リードスコアリング設計ガイド|営業と合意形成で機能するスコアの作り方

著者: B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部公開日: 2026/1/1210分で読めます

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リードスコアリングが「使われない」原因

結論から言えば、リードスコアリングの設計は、MAツールの設定だけでなく、営業との合意形成とSFA連携まで含めて設計することで初めて機能し、専門家の支援を活用することで設計・実装の精度を高めることができます。

リードスコアリングとは、見込み客の購買意欲や適合度を数値化して評価し、営業アクションの優先順位をつけるプロセスです。MAツールのスコアリング機能を設定したものの、営業から「使えない」と言われている、あるいは設計方法がわからず手付かずの状態という課題を抱えている企業は少なくありません。

BtoBリード育成実態調査(2025年)によると、リード育成がうまくいかない根本原因として「施策がターゲットに刺さっていない」が38.5%で最多となっています(BtoBリード育成実態調査2025)。これは、スコアリングの評価軸や配点が自社のターゲットと合っていないことを示唆しています。

この記事で分かること

  • リードスコアリングの基本と評価軸(属性・行動)の設計方法
  • 営業が活用できるスコアリングを作るための合意形成プロセス
  • MQL判定基準とSFA連携の設計方法
  • スコアリング運用と改善サイクルの回し方

リードスコアリングの基本と設計の目的

リードスコアリングの目的は、営業がアプローチすべきリードの優先順位を客観的な数値で判断できるようにすることです。

リードスコアリングは、「属性スコア」と「行動スコア」の2軸で構成されるのが一般的です。属性スコアは、企業規模・業種・役職などリード自体の属性情報に基づく点数で、ターゲット適合度を評価します。行動スコアは、メール開封・資料ダウンロード・ページ閲覧などリードの行動に基づく点数で、購買意欲を評価します。

スコアリングが不十分な場合、営業サイクルが長期化する傾向があるとされています(海外の調査によると50〜70%程度の延長。ただし日本市場での検証は限定的)。適切なスコアリングにより、MQL(Marketing Qualified Lead) として営業に引き渡すべきリードを明確にし、ホットリード(購買意欲が高いリード)への迅速なアプローチが可能になります。

属性スコアと行動スコアの違い

属性スコアと行動スコアは、それぞれ異なる観点でリードを評価します。

属性スコアは「このリードは自社のターゲットに合っているか」を評価する軸です。企業規模(従業員数・売上高)、業種、役職、部門などが評価項目となります。ターゲット企業の条件に合致するほど高いスコアを付与します。

行動スコアは「このリードは購買意欲が高いか」を評価する軸です。メール開封、資料ダウンロード、ウェビナー参加、料金ページ閲覧など、購買検討に近い行動ほど高いスコアを付与します。

属性スコアと行動スコアのバランスは、自社のビジネスモデルや商材によって調整が必要です。エンタープライズ向け商材では属性スコアを重視し、SMB向けでは行動スコアを重視するケースが多いです。

スコアリング評価軸の設計方法

評価軸の設計は、過去の受注データを分析し、受注に至ったリードの共通パターンを特定して配点を決めることが重要です。

BtoB企業経営者のリード獲得実態調査(2025年版)では、「施策がターゲットに刺さっていない」が40.9%で最多となっています(2025年版BtoB企業経営者のリード獲得実態調査、ただしn=44とサンプル数は限定的)。これは、評価軸がターゲット顧客の特性と合致していない可能性を示しています。

【比較表】スコアリング評価軸設計表(属性・行動)

評価軸 評価項目例 加点の考え方
属性:企業規模 従業員数・売上高 ターゲットレンジ内で加点
属性:業種 IT・製造・サービス等 コアターゲット業種を高く
属性:役職 役員・部長・課長・担当者 決裁権に応じて加点
属性:部門 営業・マーケ・情シス等 導入推進部門を高く
行動:資料DL ホワイトペーパー・導入事例 コンテンツの検討度で差
行動:ページ閲覧 料金・導入事例・機能詳細 購買検討に近いページを高く
行動:メール反応 開封・クリック クリックを開封より高く
行動:イベント ウェビナー参加・個別相談 個別相談を最も高く

※配点は自社の受注データを分析してチューニングが必要です。上記は設計の参考例であり、業種・商材によって最適な配点は異なります。

MA設定だけでは機能しない理由

よくある失敗パターンとして、「MAツールのスコアリング機能を設定すれば営業が活用してくれるはず」という考え方は誤りです。営業との合意形成なしにスコアリングを設計しても、営業から見て「なぜこのリードが優先なのかわからない」「スコアが高くても商談化しない」という状態になり、結果として「使えないスコア」として放置されてしまいます。

スコアリングが機能するためには、MAツールの設定だけでなく、以下の要素が必要です。

  • 営業とマーケティングでMQL(営業引き渡し基準)の定義を合意
  • 評価軸と配点の根拠を営業に説明し、理解を得る
  • SFA連携によりスコア情報を営業が日常的に確認できる環境を整備
  • 運用後のフィードバックを配点に反映する改善サイクル

営業との合意形成とMQL設計

営業が活用できるスコアリングを作るためには、MQL(営業引き渡し基準)の定義をマーケティングと営業で合意することが最優先です。

MQLの定義とは、「どのような状態のリードを営業に引き渡すか」を明文化することです。単にスコアの閾値だけでなく、「ターゲット企業規模に該当し、かつ資料ダウンロードまたはウェビナー参加をしたリード」のように、属性と行動の組み合わせで定義するのが一般的です。

ある企業の事例では、スコアリング導入により商談化率が8.5倍に向上、リードのコンバージョン率が30%向上、営業チームの成約率が20%増加したという報告があります(リードスコアリング成功事例5選、ただし単一企業の事例であり、成果は企業の状況によって異なります)。この事例では、営業との合意形成とキラーコンテンツ(料金ページ、導入事例など)閲覧への高い加点設定が成功要因とされています。

