リード獲得単価(CPL)を正しく評価する重要性
多くの方が悩むリード獲得単価の評価。結論は、リード獲得単価(CPL)は相場を知るだけでなく、施策ごとのCPLをSQL転換率・商談化率と組み合わせて継続的に測定・比較する仕組みを構築することで、投資対効果の高い施策に予算を集中させることができるのです。
CPL(Cost Per Lead) とは、1件のリード(見込み顧客)を獲得するためにかかったコストです。リード獲得費用÷リード獲得数で算出します。
BtoB企業の運用課題として、「費用対効果の向上」が47.2%、「質の高いリードの獲得」が46.2%、「リード獲得単価の低下」が30.5%という調査結果があります(n=311のBtoB企業調査)。また、2025年度のWeb広告で最も重視する指標は「費用対効果(ROAS)」で57.0%と、CV数やCTRを上回っています。
ROAS(Return on Ad Spend) とは、広告費に対する売上の比率です。売上÷広告費で算出し、広告投資の費用対効果を測定する指標として活用されています。
これらの調査が示すように、CPL単体で「高い・安い」と評価するのではなく、ファネル全体での投資対効果を評価することが重要です。
この記事で分かること
- CPLの基本的な定義と許容CPLの計算方法
- 施策別CPL相場の目安と比較ポイント
- CPL単体評価の落とし穴とMQL/SQL転換率を含めた評価方法
- CPL測定・改善の仕組みを構築するためのチェックリスト
CPL(リード獲得単価)の定義と計算方法
CPLを正しく活用するには、まず計算方法と「許容CPL」の考え方を理解する必要があります。
CPLの計算式は以下のとおりです。
CPL = リード獲得にかかった費用 ÷ 獲得したリード数
例えば、100万円の広告費で100件のリードを獲得した場合、CPLは1万円となります。
許容CPLの算出方法
許容CPL とは、売上・粗利・受注率から逆算した、マーケティング施策で許容できる最大のリード獲得単価です。
許容CPLは「平均粗利×受注率×マーケティング経費率」で逆算できます。
計算例:粗利10万円・受注率10%・経費率10%の場合 許容CPL = 10万円 × 10% × 10% = 1万円
この数値はあくまで目安であり、業種・商材・営業サイクルにより大きく異なります。自社の実績データを基に算出することが重要です。
施策別リード獲得単価(CPL)の相場
施策ごとのCPL相場を把握することで、自社の実績値が妥当かどうかを判断できます。ただし、CPLの相場は公的統計が存在せず、各社調査・推計値が中心である点にご留意ください。
BtoB企業の目標CPA(リード獲得単価)は「5,000円〜10,000円未満」が21.8%で最多、実績CPAも同水準で21.2%が最多ゾーンとなっています(n=326のBtoBマーケティング担当者調査)。
【比較表】施策別リード獲得単価(CPL)相場比較表
| 施策 | CPL目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| メールマーケティング | 1,000〜10,000円/件 | コストは低めだがリストの質に依存 |
| バナー広告 | 8,000〜10,000円/件 | 認知拡大に有効、CVRは低め |
| リスティング広告 | 5,000〜15,000円/件 | 検索意図の高いリードを獲得可能 |
| 展示会・イベント | 35,000〜100,000円/件 | CPLは高いが質の高いリードを獲得しやすい |
| ウェビナー | 10,000〜30,000円/件 | 関心度の高いリードを獲得可能 |
※上記は目安であり、業種・商材・リード定義により大きく異なります。
インバウンド施策とアウトバウンド施策のCPL比較
海外の調査では、インバウンドマーケティング戦術はアウトバウンドマーケティングよりもリード1件あたりのコストが62%少ないとされています。ただし、この数値は海外調査ベースの統計であり、日本市場では異なる可能性があります。
展示会やイベントはCPLが高めですが、対面で課題をヒアリングできるため、質の高いリードを獲得しやすい傾向があります。CPLの数値だけで判断せず、商談化率まで含めた評価が必要です。
CPL単体評価の落とし穴|商談化率まで含めた判断が必要
CPL単体で施策の良し悪しを判断することには大きな落とし穴があります。
よくある失敗パターンとして、CPLの相場だけを調べて「うちは高い/安い」と判断し、SQL転換率や商談化率を考慮せずに単純にCPLが低い施策に偏重してしまうケースがあります。この考え方は誤りです。結果として、リードは増えても商談・受注につながらず、本質的な成果が出ません。
実際、「リードの質が理想通りに獲得できていない」と回答した経営者は48.6%で、2024年比+7.6ポイント増加しています(n=87のBtoB企業経営者調査。サンプルサイズは限定的)。
MQL(Marketing Qualified Lead) とは、マーケティング活動により獲得した見込み顧客のうち、スコアリング等で営業対象として適格と判断されたリードです。
SQL(Sales Qualified Lead) とは、営業がフォローアップし、商談化の可能性が高いと判断された見込み顧客を指します。
MQL/SQL転換率を含めた投資対効果評価
CPLを評価する際は、MQL転換率やSQL転換率と組み合わせて判断することが重要です。
例えば、CPLが5,000円でもSQL転換率が5%であれば、SQL1件あたりのコストは10万円になります。一方、CPLが10,000円でもSQL転換率が20%であれば、SQL1件あたりのコストは5万円です。
施策間でCPLを比較する際は、リードの定義(名刺交換/資料DL/問い合わせ等)を統一しないと意味のある比較はできません。
CPL測定・改善の仕組み構築
CPLを一度測定して終わりではなく、継続的に測定・改善する仕組みを構築することが重要です。
【チェックリスト】CPL測定・改善の仕組み構築チェックリスト
- リードの定義を明確化している(名刺交換/資料DL/問い合わせ等)
- 施策ごとにリード獲得数を計測している
- 施策ごとの費用を正確に把握している
- CPLを施策別に算出している
- 許容CPLを設定している
- MQL/SQL転換率を計測している
- SQL転換率を施策別に把握している
- 商談化率・受注率を追跡している
- MA/SFAでリードスコアリングを実施している
- 施策別のROIを算出している
- 定期的なレビュー会議を実施している
- PDCAサイクルを回す体制がある
施策別CPLと転換率の可視化
施策ごとのCPLとMQL/SQL転換率を一覧で可視化できるダッシュボードやレポートを整備することをおすすめします。
重要なのは、単発の測定ではなく、月次・四半期ごとに定期的にレビューし、改善サイクルを回すことです。CPLが高騰している施策の原因分析や、転換率が高い施策への予算再配分など、データに基づいた意思決定が可能になります。
まとめ:CPL相場の把握から継続的な測定・改善へ
本記事では、リード獲得単価(CPL)の定義から施策別相場、そして測定・改善の仕組み構築まで解説しました。
重要なポイントを整理します。
- CPLは「リード獲得費用÷リード獲得数」で算出
- 許容CPLは「平均粗利×受注率×マーケティング経費率」で逆算可能
- BtoB企業の目標CPAは5,000円〜10,000円未満が最多ゾーン
- CPL単体ではなく、MQL/SQL転換率と組み合わせて評価することが重要
- 継続的な測定・改善の仕組みを構築することで投資対効果を向上できる
リード獲得単価(CPL)は相場を知るだけでなく、施策ごとのCPLをSQL転換率・商談化率と組み合わせて継続的に測定・比較する仕組みを構築することで、投資対効果の高い施策に予算を集中させることができるのです。本記事のチェックリストを活用し、自社のCPL測定・改善体制を整備してみてください。
