BtoB企業のリード獲得・育成に悩んでいませんか?
マーケティング活動を効率化したいBtoB企業の多くが、MAツール選びに悩んでいます。特に「Salesforce Pardot」(現在は「Marketing Cloud Account Engagement」に改称)という名前を聞いたことはあるものの、「どんな機能があるの?」「料金はいくらか?」「Marketing Cloud Engagementとは何が違うの?」といった疑問を持つ担当者は少なくありません。
この記事では、Pardot(Marketing Cloud Account Engagement)の主要機能、料金プラン、他MAツールとの違い、導入事例、2024年の最新機能を詳しく解説します。
この記事のポイント:
- Pardotは2022年4月に「Marketing Cloud Account Engagement」に改称されたが、実務上は「Pardot」の呼称が広く使われている
- BtoB商談型ビジネス向けで、Sales Cloud連携が最大の強み
- 料金は初期費用30万円+月額15万円~48万円(企業規模・機能により変動)
- 2024年にAI Assistant、Lightning Email Builder改善、DKIM認証必須化などの新機能が追加
- メール開封率10%改善、商談創出3倍増などの導入効果が報告されている
Pardot(Marketing Cloud Account Engagement)とは:名称変更の背景とBtoB MAツールの必要性
Pardot(現在は「Marketing Cloud Account Engagement」)は、Salesforce社が提供するBtoB企業向けのマーケティングオートメーション(MA)ツールです。リード獲得・育成を自動化し、マーケティングと営業の連携を強化することで、商談創出とROI最大化を支援します。
(1) BtoB企業におけるリード獲得・育成の課題
BtoB企業のマーケティング担当者は、リード情報の分散、育成の手作業、営業との分断、ROI測定の困難といった課題を抱えており、MAツールの導入で解決を図ります。
(2) MAツール市場の成長とPardotの位置づけ
MAツールはリード獲得から育成、営業連携までを自動化するツールです。Pardot、Marketo、HubSpot、SATORIなどがあり、PardotはSalesforce CRM導入企業やBtoB商談型ビジネスに適しています。
(3) 2022年4月の名称変更:PardotからAccount Engagementへ
Pardotは2022年4月に「Marketing Cloud Account Engagement」に改称されました。この名称変更は、Salesforceのマーケティングクラウド製品群の中での位置づけを明確化するためと言われています。
ただし、実務上は「Pardot」の呼称が広く使われており、公式ドキュメントでも「Account Engagement (formerly Pardot)」と併記されるケースが多いです。この記事でも「Pardot」の名称を中心に解説します。
※最新情報を探す際は、「Pardot」と「Marketing Cloud Account Engagement」の両方の名称で検索することをおすすめします。
Pardotの基礎知識:定義・名称変更・Marketing Cloud Engagementとの違い
(1) Pardot(現Account Engagement)の定義とSalesforceとの関係
Pardot(Marketing Cloud Account Engagement)は、Salesforce社が提供するBtoB向けマーケティングオートメーションツールです。以下の特徴があります:
- BtoB商談型ビジネスに特化:長期的なリード育成と営業連携を重視
- Sales Cloudとネイティブ連携:Salesforce CRMとリアルタイムでデータ共有
- リードスコアリング:見込み顧客の関心度・購買意欲を数値化
- クローズドループレポート:マーケティング施策から受注までの全体を可視化
(2) 名称変更後も「Pardot」の呼称が広く使われる理由
2022年4月に「Marketing Cloud Account Engagement」に改称されましたが、実務上は以下の理由で「Pardot」の呼称が継続して使われています:
- 認知度:2007年にリリースされ、15年以上「Pardot」の名称で親しまれてきた
- 検索性:「Pardot」で検索する方が情報を見つけやすい
- 簡潔性:「Account Engagement」よりも短くて覚えやすい
製品自体は変わっておらず、名称のみの変更です。
(3) Marketing Cloud Engagementとの違い(BtoB商談型 vs BtoC集客型)
Salesforceには「Marketing Cloud Engagement」という別の製品があり、Pardotとは対象市場・機能が異なります:
