API連携設計の基本|REST/SOAP/Webhookの比較と成功のポイント

著者: B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部公開日: 2026/1/1810分で読めます

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システム間連携の課題とAPI連携設計の重要性

API連携設計の基本を理解し、自社での実現可否と外部支援の必要性を判断できるようになるために必要なのは、設計段階だけでなく実装・運用まで見据えた一貫した視点であり、設計から実装まで対応できる専門家の支援が効果的です。

この記事で分かること

  • API連携の基本概念と主要な連携方式(REST/SOAP/Webhook)の違い
  • API連携設計で起こりがちな失敗パターンと、その回避方法
  • 設計から実装まで成功させるための基本手順とチェックリスト
  • MA/SFA連携を例にした実践的な設計ポイント

API(Application Programming Interface) とは、異なるソフトウェアやシステム間でデータや機能の交換・統合を実現するためのインターフェース仕様です。MA/SFAを導入している企業では、システム間でデータが繋がっていないことによる業務の非効率さを感じているケースが多いのではないでしょうか。

日本のAPI管理市場規模は2024年に8億1,970万米ドル、2033年までに37億1,080万米ドルに達し、2025-2033年のCAGRは16.3%と予測されています(IMARC Group調査、商用調査会社の予測値であり公的統計ではない)。DX推進の流れの中で、API連携の重要性は年々高まっています。

グローバル市場に目を向けると、API統合プラットフォーム市場は2024年に63億4,000万米ドル規模とされ、2032年までに246億9,000万米ドル(CAGR 18.50%)に成長する見込みです(Global Information調査、グローバル市場の予測値であり日本市場への直接適用には注意が必要)。

しかし、API連携は「設計書を作れば自動的にデータが繋がる」というものではありません。設計から実装まで見据えた一貫した計画がなければ、プロジェクトが頓挫するリスクがあります。

API連携の基本概念と主要な連携方式

API連携を成功させるためには、まず主要な連携方式の特徴を理解し、自社の要件に合った方式を選択することが重要です。代表的な連携方式として、REST API、SOAP、Webhookの3つがあります。

【比較表】API連携方式の比較表(REST/SOAP/Webhook)

方式 特徴 データ形式 適したユースケース 導入難易度
REST API リソース指向、HTTPメソッド活用 JSON/XML Webサービス連携、モバイルアプリ 低〜中
SOAP XMLベース、厳密な仕様 XML 金融系、基幹システム連携
Webhook イベント駆動型、プッシュ通知 JSON リアルタイム通知、自動化連携

REST APIは、Representational State Transferの原則に基づくAPI設計方式です。リソース指向でHTTPメソッドを使い分けるため、Webとの親和性が高く、現在最も普及している方式と言われています。

ステートレスとは、REST APIの原則の一つで、各リクエストに必要な情報がすべて含まれ、サーバー側で状態を保持しない設計を指します。この特性により、サーバーの負荷分散が容易になります。

エンドポイントとは、APIがリクエストを受け付けるURLのことです。リソースへのアクセス先を定義し、クライアントはこのURLに対してリクエストを送信します。

REST APIの設計原則

REST APIを設計する際の基本原則として、URLには名詞を使用し「何に対して操作するか」を明確に表現することが推奨されています。例えば、顧客情報を取得するAPIであれば /customers のように、リソースを名詞で表現します。

HTTPメソッドの使い分けは以下が一般的です。

  • GET: データの取得(顧客一覧の取得など)
  • POST: 新規データの作成(顧客の新規登録など)
  • PUT: 既存データの更新(顧客情報の更新など)
  • DELETE: データの削除(顧客情報の削除など)

これらのメソッドを適切に使い分けることで、一貫性のあるAPI設計が可能になります。技術者だけでなく、マーケティング担当者もこの基本を理解しておくと、システム連携の要件定義がスムーズになります。

API連携設計のメリットと導入時のリスク

API連携を適切に設計・実装することで、システム間のデータ連携が自動化され、手作業による入力ミスの削減や業務効率の向上が期待できます。一方で、設計不足によるリスクも存在します。

iPaaS(Integration Platform as a Service) とは、クラウドベースのシステム統合プラットフォームで、異なるシステム間のAPI連携を効率化するサービスです。

