Salesforce Pardotとは?機能・料金・導入メリットを徹底解説

著者: B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部公開日: 2025/12/22

BtoBマーケティングの効率化に悩んでいませんか?

BtoB企業のマーケティング担当者にとって、見込み客の獲得と育成は最も重要な課題です。「リード獲得の施策がバラバラで管理が大変」「営業との連携がうまくいかない」「見込み客の優先順位が分からない」といった悩みを抱えていませんか?

この記事では、Salesforce Pardot(現Account Engagement)について、機能・料金・導入メリットを実践的に解説します。

この記事のポイント:

  • Pardotは2022年4月に「Marketing Cloud Account Engagement」に名称変更されたが、機能は変わっていない
  • スコアリング機能で顧客の関心度を数値化し、グレーディング機能で自社とのマッチ度を評価できる
  • Salesforceとシームレスに統合され、再ログインなしで両方の機能にアクセス可能
  • 2024年春のリリースでAIアシスタント機能が追加され、フォーム・ランディングページ・メール作成が自動化
  • 最安プランでも月15万円程度かかり、ある程度規模の大きいビジネス向け

Pardot(Account Engagement)とは

(1) BtoB向けマーケティングオートメーションツール

Pardot(パードット)は、Salesforceが提供するBtoB向けのMA(マーケティングオートメーション)ツールです。

MAツールとは: マーケティング活動を自動化し、見込み客の獲得・育成を効率化するツールです。手作業で行っていたメール配信やリード管理を自動化することで、マーケティング担当者の負担を軽減し、営業との連携を強化します。

Pardotの特徴:

  • BtoB(対法人)マーケティングに特化
  • Salesforce CRM(Sales Cloud)とのシームレスな連携
  • リード獲得、リード育成、営業連携、効果測定を一元化
  • スコアリング・グレーディングによる見込み客の可視化

PardotはBtoB(対法人)マーケティングを得意としており、長期的な営業サイクルと複数の意思決定者を想定した機能が充実しています。

(2) 2022年4月の名称変更(Pardot→Account Engagement)

2022年4月7日に、PardotからMarketing Cloud Account Engagementに名称変更されました。

名称変更の理由:

  • Salesforceの製品体系を統一するため
  • Marketing Cloudファミリーとの関連性を明確にするため
  • 機能の本質(アカウントとのエンゲージメント)を表現するため

重要なポイント:

  • 機能は変わっていません
  • 既存ユーザーへの影響はありません
  • 旧名称「Pardot」も引き続き検索で使われています

この記事では、検索で多く使われる「Pardot」と正式名称「Account Engagement」の両方を使用しています。

(3) 対象企業規模と導入相場

Pardotは、中堅〜大企業を主なターゲットとしています。

対象企業規模:

  • 従業員100名以上の企業
  • BtoB営業を行っている企業
  • 月間リード数が一定規模以上(目安:月50件以上)
  • Salesforce CRMを導入済み、または導入予定の企業

料金相場:

  • 最安プラン: 月15万円程度(年間180万円程度)
  • 中位プラン: 月30万円程度
  • 上位プラン: 月50万円以上

ある程度規模の大きいビジネスでないと効果を実感しにくいため、企業規模や予算を考慮して導入を検討する必要があります。料金は更新される可能性があるため、最新情報は公式サイトで確認してください。

Pardotの主要機能

(1) リード獲得(フォーム・ランディングページ作成)

Pardotには、Webサイトからリードを獲得するための機能が揃っています。

フォーム作成:

  • ドラッグ&ドロップで簡単にフォームを作成
  • 入力項目のカスタマイズ
  • 自動返信メールの設定
  • フォーム送信後のリダイレクト設定

ランディングページ作成:

  • テンプレートから簡単にページ作成
  • A/Bテスト機能でページの最適化
  • SEO設定(メタタグ、キーワード)

2024年春のAIアシスタント機能: 2024年春のリリースで、AIアシスタント(コパイロット)が追加されました。テキストプロンプトからフォーム・ランディングページ・メール本文を自動生成できるようになり、作成時間を大幅に短縮できます。

(2) リード育成(スコアリング・グレーディング)

Pardotの最大の特徴は、スコアリングとグレーディング機能です。

スコアリング: 顧客の行動に応じて自社への関心度を数値化する機能です。

スコアリングの例:

  • Webサイト訪問: +1点
  • 資料ダウンロード: +10点
  • セミナー参加: +20点
  • 料金ページ閲覧: +15点

スコアが高いほど購買意欲が高いと判断でき、営業への引き継ぎの優先順位を決める指標になります。

グレーディング: 顧客の属性情報をもとに自社とのマッチ度を表す機能です。

グレーディングの例:

  • 企業規模(従業員数)
  • 業種
  • 役職
  • 予算規模

スコアリングが「関心度」を表すのに対し、グレーディングは「適合度」を表します。両方を組み合わせることで、優先的にアプローチすべきリードを特定できます。

(3) 営業連携(Engagement Studio、メール自動化)

