Salesforce Marketing Cloudとは?機能・料金・メリット・デメリットを解説

著者: B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部公開日: 2025/12/9

Salesforce Marketing Cloudという名前は聞くけれど、具体的にどのような製品か分からない...

「Salesforce Marketing Cloudを検討しているが、どのような機能があるのか分からない」「Account Engagement(旧Pardot)との違いは?」「料金はいくらか、費用対効果はどうなのか」——BtoB企業のマーケティング担当者やマーケティングマネージャーの多くが、このような課題を抱えています。

Salesforce Marketing Cloudは、Salesforceが提供するマーケティングオートメーション(MA)プラットフォームの総称で、BtoC向けとBtoB向けで製品が分かれています。製品構成が複雑なため、自社のニーズに合った製品を選定することが重要です。

この記事では、Salesforce Marketing Cloudの概要、製品構成と主要機能、導入のメリット・デメリット、料金体系、導入事例と2024年の最新動向を解説します。

この記事のポイント:

  • Marketing CloudはBtoC向け「Engagement」とBtoB向け「Account Engagement(旧Pardot)」に分かれる
  • 主要機能:マルチチャネル配信、Einstein AIパーソナライゼーション、Data Cloud連携、Sales Cloud/Service Cloud連携
  • メリット:統合マーケティング、AIによる自動化、Salesforceエコシステム活用
  • デメリット:高額な料金設定、製品選択の複雑さ
  • 2024年はMarketing Cloud Growth、Advanced Editionが新登場し、SMB/B2B向けの選択肢が拡充

1. Salesforce Marketing Cloudとは何か

Salesforce Marketing Cloudは、Salesforceが提供するマーケティングオートメーション(MA)プラットフォームの総称です。

(1) MAプラットフォームとしてのMarketing Cloud

マーケティングオートメーション(MA)とは、マーケティング活動を自動化するツール・手法です。リード獲得から育成、顧客エンゲージメントの向上までを効率化します。

Marketing Cloudの特徴:

  • メール、SMS、SNS、プッシュ通知など、マルチチャネルでの顧客接点を統合管理
  • Einstein AIによるパーソナライゼーションとレコメンデーション
  • Data Cloudと連携し、統一された顧客プロファイルを作成

(2) Salesforceエコシステムにおける位置づけ

Salesforce Marketing Cloudは、Salesforceエコシステムの一部として、他のSalesforce製品と連携します。

主な連携製品:

  • Sales Cloud: 営業支援システム(SFA/CRM)
  • Service Cloud: カスタマーサポート管理システム
  • Data Cloud: 顧客データプラットフォーム(CDP)

Marketing Cloud Connect: Sales CloudやService CloudとMarketing Cloudを連携させるコネクタです。これにより、マーケティングと営業・カスタマーサポートのデータを統合できます。

(3) BtoB向けとBtoC向けの違い

Marketing Cloudは、BtoC向けとBtoB向けで製品が分かれています(参考: Salesforce公式)。

BtoC向け: Marketing Cloud Engagement

  • メール・SMS・プッシュ通知などマルチチャネル配信が強み
  • 大規模な顧客ベースへのパーソナライズ配信に最適

BtoB向け: Marketing Cloud Account Engagement(旧Pardot)

  • リードスコアリング、リードナーチャリングに特化
  • Salesforce Sales Cloudとの深い連携が強み

2. Marketing Cloudの製品構成と主要機能

Marketing Cloudの製品構成と主要機能を詳しく見ていきます。

(1) Marketing Cloud Engagement(BtoC向け)

主な機能:

  • Email Studio: メール配信(A/Bテスト、セグメント配信)
  • Mobile Studio: SMS、プッシュ通知配信
  • Social Studio: SNS管理・配信
  • Journey Builder: カスタマージャーニーの設計・自動化
  • Advertising Studio: Facebook、Google広告との連携

向いている企業:

  • BtoC企業で大規模な顧客ベースを持つ企業
  • マルチチャネルでの顧客接点を統合管理したい企業

(2) Marketing Cloud Account Engagement(BtoB向け・旧Pardot)

主な機能:

