HubSpot Sales Hubとは?本記事の目的
最も重要なのは、HubSpot Sales Hubは営業活動の効率化に有効なツールだが、導入効果を最大化するには機能理解だけでなく、Marketing Hubとの連携設計と営業チームへの定着施策が重要であるという点です。
Sales Hubとは、HubSpotのCRMプラットフォーム上で動く営業支援(SFA)ツールです。案件管理・活動管理・見積もり・レポーティングを一元管理できる機能を備えています。SFA(Sales Force Automation) は、営業活動を自動化・効率化するためのシステムであり、見込み顧客から商談、受注までの活動を一括管理します。
HubSpot公式発表によると、HubSpotのカスタマープラットフォームは世界135カ国以上・約238,000社が利用しています(2024年時点)。また、売上500万ドル(約7.5億円)未満の企業セグメントではHubSpotがCRMシェア1位とされており、中堅・中小企業向けに強みを持つツールです。
「Sales Hubに興味はあるが自社に合うプランがわからない」「導入したが営業チームに定着していない」という課題を持つ方に向けて、本記事ではSales Hubの機能・料金・活用のポイントを解説します。
この記事で分かること
- HubSpot Sales Hubの主要機能
- 料金プランの比較と選び方
- 導入のメリット・デメリット
- Sales Hubを活用・定着させるためのポイント
- Sales Hub活用チェックリスト
HubSpot Sales Hubの主要機能
Sales Hubは、営業活動の効率化を支援する多彩な機能を備えています。主要機能を把握することで、自社の営業プロセスにどう活用できるかをイメージできます。
パイプライン管理
パイプライン管理とは、取引の流れをステージに分けて管理する機能です。案件ステージごとの自動タスク生成やリマインドが可能で、商談の進捗を可視化できます。カンバン形式で案件を管理し、営業チーム全体で進捗を共有できる点が特徴です。
リード管理・リードスコアリング
コンタクト情報を一元管理し、見込み客の行動履歴を追跡できます。リードスコアリングは、見込み客の行動履歴や属性に基づいて購買意欲を数値化し、営業へのパス優先度を判定する手法です。Professional以上のプランで利用できます。
Eメールトラッキング
送信したメールの開封やリンクのクリックを追跡できます。見込み客がメールを開封したタイミングで通知を受け取れるため、最適なフォローアップのタイミングを逃しません。
見積もり作成
営業活動の中で見積もり書を作成・送付できます。テンプレートを活用することで、見積もり作成の工数を削減できます。
レポート機能
営業活動のデータを可視化するダッシュボード・レポート機能を備えています。パイプラインの状況、営業担当者ごとの成績、商談の進捗などを分析できます。
AI機能
近年追加されたAI機能として、通話内容の要約機能などが搭載されています。営業活動の記録を効率化し、商談情報の共有を支援します。
HubSpot Sales Hubの料金プラン比較
Sales Hubは、無料プランから大規模組織向けのEnterpriseプランまで、複数の料金プランが用意されています。2025年時点の日本価格を以下にまとめます。
【比較表】HubSpot Sales Hub料金プラン比較表
| プラン | 月額料金(1シートあたり) | 主な機能 | 推奨利用シーン |
|---|---|---|---|
| 無料 | 0円 | コンタクト管理、取引管理、Eメールトラッキング、ミーティング設定 | SFA初導入、小規模チームでの試用 |
| Starter | 約2,400円 | 無料の機能+シンプルな自動化、目標設定 | 小規模営業チーム、基本機能で十分な場合 |
| Professional | 約12,000円 | シーケンス、カスタムレポート、パイプライン自動化、フォーキャスト | 中堅企業、複数パイプライン管理 |
| Enterprise | 約18,000円 | Professionalの機能+高度な権限管理、予測リードスコアリング | 大規模組織、複雑な営業プロセス |
※料金は変動する可能性があります。最新情報はHubSpot公式サイトでご確認ください。
コアシートとは、HubSpotの料金体系で各Hub機能の利用に必要な基本シートです。シート数に応じて料金が変動するため、利用人数に応じたプラン選択が重要です。
導入・運用支援費用の目安
日本でのSales Hub導入・運用支援費用の相場は以下の通りです。
- 小規模初期構築支援: 約50万〜150万円
- 標準〜大規模: 約150万〜500万円
- 継続運用支援: 月額10万〜80万円程度
初期にパートナーと一緒に商談ステージ定義やダッシュボードを構築するパターンが成功しやすい傾向があります。
プラン選択のポイント
- 営業組織の規模: 少人数ならStarterから開始、チーム規模が大きければProfessional以上
- 商談件数: 月間の商談件数が多い場合はパイプライン管理の自動化が有効
- 他部門との連携: Marketing Hubと連携する場合はProfessional以上が推奨
Sales Hub導入のメリット・デメリット
