リードスコアの付け方|配点設計からIS連携・運用改善まで解説

著者: B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部公開日: 2026/1/1811分で読めます

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リードスコアリングが商談につながらない根本原因

ずばりリードスコアリングの成果は、配点設計だけでなく、インサイドセールスとの連携設計とPDCA運用が揃って初めて実現します。

MAツールでスコアリングを設定したのに、「スコアが活用されていない」「商談につながらない」と感じていませんか。この課題を抱える企業は少なくありません。

リードスコアリングとは、リードの属性・行動データを数値化し、購買意欲や商談化可能性を評価する手法です。リードスコアリングソフトウェア市場は、グローバルで2024年から2036年の予測期間中に年率12%のCAGRで成長し、2036年末までに70億米ドルに達する見込みとされています(グローバル市場の予測値であり、日本市場単体のデータではありません)。

市場は拡大傾向にあるものの、実際に成果につなげている企業は限定的です。インサイドセールスの導入率は日本国内で40.6%にとどまり、米国の80%超と比較すると成長余地が大きい状況です。スコアリングの設計だけでなく、インサイドセールスとの連携体制を整備しなければ、スコアは活用されないまま形骸化してしまいます。

この記事で分かること

  • リードスコアリングの基本構造(属性スコア・行動スコア)
  • 配点基準の設計手順と具体的な配点例
  • インサイドセールス連携を前提としたスコア設計
  • スコアリング運用改善のPDCAサイクル

なお、本記事はMA導入済み企業を対象としています。ツール選定ではなく、既存ツールの活用改善に重点を置いて解説します。

リードスコアリングの基本構造と配点の考え方

リードスコアリングは、属性スコアと行動スコアの2軸で構成するのが標準的です。この2軸を組み合わせることで、ターゲット適合度と購買意欲の両面からリードを評価できます。

MQL(Marketing Qualified Lead) とは、マーケティング活動を通じて一定の関心を示したと判定されたリードを指します。スコアリングによってMQLを判定し、インサイドセールスへ引き渡すことが一般的なフローです。

属性スコア|ターゲット適合度を評価する

属性スコアとは、企業規模・業種・役職などの静的情報に基づくターゲット適合度の評価点数です。リードが自社のターゲットにどの程度合致しているかを判定します。

代表的な属性スコアの評価項目は以下の通りです。

  • 企業規模: 従業員数や売上規模(ターゲット規模に合致しているか)
  • 業種: 自社商材と相性の良い業界かどうか
  • 役職: 決裁者・キーマンへのアプローチ可能性
  • 部署: マーケティング部門、営業部門など対象部署への所属
  • 地域: 対応可能エリアかどうか

自社のターゲット定義に基づいて、どの属性を重視するかを決定します。全ての項目を一律に評価するのではなく、受注実績のある顧客の共通属性を分析して重み付けを行うことが重要です。

行動スコア|購買意欲を評価する

行動スコアとは、資料DL・ページ閲覧・メールクリックなどの行動履歴に基づく購買意欲の評価点数です。リードがどの程度関心を示しているかを判定します。

リードナーチャリングとは、見込み客との関係を構築・育成し、購買意欲を高めていくマーケティング活動です。行動スコアは、ナーチャリング施策の効果を可視化する役割も果たします。

代表的な行動スコアの評価項目は以下の通りです。

  • 資料ダウンロード: ホワイトペーパー、事例集など
  • ページ閲覧: 料金ページ、導入事例ページなど購買検討に近いページ
  • メールクリック: ニュースレター、キャンペーンメールへの反応
  • セミナー参加: ウェビナー視聴、イベント参加
  • 問い合わせ: フォーム送信、電話問い合わせ

行動の種類によって配点に差をつけることが一般的です。料金ページの閲覧や個別相談の申し込みは、購買検討が進んでいるサインとして高めに配点されることが多いです。

リードスコアの配点基準を設計する手順

配点基準の設計は、過去受注データの分析から始めます。BtoB全体のKPI相場として、リード獲得後の商談化率(MQL→SQL)は10-20%程度が目安とされています(業界・商材により大きく異なるため参考値として)。

SQL(Sales Qualified Lead) とは、営業がアプローチすべきと判断された、商談化可能性の高いリードです。スコアリングはMQLからSQLへの絞り込み精度を高めるための仕組みです。