  • リードスコアリング(見込み客の評価)
  • リードナーチャリング(見込み客の育成)
  • メール配信
  • ランディングページ・フォーム作成
  • Salesforce連携

向いている企業:

  • BtoB企業でリード獲得・育成に注力したい企業
  • Salesforce Sales Cloudを導入済み、またはこれから導入する企業

(3) Data CloudとEinstein AIの活用

Data Cloud: Salesforceの顧客データプラットフォーム(CDP)です。複数のデータソースを統合し、統一された顧客プロファイルを作成します。

Einstein AI: SalesforceのAIエンジンです。パーソナライゼーション、予測分析、レコメンデーションなどに活用されます。

活用例:

  • 顧客の過去の購買履歴をもとに、おすすめ商品をメールで自動配信
  • 購買可能性の高いリードを予測し、営業チームに優先的に引き渡す

(4) Sales Cloud/Service Cloudとの連携(Marketing Cloud Connect)

Marketing Cloud Connectを使うと、以下が実現できます:

  • Sales Cloudのリード・商談データとMarketing Cloudのキャンペーンデータを同期
  • Service Cloudのサポート履歴をもとに、パーソナライズされたメールを配信
  • マーケティング施策の成果を営業担当者と共有し、連携を強化

3. 導入のメリットとデメリット

Marketing Cloud導入のメリット・デメリットを整理します。

(1) メリット:マルチチャネル統合、AIパーソナライゼーション、Salesforce連携

メリット:

  • マルチチャネル統合: メール、SMS、SNS、広告などを一元管理できる
  • AIパーソナライゼーション: Einstein AIで顧客ごとに最適なコンテンツ・タイミングを自動提案
  • Salesforce連携: Sales Cloud/Service Cloudとのシームレスなデータ連携で、マーケティング〜営業〜サポートを統合
  • 豊富な導入実績: 世界中の大企業で導入されており、ベストプラクティスが蓄積されている

(2) デメリット:高額な料金設定、製品選択の複雑さ

デメリット:

  • 高額な料金設定: Salesforce製品の中では比較的価格設定が高額。詳細見積もりはSalesforceへ直接問い合わせが必要(参考: 電通総研
  • 製品選択の複雑さ: 製品構成が複雑で、どの製品を選ぶべきか判断が難しい場合がある
  • カスタマイズコスト: サブスクリプションモデルで、カスタマイズの環境構築や追加アドオンのコストも考慮が必要

(3) スモールスタートから段階的に機能拡張する方法

おすすめのアプローチ:

  • 最初は一部の機能に限定してスモールスタートする(例: Email Studioのみ)
  • 顧客規模が拡大してきたら、Journey Builder、Einstein AIなどの高度な機能を追加
  • Marketing Cloud Connectで、徐々にSales Cloud/Service Cloudと連携範囲を拡大

4. Marketing Cloudの料金体系

Marketing Cloudの料金体系は、機能やデータ量によって大きく異なります。

(1) 料金体系の概要(機能・データ量で変動)

Marketing Cloudの料金は、以下の要素で変動します:

  • 使用する機能(Email Studio、Journey Builderなど)
  • データ量(管理する顧客数、送信するメール数など)
  • カスタマイズの有無

公開価格はない: Marketing Cloudには公開価格がなく、詳細な見積もりはSalesforceへの直接問い合わせが必要です。

(2) サブスクリプションモデルとトータルコストの考え方

サブスクリプションモデル: Salesforceはサブスクリプションモデル(月額課金)を採用しています。

トータルコストに含まれるもの:

  • 月額サブスクリプション料金
  • 初期導入費用(カスタマイズ、データ移行など)
  • トレーニング費用
  • 追加アドオン(Einstein AI、Data Cloudなど)

(3) 見積もり取得の方法

Salesforceへの問い合わせ: 公式サイト(salesforce.com/jp)から問い合わせフォームで見積もりを依頼できます。

Salesforceパートナー経由: Salesforce認定パートナー経由でも見積もり・導入支援を受けられます。

5. 導入事例と2024年の最新動向

Marketing Cloudの導入事例と2024年の最新動向を紹介します。

(1) 導入事例:アダストリア(EC売上5%以上をMarketing Cloud経由で獲得)