Pardotは、リードナーチャリング(見込み客の育成)を自動化する機能が充実しています。

Engagement Studio: シナリオ機能で、顧客の行動に応じた自動メール送信やアクション設定が可能です。

Engagement Studioの活用例:

  1. 資料ダウンロード → 即座にサンクスメール送信
  2. 3日後 → 関連資料の案内メール
  3. 料金ページ閲覧 → 営業担当者に通知
  4. 7日後 → セミナー案内メール
  5. セミナー参加 → スコアが一定以上なら営業にホットリードとして通知

メール自動化:

  • ステップメールの自動配信
  • セグメント別の配信
  • A/Bテストによる最適化
  • 開封率・クリック率の測定

2024年夏リリースでは、待望の機能「Engagement Studioでのオペレーショナルメール送信」が実装され、さらに柔軟なシナリオ設定が可能になりました。

(4) 2024年春追加のAIアシスタント機能

2024年春のリリースで、AIアシスタント(コパイロット)が追加されました。

AI機能でできること:

  • フォーム作成の自動化(テキストプロンプトから生成)
  • ランディングページのデザイン提案
  • メール本文の自動作成
  • 件名の最適化提案

従来の作成方法:

  • フォーム作成: 30分〜1時間
  • ランディングページ: 1時間〜3時間
  • メール本文: 30分〜1時間

AI活用後:

  • フォーム作成: 5分〜10分
  • ランディングページ: 10分〜30分
  • メール本文: 5分〜10分

AI機能により、マーケティング担当者の作業時間を大幅に削減できるようになりました。

Salesforceとの連携メリット

(1) データの一元管理と再ログイン不要

Pardotの最大の強みは、Salesforce CRMとのシームレスな統合です。

データの一元管理:

  • リード情報がSalesforce CRMと自動同期
  • 営業とマーケティングが同じデータを参照
  • 重複データの自動削除(2024年冬リリースで実装)

再ログイン不要: Salesforceとシームレスに統合されており、再ログインなしで両方の機能にアクセス可能です。マーケティング担当者がPardotで作成したリードを、営業担当者がSalesforce CRM上で即座に確認できます。

(2) 営業・マーケティングの連携強化

PardotとSalesforceの連携により、営業とマーケティングの連携が強化されます。

従来の課題:

  • マーケティングが獲得したリードが営業に渡らない
  • 営業がどのリードを優先すべきか分からない
  • マーケティングの効果が可視化されない

Pardot導入後:

  • スコアリングにより優先度が明確
  • ホットリードは自動的に営業に通知
  • マーケティング施策のROIが測定可能

(3) Sales Cloudとのシームレスな統合

Sales Cloud(Salesforceの営業支援ツール)との統合により、以下が実現します。

連携機能:

  • Pardotで獲得したリードが自動的にSales Cloudに反映
  • Sales Cloud上でリードのスコア・グレードを確認
  • 営業活動の履歴がPardotに反映
  • 商談化・受注の情報をマーケティングにフィードバック

この統合により、営業・マーケティング・経営層が同じデータを基に意思決定できるようになります。

Marketing Cloudとの違い(BtoBとBtoC)

(1) ターゲット顧客の違い(法人vs一般消費者)

Pardot(Account Engagement)とMarketing Cloudは、ターゲット顧客が異なります。

Pardot(Account Engagement):

  • BtoB(対法人)マーケティング向け
  • 長期的な営業サイクル(数週間〜数ヶ月)
  • 複数の意思決定者を想定
  • 高額な取引を想定

Marketing Cloud:

  • BtoC(対一般消費者)マーケティング向け
  • 短期的な購買サイクル(数分〜数日)
  • 個人の意思決定を想定
  • 大量の顧客データを扱う

(2) 主なコミュニケーション手段の違い(EメールvsSNS)

コミュニケーション手段にも違いがあります。

Pardot(Account Engagement):

  • 主なチャネル: Eメール
  • SNS機能: なし
  • ビジネスコミュニケーション重視

Marketing Cloud:

  • 主なチャネル: Eメール、SMS、SNS、モバイルアプリ
  • オムニチャネル対応
  • 消費者向けコミュニケーション重視

Pardotは顧客へのコミュニケーション手段がEメールが主でSNS機能がないため、BtoCビジネスには物足りない可能性があります。

(3) どちらを選ぶべきか

どちらを選ぶかは、ビジネスモデルで決まります。

Pardot(Account Engagement)が向いている企業:

  • BtoB企業(法人営業)
  • 営業サイクルが長い(数週間〜数ヶ月)
  • Salesforce CRMを導入済み、または導入予定
  • リード獲得と営業連携を強化したい

Marketing Cloudが向いている企業:

  • BtoC企業(個人向け販売)
  • 営業サイクルが短い(数分〜数日)
  • SNSやモバイルアプリでの顧客接点が多い
  • 大量の顧客データを扱う

自社のビジネスモデルに合わせて選択することが重要です。

導入のメリット・デメリット

(1) メリット:Salesforce連携、スコアリング、自動化

Pardot導入の主なメリットは以下の通りです。

Salesforce連携:

  • データの一元管理
  • 営業とマーケティングの連携強化
  • 再ログイン不要のシームレスな統合

スコアリング・グレーディング:

  • リードの優先順位が明確
  • 営業が効率的にアプローチできる
  • マーケティングROIの可視化

自動化:

  • メール配信の自動化
  • リード育成の効率化
  • マーケティング担当者の工数削減

AI機能(2024年春追加):

  • フォーム・ランディングページ作成の時間短縮
  • メール本文の自動生成
  • 作業効率の大幅向上

(2) デメリット:操作の複雑さ、高コスト、ITリテラシー必要

一方で、以下のようなデメリットもあります。

操作の複雑さ:

  • 機能が多く設定が複雑
  • 公式マニュアルだけでは情報が不十分
  • 学習コストが高い

高コスト:

  • 最安プランでも月15万円程度
  • 従量課金制で料金が高くなりやすい
  • 一定規模以上のビジネスでないと費用対効果が出にくい

ITリテラシー必要:

  • ITリテラシーの高い人材が必要
  • 設定やカスタマイズに専門知識が必要
  • 導入支援サービスの利用が推奨される

導入の難易度や効果は企業規模・ITリテラシー・業種により大きく異なるため、自社の状況に合わせた判断が必要です。

(3) BtoC向けには機能不足

Pardotは、BtoC向けには以下の点で物足りない可能性があります。

BtoC向けの不足機能:

  • SNS連携機能がない
  • 大量の顧客データ処理に向いていない(BtoCは数万〜数百万人規模)
  • リアルタイム処理の性能が限定的
  • 短期的な購買サイクルに最適化されていない

BtoC企業の場合、Marketing Cloudや他のBtoC向けMAツールを検討することが推奨されます。

まとめ:Pardot導入が向いている企業

Pardot(Marketing Cloud Account Engagement)は、BtoB企業向けの強力なマーケティングオートメーションツールです。Salesforce CRMとのシームレスな連携、スコアリング・グレーディングによるリードの可視化、Engagement Studioによる自動化が主な強みです。

Pardot導入が向いている企業:

  • BtoB企業(法人営業を行っている)
  • 従業員100名以上、月間リード数50件以上が目安
  • Salesforce CRMを導入済み、または導入予定
  • 営業とマーケティングの連携を強化したい
  • 見込み客の優先順位を明確にしたい
  • マーケティングROIを可視化したい

導入を慎重に検討すべき企業:

  • BtoC企業(Marketing Cloudが適切)
  • 小規模企業(月15万円のコストが負担になる)
  • ITリテラシーが低い組織(導入支援が必要)
  • Salesforce CRMを使っていない(連携メリットが減る)

次のアクション:

  • 自社のリード獲得・育成の課題を明確にする
  • Salesforce導入状況を確認する(導入済みor導入予定or未導入)
  • 公式サイトで最新の料金・機能を確認する
  • 無料デモや導入支援サービスを検討する
  • 他のMAツール(HubSpot、Marketo等)と比較検討する

Pardotは高機能なツールですが、操作が複雑でコストも高いため、自社の規模と課題に合っているかを慎重に見極めることが重要です。複数のMAツールを公平に比較し、最適な選択をしましょう。

※この記事は2025年11月時点の情報です。Pardot(Account Engagement)の料金や機能は更新される可能性があるため、最新情報は公式サイトをご確認ください。

よくある質問

Q1PardotとAccount Engagementの違いは何ですか?

A1同じ製品です。Pardotは旧名称で、2022年4月7日に「Marketing Cloud Account Engagement」に名称変更されました。名称変更後も機能は変わっておらず、既存ユーザーへの影響もありません。旧名称「Pardot」も引き続き検索で多く使われているため、どちらの名称でも同じツールを指しています。

Q2Marketing Cloudとの違いは何ですか?

A2Pardot(Account Engagement)はBtoB(対法人)マーケティングを得意とし、Marketing CloudはBtoC(対一般消費者)マーケティングを得意とします。主なコミュニケーション手段もPardotはEメールが中心で、Marketing CloudはEメール、SMS、SNS、モバイルアプリなどのオムニチャネル対応が可能です。営業サイクルや顧客数も大きく異なるため、自社のビジネスモデルに合わせて選択することが重要です。

Q3導入にどのくらいのコストがかかりますか?

A3最安プランでも月15万円程度(年間180万円程度)かかります。中位プランは月30万円程度、上位プランは月50万円以上が相場です。ある程度規模の大きいビジネスでないと効果を実感しにくいため、企業規模(従業員100名以上、月間リード数50件以上が目安)や予算を考慮して導入を検討する必要があります。料金は更新される可能性があるため、最新情報は公式サイトで確認してください。

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B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部

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