です。
リード獲得施策に投資し、問い合わせ数は増えているのに、商談につながらない——この課題を抱える企業は少なくありません。調査によると、「商談・受注まで追えている」BtoB企業はわずか14.8%にとどまっています。多くの企業がリード獲得後のフォロー体制に課題を抱えているのが現状です。
この記事で分かること
- 商談化率の定義・計算方法と業界平均の目安
- 商談化率が低い主な原因とよくある失敗パターン
- 商談化率を向上させる具体的な改善施策
- リードスコアリングとMA/SFAを活用した仕組み化の方法
商談化率の定義・計算方法と業界平均
商談化率とは、リード数に対して実際に商談に至った割合を指します。計算式は「商談化数÷リード数×100」で算出します。
BtoB企業全体の商談化率の平均は、20〜30%程度がベンチマークとされています。ただし、この数値はあくまで目安であり、業種・企業規模・リードの定義によって大きく異なります。
商談化率の計算式と関連指標
商談化率の計算式は以下の通りです。
商談化率(%)= 商談化数 ÷ リード数 × 100
例えば、月間100件のリードを獲得し、そのうち25件が商談に至った場合、商談化率は25%となります。
案件化率は、商談化率の次のステップを測る指標です。商談から提案・見積もり段階に進展した割合を指し、商談の質を評価する際に活用されます。
なお、「リード」や「商談」の定義は企業間で異なるため、同じ30%でも意味が変わることがあります。自社の定義を明確にした上で、目標設定や他社比較を行うことが重要です。
チャネル別の商談化率の目安は以下の通りです。
| チャネル | 商談化率の目安 |
|---|---|
| インバウンドリード | 35〜40% |
| 展示会・セミナー経由 | 25〜30% |
| アウトバウンド・コールドリード | 10〜15% |
また、BtoBマーケター330名を対象とした調査では、広告経由リードの商談化率は「11〜20%」がボリュームゾーン(31.3%が回答)であり、15%前後が及第点とされています。
商談化率が低い主な原因
商談化率が低い主な原因は、初動対応の遅れ、リード優先順位付けの欠如、営業活動の属人化の3つです。
よくある失敗パターンとして、「リード数を増やせば商談数も増える」と考え、リードの質やフォロー体制を整備せずに獲得施策ばかりに投資してしまうケースがあります。しかし、リードの質やフォロー体制が整っていないと、いくらリード数を増やしても商談化率は改善しません。
調査によると、BtoB営業の38.5%が「営業活動の属人化」に課題を感じています。また、日本のインサイドセールス導入率は40.6%と普及途上であり、リードフォロー体制が未整備な企業が多いことがうかがえます。
初動対応の遅れ
リード獲得後の初動対応の遅れは、商談化率を下げる大きな要因です。
調査によると、商談化率50%以上の高成果企業では、リードへの初回接触が当日中〜2日以内である企業が約半数を占めています。また、アポイント獲得までに2〜3回の接触を行うケースが最も多いという結果も出ています。
リードの興味・関心が高いうちにアプローチすることで、商談化率を高められる可能性があります。
リード優先順位付けの欠如
すべてのリードを同じように扱うことも、商談化率が上がらない原因の一つです。
リードスコアリングとは、リードの行動・属性に点数を付け、商談化の見込み度を定量的に判定する手法です。調査によると、商談化率50%以上の高成果企業の66.1%が「リードの優先順位付けを行っている」と回答しています(ただし、調査対象は限定的)。
リードの温度感に応じて優先順位を付け、効率的にフォローする仕組みが求められます。
商談化率を向上させる具体的な方法
商談化率を向上させるには、初動対応の仕組み化、リード優先順位付け、マーケ・営業連携の3つの観点から取り組むことが重要です。
MQL(Marketing Qualified Lead) とは、マーケティング活動で一定基準を満たした有望リードで、営業への引き渡し対象となります。SQL(Sales Qualified Lead) とは、営業がフォローして商談化の見込みが高いと判断したリードです。