アパレル企業アダストリアは、ECサイト[.st]にMarketing Cloudを導入し、以下の成果を達成しました(参考: Uhuru):

成果:

  • EC売上の5%以上をMarketing Cloud経由で獲得
  • パーソナライズされたメール配信で、顧客エンゲージメントが向上
  • カート落ち(カゴ落ち)リカバリー施策で、購入率が改善

(2) 2024年新製品:Marketing Cloud Growth、Advanced Edition

Marketing Cloud Growth: 2024年にリリースされた新製品です。Salesforceのコアプラットフォームにネイティブに構築され、Data Cloudからデータにアクセス可能です(参考: Merkle)。

Marketing Cloud Advanced Edition: Dreamforce '24で発表されました。SMB/B2B向けのGrowthの上位版で、Path Experiment、Unified Conversations with SMSなどの機能を搭載しています(参考: Salesforce Ben)。

(3) Einstein AIとData Cloudのトレンド

2024年のトレンドは、Einstein AIによるパーソナライゼーションとCDP(Customer Data Platform)/Data Cloudの活用です。

トレンド:

  • 顧客の購買履歴やウェブ行動を分析し、パーソナライズされたコンテンツを提供
  • Data Cloudで複数のデータソースを統合し、統一された顧客プロファイルを作成

6. まとめ:Marketing Cloud導入の判断基準

Salesforce Marketing Cloudの概要、製品構成、メリット・デメリット、料金体系、導入事例と2024年の最新動向を解説しました。

Marketing Cloud導入が向いている企業:

  • 中堅〜大企業で大規模なマーケティング施策を行う企業
  • 既にSalesforce(Sales Cloud/Service Cloud)を導入している企業
  • マルチチャネルでの顧客接点が多い企業
  • AIパーソナライゼーションで顧客エンゲージメントを向上させたい企業

次のアクション:

  • 自社のターゲット層や使用チャネル、アプローチ方法を整理する
  • BtoB向けかBtoC向けかを明確にし、適切な製品(EngagementかAccount Engagementか)を選定する
  • Salesforce公式サイト(salesforce.com/jp)で最新の製品情報を確認し、見積もりを依頼する
  • スモールスタートから段階的に機能拡張する計画を立てる

Marketing Cloudの機能を正しく理解し、自社に最適なMAツールを選定して、マーケティングを成功させましょう。

※この記事は2024年11月時点の情報です。料金や機能は変更される可能性があるため、最新の情報は公式サイト(salesforce.com/jp)でご確認ください。

よくある質問

Q1Marketing CloudとAccount Engagement(旧Pardot)の違いは何ですか?

A1Marketing Cloud Engagementはメール・SMS等のマルチチャネル配信に強いBtoC向けの製品で、大規模な顧客ベースへのパーソナライズ配信に最適です。一方、Account Engagementはリードスコアリングやナーチャリングに特化したBtoB向けの製品で、Salesforce Sales Cloudとの深い連携が強みです。自社のターゲット層(BtoB/BtoC)に応じて選定しましょう。

Q2Marketing Cloudの料金はいくらですか?

A2Marketing Cloudの料金は、使用する機能(Email Studio、Journey Builderなど)、データ量(管理する顧客数、送信するメール数など)、カスタマイズの有無によって大きく異なり、公開価格はありません。詳細な見積もりはSalesforce公式サイト(salesforce.com/jp)から問い合わせが必要です。サブスクリプションモデルで、カスタマイズや追加アドオンのコストも考慮しましょう。

Q3Marketing Cloudはどのような企業に向いていますか?

A3中堅〜大企業で大規模なマーケティング施策を行う企業、既にSalesforce(Sales Cloud/Service Cloud)を導入している企業、マルチチャネルでの顧客接点が多い企業に向いています。Einstein AIによるパーソナライゼーションで顧客エンゲージメントを向上させたい企業にも最適です。最初は一部の機能に限定してスモールスタートし、段階的に機能拡張するアプローチも有効です。

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B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部

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