BtoB企業がX営業に取り組むべき背景と本記事の目的
結論から言えば、BtoB営業でX(旧Twitter)を成果につなげるには、投稿やDM活用だけでなく、獲得したリードをMA/SFAに連携して商談化する仕組みを設計することが重要であり、運用設計から実装まで専門家の支援を活用することで成果を加速できます。
日本国内のXユーザー数は2025年5月時点で6,800万人以上に達しており、BtoB企業にとってテレビCMや雑誌では届きにくい企業担当者層にアプローチできる有力なチャネルとなっています。国内企業を対象とした調査では、SNSが売上につながるチャネルと考える割合が約80%という結果も出ており、BtoB領域でもX活用への関心が高まっています。
この記事で分かること
- X営業(ソーシャルセリング)の基本概念と従来営業との違い
- BtoB向けX営業の実践手法と成功事例
- X営業で獲得したリードをMA/SFAに連携し商談化する具体的な設計方法
- 自社運用の限界を超えるための専門家活用の判断基準
しかし、多くの企業がX営業を始めても、投稿やDM送信に終始してしまい、獲得したリードを商談につなげられていないのが実情です。本記事では、X単独運用で終わらせず、MA/SFA連携で商談化につなげるための設計を解説します。
X営業(ソーシャルセリング)とは|基本概念と従来営業との違い
X営業(ソーシャルセリング) とは、X(旧Twitter)を活用して見込み顧客との関係構築・商談獲得を行う営業手法です。従来のテレアポや飛び込み営業とは異なり、継続的な情報発信を通じて信頼関係を構築してからアプローチする点が特徴です。
従来営業との大きな違いは、「売り込み」ではなく「課題解決視点の発信」が重要になることです。見込み顧客が抱える課題に対して有益な情報を継続的に発信し、専門性を可視化することで、顧客側から問い合わせが来る仕組みを作ります。
参考情報として、2015年のガイアックス調査(Web担当者330名対象)では、BtoB企業のソーシャルメディア活用率は68.9%、Xの効果高評価率は37.5%(2位)という結果が報告されています。調査から時間が経過しているため、現在のSNS利用状況とは異なる可能性がありますが、当時からBtoB領域でもX活用が有効と認識されていたことがわかります。
エンゲージメントとは、SNS上でのいいね・リポスト・コメントなど、ユーザーとの相互作用の総称です。X営業ではこのエンゲージメントを通じて見込み顧客との接点を作り、関係性を深めていきます。
X営業が有効なBtoB業種・商材の特徴
X営業がすべてのBtoB企業に有効というわけではありません。ターゲットとなる企業担当者がXを日常的に利用していることが前提となります。
X営業が有効な業種・商材の特徴として、以下が挙げられます。
- IT・SaaS系企業:エンジニアやマーケターがX上で活発に情報収集している
- マーケティング支援サービス:マーケティング担当者がトレンド情報をXで追っている
- 人事・採用支援サービス:人事担当者が採用トレンドや事例をXで収集している
- 経営コンサルティング:経営者層がビジネス情報をXで収集している
ペルソナとは、マーケティングにおける理想的な顧客像です。X運用では、このペルソナを明確に定義することで、投稿内容を最適化し、ターゲットに響く発信ができるようになります。
BtoB向けX営業の基本手法|投稿・DM・フォロワー獲得
BtoB向けX営業の基本手法は、「投稿による信頼構築」「フォロワー獲得」「DMによるアプローチ」の3つです。しかし、ここで多くの企業が陥る失敗パターンがあります。
よくある失敗パターン:投稿やDM送信に終始し、獲得したリードをMA/SFAに連携せず放置してしまうと、せっかくの接点が商談につながらず「やっても意味がない」という結論に陥りやすいのです。
X営業で重要なのは、単に投稿やDMを送ることではなく、獲得したリードを商談化につなげる導線を設計しておくことです。
投稿においては、売り込み型の内容ではなく、ターゲットが抱える課題に対する解決策や知見を発信することが重要です。専門性を継続的に可視化することで、「この人(企業)に相談したい」という信頼を獲得します。
DM(ダイレクトメッセージ) とは、Xで個別にメッセージを送る機能で、BtoB営業では商談アポイント取得に活用されます。ただし、スパムDM的な手法は炎上リスクがあり推奨しません。関係性を構築してからのアプローチが効果的です。
継続発信とエンゲージメント獲得のコツ
X営業は始めてすぐに効果が出るものではありません。継続的な運用が成果を出すための必須条件です。
エンゲージメント獲得のコツとして、以下のポイントが挙げられます。
- 親しみやすい投稿で人間味を出す
- 相互フォロー・いいね・リプライで関係性を構築する
- ハッシュタグを活用して新規ユーザーへのリーチを拡大する
- 専門的な知見と日常の投稿をバランスよく組み合わせる
リポスト(リツイート) とは、Xの投稿を再共有する機能です。拡散力が高く、BtoB営業での認知拡大に有効な手段となります。有益なコンテンツを発信することで、フォロワーによる自発的なリポストを促し、認知を拡大できます。
BtoB X営業の成功事例と成熟度レベル
X営業で成果を出している企業の事例を紹介します。なお、SNS運用の成功事例は企業発表や自己申告ベースが中心で、第三者検証がないケースが多い点にご留意ください。
