「Salesforceって結局いくらかかるの?」費用の全体像を解説
CRM導入を検討する際、多くの担当者が最初に気になるのが「費用」です。Salesforceは世界シェアNo.1のCRMですが、「高い」というイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。
実際のところ、Salesforceの費用は「製品」「エディション(プラン)」「ユーザー数」の3要素で決まり、さらにカスタマイズや導入支援の費用も加わります。この記事では、Salesforceの料金体系から初期費用、他CRMとの比較まで、予算策定に必要な情報を整理してお伝えします。
この記事のポイント:
- Salesforceの月額費用は最安Starterプランで3,000円/ユーザーから
- Sales Cloudは5つのエディション(3,000円〜60,000円/ユーザー/月)で構成
- ライセンス費用以外に導入費用(カスタマイズ・データ移行等)が数十万〜数百万円かかる場合がある
- 2023年8月に平均9%の価格改定(値上げ)が実施されている
- HubSpot(無料プランあり)やZoho(低価格帯)など代替選択肢も検討すべき
1. Salesforceの費用を把握する重要性
CRMツールの導入は、単なるソフトウェア購入ではなく「投資」です。適切な予算策定を行うためには、月額のライセンス費用だけでなく、初期導入費用や運用費用も含めた総コスト(TCO:Total Cost of Ownership)を把握することが重要です。
Salesforceは高機能で拡張性の高いCRMですが、その分コストも高めです。自社の予算と要件に合ったプランを選定することで、費用対効果を最大化できます。
一方で、「Salesforceは高いから」という理由だけで選択肢から外すのは早計です。機能やサポート体制、将来の拡張性を考慮すると、長期的には適切な投資となるケースも多いです。まずは費用の全体像を正確に把握しましょう。
2. 料金体系の基礎知識(製品・エディション・ライセンス)
(1) 製品(Sales Cloud・Service Cloud等)の違い
Salesforceは複数の製品(プロダクト)で構成されており、それぞれ別のライセンス体系となっています。
主要製品:
- Sales Cloud: 営業支援・顧客管理(CRM/SFA)
- Service Cloud: カスタマーサービス・サポート
- Marketing Cloud: マーケティングオートメーション
- Commerce Cloud: ECサイト構築・運用
- Tableau: データ分析・可視化
多くのB2B企業がまず導入を検討するのはSales Cloudです。この記事では、主にSales Cloudの料金を中心に解説します。
(2) エディションとライセンス数で変わる総コスト
Salesforceの月額費用は、以下の計算式で算出されます。
月額費用 = エディション単価 × ユーザー数
例えば、Professionalエディション(9,600円/ユーザー)を10名で利用する場合:
- 月額:9,600円 × 10名 = 96,000円
- 年額:96,000円 × 12ヶ月 = 1,152,000円
エディションによって利用できる機能が異なるため、自社に必要な機能を見極めてエディションを選定することがコスト最適化のポイントです。
3. Sales Cloudのエディション別料金プラン
(1) Starter(月額3,000円)でできること
Salesforce Starterは、中小企業や初めてCRMを導入する企業向けのエントリープランです。
主な機能:
- 顧客情報管理(取引先・担当者管理)
- 商談管理(案件追跡)
- 基本的なレポート・ダッシュボード
- モバイルアプリ対応
Starterの特徴:
- 月額3,000円/ユーザー(税別)と最も低価格
- 月単位契約が可能(他のエディションは年間契約のみ)
- 30日間無料トライアルあり
小規模チーム(10名以下)で基本的な顧客管理・商談管理を行いたい場合に適しています。
(2) Professional/Enterprise/Unlimitedの機能差
上位エディションになるほど、高度な機能が利用可能になります。
Professional(月額9,600円/ユーザー):
- Starterの全機能に加え、見積もり・契約管理、売上予測機能
- カスタムオブジェクト作成(データ構造のカスタマイズ)
- 標準的な営業チーム向け
Enterprise(月額19,800円/ユーザー):
- Professionalの全機能に加え、高度なワークフロー自動化
- API連携機能(外部システムとの連携)
- 複数部門・複雑な承認フローが必要な企業向け
Unlimited(月額39,600円/ユーザー):
- Enterpriseの全機能に加え、無制限のカスタマイズ
- プレミアムサポート(24時間対応)
- 大企業・グローバル企業向け
(3) Einstein 1 Sales(月額60,000円)の位置づけ
2023年に新設された最上位プランです。
Einstein 1 Salesの特徴:
- Unlimitedの全機能に加え、生成AI(Einstein GPT)を標準搭載
- AIによる営業メール自動作成、商談分析、次のアクション提案
- データ統合基盤(Data Cloud)が含まれる
月額60,000円/ユーザーと高額ですが、AIを活用した営業活動の効率化を本格的に進めたい企業向けのプランです。
エディション別料金まとめ(Sales Cloud):
| エディション | 月額(税別) | 主な対象 |
|---|---|---|
| Starter | 3,000円 | 小規模企業、初期導入 |
| Professional | 9,600円 | 標準的な営業チーム |
| Enterprise | 19,800円 | 中堅企業、複数部門 |
| Unlimited | 39,600円 | 大企業、高度なカスタマイズ |
| Einstein 1 Sales | 60,000円 | AI活用を重視する企業 |
※2025年時点の情報です。料金は為替レートや契約条件により変動する場合があります。最新情報は公式サイトでご確認ください。
4. 初期費用・導入費用の内訳
(1) カスタマイズ・データ移行・トレーニング費用
