Salesforce Marketing Cloud比較|Account Engagement・HubSpot・Marketoとの違い

著者: B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部公開日: 2025/12/5

SalesforceのMAツールを導入したいけれど、どの製品を選べばいいか分からない...

B2B企業のマーケティング担当者の多くが、「SalesforceのMA(マーケティングオートメーション)機能を導入したいが、Marketing CloudとAccount Engagementの違いが分からない」「料金はどれくらいかかるのか」「他のMAツールと比較してどうなのか」といった疑問を抱えています。

この記事では、SalesforceのMA製品の特徴、CRM連携のメリット、料金体系、他のMAツール(HubSpot、Marketo等)との比較を公平に解説します。B2B企業の実務担当者が自社に適したMA選択を判断できるよう、実用的な情報をお届けします。

この記事のポイント:

  • SalesforceのMA製品は「Marketing Cloud」と「Account Engagement(旧Pardot)」の2つがあり、ビジネスモデルと規模に応じて選択する
  • Account EngagementはB2B向けに特化、Marketing CloudはBtoC含む広範なマーケティングプラットフォーム
  • Sales CloudとのCRM連携により、マーケティングと営業の効率的な連携が可能
  • 料金は見積もりベースで、導入前に要件(目的、規模、既存システム連携)を明確にすることが重要
  • 他のMAツール(HubSpot、Marketo等)と比較検討し、自社に適した選択を行うことが推奨される

1. SalesforceのMA(マーケティングオートメーション)機能とは

マーケティングオートメーション(MA)は、リード獲得・育成・選別を自動化し、マーケティング活動を効率化するツールです。SalesforceはCRM(顧客情報管理・営業支援)で広く知られていますが、MA機能も提供しています。

(1) MAツールの基本機能(メール配信、スコアリング、キャンペーン管理)

MAツールの主な機能には以下があります:

基本機能:

  • メール配信自動化: 見込み客の行動(Webサイト訪問、資料ダウンロード等)に応じた自動メール配信
  • リードスコアリング: 見込み客の関心度や購入可能性を数値化し、優先順位をつける機能
  • キャンペーン管理: 複数のマーケティング施策を統合管理
  • Webサイト訪問履歴分析: どのページを閲覧したか、どのコンテンツに関心があるかを追跡
  • ランディングページ作成: 独自のランディングページを簡単に作成
  • 動的フォーム: 訪問者の属性に応じてフォーム項目を変更

これらの機能により、マーケティング担当者は見込み客の育成(リードナーチャリング)を効率的に行えます。

(2) SalesforceのMA製品群の全体像

Salesforceは複数のMA関連製品を提供しており、主に以下の2つの製品群があります:

1. Marketing Cloud Engagement

  • BtoC、BtoB両方に対応する広範なマーケティングプラットフォーム
  • Email Studio、Mobile Studio、Social Studio等の複数モジュールから構成

2. Marketing Cloud Account Engagement(旧Pardot)

  • B2B向けに特化したMAツール
  • 2022年4月に「Pardot」から「Account Engagement」に名称変更
  • リードスコアリング、リードナーチャリング、Sales Cloud連携に強み

この製品体系の複雑さが、導入検討時の混乱の原因となっています。自社のビジネスモデル(BtoB or BtoC)と規模に応じて適切な製品を選択することが重要です。

2. Salesforceが提供する2つのMA製品:Marketing CloudとAccount Engagement

(1) Marketing Cloud Engagementの特徴と適用シーン

Marketing Cloud Engagementは、より広範なマーケティングプラットフォームです。

主な特徴:

  • マルチチャネル対応: Email、Mobile、Social、Web、広告など複数チャネルを統合管理
  • パーソナライゼーション: 顧客データを活用した高度なパーソナライズドマーケティング
  • BtoC向け機能: 大量の顧客データを扱うBtoC企業に適した機能

適用シーン:

  • 大規模なBtoC企業(小売、金融、旅行等)
  • マルチチャネルマーケティングを展開する企業
  • 高度なパーソナライゼーションが必要な企業

導入事例: オンワードパーソナルスタイルでは、顧客データを一元化し、パーソナライズドマーケティングを実現しています。

(2) Marketing Cloud Account Engagement(旧Pardot)の特徴とB2B向け機能

Account Engagementは、B2B向けに特化したMAツールです。

主な特徴:

  • B2B特化: リードスコアリング、リードナーチャリングに強み
  • Sales Cloud連携: 営業チームとマーケティングチームのシームレスな連携
  • リード管理: 企業情報と担当者情報を紐付けた管理

適用シーン:

  • B2B企業(製造業、IT、コンサルティング等)
  • 営業プロセスが長く、リード育成が重要な企業
  • 既にSales Cloudを導入済みの企業

導入事例: プログリットでは、法人向けサービスでSalesforceを戦略基盤として活用しています。

(3) 2つの製品の違いと選び方

項目 Marketing Cloud Engagement Account Engagement(旧Pardot)
対象 BtoC、BtoB両方 B2B特化
主要機能 マルチチャネル、パーソナライゼーション リードスコアリング、リードナーチャリング
適した企業規模 大企業 中堅〜大企業
価格帯 見積もりベース(高額) 見積もりベース(中〜高額)
学習コスト 高い(複雑) 中程度