Yahoo!マーケティングソリューションは、ペルソナ設定に基づいてターゲットニーズに沿った発信を行い、2021年2月末時点でフォロワー18,000人超を達成したと報告されています(企業発表データであり、第三者検証はされていない)。
タイムリープ社はSNS経由で営業開始2日後に大手コンサルファームとの商談を獲得し、1週間後に契約を達成した事例があります。
また、適切な戦略を実施したBtoB SNS運用で、2ヶ月でフォロワー8,000人増を達成した事例も報告されています。BOTANICO社はX運用開始約6ヶ月でフォロワー4,000人を突破し、月3〜5件の安定した問い合わせ獲得を実現しています。
【比較表】X営業成熟度レベル別対応表
| レベル | 状態 | 課題 | 次のアクション |
|---|---|---|---|
| Lv.1 初期 | アカウント開設・投稿開始 | 何を投稿すべきかわからない | ペルソナ定義と投稿テーマ設計 |
| Lv.2 発信 | 定期投稿を継続中 | フォロワーが増えない | エンゲージメント施策の実施 |
| Lv.3 認知 | フォロワー獲得・認知拡大 | 問い合わせにつながらない | プロフィール・導線の最適化 |
| Lv.4 獲得 | 問い合わせが発生 | リード管理ができていない | MA/SFA連携の設計 |
| Lv.5 連携 | MA/SFAにリード連携 | 商談化率が低い | ナーチャリング設計の最適化 |
| Lv.6 最適化 | 商談化の仕組みが稼働 | さらなる効率化が必要 | 専門家支援による改善 |
成果が出ている企業の共通点
成功事例から導き出される共通点は、以下の3つです。
- 売り込みではなく課題解決視点の発信:ターゲットの課題に寄り添った情報発信を継続している
- 継続運用の徹底:短期的な成果を求めず、中長期で信頼を積み上げている
- 問い合わせ導線の設計:フォロワー増加と問い合わせ導線を分断せず、プロフィール・投稿からの導線を最適化している
X営業で獲得したリードをMA/SFAに連携し商談化する設計
X営業の真の価値は、獲得したリードを商談化につなげることにあります。投稿やDMで接点を作っても、その後の導線が設計されていなければ成果にはつながりません。
リード獲得から商談化までの設計ポイントは以下の通りです。
- プロフィール最適化:プロフィールにWebサイトや問い合わせフォームへのリンクを設置
- 投稿からの導線設計:有益なコンテンツ投稿の末尾に、関連資料やサービスページへの誘導を配置
- フォーム経由のリード連携:問い合わせフォーム経由で獲得したリード情報をMA/SFAに自動連携
- DM経由のリード管理:DM経由のリードは手動でMA/SFAに登録、または専用ツールで連携
【チェックリスト】BtoB X営業 MA/SFA連携設計チェックリスト
- ペルソナ(理想的な顧客像)が明確に定義されている
- 投稿テーマと発信頻度のルールが決まっている
- プロフィールにWebサイト・問い合わせ導線が設置されている
- 投稿から問い合わせフォームへの導線が設計されている
- 問い合わせフォームとMA/SFAの自動連携が設定されている
- DM経由のリードをMA/SFAに登録するルールが決まっている
- リードのスコアリング基準が定義されている
- ナーチャリングシナリオ(メール配信等)が設計されている
- 商談化の条件と営業への引き渡しルールが決まっている
- 運用KPI(フォロワー数、エンゲージメント率、問い合わせ数、商談化数)が設定されている
- 定期的な振り返りと改善のサイクルが回っている
- 運用担当者のリソースと権限が明確になっている
- 炎上リスク対策(投稿ガイドライン、対応フロー)が整備されている
- 競合・業界動向のモニタリング体制がある
- 成功事例・ナレッジの社内共有体制がある
専門家支援を活用すべきタイミングと判断基準
自社運用には限界があります。以下のような状況では、専門家の支援を活用することで成果を加速できます。
専門家支援を検討すべきタイミング
- 運用開始から3〜6ヶ月経過してもフォロワーや問い合わせが増えない
- MA/SFA連携の設計・実装に社内リソースが不足している
- 投稿内容やタイミングの最適化ノウハウがない
- 競合他社のX活用に遅れを取っている
運用設計から実装まで専門家の支援を活用することで、試行錯誤の時間を短縮し、成果を加速できます。特にMA/SFA連携の設計は専門的な知識が必要となるため、自社で対応が難しい場合は外部支援の活用を検討することをおすすめします。
まとめ:X営業はMA/SFA連携で商談化につなげて成果を出す
本記事では、BtoB企業がX(旧Twitter)を営業活動に活用する方法を、基本概念から実践手法、MA/SFA連携による商談化設計まで解説しました。
要点の整理
- X営業(ソーシャルセリング)は、継続的な情報発信で信頼を構築し、商談獲得につなげる手法
- 投稿やDM送信だけで終わらせず、獲得したリードをMA/SFAに連携する設計が重要
- 成功企業は「課題解決視点の発信」「継続運用」「導線設計」の3点を徹底している
- 自社運用の限界を感じたら、専門家支援の活用で成果を加速できる
次のアクションとして、本記事で紹介した「BtoB X営業 MA/SFA連携設計チェックリスト」を活用し、自社のX営業設計を見直してみてください。
BtoB営業でX(旧Twitter)を成果につなげるには、投稿やDM活用だけでなく、獲得したリードをMA/SFAに連携して商談化する仕組みを設計することが重要です。運用設計から実装まで専門家の支援を活用することで成果を加速できます。