SFA連携とホットリード通知の設計

ホットリード(スコアが閾値を超えたリード)を営業に自動通知する仕組みを構築することで、営業はリアルタイムで優先対応すべきリードを把握できます。

SFA連携のポイントは以下のとおりです。

  • MAからSFAにスコア情報を自動連携し、営業がSFA上でスコアを確認できる状態にする
  • スコアが閾値を超えた時点でSlackやメールで営業に通知する仕組みを構築
  • リードの行動履歴(どのコンテンツを閲覧したか)もSFAに連携し、営業のアプローチに活かせるようにする

スコアリング運用と改善サイクル

運用開始後は、最初はシンプルなルールで開始し、月次で見直して調整することが重要です。

ある製造業BtoB企業の事例では、スコアリング導入によりマーケティングROIが40%改善、顧客リテンション率が25%向上したという報告があります(リードスコアリング成功事例5選、ただし単一企業の事例であり、業種名は非公開)。この企業では、CRM・SFAとのデータ連携を行い、営業現場からのフィードバックを反映してスコアを継続的に調整したことが成功要因とされています。

【チェックリスト】リードスコアリング設計チェックリスト

  • 過去の受注データを分析し、受注に至ったリードの共通パターンを特定した
  • 属性スコアの評価軸(企業規模・業種・役職・部門)を定義した
  • 行動スコアの評価軸(資料DL・ページ閲覧・イベント参加等)を定義した
  • 各評価軸の配点を設定した(自社データに基づく)
  • MQL(営業引き渡し基準)の定義を営業と合意した
  • スコアの閾値(ホットリード判定基準)を設定した
  • MAツールにスコアリングルールを設定した
  • SFAにスコア情報を連携する仕組みを構築した
  • ホットリードを営業に自動通知する仕組みを構築した
  • スコアリングの効果測定KPI(商談化率等)を設定した
  • 月次でスコアリングを見直す運用ルールを決めた
  • 営業からのフィードバックを収集する仕組みを用意した

スコアリングが機能しない時の見直しポイント

スコアリングが機能しない場合の主な原因と対策は以下のとおりです。

スコアが高いのに商談化しない場合

  • 属性スコアの評価軸がターゲットと合っていない可能性。受注データを再分析し、評価軸を見直す
  • 行動スコアが購買意欲と連動していない可能性。料金ページや個別相談申込など、購買に近い行動の加点を強化

スコアが低いリードから商談が生まれる場合

  • 重要な行動や属性を評価軸に含めていない可能性。営業からフィードバックを収集し、評価軸を追加

営業がスコアを参照しない場合

  • SFA連携が不十分で、営業がスコアを確認しにくい状態になっている可能性
  • スコアの根拠(なぜこのリードが優先なのか)を営業に説明し、理解を得る

まとめ|リードスコアリング設計の成功は「合意形成」で決まる

リードスコアリング設計で最も重要なのは、MAツールの設定ではなく、営業との合意形成です。

本記事で解説したポイントを整理します。

  1. 評価軸の設計: 属性スコア(ターゲット適合度)と行動スコア(購買意欲)の2軸で設計し、過去の受注データを分析して配点を決める
  2. 営業との合意形成: MQL(営業引き渡し基準)の定義を営業と合意してからスコアリングを設計する
  3. SFA連携: スコア情報を営業が日常的に確認できる環境を整備し、ホットリードを自動通知する仕組みを構築する
  4. 改善サイクル: 最初はシンプルに開始し、営業からのフィードバックを反映して月次で調整する

リードスコアリングの設計は、MAツールの設定だけでなく、営業との合意形成とSFA連携まで含めて設計することで初めて機能します。チェックリストで自社の設計状況を確認し、不足している要素から改善に着手してください。

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よくある質問

Q1リードスコアリングの評価軸は何を基準に設計すればよいですか?

A1評価軸は「属性スコア」(企業規模・業種・役職など)と「行動スコア」(メール開封・資料DL・ページ閲覧など)の2軸で設計します。過去の受注データを分析し、受注に至ったリードの共通パターンを特定して配点を決めることが重要です。配点は業種・商材によって異なるため、自社データでチューニングが必要です。

Q2リードスコアリングが機能しない原因は何ですか?

A2BtoBリード育成実態調査(2025年)によると、リード育成がうまくいかない根本原因として「施策がターゲットに刺さっていない」が38.5%で最多です。また、MAツールの設定だけで営業との合意形成を行わないと、「使えないスコア」として放置されるケースが多いです。

Q3MQL(営業引き渡し基準)はどう設定すればよいですか?

A3MQLの基準は、営業とマーケティングで合意形成してから設計することが重要です。単にスコアの閾値だけでなく、「どのような状態のリードを引き渡すか」を定義します。例:「ターゲット企業規模に該当し、かつ資料DLまたはウェビナー参加をしたリード」のように、属性と行動の組み合わせで定義するのが一般的です。

Q4スコアリング導入でどのくらいの効果が期待できますか?

A4事例ベースでは、商談化率8.5倍向上、リードCV率30%向上、マーケティングROI40%改善などの報告があります(リードスコアリング成功事例5選)。ただし、これらは単一企業の結果であり、自社の業界・商材・運用体制によって効果は異なります。

Q5スコアリングが不十分だとどのような影響がありますか?

A5スコアリングが不十分な場合、営業サイクルが長期化する傾向があります(海外調査では50〜70%程度の延長との報告あり。日本市場での検証は限定的)。優先度の低いリードに時間を費やし、ホットリードへの対応が遅れることが主な原因です。

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B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部

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