Salesforceの価格表、見方が分からず費用感がつかめない...
Salesforce導入を検討しているB2B企業の担当者の多くが、価格表の複雑さに悩んでいます。「エディションがたくさんあって分からない」「表示価格は実際の支払額なの?」「見積りを取る前に概算を知りたい」といった疑問は尽きません。
さらに、Salesforceには「製品の料金プラン」としての価格表と、「商談で使う価格管理機能」としての価格表(プライスブック)の2つの意味があり、混乱しやすいポイントです。
この記事では、Salesforce製品の価格体系の読み方から、実際の費用算出方法、見積り取得の手順、さらにSalesforce内の価格表機能の使い方まで詳しく解説します。
この記事のポイント:
- Salesforce価格表には「製品料金プラン」と「価格管理機能(プライスブック)」の2つの意味がある
- 製品価格は月額3,000円〜と幅広く、エディション・ユーザー数・オプションにより変動
- 表示価格は税抜き・年間契約が前提のことが多く、追加費用(カスタマイズ・導入支援等)も発生
- 価格表機能は「標準価格表」と「カスタム価格表」の2種類、商品登録が商談利用の前提条件
- 導入前に公式見積りを取得し、実際の費用を確認することが重要
Salesforce価格表とは(基本構造の理解)
「Salesforce 価格表」で検索すると、2つの意味がヒットします。まずこの違いを理解しましょう。
(1) Salesforce価格表の2つの意味(製品価格 vs 機能の価格表)
① 製品の料金プラン(価格表): Salesforce製品(Sales Cloud、Service Cloud等)のエディション別料金を記載した価格一覧のことです。導入検討時に費用を把握するために参照します。
② 価格管理機能(プライスブック): Salesforce内で商品・サービスの価格を管理するための機能です。商談で商品を選択する際に使用し、販売価格の管理に利用します。
この記事では、①製品の料金プランの読み方と、②価格管理機能の使い方の両方を解説します。
(2) 製品エディション別の価格構造
Salesforceの主要製品(Sales Cloud)のエディション構造を例に説明します。
Sales Cloudのエディション例(2025年時点):
| エディション | 月額(税抜) | 主な対象 |
|---|---|---|
| Starter | 3,000円/ユーザー | 小規模企業・個人 |
| Professional | 9,600円/ユーザー | 中小企業 |
| Enterprise | 19,800円/ユーザー | 中堅企業 |
| Unlimited | 39,600円/ユーザー | 大企業 |
※価格は執筆時点(2025年)のものです。最新情報は公式サイトでご確認ください。
エディションによる主な違い:
- 利用可能な機能(レポート、ダッシュボード、自動化等)
- カスタマイズの自由度
- APIコール数の上限
- サポートレベル
(3) 2025年最新版の価格改定内容(Agentforce追加等)
2023年〜2025年にかけて、Salesforce製品で価格改定や機能追加がありました。
最近の主な変更点:
- 2023年:一部製品で価格改定(値上げ)
- 2025年:Agentforce(AIエージェント機能)の追加
- 初期費用:基本無料だが、カスタマイズ・導入支援は別途
導入検討時は、必ず公式サイトまたは営業担当に最新の価格情報を確認することを推奨します。
Salesforce製品の価格プラン構造
Salesforce製品の価格がどのように決まるかを詳しく解説します。
(1) Sales Cloud・Service Cloud・Marketing Cloudの価格体系
Salesforceには複数の製品があり、それぞれ価格体系が異なります。
Sales Cloud(営業支援):
- 月額3,000円〜39,600円/ユーザー
- 商談管理、リード管理、活動管理が主な機能
Service Cloud(カスタマーサービス):
- 月額3,000円〜39,600円/ユーザー
- 問い合わせ管理、ナレッジベース、チャットサポートが主な機能
Marketing Cloud Account Engagement(旧Pardot・MA):
- 月額数十万円〜
- リード獲得・育成、メールマーケティングが主な機能
※価格は参考値です。実際の費用は見積りで確認してください。
(2) ユーザー数・データ容量・API制限による価格変動
表示されている月額料金以外にも、以下の要素で費用が変動します。
ユーザー数:
- 基本的に「月額 × ユーザー数」で費用が決まる
- 例:Enterprise 19,800円 × 10ユーザー = 月額198,000円
データ容量:
- 基本ストレージに上限あり
- 超過分は追加料金が発生
API制限:
- APIコール数に上限あり
- 外部システム連携が多い場合は注意
