BtoB向けLPで「リードは来るが商談化しない」問題が起きる理由
BtoB向けランディングページとは何か。BtoB向けLPは制作・デザインだけでなく、獲得リードをMA/SFA連携で商談化につなげるファネル全体設計が成果の鍵であり、専門家と連携することで「動く仕組み」として実装できます。
ランディングページ(LP) とは、検索結果や広告から流入したユーザーが最初にアクセスする着地ページです。特定のコンバージョンに絞った構成で行動を促します。CVR(コンバージョン率) は、訪問者数に対するコンバージョン(資料請求・問い合わせなど)の割合で、計算式は「CV数÷訪問者数×100」です。
約6割のBtoB企業が2025年度のWeb広告予算を増額予定であり、検索連動型広告29.8%、SNS広告29.5%、ディスプレイ広告17.4%が上位となっています。しかし、BtoB企業のWeb広告の課題は「費用対効果の向上」が47.2%、「質の高いリード獲得」が46.2%と上位に挙げられています。
多くの企業がLP制作に投資しながらも「リードは獲得できるが商談化しない」という課題を抱えている背景には、LP制作・公開をゴールとし、獲得リードのMA/SFA連携や育成設計を後回しにしてしまうという失敗パターンがあります。
この記事で分かること
- BtoB向けLPの特徴とBtoCとの違い、設計の前提知識
- CVR改善のための具体的な構成ポイントとフォーム設計
- LP制作アプローチの比較(テンプレート・ツール・フルスクラッチ)
- LP獲得リードをMA/SFA連携で商談化する設計方法
- BtoB LP設計チェックリスト
BtoB向けLPの基本とBtoCとの違い|意思決定プロセスの理解
BtoB向けLPは、複数人の意思決定者が関与し検討期間が長いという特徴を持つため、BtoCとは異なる設計アプローチが必要です。
BtoBサイトの平均CVRは、リスティング広告経由で3.04%、ディスプレイ広告経由で0.80%とされています(Google広告ベンチマーク、WordStream社2025年調査)。また、リードジェネレーションLPの平均CVRは2.35〜5.31%という報告もあります。ただし、これらはグローバルデータであり、日本市場との乖離がある可能性がある点にご留意ください。
ファーストビュー(FV) とは、LPにアクセスした際にスクロールせずに見える最初の画面領域です。キャッチコピー・CTA・信頼要素を配置します。CPL(Cost per Lead) は、1件のリード獲得にかかった広告費用で、計算式は「広告費÷リード獲得数」です。
BtoBでは、担当者が上司や経営層に提案する際の材料となるため、即時購入を促すBtoCとは異なり、次のステップ(資料請求・問い合わせ)への誘導が主目的となります。
BtoB LPで重視すべき要素|信頼性・具体性・次のアクション
BtoB LPでは、以下の要素が特に重要です。
- 導入実績・ロゴ: 社会的証明として、導入企業数や業界ロゴを掲載
- 継続率・顧客満足度: 定量的な指標で信頼性を示す
- ROI根拠: 導入による効果を具体的な数値で説明
- 競合比較: 担当者が上司に説明できる差別化ポイント
BtoCと違い、BtoB LPでは「担当者が上司に説明できる材料」が必要です。感情に訴えるだけでなく、論理的な説得材料を用意することが求められます。
成果を出すBtoB LP構成のポイント|CVR改善の実践手法
BtoB LPでCVRを改善するためには、「1ページ1ゴール」の原則を徹底し、ナビゲーションや別導線を極力排除してCTAに集中させることが重要です。
LPO(Landing Page Optimization) とは、ランディングページのCVRを改善するための最適化施策です。ABテスト・構成変更・フォーム改善などを含みます。
ある調査によると、LPフォーム項目数とCVRの関係では、3項目以下でCVR25〜30%(離脱率20%)、4〜6項目でCVR15〜20%(離脱率35%)という傾向が報告されています。フォーム項目を増やすほど離脱率が上昇する傾向があるため、必要最小限の項目に絞ることが推奨されます。
また、BtoBサービスの資料請求LPでヘッダーナビを排除し「資料ダウンロードボタン」のみに絞ったところ、CVRが15%から32%に改善(約2.1倍)した事例もあります。ただし、これは特定条件下の結果であり、すべてのケースで同様の効果が得られるとは限りません。
ファーストビューとフォーム設計の最適化
ファーストビューには、以下の要素を配置することが効果的とされています。
- キャッチコピー: ターゲットの課題を端的に表現
- ベネフィット: 得られる価値を明確に提示
- CTA: 「資料請求」「お問い合わせ」など明確なアクション