【比較表】リードスコアリング配点基準設計表

評価軸 項目 配点例(参考) 設計のポイント
属性 企業規模(ターゲット規模) +20点 自社ターゲットの規模感に合わせる
属性 業種(ターゲット業種) +15点 過去受注業種を優先的に加点
属性 役職(決裁者・キーマン) +30点 部長以上など決裁権限を考慮
属性 部署(対象部署) +10点 マーケ・営業など関連部署
行動 資料ダウンロード +20点 DL資料の種類で重み付け可
行動 料金ページ閲覧 +15点 購買検討が進んでいるサイン
行動 導入事例ページ閲覧 +15点 具体的検討に入っている可能性
行動 メールクリック +5点/回 継続的な関心を示す行動
行動 セミナー参加 +25点 能動的なアクションとして高評価
行動 問い合わせフォーム送信 +50点 最も購買に近いアクション

※ 配点例は参考値です。自社の受注パターンに基づいて調整してください。

過去の受注パターンから配点基準を導く

配点基準は、他社事例をそのまま流用するのではなく、自社の過去受注データを分析して設計することが重要です。

分析の手順は以下の通りです。

  1. 過去に受注した顧客の属性情報(規模・業種・役職)を抽出する
  2. 受注顧客の行動履歴(閲覧ページ・DL資料・参加セミナー)を確認する
  3. 受注顧客に共通するパターンを特定する
  4. 共通パターンに該当する項目に高い配点を設定する

自社データに基づく検証なしに配点を決めると、スコアと実際の商談化率の相関が取れず、スコアリングが機能しなくなります。

スコア閾値とホットリード基準の設定

スコアの閾値とは、インサイドセールスへ引き渡す基準となる点数です。閾値を超えたリードをホットリードとして営業活動の対象とします。

閾値設定のポイントは以下の通りです。

  • 過去受注顧客のスコアを算出し、平均値や中央値を参考にする
  • 営業部門のキャパシティに応じて調整する(引き渡し数が多すぎると対応しきれない)
  • 運用開始後にデータを見ながら閾値を調整する前提で設定する

閾値は営業部門と合意形成した上で決定します。マーケティング部門だけで決めてしまうと、引き渡し後に「このリードは商談にならない」というフィードバックが発生し、連携がうまくいかなくなります。

インサイドセールス連携を前提としたスコア設計

MAツールでスコア設定を作って終わり、運用せずに形骸化させてしまうケースは典型的な失敗パターンです。 スコアと商談結果の突合・改善サイクルがなければ、スコアリングは機能しません。

インサイドセールスの導入率は日本国内で40.6%にとどまっている状況ですが、スコアリングを活用するためには、インサイドセールス機能との連携が不可欠です。

スコア引き渡しルールとSLAの設計

スコアが閾値に到達したリードを、いつ・誰に・どのように引き渡すかを明確にルール化します。

設計すべき項目は以下の通りです。

  • 引き渡しタイミング: 閾値到達時に即時通知か、日次でまとめて通知か
  • 担当者のアサイン: リードの属性(業種・地域など)に応じた担当割り当て
  • 対応SLA: 引き渡しから初回コンタクトまでの期限(例: 24時間以内)
  • 対応ステータス: コンタクト結果の記録方法(商談化・見送り・継続ナーチャリング)

SLA(対応期限)を設定することで、リードの鮮度が落ちる前にアプローチできる体制を整えます。

営業フィードバックの収集と活用

スコアリングの精度を高めるためには、営業からのフィードバックを継続的に収集することが重要です。

収集すべきフィードバックは以下の通りです。

  • 高スコアだが商談化しなかったケース: なぜ商談につながらなかったか
  • 低スコアだが商談化したケース: どの要素を見落としていたか
  • 商談化したが失注したケース: どの段階で失注したか

これらのフィードバックを分析し、配点の見直しに活かします。定期的なすり合わせの場を設けることで、マーケティングと営業の認識のズレを解消できます。

スコアリング運用改善のPDCAサイクル

スコアリングは設定して終わりではなく、継続的な改善が必要です。運用データを分析し、配点をチューニングするPDCAサイクルを回すことで、商談化率の向上につなげられます。