選定基準:

  • BtoB企業: Account Engagementを検討
  • BtoC企業: Marketing Cloud Engagementを検討
  • 既にSales Cloudを導入済み: Account Engagementの連携メリットが大きい
  • マルチチャネル展開が必要: Marketing Cloud Engagementを検討

3. SalesforceのMA機能の特徴とCRM連携のメリット

(1) Sales Cloudとのシームレスなデータ連携

SalesforceのMA製品の最大の強みは、Sales Cloud(CRM)とのシームレスなデータ連携です。

連携のメリット:

  • データ同期: マーケティングで獲得したリード情報が営業チームにリアルタイムで共有される
  • スコアリング連携: リードスコアが高い見込み客を営業チームが優先的にフォロー
  • 活動履歴の統合: Webサイト訪問履歴、メール開封履歴が営業活動と統合

(2) マーケティングと営業の効率的な連携体制

CRM連携により、マーケティングと営業の連携が強化されます。

連携のメリット:

  • ホットリードの見逃し防止: スコアが一定値を超えたリードを営業に自動通知
  • 営業活動の可視化: 営業担当者がどのリードにアプローチしたかをマーケティングチームも把握
  • ROIの測定: マーケティング施策から商談化、受注までの一連の流れを追跡

(3) 主要な活用シーン(リード育成、スコアリング、キャンペーン管理)

リード育成(リードナーチャリング):

  • 資料ダウンロード後、定期的に関連コンテンツをメール配信
  • Webサイトの訪問ページに応じたフォローアップメール

リードスコアリング:

  • Webサイト訪問回数、閲覧ページ、メール開封率等から関心度を数値化
  • スコアが80点以上のリードを営業に自動通知

キャンペーン管理:

  • ウェビナー参加者へのフォローアップ自動化
  • 展示会で獲得したリードの一括管理と育成

(4) 導入事例(オンワードパーソナルスタイル、プログリット等)

オンワードパーソナルスタイル:

  • 顧客データを一元化し、パーソナライズドマーケティングを実現
  • 顧客の嗜好に応じた商品提案で購買率向上

プログリット:

  • 法人向けサービスでSalesforceを戦略基盤として活用
  • マーケティングと営業の連携強化でリード獲得効率化

※導入事例は企業規模・業種・既存システムにより結果が異なります。自社の状況に応じた検討が必要です。

4. Marketing Cloudの料金体系と導入時の考慮点

(1) 見積もりベースの料金体系と予算の考え方

Marketing Cloudの料金は、固定料金ではなく見積もりベースです。

料金に影響する要素:

  • 必要な機能: どのモジュールを導入するか(Email Studio、Mobile Studio等)
  • 規模: コンタクト数(管理する見込み客数)、送信メール数
  • 既存システム連携: Sales Cloud以外のシステムとの連携有無

予算の考え方:

  • 中小企業: 月額数十万円〜
  • 中堅企業: 月額数十万円〜数百万円
  • 大企業: 月額数百万円〜

※最新の料金は公式サイトで確認してください。(この記事は2025年1月時点の情報です)

(2) 導入前に明確にすべき要件(機能、規模、既存システム連携)

導入前に以下の要件を明確にすることが重要です:

1. 導入目的の明確化:

  • リード獲得数を増やしたい
  • リード育成の効率化
  • 営業との連携強化

2. 必要な機能の特定:

  • メール配信だけで十分か、マルチチャネルが必要か
  • リードスコアリングが必要か
  • 高度なパーソナライゼーションが必要か

3. 規模の把握:

  • 管理する見込み客数(コンタクト数)
  • 月間送信メール数

4. 既存システムとの連携:

  • Sales Cloudを既に導入しているか
  • 他のCRM、SFAとの連携が必要か

これらを明確にしないと、予算が膨らみ、導入後も使いこなせないリスクがあります。

(3) 学習コストと運用体制の構築

Marketing Cloudは高機能ですが、学習コストも高いと言われています。

学習コストの考慮点:

  • 専任担当者の配置: 最低1-2名の専任担当者が推奨される
  • トレーニング: Salesforceの公式トレーニング受講(有料)
  • 導入支援: パートナー企業による導入支援(別途費用)

運用体制の構築:

  • マーケティングチーム内でMA運用担当を明確化
  • 営業チームとの連携ルールを事前に策定
  • 定期的な効果測定とPDCAサイクルの確立

導入後に「使いこなせない」「投資対効果が低い」という失敗を避けるため、運用体制の構築を事前に計画することが重要です。

5. 他のMAツール(HubSpot、Marketo等)との比較と選定基準

(1) 主要MAツールとの機能比較

SalesforceのMA製品を他の主要MAツールと比較します。

ツール 対象 主な強み 料金帯 学習コスト
Salesforce Account Engagement B2B Sales Cloud連携、リードスコアリング 見積もり(中〜高) 中程度
Salesforce Marketing Cloud BtoC、BtoB マルチチャネル、パーソナライゼーション 見積もり(高) 高い
HubSpot 中小企業、BtoB 使いやすさ、無料プランあり 無料〜月額数十万円 低い
Marketo 大企業、BtoB 高度なリード管理、ABM機能 見積もり(高) 高い
SATORI 国内企業 日本語サポート、匿名リード追跡 月額10〜30万円 低〜中程度

※各社の最新料金・機能は公式サイトで確認してください。

(2) 企業規模・予算・導入目的別の選定基準

小規模企業(従業員50人未満、予算月額5万円以下):

  • HubSpot無料プラン: まずは無料で試したい企業
  • メリット: 無料で基本機能を利用可能
  • デメリット: 機能制限あり、有料プラン移行で高額化

中堅企業(従業員50〜500人、予算月額10〜50万円):

  • HubSpot有料プラン: 使いやすさ重視
  • SATORI: 日本語サポート重視、匿名リード追跡が必要
  • Account Engagement: 既にSales Cloudを導入済み
  • メリット: 中堅企業に適した機能と価格帯
  • デメリット: ツールにより得意分野が異なる

大企業(従業員500人以上、予算月額50万円以上):

  • Marketo: 高度なリード管理、ABM機能が必要
  • Marketing Cloud: マルチチャネル、大規模BtoC
  • Account Engagement: B2B特化、Sales Cloud連携
  • メリット: 高機能で大規模運用に対応
  • デメリット: 学習コスト・導入コストが高い

(3) CRM連携の重要性と既存システムとの相性

CRM連携の重要性: MA導入で最も重要なのは、CRM(営業支援システム)との連携です。MAで獲得・育成したリードを営業チームがスムーズにフォローできる体制が必要です。

既存システムとの相性:

  • 既にSales Cloudを導入済み: Account Engagementの連携メリットが大きい
  • HubSpot CRMを利用中: HubSpot MAの連携がスムーズ
  • 他のCRMを利用中: 各MAツールのAPI連携機能を確認

選定時の注意点:

  • MAツール単体の機能だけでなく、既存システムとの連携のしやすさも重視
  • 複数ベンダーのデモを受け、実際の操作性と連携方法を確認
  • 無料トライアルで実際に試してから導入を決定

6. まとめ:自社に合ったMA選択のポイント

SalesforceのMA製品は、Marketing CloudとAccount Engagementの2つがあり、ビジネスモデル(BtoB or BtoC)と企業規模に応じて選択することが重要です。

選定のポイント:

  • BtoB企業でSales Cloud導入済み: Account Engagementが有力候補
  • BtoC企業でマルチチャネル展開: Marketing Cloud Engagementが有力候補
  • 中小企業で予算重視: HubSpot、SATORIも比較検討
  • 大企業で高度な機能が必要: Marketo、Marketing Cloudを比較検討

次のアクション:

  • 自社の導入目的、必要な機能、予算、既存システムを整理する
  • 複数のMAツール(Salesforce、HubSpot、Marketo、SATORI等)の公式サイトで詳細を確認する
  • 各ベンダーにデモを依頼し、実際の操作性と連携方法を確認する
  • 無料トライアル(可能なツール)で実際に試す
  • 導入実績のある企業の事例を参考にする

自社に合ったMAツールを選択し、マーケティング活動の効率化とリード獲得の最大化を目指しましょう。

※ツールの料金・機能は変更される可能性があります。導入検討時は必ず公式サイトで最新情報を確認してください。(この記事は2025年1月時点の情報です)

よくある質問

Q1SalesforceとPardot(Account Engagement)の違いは?

A1SalesforceはCRM(顧客情報管理・営業支援)、Pardot(現Account Engagement)はB2B向けMAツール(マーケティング自動化)で役割が異なります。両者を連携させることで、マーケティングで獲得・育成したリードを営業チームがスムーズにフォローでき、効率的な連携が可能になります。

Q2Marketing CloudとAccount Engagementはどう違う?

A2Account EngagementはB2B向けに特化したMA機能(リードスコアリング、リードナーチャリング)を提供します。Marketing Cloudはより広範なマーケティングプラットフォームで、BtoC向けも含む多様な製品群(Email Studio、Mobile Studio等)から構成されます。自社のビジネスモデル(BtoB or BtoC)と規模に応じて選択してください。

Q3Salesforce MAの料金はどれくらい?

A3Marketing CloudもAccount Engagementも固定料金ではなく、必要機能や規模に応じた見積もりベースです。中小企業で月額数十万円〜、中堅企業で月額数十万円〜数百万円、大企業で月額数百万円〜が目安です。導入前に要件(目的、規模、既存システム連携)を明確にし、複数ベンダーと比較検討することが推奨されます。最新の料金は公式サイトで確認してください。

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B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部

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