- 信頼要素: 導入実績数、ロゴなど
フォーム設計では、「会社名・氏名・メール」の3項目に絞ることでCVR改善が期待できます。「担当部署」「役職」「導入予定時期」など聞きたい項目を増やすと離脱率が大幅に悪化する傾向があるため、リードの質とCVRのバランスを検討する必要があります。
LP制作アプローチの比較|テンプレート・ツール・フルスクラッチ
LP制作には、テンプレート利用、ノーコードツール、フルスクラッチ開発の3つのアプローチがあります。それぞれコスト・スピード・カスタマイズ性・MA/SFA連携性で特徴が異なります。
【比較表】LP制作アプローチ比較表
| アプローチ | 初期コスト | 制作期間 | カスタマイズ性 | MA/SFA連携 | 推奨ケース |
|---|---|---|---|---|---|
| テンプレート利用 | 低(数万円〜) | 短(数日〜) | 低 | 制限あり | 初回テスト、予算限定 |
| ノーコードツール | 中(月額数千円〜) | 中(1〜2週間) | 中 | ツール依存 | 内製運用、ABテスト重視 |
| フルスクラッチ | 高(数十万円〜) | 長(1ヶ月〜) | 高 | 柔軟 | ブランド重視、複雑な連携 |
| ハイブリッド | 中〜高 | 中 | 中〜高 | 柔軟 | 段階的な拡張を想定 |
※コスト・期間は目安であり、要件により変動します。
MA/SFA連携を含めたファネル全体設計が必要な場合は、実装力を持つ専門家と連携することで、単なるLP制作ではなく「動く仕組み」として構築できます。
LP獲得リードをMA/SFA連携で商談化する設計|ファネル全体最適化
よくある失敗パターンとして、BtoB向けLPを制作・公開することがゴールになり、獲得リードのMA/SFA連携や育成設計を後回しにして「リードは来るが商談化しない」状態に陥ることがあります。この考え方は誤りです。
BtoB企業経営者のリード獲得施策はSNS36.4%、広告29.0%、展示会27.1%が上位となっています(2025年調査、107社対象)。これらの施策で獲得したリードをMA/SFAで一元管理し、育成・商談化につなげる設計が不可欠です。
LP獲得リードの商談化設計では、以下のポイントを押さえる必要があります。
- リードスコアリング: 行動データに基づいてリードの優先度を自動判定
- ナーチャリングシナリオ: フォームCVから商談化までのメール配信設計
- 営業連携: ホットリード発生時の通知・引き渡しルール
- 効果測定: LP別・流入元別のCVR・商談化率トラッキング
【チェックリスト】BtoB LP設計チェックリスト
- ターゲットペルソナを明確に定義している
- LPのゴール(CV)を1つに絞っている
- ファーストビューにキャッチコピー・ベネフィット・CTAを配置している
- 導入実績・ロゴなど社会的証明を掲載している
- フォーム項目を必要最小限(3項目以下推奨)に絞っている
- ヘッダーナビゲーションを排除している
- スマートフォン対応(レスポンシブ)を確認している
- MA/SFAとのデータ連携設定を完了している
- リードスコアリングルールを設定している
- ナーチャリングシナリオ(ステップメール)を設計している
- ホットリード発生時の営業通知ルールを設定している
- LP別・流入元別のCVRトラッキングを設定している
- ABテストの計画を立てている
- 定期的なCVR改善サイクルを設計している
- 商談化率のKPIを設定している
まとめ:BtoB LPは制作ではなく「動く仕組み」として設計する
本記事では、BtoB向けランディングページの設計から商談化までの一気通貫アプローチを解説しました。
主要ポイントの整理
- BtoB LPは複数人の意思決定者が関与するため、担当者が上司に説明できる材料(導入実績・ROI根拠)が重要
- BtoBサイトの平均CVRはリスティング広告経由で3.04%、ディスプレイ広告経由で0.80%が目安(グローバルデータ)
- フォーム項目は3項目以下に絞るとCVR改善が期待できる
- LP制作アプローチはテンプレート・ノーコードツール・フルスクラッチから選択
- LP獲得リードはMA/SFA連携で育成・商談化設計が不可欠
BtoB向けLPは制作・デザインだけでなく、獲得リードをMA/SFA連携で商談化につなげるファネル全体設計が成果の鍵です。LP制作で終わらない「動く仕組み」として設計・運用することで、リード獲得から商談化までの成果を最大化できます。
まずは本記事のチェックリストで自社LPの現状を確認し、改善ポイントを洗い出してみてください。ファネル全体設計を含めた専門的な支援が必要な場合は、実装力を持つ専門家への相談も検討してみてください。