(3) 年間契約 vs 月間契約の価格差とボリュームディスカウント
契約条件によって価格が変わります。
年間契約 vs 月間契約:
- 表示価格の多くは「年間契約時の月額」
- 月間契約は割高になる傾向
- 年間契約の方が単価が安く設定されていることが一般的
ボリュームディスカウント:
- ユーザー数が多いと割引が適用される場合あり
- 複数年契約でさらに割引されることも
- 非営利団体向けの「Power of Us」プログラムでは大幅割引
価格表の読み方と実費用の算出方法
表示価格だけでは分からない、実際の費用の算出方法を解説します。
(1) 表示価格に含まれない追加費用の内訳
「表示価格 = 実際の支払額」ではありません。以下の追加費用を考慮する必要があります。
よくある追加費用:
| 費用項目 | 内容 | 目安 |
|---|---|---|
| 初期設定費用 | 環境構築、初期データ移行 | 数十万〜数百万円 |
| カスタマイズ費用 | 画面・項目・プロセスのカスタマイズ | 要件により変動 |
| データ移行費用 | 既存システムからのデータ移行 | データ量による |
| 研修・トレーニング費用 | 管理者・ユーザー向け研修 | 数万〜数十万円 |
| 保守・サポート費用 | 運用サポート、問い合わせ対応 | 月額数万円〜 |
(2) カスタマイズ・導入支援・保守費用の見積り方法
実際の導入では、以下の費用を含めた総額で検討することが重要です。
導入費用の見積りイメージ:
総費用 = ライセンス費用(月額 × ユーザー数 × 12ヶ月)
+ 初期導入費用(設定・カスタマイズ・データ移行)
+ 年間運用費用(保守・サポート)
例:中堅企業10ユーザーでEnterprise導入の場合
- ライセンス費用:19,800円 × 10ユーザー × 12ヶ月 = 約238万円/年
- 初期導入費用:100〜300万円(カスタマイズ度合いによる)
- 運用サポート:月額5〜20万円
- 初年度合計:約400〜600万円程度
※上記は目安であり、実際の費用は要件により大きく変動します。
(3) USD→JPY換算と為替変動リスクの考慮
海外製品であるSalesforceは、為替の影響を受ける可能性があります。
注意点:
- 公式サイトの価格はUSD表示の場合あり
- 日本法人との契約では日本円建てが一般的
- 為替変動により価格改定が行われる可能性
- 契約書の通貨単位・為替レート条項を確認
見積り取得とプラン選定の手順
実際に導入を検討する際の手順を解説します。
(1) 自社要件の整理とプラン比較の評価軸
見積り依頼前に整理すべき情報です。
整理すべき自社要件:
- 利用目的(営業支援、カスタマーサービス、マーケティング等)
- 想定ユーザー数(現在・将来の増加見込み)
- 必要な機能(レポート、ダッシュボード、自動化、外部連携等)
- 既存システムとの連携要件
- 予算上限
プラン選定の評価軸:
| 評価軸 | 確認ポイント |
|---|---|
| 機能 | 必要な機能が含まれているか |
| 拡張性 | 将来のユーザー増・機能追加に対応できるか |
| 連携 | 既存システムとの連携は可能か |
| サポート | 日本語サポート体制は十分か |
| コスト | 予算内に収まるか |
(2) 公式見積り依頼の手順と必要情報
Salesforce公式から見積りを取得する手順です。
見積り依頼の流れ:
- Salesforce公式サイトにアクセス
- 「お問い合わせ」「デモ依頼」から申込
- 営業担当からの連絡を受ける
- 要件ヒアリング(電話・オンライン会議)
- 正式見積りの提示
用意しておくと良い情報:
- 会社概要(業種、従業員数、売上規模)
- 利用目的・課題
- 想定ユーザー数
- 希望導入時期
- 予算感
(3) トライアル期間中の評価ポイント
Salesforceは無料トライアルを提供しています。評価すべきポイントを整理します。
トライアル中に確認すべきこと:
- 操作性:自社の業務フローに合っているか
- 機能:必要な機能が使いやすいか
- レポート:見たいデータがレポートで確認できるか
- モバイル:外出先でも使いやすいか
- 連携:既存システムとの連携が可能か
コスト最適化のポイントと注意事項
導入コストを最適化するためのポイントを解説します。
(1) 段階的導入によるコスト抑制策
一度にすべてを導入するのではなく、段階的に進める方法です。
段階的導入のステップ:
- Phase 1: 必要最小限のユーザー・機能で導入開始
- Phase 2: 効果を確認しながらユーザー数を拡大
- Phase 3: 追加機能・高度なカスタマイズを実施
メリット:
- 初期投資を抑えられる
- 効果を確認しながら拡張できる
- 失敗リスクを軽減
(2) 不要機能の除外と必要最小限構成
コスト最適化のためには、「必要な機能」を明確にすることが重要です。
検討すべきポイント:
- 本当にそのエディションの機能が必要か?