実際に、API連携を含むシステム統合で大きな問題が発生した事例があります。

江崎グリコは2024年4月にERPビッグバン移行で受発注不具合が発生し、チルド製品の出荷停止に至りました。API連携設計不足が原因の一つとされています(メディア報道ベースの事例であり、損失額は公表されていない)。

また、三菱自動車のERP導入では現場ワークフローとの不一致が発生し、在庫・生産に混乱が生じたと報告されています。投資額は数十億円規模とされますが、公式発表ではない可能性があります。

これらの事例から学べるのは、システム連携において「設計段階での現場ワークフローとの整合性検証」と「段階的な導入」の重要性です。

よくある失敗パターン|設計だけで終わるケース

API連携プロジェクトでよくある失敗パターンは、設計書や仕様書を作成しただけで満足し、実装段階で頓挫するケースです。

この考え方は誤りです。「API連携は導入すれば自動的にデータが繋がる」という誤解が根底にありますが、実際には設計から実装まで相当の工数が必要です。

また、「ビッグバン移行でも問題なく動く」という誤解も危険です。江崎グリコの事例が示すように、一括移行は大きなリスクを伴います。段階的な導入とテストの繰り返しが成功への近道です。

日本の業務クラウドではAPIがオープン化されているという誤解もありますが、実際には契約ユーザー限定公開のケースが多く、事前の確認が必要です。

API連携設計の基本手順と成功事例

API連携設計を成功させるためには、体系的な手順に沿ってプロジェクトを進めることが重要です。以下のチェックリストを活用することで、設計から実装までの抜け漏れを防ぐことができます。

【チェックリスト】API連携設計チェックリスト

  • 連携対象システムの洗い出しと優先順位付け
  • 各システムのAPI仕様確認(公開/限定公開の確認)
  • 連携するデータ項目の定義とマッピング
  • 認証方式の確認(API Key、OAuth等)
  • エラーハンドリングの設計
  • データ同期の頻度とタイミングの決定
  • テスト環境の準備
  • 現場ワークフローとの整合性検証
  • 段階的な導入計画の策定(ビッグバン移行の回避)
  • ロールバック計画の準備
  • 運用開始後のモニタリング体制の構築
  • ドキュメントの整備と引き継ぎ計画

成功事例: セブン&アイ・ホールディングス

セブン&アイ・ホールディングスは、初期のPOS刷新で数十億円の損失を経験しました。しかしその後、アジャイル手法とAPI連携を基盤にしたオムニチャネル戦略を成功させています(年度不明、失敗からの回復事例として参考)。

この事例が示すのは、失敗から学び、段階的なアプローチと適切なAPI連携設計に切り替えることで、成功に導けるということです。設計と実装の一貫性を保ち、現場の声を取り入れながら進めることが重要です。

MA/SFA連携を例にした実践ポイント

MA(マーケティングオートメーション)とSFA(営業支援システム)の連携は、多くの企業が取り組む代表的なAPI連携のユースケースです。

実践ポイント1: データ項目の整理

MAとSFAで管理するリード情報の項目を整理し、どのデータをどのタイミングで連携するかを明確にします。例えば、MAでスコアリングしたリードがしきい値を超えた時点でSFAに自動連携する、といったルールを設計します。

実践ポイント2: 現場ワークフローとの整合性

API連携設計では現場ワークフローとの整合性を事前に検証することが重要です。営業担当者が実際にどのタイミングでリード情報を確認するか、どの画面で作業するかを踏まえた設計が必要です。

実践ポイント3: iPaaSの活用検討

iPaaSを活用することで、複数システム間のAPI連携開発コストを削減できるケースがあります。自社でゼロから開発するか、iPaaSを活用するか、コストと柔軟性のバランスを検討しましょう。

設計から実装まで対応できる専門家の活用

API連携設計を自社だけで完結させることは、技術リソースが十分でない企業にとっては難しいケースがあります。特に、API仕様の理解、認証処理の実装、エラーハンドリングなどは専門知識を要します。

