Marketoは「機能を覚える」だけでは活用できない
ずばりMarketoの使い方は、基本機能の習得だけでなく、SFA連携設定と営業との役割分担を含む運用体制の構築まで設計することで、導入後も活用される状態を実現できる——これが本記事の結論です。
Adobe Marketo Engageは全世界39か国で5,000社超が導入していると推定されています(2026年時点、民間比較サイトの情報であり広告バイアスの可能性あり)。日本企業を中心としたITreviewのユーザー口コミでは、満足度4.0/5.0という評価がついています。
しかし、Marketoを導入した企業のすべてが活用に成功しているわけではありません。「機能は覚えたけれど、結局使いこなせていない」という声は少なくありません。
この記事で分かること
- Marketoの基本機能と主要用語の理解
- 初心者向けの機能習得ロードマップと学習リソース
- Marketoが形骸化するパターンとその対策
- SFA連携設定と運用体制構築のポイント
- 活用定着のためのチェックリスト
Marketoの基本機能と主要用語を理解する
Marketo初心者がまず覚えるべきは、スマートキャンペーン、スマートリスト、プログラムの3つの中核概念です。
スマートキャンペーンとは、トリガー(条件)とフロー(実行アクション)を組み合わせた自動化ワークフローです。Marketoの中核機能であり、「〇〇したリードに△△を実行する」という自動化を実現します。
スマートリストは、特定条件を満たすリードを自動抽出する動的リストです。メール開封やページ訪問などを条件に設定でき、対象者を柔軟に絞り込めます。
プログラムは、マーケティング施策の実行単位です。メール/イベント/ナーチャリングの3タイプに分類され、施策ごとにリードの状態を管理できます。
トリガーとフローは、スマートキャンペーンの構成要素です。トリガーは実行条件(例:フォーム入力時)、フローは実行アクション(例:メール送信)を指します。フローステップは上から順番に実行されるため、実行順序の設計が重要です。
スマートキャンペーンとスマートリストの違い
初心者が混乱しやすいのが、スマートキャンペーンとスマートリストの違いです。
スマートリストは「誰を対象にするか」を定義するもので、条件に合致するリードを動的に抽出します。一方、スマートキャンペーンは「何をするか」を定義するもので、トリガーに応じてアクションを実行します。
つまり、スマートリストで対象者を絞り込み、スマートキャンペーンでアクションを実行する、という関係性です。
プログラムの種類と使い分け
プログラムには主に3つのタイプがあります。
- メールプログラム: 単発のメール配信に使用。ニュースレターやお知らせなど
- イベントプログラム: セミナーやウェビナーなどのイベント管理。参加者のステータス管理が可能
- ナーチャリングプログラム: 長期的なリード育成。段階的なコンテンツ配信を自動化
プログラムステータスとは、リードの状態を追跡する仕組みです(例:招待→申込→出席)。Salesforce連携時は、プログラムステータスをSalesforceのキャンペーンにマッピングして営業と情報共有できます。
Marketo初心者向け機能習得ロードマップ
Marketo初心者が効率的に機能を習得するには、段階的な学習が効果的です。以下のロードマップを参考に、自分のペースで進めてください。
【比較表】Marketo初心者向け機能習得ロードマップ
| フェーズ | 学習項目 | 目安期間 | 主なリソース |
|---|---|---|---|
| フェーズ1 | 基本用語の理解(スマートキャンペーン、スマートリスト、プログラム) | 導入初期 | Adobe Experience League(公式無料) |
| フェーズ2 | リード作成・管理の基本操作 | 導入初期 | 無料トライアルでハンズオン |
| フェーズ3 | メール作成・配信の基本 | 導入初期〜 | 公式ドキュメント |
| フェーズ4 | スマートキャンペーンの作成・実行 | 運用開始後 | Japan MUG(ユーザーコミュニティ) |
| フェーズ5 | スコアリング設定 | 運用安定後 | Marketo Overview Training(有料) |
| フェーズ6 | SFA連携設定 | 運用安定後 | 専門家支援の検討 |
| フェーズ7 | レポート・分析の活用 | 活用定着後 | プログラムアナライザー |
おすすめの学習リソースと活用方法
Japan MUG(日本Marketoユーザーコミュニティ) は、697メンバーが参加するコミュニティで、ベストプラクティスの共有が活発に行われています(メンバー数は変動の可能性あり)。他ユーザーの事例を学ぶことで、実践的な活用方法を習得できます。
