HubSpotメリット・デメリット|導入成功の運用設計ポイント

著者: B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部公開日: 2026/1/1513分で読めます

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HubSpot導入で「使われないツール」にしないために

意外かもしれませんが、HubSpot導入を成功させるには、機能やメリット・デメリットの比較だけでなく、導入後の運用体制設計とMA/SFA連携の活用計画を事前に整えることで、「導入したが使われない」事態を防ぐことが重要です。

HubSpotとは、CRMを基盤とした統合型カスタマープラットフォームで、マーケティング・営業・サービス・CMS・業務効率化を一元管理できるツールです。MAの国内シェアでは20.3%を占め第2位(2025年時点)、年間経常収益500万ドル(約7億5,000万円)未満の企業規模ではCRM市場でトップシェアを占めるなど、中小企業を中心に導入が広がっています。

しかし、導入企業が増える一方で「導入したが結局使われていない」という声も少なくありません。過去にMAやCRMを導入したものの活用しきれなかった経験をお持ちの方は、HubSpotでも同じことが起きるのではないかと不安を感じているかもしれません。

この記事で分かること

  • HubSpotの主要機能と料金プランの概要
  • メリット・デメリットの客観的な比較
  • 導入を成功させるための運用設計ポイント
  • 自社にHubSpotが合うかを判断するためのチェックリスト

HubSpotの概要と主要機能

HubSpotは世界135カ国以上で約268,000社に導入されている(2025年時点)統合型カスタマープラットフォームです。CRMを中核として、Marketing Hub、Sales Hub、Service Hub、CMS Hub、Operations Hubの5つの製品群で構成されています。

オールインワンプラットフォームとは、CRM、MA、SFA、カスタマーサービス機能を一つのプラットフォームで統合提供する形態を指します。HubSpotはこの代表例であり、複数のツールを連携させる手間なく、顧客データを一元管理できることが特徴です。

CRMを基盤とした統合プラットフォーム

HubSpotの製品構成は、無料CRMを基盤として各Hubが機能を拡張する形になっています。

Marketing Hubは、HubSpotのマーケティング自動化ツールです。リード獲得、メール配信、ナーチャリングを自動化し、見込み客の行動を可視化できます。ランディングページ作成、フォーム設置、広告管理なども含まれます。

Sales Hubは、営業支援ツールです。商談管理、見積作成、営業レポートを提供し、営業活動の効率化を支援します。メールのトラッキングやミーティング予約機能も利用できます。

このオールインワン構造により、マーケティングで獲得したリードを営業にシームレスに引き渡し、顧客対応まで一貫して管理できます。ただし、全機能を使いこなすには相応の学習コストがかかる点は認識しておく必要があります。

料金プランの概要

HubSpotの料金プランは、無料版、Starter、Professional、Enterpriseの4段階に分かれています。

無料版では基本的なCRM機能に加え、各Hubの基本機能を利用できます。Starterは小規模チーム向けで、広告除去や機能制限の緩和が含まれます。Professionalは本格的なマーケティングオートメーションや営業管理機能が使えるプラン、Enterpriseは大規模組織向けの高度な機能を提供します。

料金体系は利用するHub、プラン、コンタクト数などによって変動するため、具体的な金額は公式サイトで最新情報を確認することをお勧めします。無料版から始められる点は導入のハードルを下げますが、スケールアップ時のコスト増加についても事前に把握しておくことが重要です。

HubSpotの主なメリット

HubSpot導入を検討する際、メリットを正しく理解することは重要です。ここでは、客観的なデータをもとにHubSpotの強みを整理します。

HubSpot Japan設立(2016年)から5年間で有料顧客数が約15倍、従業員数が約5倍に増加(2021年時点)しており、日本市場でも急速に普及が進んでいます。また、年間経常収益500万ドル(約7億5,000万円)未満の企業規模ではCRM市場でトップシェアを占めており、中小企業との親和性の高さがうかがえます。

【比較表】HubSpot メリット・デメリット比較表

観点 メリット デメリット・注意点
導入のしやすさ 無料CRMから始められる 有料プランへの移行時にコスト増加
機能の統合性 CRM・MA・SFAが一元管理できる 全機能の習熟に時間がかかる
データ連携 ツール間のデータ連携が不要 他ツールとの連携には設定が必要
スケーラビリティ 企業成長に合わせて機能追加可能 スケールアップ時の総コストが増加
サポート体制 日本法人があり日本語サポートあり 一部機能・ドキュメントは英語中心
学習リソース 無料の教育コンテンツが充実 体系的な学習には時間投資が必要
カスタマイズ性 ワークフローなど柔軟に設定可能 高度なカスタマイズには専門知識が必要

オールインワンによる運用効率化

HubSpotの最大の強みは、CRM・MA・SFAが統合されていることによる運用効率化です。

従来、マーケティングと営業で別々のツールを使用している場合、データ連携の設定や手動でのデータ転記が必要になることがありました。HubSpotでは、リードの獲得から商談、顧客対応まで一つのプラットフォーム上で完結するため、このような手間が軽減されます。