【チェックリスト】商談化率改善チェックリスト
- リードの定義(どこまでをリードとするか)が明確になっている
- 商談の定義(何をもって商談とするか)が明確になっている
- 商談化率を定期的に計測・可視化している
- リード獲得後の初回接触タイミングのルール(SLA)が設定されている
- 初回接触が当日中〜2日以内に行われている
- 複数回の接触を前提としたフォロールールがある
- リードの優先順位付け(スコアリング)を行っている
- MQL/SQLの基準がマーケ・営業間で合意されている
- 営業への引き渡し基準が明文化されている
- 架電数・接続率・アポ率・商談化率を日次で可視化している
- 定期的なPDCAサイクルを回している
- 営業活動の属人化を防ぐための仕組みがある
初動対応のSLA設定
リード獲得後の対応スピードをルール化することで、初動対応の遅れを防ぐことができます。
商談化率50%以上の高成果企業では、リードへの初回接触が当日中〜2日以内である企業が約半数を占めています。この事例を参考に、自社でも初動対応のSLA(サービスレベル合意)を設定することが有効です。
具体的な運用ルールの例:
- スコアが一定以上のリードは「当日中にインサイドセールスが接触」
- 問い合わせリードは「2時間以内に一次返信」
- 未接触リードは「翌営業日までに必ず架電」
- 接続できなかった場合は「最低3回は異なる時間帯で接触」
リードスコアリングとMA/SFAを活用した商談化率改善
リードスコアリングとMA/SFAを活用することで、リード優先順位付けを仕組み化し、効率的なフォロー体制を構築できます。
スコアリング設計の基本は、リードの「属性」と「行動」の2軸で評価することです。属性スコアは企業規模・業種・役職など、行動スコアはWebサイト閲覧・資料DL・セミナー参加などで加点します。
【比較表】リードステージ定義テンプレート
| ステージ | 定義 | 主なアクション例 | 対応部門 |
|---|---|---|---|
| 潜在リード | 接点があるが興味・関心が不明 | メルマガ登録、ブログ閲覧 | マーケティング |
| MQL | マーケ基準を満たした有望リード | 資料DL、セミナー参加、問い合わせ | マーケティング→営業引渡し |
| SQL | 営業が商談見込みありと判断 | ヒアリング完了、課題・予算確認済 | 営業 |
| 商談 | 具体的な提案・見積もり段階 | 提案書提出、見積もり提示 | 営業 |
MQL/SQL定義とマーケ・営業連携
MQL→SQL→商談という流れを明確にし、各ステージの定義をマーケ・営業間で合意することが重要です。
定義が曖昧なままだと、「マーケが送ってくるリードは質が低い」「営業がフォローしてくれない」といった部門間の不満が生じやすくなります。
以下のポイントを事前に合意しておくことをおすすめします:
- MQLの基準(どのスコア以上を営業に引き渡すか)
- SQLの判定基準(何を確認したらSQLとするか)
- 引き渡し後のフォロー期限(何日以内に営業が接触するか)
- フィードバックの仕組み(商談化しなかった理由を共有)
まとめ|商談化率改善は仕組み化と部門連携がカギ
本記事では、商談化率の定義・計算方法から、商談化率が低い原因と具体的な改善策まで解説しました。
商談化率を改善するには、初動対応の仕組み化とMA/SFAを活用したリードスコアリング・優先順位付けの設計が不可欠です。
本記事のポイントをまとめます:
- BtoB企業の商談化率平均は20〜30%が目安(チャネルにより異なる)
- 「リード数を増やせば商談数も増える」という考え方は誤り
- 初動対応の遅れ、優先順位付けの欠如、属人化が主な原因
- 初動対応のSLA設定とリードスコアリングで仕組み化する
- MQL/SQL定義をマーケ・営業間で合意することが重要
上記のチェックリストを活用し、自社の商談化率改善に取り組んでみてください。MA/SFA設定や運用設計に課題がある場合は、専門家の支援を活用することも選択肢の一つです。
