IS→FSパスの標準化で商談化率を改善|引き継ぎ項目と設計のポイント

著者: B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部公開日: 2026/1/89分で読めます

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IS→FSパス品質のバラつきが商談化率低下を招く

ISからFSへのパス後に商談化率が低い、パスの品質にバラつきがあるという課題を解決したいなら、IS→FSパスの品質は「担当者の勘」ではなく、SFA/MAの設定と運用ルールで標準化でき、専門家の支援で短期間に仕組み化できます。

BtoB企業では、営業フォローが必要な情報を正確に連携できていないケースで、商談化の可能性が高い情報を取りこぼす課題が報告されています。BtoB企業におけるIS専任組織の設置率は約35〜40%程度(2023年時点)であり、IS/FS分業が進む中でパス品質の重要性が増しています。

この記事で分かること

  • IS/FSの役割分担と商談パスの基本的な考え方
  • パス時に必須の引き継ぎ項目と標準化の方法
  • 商談化率を高めるパス設計のポイント
  • SFA/MAを活用したパス品質の仕組み化

SQL(Sales Qualified Lead) とは、営業が商談化の可能性が高いと判断した見込み顧客で、ISからFSへ引き渡す基準となるリードです。商談化率は、リード(見込み顧客)のうち、商談(FSがフォローする案件)に進んだ割合を指します。

IS/FSの役割分担と商談パスの基本

IS/FS分業を機能させるには、それぞれの役割を明確にし、どのような基準でリードを引き渡すかを定義することが不可欠です。

ISの役割は、マーケティングが獲得したリードに対する一次接触、スクリーニング(見極め)、ナーチャリング(育成)です。一方、FSの役割は、SQLとして引き渡されたリードに対する提案活動とクロージングです。

MQL(Marketing Qualified Lead) は、マーケティング施策で獲得し、一定の条件を満たした見込み顧客で、ISがフォローする対象となります。MQLからSQL、そして商談へと進むプロセスにおいて、IS→FSパスの品質が商談化率を大きく左右します。

IS担当者の経験則だけでパス判断をしている状態では、「この顧客は筋が良さそう」という属人的な判断に依存し、パス品質のバラつきは解消できません。これが商談化率低下の一因となっています。

ISの役割とFSへの引き渡し基準

ISがどこまで担当し、どのような基準でFSに引き渡すかを明確にすることがパス品質の基盤です。

BANT情報とは、予算(Budget)・決裁者(Authority)・ニーズ(Need)・導入時期(Timing)の4要素で、ISがヒアリングする基本項目です。BANT情報のヒアリングがISの主な役割であり、これらの情報をどこまで確認できたかがSQL判定の基準となります。

SQL判定の基準例としては、以下のような条件が考えられます。

  • 役職が課長以上、または意思決定に関与できる立場
  • 予算化の見込みがある、または予算確保済み
  • 導入時期が6ヶ月以内に想定されている
  • 課題が明確で、解決意欲がある

これらの基準は企業ごとに定義が異なるため、自社のSQL定義を明文化しておくことが重要です。

FSが求めるパス品質とは

FS視点で「案件化しにくい」と感じるパスには共通の特徴があります。FSが求めるパス品質を理解することで、IS/FS間の期待値ギャップを解消できます。

FSが案件化しにくいと感じるパスの特徴:

  • 顧客の課題・ニーズが曖昧なまま引き渡されている
  • 過去のやり取り(刺さったコンテンツ、NG事項)が共有されていない
  • 予算・導入時期など基本的なBANT情報が不明
  • 担当者以外の意思決定者情報がない

一方で、引き継ぎ項目を増やしすぎるとISの入力負荷が高まり、結果的に入力されないというトレードオフもあります。必須項目は絞り込み、任意項目は別途設けるといった設計が必要です。