Sales Hub導入を検討する際は、メリットとデメリットを把握した上で判断することが重要です。**よくある誤解として、Sales Hubを導入すれば自動的に営業効率が上がるという考えは誤りです。**運用設計や営業チームへの教育・定着を軽視してしまうと、期待した効果が得られません。
メリット
1. 無料から始められる
無料プランでも基本的なCRM機能が利用でき、小規模チームでの試用に適しています。導入リスクを抑えながら、自社に合うかを確認できます。
2. HubSpot製品との連携
国内MA市場において、HubSpot Marketing Hubは20.3%のシェアを持ち2位に位置しています(2026年調査、1位はBowNow 23.0%)。Marketing Hubと組み合わせることで、マーケティングから営業までの一気通貫の管理が可能です。
3. 直感的なUI
ドラッグ&ドロップでの操作が中心で、専門的なIT知識がなくても利用しやすい設計です。スプレッドシート管理からの移行を目的とした導入も多い傾向があります。
デメリット
1. 高機能プランは費用がかかる
Professional以上のプランは、シート数に応じて費用が増加します。大規模組織では総コストの見積もりが重要です。
2. 定着には教育が必要
導入しただけでは営業チームに定着しないケースがあります。運用ルールの明文化や、段階的な機能導入が求められます。
3. カスタマイズに限界がある場合も
高度なカスタマイズが必要な場合、他のSFAツールの方が適している可能性があります。グローバルCRM市場ではSalesforceがシェア21.7%で1位であり、大企業向けの高度なカスタマイズ性に強みを持っています。
Sales Hubを活用・定着させるためのポイント
Sales Hub導入後に成果を出すには、運用設計と営業チームへの定着施策が重要です。以下のチェックリストを活用して、自社の活用状況を確認してください。
【チェックリスト】Sales Hub活用チェックリスト
- 自社の営業プロセス(リード→商談→受注)を整理した
- 商談ステージの定義を営業チームで合意した
- パイプラインの設定が完了している
- 必須入力項目を決めて、データ入力ルールを明文化した
- 営業担当者への操作トレーニングを実施した
- 週次または月次でのレポート確認を習慣化した
- Marketing Hubとの連携設計を完了した(利用する場合)
- リードスコアリングの基準を設定した(Professional以上)
- シーケンス(自動フォローアップ)を設定した(Professional以上)
- ダッシュボードをカスタマイズし、KPIを可視化した
- 営業会議でSales Hubのデータを活用している
- 定期的に運用ルールを見直す体制がある
- 導入支援パートナーへの相談を検討した
Marketing Hubとの連携設計
Marketing Hubと組み合わせた「マーケ×インサイドセールス×フィールドセールス一気通貫」の利用が増えています。連携設計のポイントは以下の通りです。
- リードスコアリングの連携: Marketing Hubで蓄積した行動データ(Webサイト閲覧、メール開封等)をSales Hubのリードスコアに反映
- MQLからSQLへの引き渡し: マーケティングが育成したリード(MQL)を、スコアが閾値を超えた時点で営業に自動パス
- 情報の一元管理: マーケと営業が同じプラットフォームで顧客情報を共有し、コミュニケーション履歴を把握
営業チームへの定着施策
営業チームへの定着には、段階的なアプローチが効果的です。
優先機能を絞って導入
全機能を一度に使いこなそうとするのではなく、まずはパイプライン管理とEメールトラッキングなど、優先度の高い機能から導入します。活用範囲は段階的に広げていくことが推奨されます。
運用ルールの明文化
「いつ、誰が、何を入力するか」を明確にし、チーム内で共有します。データ入力が属人化しないよう、ルールを明文化することが定着の鍵です。
定期的なレビュー
週次または月次で、Sales Hubのデータを使った営業会議を実施します。ツールを使う習慣をチーム全体で作ることで、定着が進みます。
まとめ|Sales Hubは導入後の運用設計と定着が成功の鍵
本記事では、HubSpot Sales Hubの機能・料金・活用のポイントを解説しました。
Sales Hubは中堅・中小企業向けに強みを持つSFAツールであり、無料プランから始められる点や、HubSpot製品との連携が特徴です。一方で、導入しただけでは成果が出ないため、運用設計と営業チームへの定着施策が重要です。
次のステップとして、以下のアクションを検討してください。
- チェックリストで現状を確認: 本記事のSales Hub活用チェックリストで自社の活用状況を棚卸しする
- プラン選択の判断: 営業組織の規模、商談件数、他部門との連携度に応じてプランを選択する
- Marketing Hubとの連携設計: マーケから営業までの一気通貫の管理を検討する
- 専門家への相談: 導入支援や運用設計について、実務経験のある専門家に相談することも有効な選択肢です
HubSpot Sales Hubは営業活動の効率化に有効なツールですが、導入効果を最大化するには機能理解だけでなく、Marketing Hubとの連携設計と営業チームへの定着施策が重要です。チェックリストを活用して、自社のSales Hub活用を改善してください。