参考として、MA導入企業の事例では、リード獲得数が1.95倍、新規顧客単価が1.65倍に向上したケースが報告されています(株式会社ブイキューブ、2016年導入の事例。成果は導入環境により異なります)。

また、リードスコアリング活用により商談化率が大幅に向上した事例も報告されています(企業PR情報ベースのため、一般化には注意が必要です)。

【チェックリスト】スコアリング運用改善チェックリスト

  • 過去受注データを分析し、共通する属性パターンを特定した
  • 過去受注データを分析し、共通する行動パターンを特定した
  • 属性スコアの評価項目と配点を設定した
  • 行動スコアの評価項目と配点を設定した
  • ホットリードの閾値を設定した
  • インサイドセールスへの引き渡しルールを定義した
  • 対応SLA(初回コンタクトまでの期限)を設定した
  • 営業フィードバックの収集方法を決定した
  • 高スコア・未商談化リードの分析を実施した
  • 低スコア・商談化リードの分析を実施した
  • 配点チューニングの頻度(月次など)を決定した
  • マーケ・営業間の定期すり合わせ会議を設定した
  • スコアと商談結果の相関レポートを作成した
  • 閾値の妥当性を検証し、必要に応じて調整した
  • スコアリング運用の成果指標(商談化率など)を定義した

定期的な配点チューニングの進め方

配点チューニングは、月次または四半期で実施することが一般的です。

チューニングの手順は以下の通りです。

  1. 期間内の商談化データを抽出する
  2. 商談化リードと非商談化リードのスコア分布を比較する
  3. スコアと商談化率の相関を分析する
  4. 相関が低い項目の配点を見直す
  5. 営業フィードバックを反映する
  6. 閾値の妥当性を検証する

一度の大幅な変更ではなく、小さな改善を積み重ねることで、スコアリング精度を徐々に高めていくアプローチが推奨されます。

まとめ|スコアリング成果はIS連携と運用改善で決まる

本記事では、リードスコアリングの配点設計からインサイドセールス連携、運用改善までを解説しました。

国内MA市場は、2022年度の売上金額が269億円で前年度比14.7%増を記録し、2023年度も14.9%増と拡大を続けています。MAツールの導入が進む一方で、スコアリングを実際に商談につなげている企業はまだ限定的です。

本記事のポイントを整理します。

  • スコアリングは属性スコアと行動スコアの2軸で設計する
  • 配点基準は他社事例の流用ではなく自社受注データの分析に基づいて設計する
  • スコア閾値は営業部門と合意形成した上で決定する
  • インサイドセールスへの引き渡しルールとSLAを明確化する
  • 営業フィードバックを収集し、定期的に配点をチューニングする

リードスコアリングの成果は、配点設計だけでなく、インサイドセールスとの連携設計とPDCA運用が揃って初めて実現します。まずは自社の過去受注データを分析し、現在の配点設定との整合性を検証することから始めてみてください。

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よくある質問

Q1リードスコアの配点基準はどのように決めればよいですか?

A1配点基準は他社事例からの流用ではなく、自社の過去受注データの分析に基づいて設計することが重要です。受注した顧客の属性(規模・業種・役職)や行動履歴(閲覧ページ・DL資料)を分析し、共通パターンを抽出して配点に反映します。

Q2リードスコアリングで商談化率はどのくらい改善しますか?

A2BtoB全体のKPI相場として、MQL→SQL商談化率は10-20%程度が目安とされています。スコアリング活用により商談化率が向上した事例も報告されていますが、効果は業界・商材・運用体制により大きく異なるため、特定の数値を保証することはできません。

Q3スコアリング設定を作ったのに活用されないのはなぜですか?

A3スコアリングが形骸化する主な原因は、設定を作って終わりになり、運用・改善サイクルが回っていないことです。スコアと商談結果を突合するフィードバック体制と、営業部門との連携設計がなければスコアリングは機能しません。

Q4スコアの見直しはどのくらいの頻度で行うべきですか?

A4一般的には月次または四半期での見直しが推奨されます。商談結果データとスコアの相関を分析し、高スコアでも商談化しなかったケースや、低スコアでも商談化したケースを検証して配点をチューニングします。

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B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部

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