たとえば、Webサイトでフォーム送信したリードの行動履歴を営業担当者がそのまま確認でき、適切なタイミングでアプローチできるようになります。また、マーケティングと営業のデータが統合されることで、どのマーケティング施策が商談につながったかを追跡しやすくなります。

ただし、このメリットを享受するには、各部門が同じプラットフォームを使いこなす必要があり、組織全体での学習と運用ルールの整備が求められます。

無料CRMから始められる導入のしやすさ

HubSpotは無料版でも基本的なCRM機能を利用できるため、コストをかけずに試すことができます。

無料版では、コンタクト管理、取引パイプライン、タスク管理、レポートダッシュボードなどの基本機能が使えます。小規模なチームであれば、無料版だけでも顧客管理の基盤を構築できる場合があります。

無料版から始めて成果を確認しながら、必要に応じてStarterやProfessionalプランにアップグレードするアプローチは、投資対効果を確認しながら進められるため合理的です。導入前にトライアル期間を設け、主要な担当者が基本操作を習得できるか検証しておくことをお勧めします。

HubSpotのデメリットと導入時の注意点

HubSpot導入を検討する際は、デメリットや注意点も正しく理解しておく必要があります。

HubSpot Japan調査によると、マーケターの生成AI活用率は81.6%に達する一方、顧客行動変化に対応できたのは24%のみという結果が出ています(2025年10月調査、787名対象)。この数字は、ツールを導入しただけでは成果に直結しないことを示唆しています。

**よくある失敗パターンとして、HubSpotの機能やメリット・デメリットだけを比較して導入を決め、導入後の運用体制や入力ルール、部門間連携の設計を後回しにするケースがあります。**この場合、ツールが活用されずに形骸化してしまうリスクが高まります。導入前の機能比較に時間をかける一方で、「誰が」「どのように」使うのかを決めないまま導入すると、結局データが入力されず、活用が進まないという事態に陥りがちです。

スケールアップ時のコスト増加

無料版やStarterプランから始めた場合、機能拡張やコンタクト数の増加に伴いコストが増加します。

ProfessionalプランやEnterpriseプランに移行すると、月額費用が大きく上がることがあります。また、コンタクト数が増えると追加料金が発生する料金体系のため、想定より総コストが高くなるケースも報告されています。

料金プランは変更されることがあるため、導入検討時には公式サイトで最新の料金体系を確認し、将来的な利用規模を見据えた費用シミュレーションを行うことをお勧めします。

全機能の学習曲線と定着までの時間

オールインワンプラットフォームの特性上、全機能を使いこなすには相応の学習時間が必要です。

HubSpotは機能が豊富なため、各Hubの機能を理解し、自社の業務フローに合わせて設定するには時間がかかります。また、組織全体で活用するには、関係者全員がある程度の操作スキルを身につける必要があります。

HubSpotは無料の教育コンテンツ(HubSpot Academy)を提供していますが、体系的に学習するには時間投資が求められます。導入前にトライアル期間を設け、主要な担当者が基本操作を習得できるか検証しておくことが重要です。

HubSpot導入を成功させる運用設計のポイント

導入を成功させる鍵は、ツールの機能比較だけでなく、導入後の運用体制設計にあります。HubSpotはマーケティング領域で3,233社の顧客ドメイン数を持ち、多くの企業が活用していますが、成果を出している企業には共通点があります。

それは、導入前に運用体制と活用計画を明確にしていることです。以下のチェックリストを参考に、自社の準備状況を確認してみてください。

【チェックリスト】HubSpot導入前 自社適性チェックリスト

  • 導入目的(リード獲得強化、営業効率化など)が明確になっている
  • 運用責任者が決まっている
  • データ入力担当者が明確になっている
  • 入力ルール(いつ、誰が、何を入力するか)を決める予定がある
  • マーケティング部門と営業部門の連携体制がある、または構築予定
  • MQL(マーケティング有望リード)の定義を決められる
  • SQL(営業有望リード)の定義を決められる
  • リードの引き渡し基準を設計できる
  • 定期的な運用ミーティングの時間を確保できる
  • 既存の顧客データを整理・移行する担当者がいる
  • 導入後の活用状況を振り返る仕組みを作れる
  • トライアル期間を設けて検証する予定がある
  • 学習時間を確保できる(HubSpot Academyなど)
  • 社内でツール導入の意思決定者の承認を得ている
  • 導入後1-3ヶ月の短期目標を設定できる

上記のチェック項目のうち、10個以上に対応できる見込みがあれば、HubSpot導入の準備は進んでいると言えます。5個未満の場合は、先に運用体制の整備から着手することをお勧めします。