IS→FSパス時に必須の引き継ぎ項目

パス時に共有すべき具体的な情報項目を標準化することで、パス品質のバラつきを解消できます。営業フォローが必要な情報を正確に連携できていないケースでは、商談化の可能性が高い情報を取りこぼすリスクがあります。

以下に、IS→FSパス時の必須引き継ぎ項目をチェックリスト形式で整理します。

【チェックリスト】IS→FSパス時の必須引き継ぎ項目チェックリスト

  • 会社名・部署名
  • 担当者名・役職
  • 連絡先(電話・メール)
  • リードソース(流入経路)
  • SQL判定日と判定理由
  • 予算化の有無・概算予算
  • 導入希望時期
  • 決裁者・意思決定プロセス
  • 顕在化している課題
  • 導入目的・期待する成果
  • 競合検討状況
  • 過去のコンタクト履歴(日付・内容)
  • 刺さったコンテンツ・資料
  • NG事項(地雷・避けるべき話題)
  • 次回アクション予定
  • 補足メモ(定性情報)

顧客情報と案件ステータス

基本情報と状況・温度感に関する項目は、パスの第一歩となる必須情報です。

会社名・担当者・連絡先は当然として、リードソース(どのチャネルから流入したか)の情報は、FSがアプローチ方法を検討する上で重要です。SQL判定日と判定理由を明記することで、FSはそのリードがなぜSQLと判断されたかを理解できます。

予算化の有無、導入希望時期といった温度感に関する情報は、FSが優先順位を判断する上で不可欠です。

課題・ニーズとコンタクト履歴

顧客の課題・導入目的・意思決定プロセス・過去のやり取りは、FSが提案内容を検討する上で最も重要な情報です。

特に、過去のコンタクトで「刺さったコンテンツ」や「NG事項(地雷)」の共有は見落とされがちですが、FSにとっては商談の成否を左右する情報です。たとえば「価格の話は避けてほしいと言われた」「〇〇の事例に興味を示した」といった定性情報は、商談化率向上に直結します。

商談化率を高めるパスのポイント

商談化率を高めるには、パスの「何を」だけでなく「いつ」「どれくらい」も重要です。初回接触スピードと接触回数の設計がポイントとなります。

ある事例では、SQLの定義と引き継ぎルールを見直した結果、商談化率が18%から36%へ向上したことが報告されています。SQL数を追うのではなく、定義の精度を高めることで商談化率が倍増した例です。

初回接触スピードと接触回数の設計

リード発生から初回接触までのスピードは、商談化率に大きく影響します。

商談化率50%以上のBtoB企業では、約半数が当日中〜2日以内に初回接触を行っていることが調査で示されています。また、高商談化率企業では、初回接触からアポイント獲得までの平均接触回数が3回(回答企業の25.4%で最多)というデータもあります。

海外の調査では、問い合わせから5分以内に架電する企業は、24時間以内に架電する企業に比べて商談化率が最大10倍高いとされていますが、日本市場での再現性については検証が必要です。いずれにせよ、初動のスピードが商談化率に影響することは明らかです。

SQLの定義見直しによる商談化率改善

商談化率を高めるためにSQLを増やそうとする考え方は誤りです。SQLの「数」ではなく「定義の精度」を高めることが重要です。

前述の事例では、SQLの定義と引き継ぎルールを見直した結果、商談化率が18%から36%へ向上しました。SQL数は減少しましたが、パス品質が向上したことで商談化率が倍増したのです。

「とにかくアポを増やせ」という方針では、FSの案件化率が下がり、結果的に受注効率が悪化するリスクがあります。IS→FSパスの評価は、商談化率(IS側)と案件化率・受注率(FS側)をセットでモニタリングすべきです。

SFA/MAを活用したパス品質の標準化

パス品質を属人化から脱却させるには、SFA/MAの入力項目設計とスコアリング設定が鍵となります。

リードスコアリングとは、属性や行動に基づきリードに点数を付け、優先度を判定する手法で、MAツールで実装されることが多いです。スコアリングを活用することで、SQL判定の属人性を減らすことができます。

