SFAとSalesforce(セールスフォース)の違い
営業プロセスの効率化を検討する中で、「SFA」や「Salesforce」という言葉をよく耳にするものの、その違いが分からないという方も多いのではないでしょうか?
SFAは営業支援システム全般を指す用語で、Salesforceはそれを提供する米国企業の社名です。ITR「ITR Market View: SFA/MA市場2024」によれば、国内SFA市場規模は2022年に570億円(前年比13.5%増)、2027年には約1,000億円に達すると予測されています。
この記事では、B2B企業の営業・営業企画担当者に向けて、SalesforceのSFA機能(Sales Cloud)の特徴・料金・活用法を詳しく解説します。
この記事のポイント:
- SFAは営業支援システム全般を指し、Salesforceは企業名、Sales Cloudが製品名
- Sales Cloudは世界シェアNo.1で、15万社以上の導入実績がある
- 料金プランはStarter 3,000円~Unlimited 39,600円(月額・税抜、1ユーザーあたり)
- カスタマイズ・連携開発で見えにくい費用が発生する場合がある
- 従業員数100人以上、営業担当者20人以上が導入の目安
(1) SFA(営業支援システム)の定義
SFA(Sales Force Automation)とは、営業支援システムの総称です。個々の担当者のスキルのみに依存した属人的な営業スタイルから脱却し、顧客や商談に関わる情報、営業ノウハウを組織全体で可視化・共有することで、営業担当者の業務品質向上と売上アップを実現します。
SFAを導入すると、これまで属人化されがちだった営業のノウハウや情報を営業部門全体で共有可能になります。入力した情報がリアルタイムで共有でき、常に最新の情報をもとに無駄なく行動できます。
(2) Salesforce(企業名)とSales Cloud(製品名)
Salesforce(セールスフォース)は、SFAを開発・提供する米国企業の社名です。同社が提供するSFA製品は「Sales Cloud(セールスクラウド)」という名称で、世界トップシェアを誇ります。
IDC Japan「CRMアプリケーション市場シェア調査」(2024年8月)によれば、Salesforceは11年連続で世界No.1 CRMプロバイダーにランクしています。
(3) SFA市場の動向(570億円規模、2027年に1,000億円予測)
ITR「ITR Market View: SFA/MA市場2024」によれば、2022年の国内SFA市場規模は570億円(前年比13.5%増)、2027年には約1,000億円に達すると予測されています。
市場の成長に伴い、Salesforce以外にも多数のSFAツールが登場しており、企業規模・営業形態・予算に応じた選択肢が増えています。
SalesforceのSFA機能:Sales Cloudとは
Sales Cloudは、Salesforce社が提供するSFA製品で、15万社以上の導入実績があります。多機能で大企業向けですが、カスタマイズ性が高く、様々な営業形態に対応できます。
(1) Sales Cloudの概要と導入実績(15万社以上)
Sales Cloudは、顧客管理、商談管理、活動管理、書類作成、データ分析など、営業活動に必要な機能を統合したSFAツールです。富士通、キーコーヒー、東亜薬品工業などの大手企業から中小企業まで、幅広い導入実績があります。
国内SFA市場シェアでは、Salesforce Sales Cloudが38.82%、Sansanが16.13%、eセールスマネージャーが11.21%、kintoneが7.33%、HubSpotが6.40%とされています(複数の調査会社による)。
(2) 世界シェアNo.1の背景
Salesforceが世界シェアNo.1を維持している背景には、以下の要因があります:
- 高いカスタマイズ性(企業の業務フローに合わせて柔軟に設定可能)
- 豊富な外部連携(マーケティングオートメーション、BI、コミュニケーションツール等)
- 継続的な機能強化(年3回の大型アップデート)
(3) 2025年のトレンド(Agentforce等のAI機能強化)