- より低コストなエディションで代替できないか?
- 追加オプションは本当に必要か?
コスト削減の例:
- 全員がEnterprise必要? → 一部はProfessionalで十分な場合も
- マーケティング機能も必要? → 別途MA専用ツールの方が安い場合も
(3) 契約更新時の価格改定対策
契約更新時に価格が上がるリスクへの対策です。
対策:
- 複数年契約で価格を固定
- 契約書の価格改定条項を確認
- 更新時期の半年前から交渉開始
- 他ツールへの移行可能性を確保(交渉材料として)
【補足】Salesforce「価格表機能」の使い方
ここからは、Salesforce内の「価格表(プライスブック)機能」の使い方を解説します。
価格表機能とは: 商品やサービスの価格を管理し、商談で商品を選択する際に使用するSalesforceの標準機能です。
価格表の基本概念:
| オブジェクト | 役割 |
|---|---|
| 商品 | 商品・サービスの基本情報を管理 |
| 価格表 | 商品の価格設定を管理(親オブジェクト) |
| 価格表エントリ | 商品と価格表を紐づけ、価格情報を格納 |
| 商談商品 | 商談と商品を紐づけ、数量・販売価格を管理 |
価格表の2種類:
- 標準価格表: 組織に1つだけ存在、すべての商品の基準価格を管理
- カスタム価格表: 複数作成可能、販売先・条件別の価格体系を設定
使い方の流れ:
- 商品を作成
- 標準価格表に商品を追加(価格表エントリ作成)
- 必要に応じてカスタム価格表を作成
- 商談で「価格表の選択」から適用する価格表を選択
- 商談に商品を追加
注意点:
- 標準価格表に登録しないと、カスタム価格表にも登録できない
- 商品を価格表に登録しないと、商談で使用できない
- マルチ通貨が有効な場合、通貨を選択して登録
詳細な設定手順は、Salesforce公式ヘルプ「価格表の管理」を参照してください。
まとめ:価格表を活用した導入判断
Salesforce価格表の理解と活用のポイントを整理します。
押さえるべき3つのポイント:
- 「価格表」の2つの意味を理解する: 製品料金プランと、商談で使う価格管理機能は別物
- 表示価格だけで判断しない: 追加費用(カスタマイズ・導入支援・保守等)を含めた総費用で検討
- 正式見積りを取得する: 自社要件を整理し、公式から見積りを取得して判断
次のアクション:
- 自社の利用目的・想定ユーザー数・必要機能を整理する
- Salesforce公式サイトで最新の価格情報を確認する
- 無料トライアルを申込み、操作性・機能を評価する
- 正式見積りを依頼し、追加費用を含めた総費用を把握する
Salesforceは高機能で柔軟性の高いプラットフォームですが、その分価格体系も複雑です。導入前に十分な情報収集と見積り取得を行い、自社に最適なプラン選定を行いましょう。
よくある質問:
Q: 価格表の表示価格は税込みですか? A: 通常は税抜き価格で表示されています。日本では消費税が別途加算されます。また、USD表示の場合は為替レートによる変動もあるため、正確な費用は見積り取得が必要です。
Q: 表示価格以外に追加費用は発生しますか? A: カスタマイズ費用、データ移行費用、研修費用、サポート費用が別途発生する場合が多いです。導入規模により数十万〜数百万円の追加費用を想定しておくことをおすすめします。
Q: 価格の割引制度はありますか? A: 年間契約、複数年契約、ユーザー数に応じたボリュームディスカウントがあります。非営利団体向けの「Power of Us」プログラムでは大幅割引が適用される場合もあります。
Q: 契約期間によって価格は変わりますか? A: 年間契約の方が月間契約より単価が安く設定されています。また、複数年契約により更なる割引が適用される場合が多いです。
※本記事の情報は2025年時点のものです。Salesforce製品の価格・機能は定期的に改定されるため、導入前に公式サイトで最新情報を確認することを推奨します。