Marketo Overview Training(日本語、1日コース)は、研修費用124,850円の有料コースです(2026年時点の情報。最新は公式確認を推奨)。体系的に学びたい場合の選択肢となります。
無料トライアルを活用したハンズオン学習も効果的です。リード作成・メール作成・プログラム設定を実際に手を動かして学ぶことで、理解が深まります。
Marketoが「形骸化」するパターンとその対策
Marketoの機能を学んで使えるようになったつもりが、SFA連携やスコアリング設定が不十分なまま放置され、結局MAが形骸化して営業に活用されない——これはよくある失敗パターンです。このような考え方は誤りであり、成果を出すためには避けなければなりません。
形骸化する企業に共通するのは、「機能習得」で満足してしまい、「運用体制の構築」が後回しになっていることです。
一方で、正しいアプローチを取った企業では成果が出ています。ある事例では、インサイドセールスとの連携を強化することで商談化率が大きく向上したという報告があります(企業ブログ事例であり、自社の結果を保証するものではありません)。
2026年1月にMarketo SOAP APIが廃止され、REST APIへの移行が必要という技術的な変更点にも注意が必要です。既存のSFA連携をしている企業は、連携設定の見直しを検討してください。
SFA連携設定の重要性
Marketoを営業に活用してもらうには、SFA(Salesforce等)との連携設定が欠かせません。
連携のポイントは、プログラムステータスとSalesforceのキャンペーンを適切にマッピングすることです。これにより、リードの状態(例:セミナー申込→参加→商談化)を営業担当者がSalesforce上で確認できるようになります。
連携設定が不十分だと、マーケティングが獲得したリードが営業に伝わらず、せっかくの施策が成果につながりません。
Marketo活用定着チェックリスト
自社のMarketo活用状況を確認し、改善すべきポイントを特定するためのチェックリストを用意しました。
【チェックリスト】Marketo活用定着チェックリスト
- 基本用語(スマートキャンペーン、スマートリスト、プログラム)を理解している
- リードの作成・管理ができる状態になっている
- メールの作成・配信が問題なく実行できる
- スマートキャンペーンを作成・実行できる
- スコアリング設定が完了し、リードの優先度が可視化されている
- SFA(Salesforce等)との連携設定が完了している
- プログラムステータスとSFAキャンペーンのマッピングができている
- 営業担当者がSFA上でリード情報を確認できる状態になっている
- リード引き渡しのルール(MQL基準など)が明文化されている
- マーケティングと営業の定期的な情報共有の場がある
- レポート・ダッシュボードで施策の効果を確認できる
- 運用ルール(命名規則、フォルダ構成など)が標準化されている
- 担当者の役割分担が明確になっている
- 定期的な運用レビューとPDCAが回っている
- 必要に応じて外部専門家の支援を検討している
運用体制の構築ポイント
チェックリストで課題が見つかった場合は、以下のポイントを参考に運用体制を整備してください。
役割分担の明確化: 誰がリードを管理し、誰が施策を実行し、誰が分析するのかを明確にします。
運用ルールの標準化: フォルダ命名ルールを半角英数で統一するなど、運用混乱を防ぐルールを整備します。
定期レビューの実施: 週次・月次で施策の効果を振り返り、改善アクションにつなげます。
専門家支援の活用: 社内リソースだけでは対応が難しい場合は、外部の専門家による伴走支援を検討することも有効な選択肢です。
まとめ|Marketoは運用体制の構築で活用が進む
本記事では、Marketoの基本的な使い方から活用定着までのポイントを解説しました。
本記事のポイント
- Marketoの中核機能はスマートキャンペーン、スマートリスト、プログラムの3つ
- 機能習得は段階的に進め、Japan MUGや公式トレーニングを活用する
- 「機能を覚えただけで満足」は形骸化の原因。SFA連携と運用体制の構築が必要
- チェックリストで自社の活用状況を確認し、優先度の高い課題から改善する
繰り返しになりますが、Marketoの使い方は、基本機能の習得だけでなく、SFA連携設定と営業との役割分担を含む運用体制の構築まで設計することで、導入後も活用される状態を実現できます。
まずは上記のチェックリストで自社の現状を確認し、改善すべきポイントを特定してください。必要に応じて専門家の支援を活用することで、より効率的に活用定着を実現できます。