設計から実装まで一貫して対応できる専門家の支援を受けることで、以下のようなメリットが期待できます。

  • 設計と実装のギャップを最小化できる
  • 実装段階で発生しがちな技術的課題を事前に回避できる
  • プロジェクト全体のスケジュールを短縮できる可能性がある
  • 社内リソースを本業に集中させられる

日本市場ではAPI普及状況が海外に比べて遅れているとの指摘もあり、API連携に精通した専門家を見つけることが課題になる場合があります。外部支援を検討する際は、設計だけでなく実装・運用まで対応できる体制かどうかを確認することが重要です。

特定のサービスを推奨することは避けますが、「設計書を作って終わり」ではなく、実装・納品まで責任を持つパートナーを選ぶことが、プロジェクト成功の鍵と言えます。

まとめ|API連携設計を成功させるために

API連携設計を成功させるための要点を整理します。

重要なポイント

  1. 連携方式の理解: REST API、SOAP、Webhookの特徴を把握し、要件に合った方式を選択する
  2. 失敗パターンの回避: 設計書だけで終わらせず、実装段階まで見据えた計画を立てる
  3. 現場との整合性: ワークフローとの整合性を事前検証し、段階的な導入を行う
  4. チェックリストの活用: 設計から実装までの抜け漏れを防ぐ

日本のAPI管理市場は2025-2033年でCAGR 16.3%の成長が予測されており、API連携の重要性は今後さらに高まっていくでしょう(IMARC Group調査、商用調査会社の予測値)。

次のアクション

まずは自社の連携課題を棚卸しし、本記事のチェックリストを活用して現状を整理してみてください。技術リソースや専門知識が不足している場合は、設計から実装まで対応できる外部支援の活用も選択肢の一つです。

API連携設計を成功させるには、設計段階だけでなく実装・運用まで見据えた一貫した視点が必要であり、設計から実装まで対応できる専門家の支援が効果的です。

「記事は出してるのに商談につながらない」を解決する。
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よくある質問

Q1API連携とは何ですか?基本的な仕組みを教えてください

A1API(Application Programming Interface)とは、異なるソフトウェアやシステム間でデータや機能の交換・統合を実現する仕組みです。クライアントがAPIエンドポイント(URL)にHTTPリクエストを送信し、サーバーがJSON/XML形式でレスポンスを返すことで動作します。MAとSFAの連携、ECサイトと在庫管理システムの連携など、様々な場面で活用されています。

Q2REST APIとは何ですか?他の方式との違いは?

A2REST APIはRepresentational State Transferの原則に基づくAPI設計方式です。リソース指向でHTTPメソッド(GET/POST/PUT/DELETE)を使い分けるのが特徴です。SOAPと比べてXMLに限定されず軽量で扱いやすく、現在最も普及している方式です。Webhookはイベント駆動型でリアルタイム通知に適しており、用途によって使い分けます。

Q3API連携設計で失敗しないためのポイントは?

A3設計書作成だけで終わらせず、実装段階まで見据えた計画が重要です。現場ワークフローとの整合性を事前検証し、ビッグバン移行ではなく段階的な導入を推奨します。江崎グリコの2024年ERP移行失敗事例や三菱自動車のERP導入での混乱事例が示すように、システム連携は設計と実装の一貫性が成功の鍵です。

Q4API連携の市場規模はどのくらいですか?

A4日本のAPI管理市場規模は2024年に8億1,970万米ドル、2033年までに37億1,080万米ドルに達し、2025-2033年のCAGRは16.3%と予測されています(IMARC Group調査、商用調査会社の予測値であり公的統計ではない)。DX推進に伴いAPI連携の需要は拡大傾向にあります。

Q5MA/SFAとのAPI連携は自社で実装できますか?

A5技術リソースがあれば自社実装も可能ですが、API仕様の理解、認証処理、エラーハンドリング等の専門知識が必要です。設計と実装の一貫性が重要なため、自社リソースで対応できる範囲と外部支援が必要な範囲を見極め、バランスを検討することを推奨します。

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B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部

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