Pardot(Account Engagement):BtoB商談型ビジネス向け
- 対象:BtoB企業(法人向けビジネス)
- ビジネスモデル:商談型(営業担当が案件を追いかける)
- 主要機能:リードスコアリング、Sales Cloud連携、クローズドループレポート
- 連携先:Sales Cloud(Salesforce CRM)
Marketing Cloud Engagement:BtoC集客型ビジネス向け
- 対象:BtoC企業(消費者向けビジネス)
- ビジネスモデル:集客型(Webサイトやアプリで顧客を獲得)
- 主要機能:メール・SMS・プッシュ通知・LINE・SNS広告など複数チャネル対応
- 連携先:複数チャネル(One to Oneマーケティング)
「BtoB商談型ビジネスならAccount Engagement(旧Pardot)」「BtoC集客型ビジネスならMarketing Cloud Engagement」と覚えると分かりやすいでしょう。
(4) Sales Cloud連携がPardotの最大の強み
Pardotの最大の強みは、Sales Cloud(Salesforce CRM)とのネイティブ連携です:
- リード情報の自動同期:Pardotで獲得したリード情報が自動的にSales Cloudに反映される
- リードスコアの共有:見込み顧客の関心度が営業担当に可視化され、優先順位付けができる
- 商談への自動変換:一定スコアに達したリードが自動的に商談に変換される
- クローズドループレポート:マーケティング施策から商談・受注までの全体を可視化し、ROIを測定できる
Sales Cloudを既に導入している企業にとっては、Pardotは最も自然な選択肢と言えます。
Pardotの主要機能:リード獲得・育成・営業連携の仕組み
Pardotは大きく分けて「リード獲得」「リード育成」「営業連携」の3つの機能群で構成されています。
(1) リード獲得機能(フォーム作成・ランディングページ・Webトラッキング)
フォーム作成:
- ドラッグ&ドロップでWebフォームを作成
- 資料請求、問い合わせ、セミナー申し込みなどに対応
- 入力項目のカスタマイズが可能
ランディングページ(LP)作成:
- テンプレートを使ってLPを作成
- キャンペーンごとに複数のLPを運用可能
- A/Bテストで最適なデザイン・コピーを検証
Webトラッキング:
- 見込み顧客のWebサイト訪問履歴を追跡
- どのページを何回見たか、どのコンテンツに関心があるかを可視化
- リードスコアリングの基礎データとなる
2024年春にはAI Assistant機能が追加され、テキスト入力からフォーム・LP・メール本文を自動生成できるようになりました。
(2) リード育成機能(スコアリング・ドリッププログラム・Engagement Studio)
リードスコアリング:
- 見込み顧客の関心度・購買意欲を数値化
- Webサイト訪問、メール開封、資料ダウンロードなどの行動に点数を付与
- 一定スコアに達したリードを営業に自動通知
ドリッププログラム:
- 時間軸に沿って自動的にメールを配信
- 「資料ダウンロードから3日後にフォローメール」などのシナリオを設定
Engagement Studio:
- マーケティングオートメーションのシナリオ/ワークフローエディタ
- 「メールAを開封したらメールBを送信、開封しなかったらメールCを送信」などの複雑なシナリオを構築
- ドラッグ&ドロップで視覚的に設計可能
2024年夏には、Engagement Studioで**Operational Emails(トランザクションメール)**の送信が可能になりました。注文確認やパスワードリセットなどのメールもPardotで一元管理できます。
(3) パーソナライズドメール・動的コンテンツ配信
パーソナライズドメール:
- 顧客の属性(企業名、担当者名、役職など)や行動履歴に基づいてメール本文をカスタマイズ
- 「{{first_name}}様」のように個別化された挨拶文を挿入
動的コンテンツ配信:
- 顧客の属性や行動に応じてコンテンツを動的に変更
- 例:「製造業向けの事例」「小売業向けの事例」を自動的に出し分ける
2024年夏にはLightning Email Builderが改善され、ドラッグ&ドロップエディタがより使いやすくなりました。
(4) 営業連携機能(Sales Cloud連携・クローズドループレポート・ROI分析)
Sales Cloud連携:
- Pardotで獲得したリード情報が自動的にSales Cloudに同期
- リードスコアが営業担当に可視化され、優先順位付けが可能
- 商談に変換されたリードの追跡が可能
クローズドループレポート:
- マーケティング施策(展示会、ウェビナー、Web広告など)から商談・受注までの全体を可視化
- どの施策が商談につながり、どれだけの受注金額を生み出したかを測定
ROI分析:
- マーケティング投資(広告費、イベント費用など)に対してどれだけの受注金額を得られたかを計算
- ROIが高い施策に予算を集中させることができる