Salesforce「The Salesforce Spring 2025 Release Preview Announcement」によれば、2025年2月17日にSpring 2025 Releaseが一般提供開始され、Service Cloud、Sales Cloud、Data Cloud、Agentforceの新機能が搭載されました。
特にAgentforceは、カスタマーサービスや物流最適化などのタスクを自動化するエージェントAI機能で、CEOマーク・ベニオフが積極推進しています。売上は380億ドルへ成長予測されています。
Dreamforce 2025が2025年10月14-16日にサンフランシスコで開催され、AIエージェント、リアルタイムデータ、CRMがテーマとなります。
Sales Cloudの主要機能
Sales Cloudには、以下のような主要機能が搭載されています。
(1) 顧客管理(基本情報・履歴・購入履歴の統合)
顧客に関するすべての情報を統合管理し、顧客の基本情報や過去のコミュニケーション履歴、購入履歴などを集約して表示できます。これにより、顧客ひとりひとりの状況を詳細に把握し、適切なアプローチが可能になります。
(2) 商談管理(案件進捗・予測)
商談の進捗状況、確度、受注予定日、金額などを一元管理し、営業パイプラインを可視化できます。商談予測機能により、今期の受注見込みを精度高く把握できます。
(3) 活動管理(営業行動のリアルタイム共有)
営業担当者の訪問、電話、メールなどの活動履歴をリアルタイムで共有できます。マネージャーは各担当者の行動量を把握し、適切なアドバイスを提供できます。
(4) 書類作成の効率化
SFAの書類作成機能を使えば、最小限の入力で各種書類(見積書、提案書、契約書等)を手早く作成可能です。テンプレート化により、属人化を防ぎ、品質の均一化を図れます。
(5) データ分析とレポート機能
営業活動データを分析し、売上レポート、営業担当者別の実績レポート、商談分析レポートを作成できます。ダッシュボードにより、リアルタイムで営業状況を把握できます。
(6) 営業ノウハウの共有と脱属人化
SFAを導入すると、これまで属人化されがちだった営業のノウハウや情報を営業部門全体で共有可能になります。ベストプラクティスを組織全体で活用し、営業担当者の業務品質を底上げできます。
Sales Cloudの料金プランと実際のコスト
Sales Cloudの料金プランは以下の通りです(2025年12月時点、1ユーザーあたり月額・税抜):
(1) 公式料金プラン(Starter~Unlimited)
Starter: 3,000円
- 中小企業向けの基本プラン
- 最小ユーザー数の制限なし
Professional: 9,600円
- 中堅企業向け
- カスタマイズ可能なレポート・ダッシュボード
Enterprise: 19,800円
- 大企業向け
- 高度なカスタマイズ、外部連携
Unlimited: 39,600円
- 最上位プラン
- 無制限のサポート、トレーニング
※料金は執筆時点(2025年12月)の情報です。最新の料金は公式サイトをご確認ください。
(2) カスタマイズ・連携開発の追加費用
Salesforceは高機能ですが、カスタマイズして使うと費用が上乗せされる場合が多々あります。初期構築・カスタマイズ・連携開発・運用サポートなど、見えにくい費用が積み重なることがあります。
GENIEE「Salesforceの導入費用はいくら?プラン別の価格表や主要CRMとの料金比較」によれば、Enterprise版は1ユーザーあたり月額18,000円(税抜)で、さまざまな見えにくい費用に注意が必要とされています。
(3) 運用サポートと見えにくいコスト
導入時のオンボーディング支援、運用開始後のサポート、カスタマイズ開発は、多くの場合Salesforceパートナー企業に委託します。これらのサポート費用は別途発生するため、事前に見積もりを取得することが推奨されます。
(4) 中小企業への適用可否
Starterプラン(月額3,000円/ユーザー)は中小企業向けですが、高度な営業分析や複雑なカスタマイズが必要ならEnterprise版(月額19,800円/ユーザー)が必要です。従業員数100人以上、営業担当者20人以上が目安とされています。
他SFAツールとの比較(HubSpot・Zoho CRM・kintone等)