SFAを導入しても引き継ぎ項目を個人任せにしている状態では、パス品質のバラつきは解消できません。SFAの必須入力項目として引き継ぎ項目を設定し、入力されていないとパスできない仕組みにすることが有効です。

IS/FS連携をモニタリングする指標設計

商談化率だけでなく、案件化率・受注率をセットで追う必要があります。

広告経由リードの商談化率については、BtoB調査によると11〜20%が最多(回答企業の31.3%)であり、15%前後が及第点とされています。ただし、業種・チャネル・SQL定義により大きく変動するため、あくまで目安として参考にしてください。

商談化率だけを追うと、無理やりアポを増やしてFS案件化率が下がる問題が起きやすくなります。IS→FSパスの評価は、商談化率(IS)と案件化率・受注率(FS)をセットでモニタリングし、パイプライン全体で最適化を図ることが重要です。

まとめ|IS→FSパスの仕組み化で商談化率を改善する

IS→FSパスの品質向上には、担当者の経験則に依存するのではなく、引き継ぎ項目の標準化とSFA/MAによる仕組み化が不可欠です。

本記事のポイントを整理します。

  • IS/FSの役割分担とSQL定義を明確化する
  • 引き継ぎ項目をチェックリスト化し、必須項目を標準化する
  • 初回接触スピードと接触回数を設計する
  • SFA/MAの入力項目設計でパス品質を仕組み化する
  • 商談化率と案件化率・受注率をセットでモニタリングする

SQLの定義と引き継ぎルールを見直した結果、商談化率が18%から36%へ向上した事例が示すように、パス品質の標準化は商談化率改善に直結します。

IS→FSパスの品質は「担当者の勘」ではなく、SFA/MAの設定と運用ルールで標準化でき、専門家の支援で短期間に仕組み化できます。自社のパス品質に課題を感じている場合は、まず現状のSQL定義と引き継ぎ項目を棚卸しすることから始めてみてください。

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よくある質問

Q1IS→FSパスで商談化率が低い原因は何ですか?

A1主な原因は、パス基準が曖昧でIS担当者の経験則に依存していること、引き継ぎ情報が不足しFSが顧客状況を把握できないことです。SQLの定義と引き継ぎルールを見直した結果、商談化率が18%から36%へ向上した事例もあり、パス品質の標準化が改善の鍵となります。

Q2広告経由リードの商談化率の目安はどれくらいですか?

A2BtoB調査によると、広告経由リードの商談化率は11〜20%が最多(回答企業の31.3%)であり、15%前後が及第点とされています。ただし業種・チャネル・SQL定義により変動するため、自社の定義に基づいた目標設定が重要です。

Q3リード発生から初回接触までどれくらいのスピードが必要ですか?

A3商談化率50%以上のBtoB企業では、約半数が当日中〜2日以内に初回接触を行っています。海外調査では5分以内の架電が効果的とされますが、日本市場での再現性は要検証です。初動のスピードが商談化率に影響することは確かなため、社内のレスポンス体制を整備することが推奨されます。

Q4ISからFSへの引き継ぎで必須の項目は何ですか?

A4基本情報(会社名・担当者・リードソース)、状況・温度感(SQL判定理由・予算化の有無・導入時期)、課題・ニーズ(顕在課題・導入目的・意思決定プロセス)、コンタクト履歴(過去のやり取り・刺さったコンテンツ・NG事項)が必須です。特にNG事項の共有は商談の成否を左右します。

Q5商談化率を高めるにはアポを増やせばよいですか?

A5商談化率だけを追うと、無理やりアポを増やしてFS案件化率が下がる問題が起きやすくなります。SQLの「数」ではなく「定義の精度」を高めることが重要です。ある事例では、SQLの定義見直しにより商談化率が18%から36%に倍増しました。IS→FSパスの評価は商談化率と案件化率・受注率をセットでモニタリングすべきです。

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B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部

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