Salesforceの初期費用(ライセンス取得費用)は無料ですが、実際の導入時には以下の費用が発生します。
導入費用の内訳:
- 要件定義: 自社の業務プロセスとSalesforceの機能をすり合わせる作業
- カスタマイズ開発: 画面レイアウト、データ項目、ワークフローの設定
- データ移行: 既存システム(Excel、他CRM等)からのデータ移行
- システム連携: 会計システム、MA、基幹システムとのAPI連携
- トレーニング: 管理者・ユーザー向けの操作研修
- 検証・テスト: 本番稼働前の動作確認
これらの費用は、導入規模や要件によって数十万円〜数百万円、大規模な場合は数千万円に達することもあります。
(2) 導入規模別の費用目安
導入費用は要件によって大きく変動しますが、一般的な目安は以下の通りです。
小規模導入(ユーザー10名以下、基本設定のみ):
- 導入費用:数十万円〜100万円程度
- 期間:1〜2ヶ月
- 内容:基本設定、データ移行(CSV)、管理者トレーニング
中規模導入(ユーザー50名程度、カスタマイズあり):
- 導入費用:100万〜300万円程度
- 期間:2〜4ヶ月
- 内容:カスタムオブジェクト設計、ワークフロー設定、部門別トレーニング
大規模導入(ユーザー100名以上、システム連携あり):
- 導入費用:300万〜1,000万円以上
- 期間:6ヶ月〜1年
- 内容:複雑なカスタマイズ、他システム連携、全社展開支援
※費用は導入パートナーや要件により変動します。具体的な見積もりは専門業者に相談してください。
5. 他CRMツールとの料金比較
(1) HubSpot・Zoho CRM・kintoneとの価格比較
Salesforce以外のCRMツールとの料金を比較します。
HubSpot CRM:
- 無料プランあり(基本機能は無料で利用可能)
- 有料プラン:Starter 2,400円〜、Professional 106,800円〜/月
- 特徴:MAとの統合が強み、無料から始められる
Zoho CRM:
- 無料プランあり(3ユーザーまで)
- 有料プラン:スタンダード 1,680円〜/ユーザー/月
- 特徴:低価格、Zohoグループウェアとの連携
kintone:
- ライトコース:1,000円/ユーザー/月
- スタンダードコース:1,800円/ユーザー/月
- 特徴:国産、ノーコードでカスタマイズ可能
料金比較まとめ:
| ツール | 最低月額 | 無料プラン | 特徴 |
|---|---|---|---|
| Salesforce | 3,000円〜 | なし(30日トライアル) | 高機能、エンタープライズ向け |
| HubSpot | 0円〜 | あり | MA連携、インバウンド重視 |
| Zoho CRM | 0円〜 | あり(3名まで) | 低価格、多機能 |
| kintone | 1,000円〜 | なし | 国産、カスタマイズ柔軟 |
※一般的なCRMツールの月額費用相場は約4,200円と言われています(アスピック調べ)。Salesforceは相場より高めですが、機能の豊富さと実績で選ばれ続けています。
(2) 費用対効果で考える選定基準
単純な月額費用の比較だけでなく、以下の観点で費用対効果を検討することが重要です。
Salesforceが適しているケース:
- 従業員数が多く、部門横断でのデータ統合が必要
- 複雑な承認フローやワークフロー自動化が必要
- グローバル展開を予定している
- 長期的な拡張性を重視している
他CRMが適しているケース:
- 予算を抑えたい(特に初期投資)
- シンプルな顧客管理から始めたい
- 無料プランで試してから判断したい
- 日本語サポートを重視(kintone)
6. まとめ:予算別プラン選定ガイド
Salesforceの費用は、エディション・ユーザー数・導入カスタマイズによって大きく変動します。予算に応じた選定の目安は以下の通りです。
年間予算50万円以下:
- Salesforce Starter(10名以下)または他CRM(HubSpot無料版、Zoho)を検討
- 基本的な顧客管理・商談管理に限定
年間予算50万〜200万円:
- Salesforce Professional(10〜20名程度)
- 標準的な営業支援機能を活用
- 導入支援は最小限に抑える
年間予算200万〜500万円:
- Salesforce Enterprise(20〜30名程度)
- カスタマイズ・他システム連携も視野に
- 導入パートナーの支援を受けることを推奨
年間予算500万円以上:
- Salesforce Unlimited/Einstein 1 Sales
- 大規模導入、高度なカスタマイズ、AI活用
- 専門コンサルタントによる導入支援必須
次のアクション:
- 自社のユーザー数と必要機能を整理する
- Salesforce公式サイトで最新の料金プランを確認する
- 30日間無料トライアルで操作性を試す
- 導入パートナーから見積もりを取得する
- HubSpot、Zoho、kintoneなど他CRMとも比較検討する
※この記事は2025年時点の情報です。料金は為替レート、契約条件、プラン改定により変動する可能性があります。導入検討時は必ず公式サイトおよび導入パートナーに最新情報を確認してください。
よくある質問:
Q: Salesforceの最安プランで何ができる? A: Starter(月額3,000円/ユーザー)で顧客情報管理、商談管理、基本的なレポート機能が利用可能です。中小企業や初めてCRMを導入する企業に適しています。30日間無料トライアルもあります。
Q: Salesforce導入で隠れコストはある? A: ライセンス費用以外に、カスタマイズ・データ移行・トレーニング費用が発生します。導入規模によって数十万〜数百万円かかる場合があります。見積もり時に総コストを確認することが重要です。
Q: 無料で使えるCRMはある? A: HubSpot CRMは無料プランで基本機能が使えます。Zoho CRMは3ユーザーまで無料です。Salesforceは無料プランはありませんが、30日間の無料トライアルが利用可能です。
Q: 2023年の価格改定でどれくらい値上げされた? A: 2023年8月に平均9%の価格改定が実施されました。特にEinstein 1 Sales(月額60,000円/ユーザー)が新設され、AI機能を含む最上位プランとして位置づけられています。