Sales Cloud以外にも、多数のSFAツールが市場に存在します。以下は主要なツールの特徴です(公平性のため複数を紹介します):
(1) 国内SFA市場シェア(Salesforce 38.82%、Sansan 16.13%等)
国内SFA市場シェアは以下の通りです(複数の調査会社による):
- Salesforce Sales Cloud: 38.82%
- Sansan: 16.13%
- eセールスマネージャー: 11.21%
- kintone: 7.33%
- HubSpot: 6.40%
※市場シェアデータは調査会社により数値が異なる場合があります。
(2) 機能比較(カスタマイズ性・統合機能)
Salesforce Sales Cloud:
- カスタマイズ性: 非常に高い(Apex、Visualforceによる開発可能)
- 統合機能: 豊富(MA、BI、コミュニケーションツール等)
- 特徴: 大企業向け、高機能
HubSpot Sales:
- カスタマイズ性: 中程度
- 統合機能: HubSpot製品群との統合が強み
- 特徴: 中小企業向け、使いやすさ重視
Zoho CRM:
- カスタマイズ性: 中程度
- 統合機能: Zoho製品群との統合が強み
- 特徴: コストパフォーマンス重視
kintone:
- カスタマイズ性: 高い(ノーコード・ローコード)
- 統合機能: 中程度
- 特徴: 国内企業向け、業務アプリ作成プラットフォーム
(3) 料金比較(月額・初期費用)
Salesforce Sales Cloud:
- 月額: 3,000円~39,600円/ユーザー(税抜)
- 初期費用: 別途(カスタマイズ・導入支援費用)
HubSpot Sales:
- 月額: 無料~6,000円/ユーザー(税抜)
- 初期費用: 基本的に不要
Zoho CRM:
- 月額: 1,680円~6,240円/ユーザー(税抜)
- 初期費用: 基本的に不要
kintone:
- 月額: 780円~1,500円/ユーザー(税抜)
- 初期費用: 基本的に不要
※料金は執筆時点(2025年12月)の情報です。最新の料金は各社公式サイトをご確認ください。
(4) 企業規模別の適用シーン
小規模企業(従業員50人未満):
- HubSpot Sales、Zoho CRM、kintoneが適切
- コストを抑えつつ、基本的なSFA機能を利用できる
中堅企業(従業員50~500人):
- Salesforce Professional、HubSpot Sales Proが選択肢
- カスタマイズ性と費用のバランスが重要
大企業(従業員500人以上):
- Salesforce Enterprise・Unlimitedが適切
- 高度なカスタマイズ、外部連携が必要
(5) どのツールを選ぶべきか:判断基準
SFAツール選定時には、以下のポイントを比較しましょう:
- 企業規模・営業担当者数
- 予算(月額費用・初期費用・カスタマイズ費用)
- 必要な機能(商談管理・予測・レポート等)
- カスタマイズの必要性
- 既存システム(MA、BI等)との連携性
- サポート体制(日本語サポート、導入支援)
ツールによって機能や価格、対象業種が異なるため、自社の事業規模やニーズに合ったツールを選定する必要があります。
まとめ:Sales Cloud導入を検討すべき企業とは
Salesforce Sales Cloudは、世界シェアNo.1のSFAツールで、15万社以上の導入実績があります。高いカスタマイズ性と豊富な外部連携が強みですが、カスタマイズ・連携開発で見えにくい費用が発生する場合があります。
選定時には、企業規模・営業担当者数・予算・必要な機能を整理し、他SFAツール(HubSpot・Zoho CRM・kintone等)と公平に比較しましょう。従業員数100人以上、営業担当者20人以上が導入の目安です。
次のアクション:
- 自社の企業規模・営業担当者数・予算を整理する
- 複数のSFAツールの公式サイトで最新の料金・機能を確認する
- 無料トライアルで実際の操作性を試す
- Salesforceパートナー企業に導入支援の見積もりを依頼する
Sales Cloudを活用して、営業プロセスの効率化と売上アップを実現しましょう。
※この記事は2025年12月時点の情報です。最新の情報は各社公式サイトをご確認ください。
