リード獲得施策を実行しても商談につながらない理由
リードジェネレーション施策で成果を出すには、施策の実行だけでなく、MA/SFA連携によるリード管理設計と商談化までの一気通貫の仕組みを同時に構築することが重要です。
リードジェネレーションとは、自社商品・サービスに関心を持つ見込み顧客の連絡先情報を獲得するマーケティング活動です。2025年度調査によると、Web広告予算を「大幅に増額予定」または「やや増額予定」と回答したBtoB企業が約6割で、55.8%が「リード獲得」を増額理由の最多に挙げています(2025年度Web広告予算動向調査)。
しかし、リード獲得に投資を増やしても、その後の成果につながっていない企業が多いのが実情です。同じ2025年調査では、リード獲得の課題として「質が低い」25.2%、「育成が難しい」29.9%と回答されており、2024年比で増加傾向にあります(調査対象n=107、サンプル数は限定的)。
リードジェネレーション施策を「とにかく数を増やす」目的で実行し、獲得後のリード管理・育成を後回しにした結果、リードが放置されて商談につながらないパターンは誤りです。本記事では、施策選定から商談化までの一気通貫の運用設計について解説します。
この記事で分かること
- リードジェネレーションの基本概念とリードナーチャリングとの違い
- オンライン・オフライン施策の種類と特徴
- 自社に合った施策の選び方
- MA/SFA連携による商談化設計の方法
- リードジェネレーション施策実行チェックリスト
リードジェネレーションの基本概念とリードナーチャリングとの違い
リードジェネレーションは見込み顧客の情報を獲得する活動であり、リードナーチャリングは獲得したリードを育成して商談化につなげる活動です。両者を連携させることで、リード獲得から商談化までの一貫した仕組みを構築できます。
リードジェネレーションは、Web広告、コンテンツマーケティング、展示会、セミナーなど、さまざまな施策を通じて見込み顧客の連絡先情報を獲得する活動を指します。一方、リードナーチャリングとは、獲得したリードを継続的にフォローし、商談化・購買意欲を高める育成活動です。
日本のマーケティングオートメーション市場は2024年に4億810万米ドル、2033年までに8億4810万米ドルへ成長予測されています(年平均成長率8.5%)。この市場成長は、リード管理の重要性が高まっていることを示しています。
MQLとSQLの違いとリード管理の考え方
MQL(Marketing Qualified Lead) とは、マーケティング施策で一定の興味関心を示し、営業に引き渡す価値があると判断されたリードです。SQL(Sales Qualified Lead) とは、営業がアプローチする価値があると認定した、商談可能性の高いリードを指します。
リード管理においては、MQL→SQLの流れを設計することが重要です。マーケティング部門がリードを獲得・育成し、一定の条件を満たしたリードをMQLとして認定します。その後、営業部門がMQLを確認し、商談可能性が高いと判断したリードをSQLとして営業活動を開始します。
このMQL/SQLの定義と引き渡しルールを明確にすることで、マーケティングと営業の連携が円滑になり、リードの取りこぼしを防ぐことができます。
オンラインリードジェネレーション施策の種類と特徴
オンライン施策は、Web広告、コンテンツSEO、SNS、ウェビナーなど多岐にわたります。自社のターゲット層と予算に応じて、適切な施策を選定することが重要です。
2025年度調査では、BtoB企業経営者の63.6%がリード獲得施策で生成AIを活用しており、「コンテンツ作成」が27.1%で最多となっています(2025年調査、n=107、サンプル数は限定的)。コンテンツ制作の効率化にAIが活用されている傾向がみられます。
【比較表】リードジェネレーション施策比較表(オンライン/オフライン)
| 施策カテゴリ | 施策名 | 特徴 | CPA目安 | 向いている企業 |
|---|---|---|---|---|
| オンライン | Web広告(リスティング) | 即効性が高く、ターゲティング精度が高い | 業界・商材により変動 | 短期でリードを獲得したい企業 |
| オンライン | コンテンツSEO | 中長期で資産化、信頼性構築に有効 | 初期投資は高いが中長期でCPA低減 | ブランド構築を重視する企業 |
| オンライン | SNS(LinkedIn等) | BtoBソーシャルリードの獲得に有効 | 運用コスト次第 | ターゲットがSNSを利用している企業 |
| オンライン | ウェビナー | リード獲得と育成を同時に実施可能 | 1〜1.5万円程度 | 専門性をアピールしたい企業 |
| オフライン | 展示会 | 対面での信頼構築、大量リード獲得が可能 | 出展費用により変動 | 業界特化のターゲットにアプローチしたい企業 |
| オフライン | セミナー・共催イベント | 深い関係構築、商談化率が高い傾向 | 1〜1.5万円程度 | 高単価商材を扱う企業 |
Web広告・コンテンツSEOの活用ポイント
Web広告とコンテンツSEOは、それぞれ異なる特徴を持つため、使い分けが重要です。
Web広告は即効性があり、短期間でリードを獲得したい場合に有効です。2025年度調査では、Web広告予算を増額予定の企業が約6割を占めており、リード獲得目的での投資が活発化しています。ターゲティング精度を高めることで、質の高いリードを効率的に獲得できます。
コンテンツSEOは中長期的な施策であり、検索エンジン経由で継続的にリードを獲得できます。即効性はWeb広告に劣りますが、コンテンツが資産として蓄積されるため、長期的にはCPAを低減できる傾向があります。