2024年にはData Cloud連携が強化され、Prospect情報だけでなくEmail Engagement情報(メール開封・クリック履歴)もData Cloudで共有できるようになりました。
(5) A/Bテスト・セグメンテーション機能
A/Bテスト:
- 件名、本文、LP、フォームなどを2パターン用意し、どちらが効果的かを検証
- 開封率、クリック率、コンバージョン率などの指標で評価
セグメンテーション:
- 業種、企業規模、役職、行動履歴などでリストをセグメント化
- セグメントごとに最適なコンテンツを配信
Pardotの料金プランと選び方:Growth~Premium 4プランの比較
(1) 料金体系の概要(初期費用30万円+月額15万円~)
Pardotの料金は初期費用+月額費用の構成です:
- 初期費用: 30万円(税抜)
- 月額費用: 15万円~60万円以上(プランにより変動)
※以下の料金は2024年時点のものです。最新情報はSalesforce公式サイトで確認してください。
(2) Growthプラン(月額15万円):中小企業向け・基本機能
料金: 月額150,000円(税抜)
対象企業: 中小企業(従業員50~300名程度)、初めてMAツールを導入する企業
主な機能:
- リード管理(10,000件まで)
- フォーム作成、LP作成
- メール配信(月間10,000通まで)
- 基本的なリードスコアリング
- A/Bテスト
- Sales Cloud連携
制限:
- Engagement Studioは利用不可(ドリッププログラムのみ)
- 高度なレポート機能は制限あり
- サポートはメール・チャットのみ
Growthプランは基本機能を試したい中小企業に適していると言われています。
(3) Plusプラン(月額30万円):Google広告・SNS連携企業向け
料金: 月額300,000円(税抜)
対象企業: 中堅企業(従業員300~1,000名程度)、Google広告やSNS運用を行っている企業
主な機能:
- Growthプランのすべての機能
- リード管理(50,000件まで)
- Engagement Studio(基本版)
- Google広告連携
- SNS投稿・分析機能
- 高度なレポート機能
制限:
- 一部のエンタープライズ向け機能は制限あり
Plusプランは、広告運用やSNSマーケティングを本格的に行いたい企業に適していると言われています。
(4) Advancedプラン(月額48万円):大企業向け・最も利用されるプラン
料金: 月額480,000円(税抜)
対象企業: 大企業(従業員1,000名以上)、高度な機能が必要な企業
主な機能:
- Plusプランのすべての機能
- リード管理(無制限)
- Engagement Studio(フル機能版)
- 高度なリードスコアリング
- 動的コンテンツ配信
- クローズドループレポート(フル機能)
- カスタムレポート作成
- 電話サポート
Advancedプランは最も多く利用されているプランで、大企業向けの標準プランと言われています。
(5) Premiumプラン(月額60万円以上):エンタープライズ向け・高度な機能
料金: 月額600,000円以上(税抜)
対象企業: エンタープライズ企業(従業員数千名以上)、複雑なマーケティング施策を展開する企業
主な機能:
- Advancedプランのすべての機能
- 高度なカスタマイズ
- 専任サポート担当
- カスタムオブジェクト対応
- エンタープライズ向けセキュリティ機能
Premiumプランは、複雑な組織構造やカスタマイズが必要な大企業向けと言われています。
(6) 企業規模・予算・必要機能による選定基準
選定基準の目安:
| 企業規模 | リード数/月 | 推奨プラン | 月額費用 |
|---|---|---|---|
| 中小企業(50~300名) | ~500件 | Growth | 15万円 |
| 中堅企業(300~1,000名) | 500~2,000件 | Plus | 30万円 |
| 大企業(1,000名以上) | 2,000件以上 | Advanced | 48万円 |
| エンタープライズ | 5,000件以上 | Premium | 60万円以上 |
判断のポイント:
- Engagement Studioが必要か: 複雑なシナリオメールが必要ならPlus以上
- リード数: Growthは10,000件まで、Plusは50,000件まで、Advancedは無制限
- Sales Cloud連携の深度: クローズドループレポート(フル機能)が必要ならAdvanced以上
- サポート体制: 電話サポートが必要ならAdvanced以上
※料金は変更される可能性があるため、導入前に公式サイトで最新情報を確認してください。
導入事例と2024年の最新トレンド:AI機能・DKIM必須化の影響
(1) 導入事例①:IDCF社(メール開封率10%改善:20%→30%)
IDCFronter Cloud(IDCF社)は、Pardot導入によりメール開封率が約10%改善(20% → 30%)しました。