導入前に整えるべき運用体制

運用体制の整備で特に重要なのは、「誰が」「いつ」「何を」入力・管理するかを明確にすることです。

まず、運用責任者を決めます。ツール全体の管理、設定変更、問題発生時の対応窓口となる担当者が必要です。次に、日常的なデータ入力を誰が行うかを決めます。営業担当者が商談情報を入力する、マーケティング担当者がキャンペーン設定を行うなど、役割分担を明確にします。

入力ルールの標準化も重要です。たとえば、リードの情報をいつまでに入力するか、どの項目を必須とするか、ステータスの定義は何かなど、具体的なルールを決めておきます。これがないと、データの品質にばらつきが生じ、分析や活用が難しくなります。

また、定期的な運用ミーティングの場を設けることで、活用状況の振り返りや改善を継続的に行えます。

マーケティングと営業の連携設計

HubSpotの価値を最大化するには、マーケティングと営業の連携設計が欠かせません。

まず、MQL(Marketing Qualified Lead:マーケティング有望リード)とSQL(Sales Qualified Lead:営業有望リード)の定義を明確にします。たとえば、「資料ダウンロード後にメール開封2回以上でMQL」「電話で予算と導入時期を確認できたらSQL」といった具体的な基準を設定します。

次に、リードの引き渡し基準とプロセスを決めます。MQLになったリードを営業にどのタイミングで、どのような情報とともに引き渡すかを明確にします。HubSpotのワークフロー機能を使えば、この引き渡しを自動化することも可能です。

さらに、定期的な振り返りの仕組みを作ります。引き渡したリードがどの程度商談化しているか、商談化率が低い場合は何が原因かをマーケティングと営業で共有し、基準や施策を改善していきます。

HubSpotは自社に合うか?判断のまとめ

HubSpotはMAの国内シェア20.3%で第2位(2025年時点)を占め、多くの企業が導入しています。しかし、導入企業が多いことと、自社で活用できることは別の話です。

向いている企業の特徴

  • CRM・MA・SFAを統合管理したい
  • 無料版から小さく始めて段階的に拡大したい
  • マーケティングと営業の連携を強化したい
  • 運用体制を整備するリソースがある

導入前に検討が必要な企業の特徴

  • 運用担当者を確保できない
  • 入力ルールや連携設計を後回しにしがち
  • 短期間で劇的な成果を期待している

繰り返しになりますが、HubSpot導入を成功させるには、機能やメリット・デメリットの比較だけでなく、導入後の運用体制設計とMA/SFA連携の活用計画を事前に整えることが重要です。ツールの機能比較に終始せず、「導入後に誰がどう使うか」を具体的に設計することで、「導入したが使われない」事態を防ぐことができます。

次のステップとして推奨されるアクション

  1. 無料版でトライアルを実施し、基本操作と学習コストを確認する
  2. 本記事のチェックリストで自社の準備状況を確認する
  3. 運用体制・入力ルール・連携設計を事前に整理する
  4. 必要に応じて導入支援パートナーへの相談を検討する

HubSpotは適切に運用すれば、マーケティングと営業の連携強化に貢献するツールです。導入の成否を分けるのは、機能の優劣ではなく、運用設計の有無です。

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よくある質問

Q1HubSpotは無料で使えますか?

A1HubSpotは無料CRMを提供しており、基本的な顧客管理機能は無料で利用できます。コンタクト管理、取引パイプライン、タスク管理などの基本機能が含まれます。ただし、Marketing HubやSales Hubの高度な機能(マーケティングオートメーション、詳細なレポートなど)は有料プランが必要です。無料版から始めて、必要に応じて段階的にアップグレードする企業が多いです。

Q2HubSpotの導入にはどのくらいの期間がかかりますか?

A2導入期間は企業規模や運用範囲により異なります。無料CRMの基本設定自体は数日で完了できますが、本格的な運用定着には、運用体制の整備、入力ルールの浸透、担当者の教育などを含めて一定期間が必要です。まずはトライアルで基本操作を確認し、並行して運用体制を整備することをお勧めします。

Q3HubSpotは中小企業でも導入できますか?

A3中小企業との親和性は高いです。年間経常収益500万ドル(約7億5,000万円)未満の企業規模ではHubSpotがCRM市場でトップシェアを占めています。無料版から始められる導入のしやすさや、企業成長に合わせて段階的に機能を追加できる柔軟性が支持されています。

Q4HubSpotを導入したのに活用できないケースはなぜ起きますか?

A4導入後に活用が進まない主な原因は、運用体制や入力ルール、部門間連携の設計が後回しになることです。機能比較だけで導入を決め、「誰が」「いつ」「何を」入力するかを決めないまま導入すると、データが蓄積されず形骸化しやすくなります。HubSpot Japan調査でも、マーケターの生成AI活用率は81.6%に達する一方、顧客行動変化に対応できたのは24%のみという結果があり、ツール導入だけでは成果につながらないことがわかります。事前の運用設計が成功の鍵です。

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B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部

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