SNS・ウェビナーの活用ポイント
SNSとウェビナーは、リード獲得と同時にリード育成の要素も持つ施策です。
SNSについては、海外調査ではLinkedInがBtoBソーシャルリードの80%を生成しているという報告があります(TaskDrive調査、海外データのため日本市場では異なる可能性があります)。BtoBにおいては、LinkedInやX(旧Twitter)などのビジネス系SNSが有効とされています。
ウェビナーは、セミナー/ウェビナーのCPA相場が1〜1.5万円程度、4社共催時のリード獲得数は100〜150件という目安があります(BtoBマーケティング施策CPA相場ガイド2025)。専門性をアピールしながらリードを獲得できる施策として活用されています。
オフラインリードジェネレーション施策の種類と特徴
オフライン施策は、展示会やセミナーなど対面でのリード獲得を中心とした施策です。オンライン施策との組み合わせ(ハイブリッド施策)が効果的とされています。
2025年調査では、BtoB企業のリード獲得施策実施率で展示会27.1%(SNS36.4%、広告29.0%に次ぐ3位)となっており、前年(2024年)の17.2%から増加しています(2025年BtoB企業経営者リード獲得実態調査、n=107)。展示会への回帰傾向がみられます。
ただし、オフライン施策単独でリード数を増やしても、管理・育成を後回しにすると商談につながらないという誤解があります。オフライン施策で獲得したリードも、MA/SFA連携による管理・育成が重要です。
展示会・セミナーの効果的な活用方法
展示会とセミナーは、対面での信頼構築が可能な施策です。特に高単価商材や複雑な商材を扱う企業に適しています。
展示会では、名刺交換後の即時フォローが商談化率向上の鍵とされています。展示会で獲得したリードは、時間が経つほど興味関心が薄れる傾向があるため、迅速なフォローアップが重要です。
共催カンファレンスでは、参加者の約30%が商談進展、リード獲得数目標150%達成という成功事例も報告されています(BtoBマーケティング施策CPA相場ガイド2025、個別事例のため再現性は企業により異なります)。ターゲット業界特化の共催セミナーでCPA低減が可能とされています。
リード獲得後のMA/SFA連携による商談化設計
獲得したリードを商談につなげるためには、MA/SFA連携によるリード管理設計が不可欠です。施策実行だけでなく、リード管理の仕組みを同時に構築することで、商談化率を向上させることができます。
先述の2025年調査では、リード獲得の課題として「質が低い」25.2%、「育成が難しい」29.9%と回答されています。これらの課題を解決するためには、MA/SFA連携によるリード管理が有効です。
MA(マーケティングオートメーション) を活用することで、リードの行動履歴を追跡し、興味関心の度合いを可視化できます。SFA(営業支援システム) と連携することで、マーケティングから営業への引き渡しを円滑に行い、リードの取りこぼしを防ぐことができます。
【チェックリスト】リードジェネレーション施策実行チェックリスト
- ターゲットペルソナの定義が明確になっている
- 施策ごとのKPI(獲得リード数、CPA等)を設定している
- MQLの定義と認定基準を設定している
- SQLの定義と認定基準を設定している
- MQL→SQL引き渡しのタイミングとルールを決めている
- MAツールでリードの行動履歴を追跡できる状態にしている
- SFAでリード情報を一元管理できる状態にしている
- MA/SFA間のデータ連携が設定されている
- リードスコアリングの基準を設定している
- マーケティング部門と営業部門の連携ルールを決めている
- リード獲得後のフォローアップフローを設計している
- ナーチャリング用のコンテンツ(メール、資料等)を準備している
- 施策効果の測定方法と振り返りサイクルを決めている
- 展示会・セミナー後の即時フォロー体制を整えている
- 失注・保留リードの再アプローチルールを決めている
リードスコアリングと引き渡しルールの設計
リードスコアリングは、リードの行動や属性に基づいてスコアを付与し、商談可能性の高いリードを特定する手法です。MQL→SQL引き渡しの判断基準として活用されます。
スコアリング基準の例として、以下のような項目が挙げられます。
- 属性スコア: 企業規模、業種、役職など(ターゲット属性に合致するほど高スコア)
- 行動スコア: 資料ダウンロード、ウェビナー参加、問い合わせなど(購買意欲の高い行動ほど高スコア)
引き渡しタイミングは、スコアが一定基準を超えた時点、または特定の行動(問い合わせ、デモ依頼等)があった時点などで設計します。マーケティング部門と営業部門で引き渡しルールを明確にし、共有することが重要です。
まとめ:施策実行とリード管理設計を同時に進める
本記事では、リードジェネレーション施策の種類と特徴、そして商談化までの運用設計について解説しました。
2025年調査では、リード獲得の課題として「質が低い」25.2%、「育成が難しい」29.9%と回答されています。これらの課題を解決するためには、施策の実行だけでなく、MA/SFA連携によるリード管理設計が重要です。
リードジェネレーション施策で成果を出すには、施策の実行だけでなく、MA/SFA連携によるリード管理設計と商談化までの一気通貫の仕組みを同時に構築することが重要です。
本記事で紹介したチェックリストを活用し、自社のリードジェネレーション施策と商談化設計を見直してみてください。施策選定から商談化までの一貫した仕組みを構築することで、リード獲得から商談化までの効率を向上させることができます。