導入により、Engagement Studioでシナリオメール実装、セグメンテーションでターゲット絞り込み、レポート機能で効果可視化が実現しました。
(2) 導入事例②:コニカミノルタジャパン(商談創出3倍増)
コニカミノルタジャパンは、Pardot導入により商談創出が3倍増しました。
Sales Cloud連携でリードスコア可視化、クローズドループレポートで施策効果測定を実現し、商談創出が3倍増、営業生産性が向上しました。
(3) 2024年春の新機能:AI Assistant(フォーム・LP・メール自動生成)
2024年春(Spring '24リリース)には、AI Assistant機能が追加されました。
主な機能:
- テキスト入力(プロンプト)からフォーム、LP、メール本文を自動生成
- 「製造業向けホワイトペーパーのLPを作成」のような指示で、AIが自動的にコンテンツを生成
- 生成されたコンテンツは編集可能で、必要に応じてカスタマイズできる
AI Assistant機能により、フォーム・LP・メール作成の工数が大幅に削減されると言われています。
(4) 2024年夏の新機能:Lightning Email Builder改善・Operational Emails
2024年夏(Summer '24リリース)には、以下の新機能が追加されました:
Lightning Email Builder改善:
- ドラッグ&ドロップエディタがより使いやすく改善
- モジュール(ヘッダー、本文、フッターなど)の再利用が容易に
Operational Emails(トランザクションメール)送信対応:
- 注文確認、パスワードリセット、請求書送付などのトランザクションメールをEngagement Studioで送信可能に
- 長年要望されていた機能が実現
(5) DKIM認証必須化(2024年):Gmail/Yahooスパムフィルター対策
2024年より、DKIM認証が必須化されました。
DKIM認証とは:
- メール認証技術の一つ
- 送信者のドメインが正当であることを証明する
- Gmail/Yahooなどのメールプロバイダが、スパムフィルターの強化のために必須化
未設定の場合のリスク:
- メールが迷惑メールフォルダに振り分けられる
- メール配信自体ができなくなる可能性
対応方法:
- Pardotの管理画面でDKIM認証を設定(DNSレコードの追加が必要)
- 設定手順はSalesforce公式ドキュメントを参照
※DKIM認証の設定は必須です。未設定の場合はメール配信に支障が出る可能性があります。
(6) Data Cloud連携強化:Email Engagement情報共有
2024年には、Data Cloud連携が強化されました。
Data Cloudとは:
- Salesforceのデータ統合プラットフォーム
- 複数のシステム(CRM、MA、カスタマーサポートなど)のデータを統合し、360度の顧客ビューを実現
連携強化の内容:
- Prospect情報(リード情報)だけでなく、Email Engagement情報(メール開封・クリック履歴)もData Cloudで共有可能に
- マーケティング施策の効果をより詳細に分析できる
Data Cloud連携により、より高度な顧客分析とパーソナライゼーションが可能になると言われています。
まとめ:Pardot導入の判断基準とROI評価のポイント
Pardot(Marketing Cloud Account Engagement)は、BtoB商談型ビジネス向けのマーケティングオートメーションツールで、Sales Cloud連携が最大の強みです。料金は初期費用30万円+月額15万円~48万円で、企業規模・必要機能により選定します。
導入判断のポイント:
- Sales Cloudを既に導入している、または導入予定: Pardotが最も自然な選択肢
- BtoB商談型ビジネス: リードスコアリング、営業連携、クローズドループレポートが重要
- 月間リード数が500件以上: MAツールによる自動化の効果が期待できる
- 予算: 初期費用30万円+月額15万円~48万円を確保できる
ROI評価のポイント:
- メール開封率・クリック率: 10%程度の改善が期待できる(IDCF社の事例)
- 商談創出数: 3倍増などの成果が報告されている(コニカミノルタジャパンの事例)
- 営業生産性: リードスコアにより優先順位付けができ、営業の効率が向上
- 評価期間: 導入から6ヶ月~1年で効果を評価するのが一般的
次のアクション:
- Salesforce公式サイトで最新の料金・機能を確認する
- 無料デモ・トライアルを申し込み、実際の操作性を試す
- Sales Cloud導入済みの場合は、連携のメリットを詳しく確認する
- 導入実績のある企業の事例を参考にする
- DKIM認証の設定方法を事前に確認する(2024年より必須)
自社の企業規模・予算・必要機能に合ったプランを選び、マーケティングと営業の連携強化を実現しましょう。
